4 / 26
ファーガスの帰宅
しおりを挟む
ファーガスは愛するサンドラとの旅行を終えて、手配した高級馬車で帰宅していた。
「本当に楽しい旅行でしたわ、ファーガス様ぁ」
「気に入って貰えて良かったよ。サンドラ」
「ええ、高級客船での船の旅に、楽しいショッピング。それに、旅行の日にちを3日も延長してくれて、本当に楽しかったです」
「そうか、そうか!!また連れてってあげるよ。今度はもっと長い期間で旅行しような」
「まぁ!!嬉しい!!」
「今度は、君の子と3人で行こう」
「約束ですよ?」
「ああ」
馬車の中で新婚旅行を終えた新婚夫婦のような甘い雰囲気だが、馬車の御者は今回乗せた乗客の2人に辟易していた。何故なら、
「でもぉ、奥さんは大丈夫なんですか?」
「ああ、アイツのことは気にするな。アイツは仕事が恋人みたいなものだからな。金だけ稼いでくれればいいんだよ。アイツが仕事をして、私がその金を有効活用する。それが、私達の夫婦の形だ」
「やぁだー。ひどーい。そんな事じゃ奥さんに捨てられるんじゃ無いんですか?」
「なんだ、サンドラ知らないのか?この国の貴族の法律で『妻は夫に服従』と言う法律があるんだよ。この法律がある限り、ロザリアは、私に逆らえない」
「きゃあ!悪い殿方」
「まあ、そのせいでサンドラには私の妻の座は空けてやれないのが残念だがな」
「いいえ、大丈夫ですわ。私はお腹の中の子とファーガス様がいればそれでいいんです」
「ふふふ、愛いなサンドラは」
高級馬車の車内でイチャイチャとする乗客の話声は馬を操る馬車の御者の耳にも届いた。
だが、話を聞く限り、この2人は不倫。しかも、男の方は明らかに妻を蔑ろにしているようだ。
話の内容の酷さに、御者はずっと辟易していた。
それでも、客であり、一応代金を受け取っているため途中で降ろす訳にもいかず、早くこの不倫カップルと無理矢理乗せた大荷物を目的地へ届けてしまおうと、馬に鞭を入れる。
だが、
「・・・・・・・・・・・あ、あの、アークライド樣」
「ん?なんだ」
「目的地は、丘の上のお屋敷で、よろしかったのでしょうか?」
「は?出発する前に伝えただろ。この街が一望できる丘の上の屋敷だ。何度も言わせるな」
「え、いや、あの・・・・・・」
「チィ!!なんだ!!何が言いたい!?」
御者の言葉を濁した態度に苛立ち、ファーガスは御者に怒鳴る。
「す、すみません!!あ、あの、お屋敷が見当たらないのですが・・・・」
「はぁ??」
御者の言葉に、ファーガスは馬車の窓から外を見る。
「・・・・・・・・・は?」
目に入った光景に一瞬、意味のない言葉が出た。
見覚えのある道。見覚えのある隣人邸。見覚えのある並木。見覚えのある丘。だが、その丘の上に建っている筈の建物が見当たらない。
「ッ!!止めろ!!!」
ファーガスは慌てて、馬車を止め、馬車から飛び降りた。
小高い丘を駆け上り、屋敷が有った場所へ走る。
「な・・・・・・なにぃぃ!?!?」
ファーガスは目の前の現実が理解出来なかった。
目の前のその場所に旅行に旅立つ前に確かにあった屋敷は無く、変わりに屋敷の残骸らしき瓦礫が散乱していた。
13日前まで建っていた屋敷は確かに古い造りの屋敷だったが、此処ら一帯で一番大きな屋敷だった。
立派な門に手入れされた庭。2階の一番広い部屋には広いバルコニーと繋がっており、そこからは街が一望できた。
だが、いくら見上げても空しか見えず、屋敷は無い。今は見る影も無い。
「ど、どういう事だ?外壁の塗装工事では無かったのか?」
ファーガスは何か手掛かりは無いかと、周りを見渡す。
殆ど壊された壁、折れた柱。窓ガラスの残骸。部屋だった場所は殆ど原型を留めていない。
屋敷にあった骨董品や絵画はどうなった?高価な銀食器や輸入品の家具は?宝飾品は?金が入っていた金庫は何処に行った!?
血眼になりながら、金品や貴重品の手掛かりを探すファーガス。すると、崩れかけた壁の向こうに一本の立札を見つけた。
慌てて、その立札に駆け寄る。
そこには、
『ファーガス・シーザー・デリー殿へ、
愛人さんとの不倫旅行お疲れ様です。
屋敷の解体工事の方は無事に終わらせました。
つきましては、そろそろ貴方との夫婦生活を終わらせようと思います。
離縁と今後について話し合いを設けますので、
愛人さんと共にシュライアン領アークライド公爵邸へお越し下さいませ。
ロザリア・ミラ・アークライド
追伸
屋敷にあった貴重品やお金は全て回収済みです。
悪しからず。』
そう書かれていた。
「ふ、ふざけるなぁああああ!!!」
立札を読んだ瞬間、ファーガスが怒りで叫んだ。
「あの小娘!!勝手な事を!!法律で私の同意が無ければ離縁出来ないと知っている筈だぞ!?それに、お前は、私に絶対服従のはずだろうが!!!ふざけやがって!!!」
ファーガスは怒り任せに立札を地面から引っこ抜き、地面に叩きつけ立札を何度も踏み付けた。
「はぁ、はぁ、はぁ、誰が離縁などするものか」
ファーガスはロザリアと結婚してから仕事らしい仕事はしていなかった。
ロザリアはライト商会の仕事をロザリア自分から進んでこなしており、いくら外で遊んでも何も言ってこなかった。母親が屋敷を訪れても、2人の間に子供が授かられなかった事で自分の母親に責められても、いつも笑顔で笑っていた。
仕事もしなくていい、面倒事もない。自分の好き勝手に出来る。
ファーガスは今の生活を手離したくなかった。
「・・・・・・・ふぅ、とにかく今日は何処かの宿に泊まろ。明日、ライド商会を通してロザリアを呼び出せばいい」
文字が読めないほど踏みおられた立札を見下ろし、少し冷静さを取り戻した。
そうだ。いくら私が帰る屋敷を壊しても、別に問題は無い。
金はいくらでもある。
また、新しく建て直せばいい。今度は古城のような前の屋敷よりもずっと豪華絢爛な屋敷を建築しよう。
ロロビア王国の法律によって、ロザリアは私と離縁は、夫である私の許可無しでは無し得ることが出来ない。
だが、このような騙し打ちのような姑息な事をする妻は罰がいる。
あくまでも、ロザリアが悪く自分は正しいと信じて疑わないファーガスの口元が歪んだ様な笑みを浮かべる。
明日、ロザリアを呼び出したら只では済まさない。
今まで手を挙げずにいたが、今回は許してやるものか。
何処か人目のつかない場所に連れて行き、手酷く痛ぶってやろうか?それとも、屋敷を無断で取り壊した事の慰謝料をロザリアの実家に払わせるか。その両方でもいいかもしれない。ロザリア実家は公爵家。相当の金額が期待できるだろ。
そう考えると、段々怒りが収まってくる。
「・・・・・とりあえず、乗って来た馬車で、宿に向かうか」
とりあえず、明日の事は明日考えればいい。今は馬車で待っている愛しいサンドラの元へ戻ろう。
どうせなら、この街一番の高級宿に泊まろう。所持金は旅行で殆ど使い切ってしまったが、請求はロザリアに送ればいい。
そんな事を考えながら、待たせている馬車へと歩いていると、
「ファーガス様!!」
「え?サンドラ???」
サンドラがこちらに向かって小走りで走って来ていた。
なんだか、慌てている様子だった。
「どうしたんだ、そんなに慌てて。馬車で待って居られなかったのか?」
「っ、はぁ、はぁ、実は、馬車が・・・・」
息を切らし、駆け寄って来たサンドラが、息を切れ切れに口にした言葉に、
「・・・・・・は?」
ファーガスは再び意味の無い言葉が出て。
「本当に楽しい旅行でしたわ、ファーガス様ぁ」
「気に入って貰えて良かったよ。サンドラ」
「ええ、高級客船での船の旅に、楽しいショッピング。それに、旅行の日にちを3日も延長してくれて、本当に楽しかったです」
「そうか、そうか!!また連れてってあげるよ。今度はもっと長い期間で旅行しような」
「まぁ!!嬉しい!!」
「今度は、君の子と3人で行こう」
「約束ですよ?」
「ああ」
馬車の中で新婚旅行を終えた新婚夫婦のような甘い雰囲気だが、馬車の御者は今回乗せた乗客の2人に辟易していた。何故なら、
「でもぉ、奥さんは大丈夫なんですか?」
「ああ、アイツのことは気にするな。アイツは仕事が恋人みたいなものだからな。金だけ稼いでくれればいいんだよ。アイツが仕事をして、私がその金を有効活用する。それが、私達の夫婦の形だ」
「やぁだー。ひどーい。そんな事じゃ奥さんに捨てられるんじゃ無いんですか?」
「なんだ、サンドラ知らないのか?この国の貴族の法律で『妻は夫に服従』と言う法律があるんだよ。この法律がある限り、ロザリアは、私に逆らえない」
「きゃあ!悪い殿方」
「まあ、そのせいでサンドラには私の妻の座は空けてやれないのが残念だがな」
「いいえ、大丈夫ですわ。私はお腹の中の子とファーガス様がいればそれでいいんです」
「ふふふ、愛いなサンドラは」
高級馬車の車内でイチャイチャとする乗客の話声は馬を操る馬車の御者の耳にも届いた。
だが、話を聞く限り、この2人は不倫。しかも、男の方は明らかに妻を蔑ろにしているようだ。
話の内容の酷さに、御者はずっと辟易していた。
それでも、客であり、一応代金を受け取っているため途中で降ろす訳にもいかず、早くこの不倫カップルと無理矢理乗せた大荷物を目的地へ届けてしまおうと、馬に鞭を入れる。
だが、
「・・・・・・・・・・・あ、あの、アークライド樣」
「ん?なんだ」
「目的地は、丘の上のお屋敷で、よろしかったのでしょうか?」
「は?出発する前に伝えただろ。この街が一望できる丘の上の屋敷だ。何度も言わせるな」
「え、いや、あの・・・・・・」
「チィ!!なんだ!!何が言いたい!?」
御者の言葉を濁した態度に苛立ち、ファーガスは御者に怒鳴る。
「す、すみません!!あ、あの、お屋敷が見当たらないのですが・・・・」
「はぁ??」
御者の言葉に、ファーガスは馬車の窓から外を見る。
「・・・・・・・・・は?」
目に入った光景に一瞬、意味のない言葉が出た。
見覚えのある道。見覚えのある隣人邸。見覚えのある並木。見覚えのある丘。だが、その丘の上に建っている筈の建物が見当たらない。
「ッ!!止めろ!!!」
ファーガスは慌てて、馬車を止め、馬車から飛び降りた。
小高い丘を駆け上り、屋敷が有った場所へ走る。
「な・・・・・・なにぃぃ!?!?」
ファーガスは目の前の現実が理解出来なかった。
目の前のその場所に旅行に旅立つ前に確かにあった屋敷は無く、変わりに屋敷の残骸らしき瓦礫が散乱していた。
13日前まで建っていた屋敷は確かに古い造りの屋敷だったが、此処ら一帯で一番大きな屋敷だった。
立派な門に手入れされた庭。2階の一番広い部屋には広いバルコニーと繋がっており、そこからは街が一望できた。
だが、いくら見上げても空しか見えず、屋敷は無い。今は見る影も無い。
「ど、どういう事だ?外壁の塗装工事では無かったのか?」
ファーガスは何か手掛かりは無いかと、周りを見渡す。
殆ど壊された壁、折れた柱。窓ガラスの残骸。部屋だった場所は殆ど原型を留めていない。
屋敷にあった骨董品や絵画はどうなった?高価な銀食器や輸入品の家具は?宝飾品は?金が入っていた金庫は何処に行った!?
血眼になりながら、金品や貴重品の手掛かりを探すファーガス。すると、崩れかけた壁の向こうに一本の立札を見つけた。
慌てて、その立札に駆け寄る。
そこには、
『ファーガス・シーザー・デリー殿へ、
愛人さんとの不倫旅行お疲れ様です。
屋敷の解体工事の方は無事に終わらせました。
つきましては、そろそろ貴方との夫婦生活を終わらせようと思います。
離縁と今後について話し合いを設けますので、
愛人さんと共にシュライアン領アークライド公爵邸へお越し下さいませ。
ロザリア・ミラ・アークライド
追伸
屋敷にあった貴重品やお金は全て回収済みです。
悪しからず。』
そう書かれていた。
「ふ、ふざけるなぁああああ!!!」
立札を読んだ瞬間、ファーガスが怒りで叫んだ。
「あの小娘!!勝手な事を!!法律で私の同意が無ければ離縁出来ないと知っている筈だぞ!?それに、お前は、私に絶対服従のはずだろうが!!!ふざけやがって!!!」
ファーガスは怒り任せに立札を地面から引っこ抜き、地面に叩きつけ立札を何度も踏み付けた。
「はぁ、はぁ、はぁ、誰が離縁などするものか」
ファーガスはロザリアと結婚してから仕事らしい仕事はしていなかった。
ロザリアはライト商会の仕事をロザリア自分から進んでこなしており、いくら外で遊んでも何も言ってこなかった。母親が屋敷を訪れても、2人の間に子供が授かられなかった事で自分の母親に責められても、いつも笑顔で笑っていた。
仕事もしなくていい、面倒事もない。自分の好き勝手に出来る。
ファーガスは今の生活を手離したくなかった。
「・・・・・・・ふぅ、とにかく今日は何処かの宿に泊まろ。明日、ライド商会を通してロザリアを呼び出せばいい」
文字が読めないほど踏みおられた立札を見下ろし、少し冷静さを取り戻した。
そうだ。いくら私が帰る屋敷を壊しても、別に問題は無い。
金はいくらでもある。
また、新しく建て直せばいい。今度は古城のような前の屋敷よりもずっと豪華絢爛な屋敷を建築しよう。
ロロビア王国の法律によって、ロザリアは私と離縁は、夫である私の許可無しでは無し得ることが出来ない。
だが、このような騙し打ちのような姑息な事をする妻は罰がいる。
あくまでも、ロザリアが悪く自分は正しいと信じて疑わないファーガスの口元が歪んだ様な笑みを浮かべる。
明日、ロザリアを呼び出したら只では済まさない。
今まで手を挙げずにいたが、今回は許してやるものか。
何処か人目のつかない場所に連れて行き、手酷く痛ぶってやろうか?それとも、屋敷を無断で取り壊した事の慰謝料をロザリアの実家に払わせるか。その両方でもいいかもしれない。ロザリア実家は公爵家。相当の金額が期待できるだろ。
そう考えると、段々怒りが収まってくる。
「・・・・・とりあえず、乗って来た馬車で、宿に向かうか」
とりあえず、明日の事は明日考えればいい。今は馬車で待っている愛しいサンドラの元へ戻ろう。
どうせなら、この街一番の高級宿に泊まろう。所持金は旅行で殆ど使い切ってしまったが、請求はロザリアに送ればいい。
そんな事を考えながら、待たせている馬車へと歩いていると、
「ファーガス様!!」
「え?サンドラ???」
サンドラがこちらに向かって小走りで走って来ていた。
なんだか、慌てている様子だった。
「どうしたんだ、そんなに慌てて。馬車で待って居られなかったのか?」
「っ、はぁ、はぁ、実は、馬車が・・・・」
息を切らし、駆け寄って来たサンドラが、息を切れ切れに口にした言葉に、
「・・・・・・は?」
ファーガスは再び意味の無い言葉が出て。
2
お気に入りに追加
611
あなたにおすすめの小説
夫を愛することはやめました。
杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。
ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。
光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。
昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。
逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。
でも、私は不幸じゃなかった。
私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。
彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。
私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー
例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。
「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」
「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」
夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。
カインも結局、私を裏切るのね。
エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。
それなら、もういいわ。全部、要らない。
絶対に許さないわ。
私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー!
覚悟していてね?
私は、絶対に貴方達を許さないから。
「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。
私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。
ざまぁみろ」
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
【完結】孕まないから離縁?喜んで!
ユユ
恋愛
嫁いだ先はとてもケチな伯爵家だった。
領地が隣で子爵の父が断れなかった。
結婚3年。義母に呼び出された。
3年も経つのに孕まない私は女ではないらしい。
石女を養いたくないそうだ。
夫は何も言わない。
その日のうちに書類に署名をして王都に向かった。
私は自由の身になったのだ。
* 作り話です
* キチ姑います
別に構いませんよ、離縁するので。
杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。
他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。
まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。
不倫され、捨てられました。
杉本凪咲
恋愛
公爵家のマークと結婚して一年、私は召使いのように家の仕事をさせられていた。男爵家出身の私のことをマークは当然のように侮辱して、連日無能だと言い聞かせる。辛い日々に晒されながらも、私はいつか終わりが来ることを願い何とか生きていた。そして終わりは突然に訪れる。彼の不倫という形で。
夫の幼馴染が毎晩のように遊びにくる
ヘロディア
恋愛
数年前、主人公は結婚した。夫とは大学時代から知り合いで、五年ほど付き合った後に結婚を決めた。
正直結構ラブラブな方だと思っている。喧嘩の一つや二つはあるけれど、仲直りも早いし、お互いの嫌なところも受け入れられるくらいには愛しているつもりだ。
そう、あの女が私の前に立ちはだかるまでは…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる