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第1章「平木尊」
第1章「平木尊」その19
しおりを挟むしかし、その時重大なことに気づいた。
今どき学校の屋上って開いていないんじゃないのか?
もしかしたら平木は僕に悪の共犯者にでもさせたいのではないか?
訳のわからない想像ばかりが
僕の脳のあちらこちらに飛び回っている。
それも悪い方向に。
でも分かって欲しい。
昨日あれだけ酷い仕打ちを受けたんだ。
僕が彼女を疑うことをはごく普通であたりまえでありきたりなことなんだ。
僕は真偽を確かめるため、
先輩との繋がりが強いことで有名な片倉ってクラスメイトに話を聞きにいった。
「あのさぁ、片倉。ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ。
ここの校舎の屋上って入れたっけ?」
他の友だちとだべっていた片倉は一瞬戸惑いながらも、
8の字の眉毛を触りながら思い出したかのように、
「確か無理だったはずだぜ。俺もよくわからないけど、
噂じゃ二個上の先輩が自殺したっていう理由で、
屋上閉鎖になったと聞いたぜ。」
「そっか。ありがとう」
「何だ、自殺でもするのか。」
「ちげーよ、バカ。」
冗談にしてもタチが悪い。
でも今思うと、この発言はある意味、的を得ていたのかもしれない。
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