152 / 172
第10章「沈黙の祭り」
第10章「沈黙の祭り」その15
しおりを挟む僕は西山の手からその鍵をもらった。
ゲームに出てくるような西洋風の形をしている。
「これは何の鍵だろう?」
「さぁ、わからない」
違和感を覚えた。
この鍵をどこかで見たような記憶があるような気がした。
どこだろう?いつだったかな?
ダメだ、思い出せない。
とりあえずそのままポケットにしまうことにした。
「でも、悩みを解決するって不思議だね」
西山は顎に手をあてて、怪訝そうにしている。
「どういうこと?」
「実は私の悩みは解決したわけじゃないの」
「えっ」
そりゃ、僕の言葉だけで解決したとは思えないけど、ちょっと傷ついた。
「ごめんっ、別に羽塚くんの力不足ってわけじゃないよ。
実際、羽塚くんのおかげで何かが変わったのか確かなの」
さすが西山は僕のフォローを忘れない。
「ただ悩み部屋に出る条件が、
悩みを解決することっていうのはちょっと不思議に感じちゃうなぁ」
確かに西山の言うとおりだ。
僕は摩訶不思議な現象が起きたことに頭で理解するのに精一杯で、
悩み部屋のルールなんて気にも留めていなかった。
でも、それはとても危険なことで、この先も順調よく悩み部屋から出られるとは限らない。
今回の鍵だってそうだ。
平木の時は僕ら以外の第三者はいなかったし、何かをもらうという行為もない。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる