同性愛男性専用デリヘルRAKUSA

希京

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悲恋

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プライベート用のスマホが鳴る。

声をあげている一朗の口を手で塞いで通話にした。

『今日空いてる~?』
軽快な樹の声が聞こえる。

「あー、3人動いてるんだわ。遅くでもいいなら時間あるけど、ちょっとわからない」

「ん…ふ…‥」

一朗は押さえつけられたまま動けない。

「信司くんどうかな。今日はバーに出勤してると思うけど直接交渉する?」

『直也に会いたいのにつれないな。今日誰が動いてんの?送り引き受けるけど?』

「俺が今仕事中なんだ」

一朗から手を離して激しく突く。

「…ああ‥ぁ‥!‥や‥‥」

車内に嬌声が響き、スマホの向こう側にいる樹にも聞こえる。

『…お前そんな時に電話出なくていいよ』
そういって通話が切れた。
運転席に放り投げて、仕事用のスマホを手に取って南とロウの様子を交互に確認する。

特に問題なさそうなので一朗に目を向けると悲しそうな顔をしていた。

「受付もひとりでやってんだから仕方ないだろ」

そう言って行為を続ける。

「…もういい」

「お客様を満足させるのが俺の仕事。まだこれからだろう?」

そう言って一朗の後ろの穴を自身で抜き差ししていると今度は客用のスマホがなったが、留守電にしてあるのでそれには出なかった。

萎えてしまっている一朗のそれを握って強く摩擦しながら、直也は腰を強く動かして一朗の体を揺さぶった。
早くイかせて帰ってもらおうという意図が透けてみえたのか、一朗が涙をためた瞳を閉じて絶頂にたどり着く。

素早くティッシュで後始末して、直也はごみをビニール袋に捨ててきつく結んだ。

「気をつけて帰れよ」

監視カメラから送られてくる画像をチェックしながら一朗を見ずに呟く。
南がコートを着ている姿が映って、すぐに画像が消えた。

「ひとり帰ってくるから降りて」

直也は隣に停まっている一朗が乗ってきた車を指差す。

これで完全に幻滅しただろう。
最低なクソ男を演じるのは難しい。

服のボタンを閉めてズボンを履き直して一朗は助手席のドアを開けて出ていき、自身の車に乗り込んだ。

樹の相手をする時間出来たと思ってプライベート用のスマホを手に取るとLINEが届く。

『また来る』

一朗からだった。
驚いて隣を見た時、にこりと笑う一朗がいてぞっとした。

ロウがエレベーターを降りてエントランスにつくと、先に部屋を出ていた南が立っている。

「南、お疲れ…」
その背中に声をかけると、ロウに缶コーヒーを渡しながら「しっ」と指を唇に当てて、その指を直也のバンに向けた。

目を細めてその先を見ると、直也が隣に停まっているクラシックカーの運転席の男性と何か言い合っている様子が見える。

かっこいい車だな。
ロウの興味はクルマに行く。

「痴話喧嘩に巻き込まれてもいい事なんかひとつもない」

一瞬で判断した南もすごい。

コーヒーを飲み終わる頃にクルマは走り去っていった。

南はもう一本コーヒーを買ってバンに近づいていく。
その後を追いかけるようにロウも歩いていった。

「お疲れ様でーす」

いつもの明るい笑顔でスライドドアを開けて、直也に缶コーヒーを渡してから席に座る。

「お、ありがと。お疲れ様」
うれしそうに受け取る直也にロウがぼそりと「おつかれっす」と呟く。

「今日まだお客さんいますか?」

何事もなかったようにいつもの明るさで南が直也にたずねる。
さっきのクールな南とはまるで別人で、ロウは驚きしか感じない。

「俺が指名もらってるけど、ふたりは終わりだね。南はいつものコンビニでいい?」

「はい、お願いします」

「俺もそこで降ろしてもらっていいですか?家に何もないんで買い物したい」

「了解」

交通量が少ない時間の帰り道を、バンは進む。

少し離れている隣の席のロウに向かって、南は意味深な笑顔を送った。


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