落ち込み少女

淡女

文字の大きさ
上 下
42 / 172
第3章「僕たち私たち」

第3章「僕たち私たち」その9

しおりを挟む




まぁ、クラスメイトといえ、一昨日会った奴に

自分の悩みを知られたことはあまり気持ちのいいものではないはずだ。

平木は使い古されていない綺麗な鞄からを本を取りだし、読書を始めた。

カバーを付けていて、どんな内容の本かは分からないが、

本の厚みから見て、僕がそれを理解するにはもう少し教養と知性が必要であろう。

その時、僕はふと思った。

難しい問題を抱えている人は、難しいことを好むなのではないか、と。

いや、難しいことを好むからこそ、難しい問題に直面するのか。


どっちにしろ、難しいことが必ずしも素晴らしいことではないと

この3日間で痛感した。


僕はホームルームまで残り10分近くあるこの時間を潰す方法が分からなかった。

しかし、現実ってのは厳しいものだ。

都合の悪い不都合がはびこりすぎている。

このままこの沈黙を頑なに守り続けることはすこし気に食わなかった僕は、

読書に集中している平木に声をかけようとした。


「あの…」

僕の勇気が震えながら頑張っていた、その時、

「はい、ホームルーム始めるぞ~」

「起立、礼、着席」

これはもはやギャグ小説なのか、と疑いたくなるような絶妙なタイミングだった。

結局、僕の世界は昨日を境に変わることは一切なく、


どこといって特徴のない毎日が始まった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話

赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)

我慢できないっ

滴石雫
大衆娯楽
我慢できないショートなお話

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

チェイサーキャットは夜に嗤う

ふらっぐ
ライト文芸
『ヴィクティム因子』と呼ばれる因子により荒廃した未来の地球。 そこで何でも屋として生きる少女、セトミ・フリーダムは、不思議な雰囲気を持った幼女を保護する。しかしそれは、果て無き戦いへとセトミを導く序曲に過ぎなかった。

廻道めぐるは決まった道しか散歩しない

卯月春吉
ライト文芸
廻道めぐる(まわりみち めぐる)は昔から代わり者の少女だった。 人と戯れるのが苦手でいつも帰り道を寄り道しながら散歩をするのが日課としていている。 趣味はアニメ鑑賞と散歩という極端なものであり、たまに遠出をするほのぼのとした日常かつ、シリアスな物語。

処理中です...