4 / 11
監禁
しおりを挟む
自力で立ち上がれなかった僕の腕を掴んで、遠山さんは強引に僕を2階に連れていく。
「部屋は好きな所を使え。風呂とトイレはそっち。俺は1階にいる」
部屋はたくさんあったが、家具があるのは3部屋ほどだった。
少し前まで誰か住んでいた感じがする。
「食べ物は1階の冷蔵庫にあるから適当に自分で食え」
そろそろ僕が帰ってこないことに両親が騒ぎ出しただろうか。
「何か質問あるか?」
「学校や…、親には」
無断で休んで、勝手に家に帰らなくて、どうしたらいいんだろう。
「けっこうな値段でお前を買ったんだぞ、俺は」
「でも、家に帰してくれるって…」
「すぐ帰すって言ったか?」
なんだそれ。意味わかんない。
今まで会った大人の中で最悪な部類の人間だ。
といっても、学校の先生と両親と親戚しか大人と触れたことはないけど。
「ひどいよ、おじさん…」
何気なくそう言って僕は溢れ出す涙を腕でかくすように拭っていた。
「‥おじさん…‥」
遠山さんが大袈裟によろめいて一歩後退したのが見えた。
なんか悪いこと言ったかな。
怒らせてまた痛いことされるのが怖くて僕は体に力を入れた。
「まあ、カオルからみればそうだな…うん」
僕から目線をはずして、遠山さんはゆっくり階段のほうへ向かった。
ひとり残されて、あらためてまわりを観察する。
古い日本家屋のせいか、なんとなく暗い。
選んだ部屋は畳で、フローリングの部屋だった自分の家と比べる。
和風の室内に不釣り合いな、大きいベッドに目が行った。
よじのぼって真ん中に座ってみた。
僕がいつも寝ている安いベッドとは全然感覚が違う。
今日一日のことがフラッシュバックして急に体を疲労感が襲って、僕は制服のまま倒れるように眠ってしまった。
「部屋は好きな所を使え。風呂とトイレはそっち。俺は1階にいる」
部屋はたくさんあったが、家具があるのは3部屋ほどだった。
少し前まで誰か住んでいた感じがする。
「食べ物は1階の冷蔵庫にあるから適当に自分で食え」
そろそろ僕が帰ってこないことに両親が騒ぎ出しただろうか。
「何か質問あるか?」
「学校や…、親には」
無断で休んで、勝手に家に帰らなくて、どうしたらいいんだろう。
「けっこうな値段でお前を買ったんだぞ、俺は」
「でも、家に帰してくれるって…」
「すぐ帰すって言ったか?」
なんだそれ。意味わかんない。
今まで会った大人の中で最悪な部類の人間だ。
といっても、学校の先生と両親と親戚しか大人と触れたことはないけど。
「ひどいよ、おじさん…」
何気なくそう言って僕は溢れ出す涙を腕でかくすように拭っていた。
「‥おじさん…‥」
遠山さんが大袈裟によろめいて一歩後退したのが見えた。
なんか悪いこと言ったかな。
怒らせてまた痛いことされるのが怖くて僕は体に力を入れた。
「まあ、カオルからみればそうだな…うん」
僕から目線をはずして、遠山さんはゆっくり階段のほうへ向かった。
ひとり残されて、あらためてまわりを観察する。
古い日本家屋のせいか、なんとなく暗い。
選んだ部屋は畳で、フローリングの部屋だった自分の家と比べる。
和風の室内に不釣り合いな、大きいベッドに目が行った。
よじのぼって真ん中に座ってみた。
僕がいつも寝ている安いベッドとは全然感覚が違う。
今日一日のことがフラッシュバックして急に体を疲労感が襲って、僕は制服のまま倒れるように眠ってしまった。
10
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説





男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる