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理事長室

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その年代が好きそうな革張りのソファに悠月ゆづきを押し倒してくる。

うすいニットから白檀の香りを撒き散らしているこの男の意図がわからない。

「俺とつきあってみない?悠月くん」
黒いシャツに指を這わせて叡臣あきおみが微笑を浮かべている。悠月にその気がないのはわかっているがその意思をくつがえせるという自信がこの美しい先輩からうかがえる。

「どけ…、俺は堕ちない」
「そう?」
這わせていた指がシャツの上から乳首の膨らみをみつけて指にはさんで力をこめる。

「うっ……」
「思い出した?この感じ」
反抗できない程度に刺激を与えて股間のあたりが盛り上がってくると、叡臣あきおみの手は胸から下半身にするすると下がっていく。

「ここまでに…しろ…あ!…あ」
ジーンズと下着を無理やり脱がすと、外気に触れた肌が寒さを感じた。
「悠月くんならすぐ慣れるよ」

気がつくと叡臣もズボンを脱いでいた。
「やめ……て…も…うっ」

本当は反抗されて腹がたっているのか、足を大きく開かされて力強くつき始めた。
「あ……っあぁ…やめろ……」
耳のあたりの位置で両腕を押さえられている。太い杭を飲み込んで快感を味わっている精神状態では動けない。

「思い出したか?気持ちいいだろう?」
重い体を沈めて目を閉じている悠月に声をかけてみる。
「こんなもん…、気持ちいいわけないだ…ろ」
「体の関係なしでいいからさ、俺とつきあってみない?」
「いやだ……」

「はあ、ここまで拒否されるの初めてだ。ほかに好きな人がいるの?例えば蓮…」
「あいつは関係ない…!」
起き上がってくる悠月を片手ではね返してまた腰を振り始める。かき混ぜるような独特の動きで悠月を翻弄した。

突くたびに弓なりに跳ねる体がいやらしい。
「…へえ?」
ーやっぱりね。そうだと思った。

「もう男と恋愛はしな…あ…だからもう……」

「待ってるよ。君の意思で俺に堕ちてくるまで。気長に待ってる」

ただ快楽に酔っているだけの肉体関係は飽きるほどした。

ー次は心が欲しいな。俺だけを見る、律みたいな子。

「…ぇ」

途中で止められた快楽に体が震える。

「どうして」
体が最後まで求めているのにここで止められるのはつらい。

「欲しくなったらまたおいで」

ーそういうことか

叡臣あきおみが悠月の上から放れて衣服の乱れを直しながら言う。腹の下がじんじんする。

「そういえばギラギラした顔した先輩、初めてみた」

「好きな人の前で偽の笑顔作っても仕方ないだろう」

「…よく言う」

何を言われても、この美貌の男なら全て許してしまう不思議な存在だった。

ーだが一矢報いないと俺が報われない

悠月は体を半身に回って叡臣あきおみに向かって蹴りを出したが、軽々と両腕で受け止められた。

「!?」

「いいねえ。ますます気に入った」

「くそっ…」

「またね、悠月くん」
余裕の笑みを残して、叡臣あきおみは先に理事長室を出た。




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