12 / 85
『梟屋』の朝食
しおりを挟む
台所を出て、食卓のある隣のリビングに向かうシェナとココロ。
「ゼノン。朝ゴハンできましたよ」
大きな窓から朝日の光が満ちるリビング。その中で、無愛想なゼノンがせっせとテーブルセッティングしていた。
「・・・・ああ」
ピンクの花が活けられた可愛らしい花瓶を両手で持ったゼノンが妙にミスマッチしてシェナとココロは笑ってしまった。
「ふふふ、さぁ、朝ゴハンにしましょう」
セッティングされたテーブルの上にナイフとフォーク。瑞々しい葉野菜のサラダと白くトロッとしたスープ。まだ湯気が立ち上る『パンケーキ』。バターを分けた小皿。
そして、朝日を受けて黄金色に輝く小瓶、『梟屋』で養蜂した魔蟲『シルクビー』の蜂蜜を3つ。
飲み物のお茶をカップに注ぐ。
ゼノン、ココロ、そしてシェナは席に着き手を胸の前であわせる。
「我の糧になる尊き命よ 命を生み出し天と大地よ 天地の恵みに感謝します」
食材に対する感謝の祈りを捧げる。
「いただきます」
各々に目の前の食事に手を付けていく。
最初はスープから。
スープを入れたマグカップはまだ温かく、スプーンでゆっくりかき混ぜると、湯気と共に小さな角切りにされた白、オレンジ、黄色の野菜が顔を出す。
スプーンで野菜と共に口に入れる。
トロッとしたスープは野菜の甘みが優しい。
小さな角切りにされた野菜はよく煮込まれている。
口の中でホロリと溶けるモノも有れば、サクっとした歯触りのモノ。プチプチとした食感で噛むと甘味を感じるモノ。
口の中で様々な食感が楽しめる。
一通り食感を楽しんで飲み込んだら、温かいスープが喉を伝い、お腹の中を暖かくする。
次はお待ちかねの『パンケーキ』。
温かい『パンケーキ』にフォークを当てるとパフンと軽い弾力でフォークを押し返す。
軽い感触で難なく入るナイフとフォークで切り分け、『パンケーキ』の断面をみる。
きめ細かで、まるで雲のよう。
一口サイズに切り分け、『シルクビー』の蜂蜜をかけ、バターを乗せる。
ふんわりとした生地にキラキラとした蜂蜜の照り。そして、『パンケーキ』の温かさでトロリと溶け出す作りたてのバター。
フォークで持ち上げた時、蜂蜜が垂れ落ちる前に口の中に入れる。
ふんわりとして、少しもちっとした食感。
『シルクビー』の蜂蜜のクセが無くスッキリとした強い甘味。
蜂蜜だけでは甘過ぎるように思うが、バターの塩っ気とまろやかさが味を引き締めている。
今度は、蜂蜜を少し浸して食べてみる。
ふんわりとした生地が蜂蜜を吸ってしっとり、もっちりとした食感に。
だが、少し口の中が甘くなってきたかな?
そう思って今度はサラダに手を伸ばす。
今朝採れたばかりの鮮やかな緑色の葉野菜と赤い小粒の野菜。
食べやすい大きさにカットされ、上に何かがかけられている。
食べると、瑞々しい葉野菜は生特有の青臭さを全く感じない。
シャキシャキっとした歯触りが気持ちいい。
そして、上にかけられているものは、酸味を感じる。
だが、強い酸味では無く、爽やかで少しピリっと刺激的で、サラダがいくらでも食べられる気がする。
「ああ、美味しい」
ココロは右手を頬に当て幸せそうに呟いた。
「ゼノン。朝ゴハンできましたよ」
大きな窓から朝日の光が満ちるリビング。その中で、無愛想なゼノンがせっせとテーブルセッティングしていた。
「・・・・ああ」
ピンクの花が活けられた可愛らしい花瓶を両手で持ったゼノンが妙にミスマッチしてシェナとココロは笑ってしまった。
「ふふふ、さぁ、朝ゴハンにしましょう」
セッティングされたテーブルの上にナイフとフォーク。瑞々しい葉野菜のサラダと白くトロッとしたスープ。まだ湯気が立ち上る『パンケーキ』。バターを分けた小皿。
そして、朝日を受けて黄金色に輝く小瓶、『梟屋』で養蜂した魔蟲『シルクビー』の蜂蜜を3つ。
飲み物のお茶をカップに注ぐ。
ゼノン、ココロ、そしてシェナは席に着き手を胸の前であわせる。
「我の糧になる尊き命よ 命を生み出し天と大地よ 天地の恵みに感謝します」
食材に対する感謝の祈りを捧げる。
「いただきます」
各々に目の前の食事に手を付けていく。
最初はスープから。
スープを入れたマグカップはまだ温かく、スプーンでゆっくりかき混ぜると、湯気と共に小さな角切りにされた白、オレンジ、黄色の野菜が顔を出す。
スプーンで野菜と共に口に入れる。
トロッとしたスープは野菜の甘みが優しい。
小さな角切りにされた野菜はよく煮込まれている。
口の中でホロリと溶けるモノも有れば、サクっとした歯触りのモノ。プチプチとした食感で噛むと甘味を感じるモノ。
口の中で様々な食感が楽しめる。
一通り食感を楽しんで飲み込んだら、温かいスープが喉を伝い、お腹の中を暖かくする。
次はお待ちかねの『パンケーキ』。
温かい『パンケーキ』にフォークを当てるとパフンと軽い弾力でフォークを押し返す。
軽い感触で難なく入るナイフとフォークで切り分け、『パンケーキ』の断面をみる。
きめ細かで、まるで雲のよう。
一口サイズに切り分け、『シルクビー』の蜂蜜をかけ、バターを乗せる。
ふんわりとした生地にキラキラとした蜂蜜の照り。そして、『パンケーキ』の温かさでトロリと溶け出す作りたてのバター。
フォークで持ち上げた時、蜂蜜が垂れ落ちる前に口の中に入れる。
ふんわりとして、少しもちっとした食感。
『シルクビー』の蜂蜜のクセが無くスッキリとした強い甘味。
蜂蜜だけでは甘過ぎるように思うが、バターの塩っ気とまろやかさが味を引き締めている。
今度は、蜂蜜を少し浸して食べてみる。
ふんわりとした生地が蜂蜜を吸ってしっとり、もっちりとした食感に。
だが、少し口の中が甘くなってきたかな?
そう思って今度はサラダに手を伸ばす。
今朝採れたばかりの鮮やかな緑色の葉野菜と赤い小粒の野菜。
食べやすい大きさにカットされ、上に何かがかけられている。
食べると、瑞々しい葉野菜は生特有の青臭さを全く感じない。
シャキシャキっとした歯触りが気持ちいい。
そして、上にかけられているものは、酸味を感じる。
だが、強い酸味では無く、爽やかで少しピリっと刺激的で、サラダがいくらでも食べられる気がする。
「ああ、美味しい」
ココロは右手を頬に当て幸せそうに呟いた。
11
お気に入りに追加
591
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に巻き込まれたおばあちゃん
夏本ゆのす(香柚)
ファンタジー
高校生たちの異世界召喚にまきこまれましたが、関係ないので森に引きこもります。
のんびり余生をすごすつもりでしたが、何故か魔法が使えるようなので少しだけ頑張って生きてみようと思います。
せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。
リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。
そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。
そして予告なしに転生。
ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。
そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、
赤い鳥を仲間にし、、、
冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!?
スキルが何でも料理に没頭します!
超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。
合成語多いかも
話の単位は「食」
3月18日 投稿(一食目、二食目)
3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!
今日も誰かが飯を食いに来る。異世界スローライフ希望者の憂鬱。
KBT
ファンタジー
神の気まぐれで異世界転移した荻野遼ことリョウ。
神がお詫びにどんな能力もくれると言う中で、リョウが選んだのは戦闘能力皆無の探索能力と生活魔法だった。
現代日本の荒んだ社会に疲れたリョウは、この地で素材採取の仕事をしながら第二の人生をのんびりと歩もうと決めた。
スローライフ、1人の自由な暮らしに憧れていたリョウは目立たないように、優れた能力をひた隠しにしつつ、街から少し離れた森の中でひっそりと暮らしていた。
しかし、何故か飯時になるとやって来る者達がリョウにのんびりとした生活を許してくれないのだ。
これは地味に生きたいリョウと派手に生きている者達の異世界物語です。
こちらの世界でも図太く生きていきます
柚子ライム
ファンタジー
銀座を歩いていたら異世界に!?
若返って異世界デビュー。
がんばって生きていこうと思います。
のんびり更新になる予定。
気長にお付き合いいただけると幸いです。
★加筆修正中★
なろう様にも掲載しています。
転生少女の異世界のんびり生活 ~飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい~
明里 和樹
ファンタジー
日本人として生きた記憶を持つ、とあるご飯屋さんの娘デリシャ。この中世ヨーロッパ風ファンタジーな異世界で、なんとかおいしいごはんを作ろうとがんばる、そんな彼女のほのぼのとした日常のお話。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
女子力の高い僕は異世界でお菓子屋さんになりました
初昔 茶ノ介
ファンタジー
昔から低身長、童顔、お料理上手、家がお菓子屋さん、etc.と女子力満載の高校2年の冬樹 幸(ふゆき ゆき)は男子なのに周りからのヒロインのような扱いに日々悩んでいた。
ある日、学校の帰りに道に悩んでいるおばあさんを助けると、そのおばあさんはただのおばあさんではなく女神様だった。
冗談半分で言ったことを叶えると言い出し、目が覚めた先は見覚えのない森の中で…。
のんびり書いていきたいと思います。
よければ感想等お願いします。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる