落ち込み少女

淡女

文字の大きさ
上 下
126 / 172
第9章「集わぬ参加者」

第9章「集わぬ参加者」その4

しおりを挟む





「みんなの知っているとおり、本番にむけて、後はリハーサルと準備だけなの。

それでリハーサルは明日の授業時間を使ってやるから問題ないの。

でも、実は準備が…教師、学級委員、体育委員でやる予定だったんだけど、

思ったよりも作業が難航して、ちょっと間に合いそうにないの」


何だか嫌な予感がする。

「そこで、学級委員会の話し合いで、

一年の一つのクラスが手伝いをすることが決まったの」


心にしこりができている。

いや、まだ信じよう。

僕の直感は当たらないはずだ。


「…で、言いづらいだけど、そのクラスがうちの三組になったの」

しーんとなった。

みんな、黙って聞いていたが、西山の最後の台詞の後、

しーんと教室の空気が無表情になったようだ。

おそらく、パニック状態で状況を理解していないのだろう。


もう数秒後に、数多の怒号が西山と新田に飛び交い、

教室の空気が怒りの表情を露わにするだろうな。

西山、君は誰であっても寛大で寛容だが、人が怒るポイントをわかっていない。

平民は自由を奪われることを最も嫌うのだ。

それに抗えば、僕たちは怒りという名の蜂起を起こす。

そう、フランスのテニスコートの誓いのように。


「まぁ、しょうがないな」

「それっていつやるの?」

「できれば、私は放課後がいいな、朝弱いし」

ワーワー、ワーワ―、ワ―ワ―…。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

神様のボートの上で

shiori
ライト文芸
”私の身体をあなたに託しました。あなたの思うように好きに生きてください” (紹介文)  男子生徒から女生徒に入れ替わった男と、女生徒から猫に入れ替わった二人が中心に繰り広げるちょっと刺激的なサスペンス&ラブロマンス!  (あらすじ)  ごく平凡な男子学生である新島俊貴はとある昼休みに女子生徒とぶつかって身体が入れ替わってしまう  ぶつかった女子生徒、進藤ちづるに入れ替わってしまった新島俊貴は夢にまで見た女性の身体になり替わりつつも、次々と事件に巻き込まれていく  進藤ちづるの親友である”佐伯裕子”  クラス委員長の”山口未明”  クラスメイトであり新聞部に所属する”秋葉士郎”  自分の正体を隠しながら進藤ちづるに成り代わって彼らと慌ただしい日々を過ごしていく新島俊貴は本当の自分の机に進藤ちづるからと思われるメッセージを発見する。    そこには”私の身体をあなたに託しました。どうかあなたの思うように好きに生きてください”と書かれていた ”この入れ替わりは彼女が自発的に行ったこと?” ”だとすればその目的とは一体何なのか?”  多くの謎に頭を悩ませる新島俊貴の元に一匹の猫がやってくる、言葉をしゃべる摩訶不思議な猫、その正体はなんと自分と入れ替わったはずの進藤ちづるだった

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

何でもない日の、謎な日常

伊東 丘多
ライト文芸
高校のミステリー研究会の日常の話です。 どちらかと言うと日常の、たわいのない話をミステリーっぽく雑談してます。 のほほんとした塾講師を中心に、様々な出来事がおこっていく、さわやか青春ストーリーだと、思います。(弱気) ホラー要素や、ミステリー要素は無いので、ジャンルを変えてみました。

処理中です...