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第7章「移りゆく時期」
第7章「移りゆく時期」その14
しおりを挟むまったく、神様は僕にとんでもないことばかり与える。
悩み部屋は平木だけものじゃないらしい。
しかも、電車は部屋じゃない。
ともかく突っ込みたいが、平木の時と同じなら、助っ人や神様的な奴も
現れてはくれないだろうなぁ。
しかも、しんどいことに西山は原因が自分にあることを知らない。
これはとても重要なことだ。
平木は自分が原因であることを知っていたし、自ら悩みを語ってくれた。
それに比べ、西山は悩み部屋の存在を知らないし、
その上、自分の本音を隠すタイプの人間だ。
これじゃ、信じられる可能性も低いし、仮に信じてくれたとしても、
果たして悩みを打ち明けてくれるかどうかはわからない。
けど、安易に西山が作り出した悩み部屋と決めつけるのは浅はかかもしれない。
僕の悩みである可能性も十分にある。
それかこれは悩み部屋なんかじゃなく、別の異常現象なのか。
ともかくここが異常な空間と時間とあることがわかった以上、
脱出することが最優先だ。
とはいっても、この状況でここから脱出するには、
窓ガラスを壊すくらいしか思い浮かばないが、その手段が思い浮かばない。
とりあえず、情報が必要だ。
「何かなかなか着かないみたいだし、前の車両に行ってみない?」
不自然さのない納得のいく説明をしたつもりだ。
「うん」
不安が顔に描いているようくらいに不安なのがわかる。
そりゃそうだよな。
僕だって、二か月前に屋上から飛び降りてなかったら、
西山の前でも豪快にちびっていたかもしれない。
危険は次の危険に出会ったときに役立つことがわかった。
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