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男のカラダ~ミイラ取り
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美加姉がいなくなって数日たつ。
「警察には話したの?」
それを聞くために美衣は未知の部屋を訪ねた。
「話しても探してくれないわ。死体になった時確認に呼ばれるだけ」
「そんな…」
未知が雇ったプロ連中の手で、今頃美加はミンチになっているだろう。
見つかるのはずっと先の話、腐敗が進んだ粉々の人間のミンチから身元を割り出すには時間がかかる。
そもそも見つかることはないと未知は思っている。父に教えられた人間の始末の仕方で、未知のお気に入りのやり方だった。
過去を反芻するより未来を考える。
「美衣は大学卒業したらどうするの?何かやりたいことある?」
ソファの定位置に座り、部屋着のスカートとTシャツを着て角川を従えた未知が聞く。
「ない…かも。今は」
大学帰りの美衣は、大きなかばんに長袖のシャツをコートのように羽織って、くるぶしが見える長さのジーンズを着ていた。
夢とか希望、自分の未来なんて考えたことがない。浮草のような生き方をするんだろうなと漠然と思っている。
「でも生きていくにはお金がある程度必要よ」
「…うん、それは…うん……わかってる」
「私もいつ死ぬかわからないしね。綱渡り人生だから」
その言葉で美加のことを思い出したが、質問する勇気がなかった。
「人はどこかに流れ着きます。あなたのようにね」
角川が未知の背後から言葉を付け足した。だが美衣には何のアドバイスにもならなかった。
夜、中川はミントが働くバーに行くことが多くなった。
「いらっしゃーい。カウンターでいい?」
閉店間際に来ているのは、この後お気に入りの子とデートがしたい連中がたむろしている。
「ほかの店に追い出された?早い所は店じまいかな?」
「どうかな。ひとりで居酒屋で飲んでたから知らん」
「なにー。誘ってくれれば早い時間ならつきあったのにぃ」
「お前と行くとややこしいだろう」
その割にここには入り浸るようになった。お金を払ってくれるなら、追い出す理由がない。
あの後、マスターに『金子未知には関わるな』とくどくど言われた。
「ねえ、中川さんは俺のどこがいいの?」
適当に片付けてマスターに挨拶してから中川と連れ立って外に出た。
青い髪がさらさらと風に揺られて、思わずみとれる。
「やっぱ僕とのセックスぅ~?」
勝手に腕を組んできて、中川の耳元でささやいた。
「図星だね」
ふたりは自然とホテルに吸い込まれていく。
中川は、金子未知に見つかるかも知れないという緊張感からミントにハマったのかもしれない。それと仕事中の憎たらしさと抱かれている時のかわいらしさのギャップ。
ベッドに腰をおろして下をうなだれていると、シャワーの音が聞こえてきた。
「もうとっくにバレてるかも知れないよ?」
中川の不安を煽ってからミントはバスルームに消えていく。
そろそろ仕掛けていこうかタイミングをはかっていたが、中川は面倒くさそうだ。
『友達』になっていくように自然体でいこうとミントは考えたが、のめり込み方が依存のそれだ。
バスローブを纏ってミントがバスルームから出てくる。
「お先~。次どうぞ」
「ごめん…、俺……今日はダメだ」
飲みすぎたのか、悩み事でもあるのか、店に俺を迎えに来ておいてそれはないだろう。
「大丈夫、僕がやるから」
ぬれた髪のむこうにあるミントの瞳が妖しい光を帯びていた。
「警察には話したの?」
それを聞くために美衣は未知の部屋を訪ねた。
「話しても探してくれないわ。死体になった時確認に呼ばれるだけ」
「そんな…」
未知が雇ったプロ連中の手で、今頃美加はミンチになっているだろう。
見つかるのはずっと先の話、腐敗が進んだ粉々の人間のミンチから身元を割り出すには時間がかかる。
そもそも見つかることはないと未知は思っている。父に教えられた人間の始末の仕方で、未知のお気に入りのやり方だった。
過去を反芻するより未来を考える。
「美衣は大学卒業したらどうするの?何かやりたいことある?」
ソファの定位置に座り、部屋着のスカートとTシャツを着て角川を従えた未知が聞く。
「ない…かも。今は」
大学帰りの美衣は、大きなかばんに長袖のシャツをコートのように羽織って、くるぶしが見える長さのジーンズを着ていた。
夢とか希望、自分の未来なんて考えたことがない。浮草のような生き方をするんだろうなと漠然と思っている。
「でも生きていくにはお金がある程度必要よ」
「…うん、それは…うん……わかってる」
「私もいつ死ぬかわからないしね。綱渡り人生だから」
その言葉で美加のことを思い出したが、質問する勇気がなかった。
「人はどこかに流れ着きます。あなたのようにね」
角川が未知の背後から言葉を付け足した。だが美衣には何のアドバイスにもならなかった。
夜、中川はミントが働くバーに行くことが多くなった。
「いらっしゃーい。カウンターでいい?」
閉店間際に来ているのは、この後お気に入りの子とデートがしたい連中がたむろしている。
「ほかの店に追い出された?早い所は店じまいかな?」
「どうかな。ひとりで居酒屋で飲んでたから知らん」
「なにー。誘ってくれれば早い時間ならつきあったのにぃ」
「お前と行くとややこしいだろう」
その割にここには入り浸るようになった。お金を払ってくれるなら、追い出す理由がない。
あの後、マスターに『金子未知には関わるな』とくどくど言われた。
「ねえ、中川さんは俺のどこがいいの?」
適当に片付けてマスターに挨拶してから中川と連れ立って外に出た。
青い髪がさらさらと風に揺られて、思わずみとれる。
「やっぱ僕とのセックスぅ~?」
勝手に腕を組んできて、中川の耳元でささやいた。
「図星だね」
ふたりは自然とホテルに吸い込まれていく。
中川は、金子未知に見つかるかも知れないという緊張感からミントにハマったのかもしれない。それと仕事中の憎たらしさと抱かれている時のかわいらしさのギャップ。
ベッドに腰をおろして下をうなだれていると、シャワーの音が聞こえてきた。
「もうとっくにバレてるかも知れないよ?」
中川の不安を煽ってからミントはバスルームに消えていく。
そろそろ仕掛けていこうかタイミングをはかっていたが、中川は面倒くさそうだ。
『友達』になっていくように自然体でいこうとミントは考えたが、のめり込み方が依存のそれだ。
バスローブを纏ってミントがバスルームから出てくる。
「お先~。次どうぞ」
「ごめん…、俺……今日はダメだ」
飲みすぎたのか、悩み事でもあるのか、店に俺を迎えに来ておいてそれはないだろう。
「大丈夫、僕がやるから」
ぬれた髪のむこうにあるミントの瞳が妖しい光を帯びていた。
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