同性愛男性専用デリヘルRAKUSA

希京

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所属していたデリヘルをトレースして作った「ラクサ」。

「繁盛してるじゃないのー」
バーで飲んでいた時軽いノリでこの男は近づいてきた。
ゲームに登場しそうなルックス、お洒落で明るく話は面白い男。

その道の友人に確認したときは、この地域を仕切る組織はないと言っていたが。
蝿はどこからでも飛んでくるものだ。
その場で対処するしかない。

「名刺はいりません」

沢村樹と書かれた白い名刺をさりげなくかわす。

「時間の無駄です。ご用は?」

後で調べたが、同性に体を売ることは違法ではなかった。

櫻井が勘違いしていたのかずっと違法だと言っていたし、文字通り警察関係者を「抱き込んで」いた。
だから法的な事を突っ込まれても、警察は怖くない。

面倒なのは、勝手に縄張りを主張して絡んでくる地元の組連中。

「お兄さん可愛いから声かけただけなのに~。ここで会ったのも何かの縁だし仲良くしてよ」
派手でがさつな男が横の席をがたがた揺らして勝手に座る。

「何の縁だか」
直也は鼻で笑ってカウンターに片肘をついて相手をじっと見た。

顔は悪くない。

「どこの組織の方です?」
「え、そっちに見える?俺」

ヤクザじゃなかったら何者なんだと言いたいくらい、派手なスーツと独特の目つき。
「今どきそんなガラの悪いスーツ着てる人種なんて限られてる」
「ひでえ…。これは兄弟とおそろいで買ったお気に入りなのに」

どういう意味の「兄弟」だろう。直也はじっと男の動きを見る。

「櫻井から聞いてたのと全然違うじゃないか。可愛くねえ」

男の口から出てきた櫻井という名前。

「あ、ちょっと興味持ってくれた?」
ふざけていても、男は一瞬の動揺も見逃さなかった。

どこまで逃げても、アンダーグラウンドな世界にいれば情報は筒抜けか。

なら口止め料を請求されても一銭も払わないし、みかじめだ縄張りだ言われたら警察を呼べばいい。

「いや、あのさ…」
バーテンに直也が飲んでいるのと同じブランデーを注文して、急に態度が小さくなった男が言う。

「紹介してもらったんだ」

直也は少し体を近づけて男の耳元でささやいた。

「俺、高いよ?」

バーテンがこちらをふりかえる一瞬の間に、直也は男の耳たぶを軽く噛む。

「さすが櫻井の元部下…」
顔が赤くなっている男を見て直也は「堕ちた」と確信した。


一杯飲んで、近くのビジネスホテルに向かう。

シャワーを浴びてキツい移り香を落とそうと頑張ったが、途中で諦めてガウンを着てベッドに向かうと、先にシャワーを浴びていた男は裸のまま大の字で転がっていた。

直也に気がつくと勢いよく起きて、満面の笑みで両手を広げる。

無邪気なもんだと内心苦笑しながらその腕に落ちた。

「なんて…呼べばいい?」
脇腹をするすると滑っていく樹の手のひらの感覚に快感を呼び戻される。

「名前がいい。いつきって呼んで」

「いっ…ぁ‥」

胸の突起を歯で噛みながら話されて思わず体がくねる。
飲んでいる時一応規約を説明したけれど、おぼえてないだろうなと諦めていたら、樹は一度動きを止めて自分のセカンドバッグからゴムを取り出した。

「入れて欲しい?」
視線に気がついた樹が意地悪そうに笑っている。
「入れさせてほしい?」
わざと煽って直也は流し目で見てから瞳を閉じる。

「…っあ…ん…‥」
大きく足を開かされて、怒張したそれがゆっくり入ってきて中を圧迫した。
「すっげ…やらしい顔……」
樹の興奮した声が聞こえて、激しく体を揺さぶられた。

「あぁっ‥、は‥‥っ‥あ‥!‥あ…‥いつ‥き…!」
直也にとっても久しぶりの快楽に飲み込まれて理性が消えていく。

「は‥、直也がイイのわかるわ」
樹が発する雄の匂いに酔ってしまう。
脳が甘く支配される錯覚。体の力が抜けて、全身の細胞が快感に震えた。
「気持ちい…い…」

仕事を忘れて存分に味わい、腹に白い欲を吐いた。

櫻井の紹介でやってきたという事は、直也の動きは読まれている。
どこへ逃げて、何をしていても、あの男の手のひらで踊るだけの虚しい努力でしかないのか。
愛されていると勘違いしていたあの頃の自分なら束縛を喜んだかもしれない。
今は、そんな感情はない。

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