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「ホントはお兄さんの事大好きなんだね」
事が終わって白衣を着ながら、ベッドに横たわり朦朧としている涼介を見る。
「その感情も、だんだん消えていくよ涼介くん。そうしたら苦しみから解放される」
意図的に記憶障害を起こすのは普通なら犯罪だが、厄介者をここに置き去りにしていく関係者が訴訟を起こす可能性は低い。
「まだ病状は落ち着いていません」という医師の言葉は絶対だ。
倫理観を捨てて医師がその気になれば人間を生かすも殺すも自由に出来る。
「涼介は山中先生が好き」
投薬に切り替えて、涼介の意識がぼんやりしているときに同じ言葉を繰り返し聞かせる。
ゆっくり腰を動かして涼介を焦らしながら何度も呟く。
「あ…ぁぁ……」
涼介からは甘ったるい声しか出てこない。
電気刺激で消えてしまった記憶に新しく覚え込ませるのは山中への好意。
「涼介は山中先生が好き」
「りょうす…け…は…山中せんせ…いが好き……」
「山中先生が好き」
聞こえてくる低い声が涼介の心に染みていく。
僕は湊と一緒に仕事して。
それからどうなったんだっけ。
…湊ってだれ?
「うっ…、ん…」
突かれるたびに少しずつ何かが消えていく感じがする。
何度も同じ言葉が聞こえて、その度に快感が身体を貫く。
湊じゃない。誰?
湊って誰?
だれって、誰。
「山中せんせ…いが…好き……」
聞こえるたび、言う度、気持ちがいい。
「ああんっ…!や…ぁ…っ…あ…!」
不意に勃起し自分のそれを掴まれて刺激されて、涼介は声をあげた。
「…あ…あ…そこ……」
混濁した意識下で、山中への好意と快感が紐付けられた。
「せんせ…」
力の入らない足を開いたまま山中に突き上げられるたび、嬌声を部屋中に響かせる。
薄暗い病室で、わずかな光に浮かび上がる涼介の妖艶な表情に山中も夢中になり、動きも早くなった。
兄の湊に操られてかわいそうにと同情していた心も今はない。
それ以上に、征服欲が満たされていくのを感じる。
まわりに全身から色気をふりまく涼介のフェロモンに山中もやられてしまったのかもしれない。
「…あ…ぅ…、ん……せんせ………」
涼介の腕がすべって白いシーツに波を作る。
それだけでも山中を興奮させた。
直近の記憶はもうおぼえていないと思われる。
どこまで覚えているのか。
多分こどもの頃あたりの記憶は残っているはずなので、日常生活に支障はないはず。
涼介を悩ませていた篠宮湊。
大人になってからの事は記憶から消えているはず。
明日涼介が目を覚ましたら確認してみよう。
それまでは遊んでいる。
「先生のこと好き?」
「好き…湊…、みな…と……すき…」
山中に腕を伸ばしながら山中は予想外の言葉を聞いた。
「そんな奴いない!」
「やっ…ああ…!はげし…湊…!…」
嫌な予感がする。
怒りにまかせて山中は涼介を処置室に運んだ。
麻酔もそこそこに、涼介の頭部に電極をつけていく。
「ああ!!や…やめ…っ!」
びくびく痙攣して悲鳴をあげる涼介を冷たい目で見下ろしながら山中はさらに電圧を上げた。
「……」
痙攣が止まり、涙を流す涼介を見ても、山中は電源を切らなかった。
事が終わって白衣を着ながら、ベッドに横たわり朦朧としている涼介を見る。
「その感情も、だんだん消えていくよ涼介くん。そうしたら苦しみから解放される」
意図的に記憶障害を起こすのは普通なら犯罪だが、厄介者をここに置き去りにしていく関係者が訴訟を起こす可能性は低い。
「まだ病状は落ち着いていません」という医師の言葉は絶対だ。
倫理観を捨てて医師がその気になれば人間を生かすも殺すも自由に出来る。
「涼介は山中先生が好き」
投薬に切り替えて、涼介の意識がぼんやりしているときに同じ言葉を繰り返し聞かせる。
ゆっくり腰を動かして涼介を焦らしながら何度も呟く。
「あ…ぁぁ……」
涼介からは甘ったるい声しか出てこない。
電気刺激で消えてしまった記憶に新しく覚え込ませるのは山中への好意。
「涼介は山中先生が好き」
「りょうす…け…は…山中せんせ…いが好き……」
「山中先生が好き」
聞こえてくる低い声が涼介の心に染みていく。
僕は湊と一緒に仕事して。
それからどうなったんだっけ。
…湊ってだれ?
「うっ…、ん…」
突かれるたびに少しずつ何かが消えていく感じがする。
何度も同じ言葉が聞こえて、その度に快感が身体を貫く。
湊じゃない。誰?
湊って誰?
だれって、誰。
「山中せんせ…いが…好き……」
聞こえるたび、言う度、気持ちがいい。
「ああんっ…!や…ぁ…っ…あ…!」
不意に勃起し自分のそれを掴まれて刺激されて、涼介は声をあげた。
「…あ…あ…そこ……」
混濁した意識下で、山中への好意と快感が紐付けられた。
「せんせ…」
力の入らない足を開いたまま山中に突き上げられるたび、嬌声を部屋中に響かせる。
薄暗い病室で、わずかな光に浮かび上がる涼介の妖艶な表情に山中も夢中になり、動きも早くなった。
兄の湊に操られてかわいそうにと同情していた心も今はない。
それ以上に、征服欲が満たされていくのを感じる。
まわりに全身から色気をふりまく涼介のフェロモンに山中もやられてしまったのかもしれない。
「…あ…ぅ…、ん……せんせ………」
涼介の腕がすべって白いシーツに波を作る。
それだけでも山中を興奮させた。
直近の記憶はもうおぼえていないと思われる。
どこまで覚えているのか。
多分こどもの頃あたりの記憶は残っているはずなので、日常生活に支障はないはず。
涼介を悩ませていた篠宮湊。
大人になってからの事は記憶から消えているはず。
明日涼介が目を覚ましたら確認してみよう。
それまでは遊んでいる。
「先生のこと好き?」
「好き…湊…、みな…と……すき…」
山中に腕を伸ばしながら山中は予想外の言葉を聞いた。
「そんな奴いない!」
「やっ…ああ…!はげし…湊…!…」
嫌な予感がする。
怒りにまかせて山中は涼介を処置室に運んだ。
麻酔もそこそこに、涼介の頭部に電極をつけていく。
「ああ!!や…やめ…っ!」
びくびく痙攣して悲鳴をあげる涼介を冷たい目で見下ろしながら山中はさらに電圧を上げた。
「……」
痙攣が止まり、涙を流す涼介を見ても、山中は電源を切らなかった。
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