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朝食
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チチチチ、チチチチ。
「ん、んん、んぁ?」
暖かい日の光の温度と窓の外の鳥の鳴き声で、紅音の眠っていた意識が目覚めていく。
「朝?」
紅音は寝ぼけ眼でベッドから上半身を起こし、周りを見渡すと、そこはコテージ風の部屋だった。
「ああ、やっぱり、夢じゃあ、無かったんだ・・・」
昨日異世界へ召喚されたのは私の長い長い夢では無かったんだ。
心のどこかで、昨日の出来事は全部夢だったと思いたかった自分がいた。
だけど、
チチチチ、チチチチ。
窓の外で小鳥の様に囀っている青いハゲタカみたいな大型猛禽類の姿を見て、嫌でも此処が異世界だと認識させられる。
「いや、ギャップありすぎでしょう・・・」
私の知っているハゲタカはそんな可愛く囀りません。
「なんだか、物凄く久しぶりに深く寝たかも」
いつもなら、スマホのアラームで起きるけど、今スマホは手元に無いため、久しぶりに熟睡出来た。
ベッドから降り、部屋に備え付けられている洗面台へ行く。
元の世界の洗面台とは異なり、洗面台に青い石と赤い石が付いており、青い石に手をかざすと洗面台に水が溜まり、赤い石に手をかざすとお湯が出てくる。
持ってきた洗顔セットで顔を洗う。
昨日シロに教えてもらった。
この青い石と赤い石には水の魔法が込められていて、赤い石には高温になる様に熱の魔法を込められている、らしい。
この世界では魔素が強い特定の場所で魔力を蓄えた鉱石や植物が存在してそれを採取、加工、流通させる事で、様々な生活の用途に利用されている。
だからこの世界では魔法は流通しているが、魔法が使えない人、魔力が弱い人も存在するらしい。
寧ろ、強い魔力や珍しい魔法を使いこなす者は重宝され、生活面、仕事面で優遇される事が多いとの事。
私には、珍しいスキルが有るけど、魔力は人並み以下。
生活する上で必要最低限の魔法魔具を使うくらいの魔力しか待ち合わせていない。
まあ、この世界では私は並の下と言う事だ。
洗面台で顔を洗い、備え付けタオルを取り出し、濡れた顔を拭く。
昨日はパジャマが無かったから、昨日は仕方なく、着ているシャツをパジャマがわりにして眠った。
「今日、亜空間プライベートルームに入ったら、パジャマも持ってこよう」
そう呟きながら、洗面台で歯を磨く。
この宿屋は、日本のホテルや旅館の様なアメニティではなく、備え付けがタオルだけだったので昨日通販で買った防災サバイバルリュックの中身が早速役に立ってる。
歯を磨き終え、服を着ていると、ドアの向こうから、
リーンリン!リーンリン!!
「朝食のご用意が出来ました!!どうか、一階の食堂へお食事下さいませぇ」
ベルを鳴らす音と宿屋のご主人の声が聞こえた。
そう言えば、この宿屋の朝食は食堂で貰えるんだった。
紅音は、手早く服の身支度を整え、黒のカーディガンを羽織り、念の為に財布と亜空間プライベートルームの鍵を持って部屋を出て鍵をかける。
一階に降りると、既に何人かの食堂に入っていた。
皆、お盆を持ち、並び、カウンターに立つふくよかなおばさんからパンとスープを受け取っていた。
紅音は前の人に習い、列に並ぶ。
「おはようございます。野菜のスープとムミミルクのスープどちらに?」
大らかで優しそうなおばさんが並んでいる人達に尋ねる。
スープは2種から選ぶらしく、二杯の寸胴鍋に沢山の野菜が入ったコンソメスープの様なスープと薄黄色のポタージュの様なスープが満たされていた。
どちらも湯気が立って美味しそうだけど、気分的にポタージュぽいスープが惹かれた。
「おはようございます。どちらのスープがよろしい?」
「おはようございます。えっと、ムミミルクのスープをお願いします」
「はいな」
木のスープ皿に注がれる温かいスープ。
ふんわりと香るスープの美味しそうな匂い。薄黄色のスープの中に小さく角切りされた野菜やお肉が見え隠れしている。
「ありがとうございます」
「はい、召し上がれ。パンは一人2つまでですよ」
「はい。いただきます」
スープを受け取り、籠に山盛りになっている丸いパンを二つお盆に乗せた。
シンプルな丸いパンは焼きたてのようで、ほんのり湯気が立っている。
焼きたてのパンの香りが、食欲を掻き立てる。
窓際の空いているテーブルへ足を進め、席に着く。
暖かい朝陽が差し込む窓際で淡く薄い湯気がたちのぼる温かいスープと真ん中に大きく切れ目が美味しそうな丸いパン。
シンプルなのに物語に出てきそうな特別な朝食に思えてしまう。
「美味しそう、だけど、ムミミルクって何?」
一応鑑定しておこう。
「スキル『鑑定』発動」
【ムミミルクのスープ。
ムミの穀物を乾燥させた物を水で茹で、粉砕、漉し抽出した液体。安価で栄養価が高く生乳の代用品に用いられる。キャロン、モロロ芋。ドドリーバードの肉。飲食可能】
【白麦のパン。焼きたて。飲食可能】
「へぇ、ムミミルクって豆乳みたいなもの?いや、オーツミルクに近いのかな?」
見た目はコーンスープポタージュ。香りも、コーンスープっぽいかも。
パンも丸いソフトフランスパンみたい。
「よし」
私は手を合わせ、
「いただきます」
朝食を食べる事にする。
ほんのりと温かいパンを二つに割ると、ふんわりと湯気が逃げる様に上へ上がって消えた。
口にした瞬間、ふんわりと小麦の良い香りが鼻腔をくすぐる。
「ん、んん!!」
見た目はソフトフランスパンだが、食感はフワフワもっちり。
昔、奇跡的に給料日と連休の休みが重なった休日に自分へのご褒美にと、思い切って遠出して行った有名パン屋さんの焼きたてパンと遜色無い。
ふっくら、としていていながら、コシのある噛みごたえ。ほんのり甘い風味。
「ほぅ、」
溜め息が零れる。
「美味しい・・・」
これ、焼きたてだから、こんなに美味しいの?それとも、作っている人がパン作りの達人なの?
パン一個はあっという間に食べてしまった。
次は、ムミミルクのスープ。
スプーンで一混ぜ、小さな角切りにされた具と共に食べる。
「あ、美味しい」
トロッとした優しい滑らかな舌触り。
味はオーツミルクと豆乳を合わせた優しい味だが、まるで生クリームを加えてあるみたいに濃厚。
だけど、風味が豆乳に似て軽く、後味が全然くどく無い。
ホロホロになるまでに柔らかく煮られた野菜とお肉がスープとよく合っている。
お野菜とお肉の出汁がよく出ている。
心無しか、懐かしさを感じさせる料理だ。
スープを掬い口に運ぶスプーンが止まらない。
スープを3分の2ほど食べてしまったら、二つ目のパンに手を伸ばした。
今度は一口大に千切り、ちょっとはした無いけど、残りのスープに千切ったパンを浸した。
静かにパンに染み込み、持ち上げると滴るムミミルクのスープ。
「ぁむ。ん~~!!」
口に入れると、ジュワっと溢れるスープと、スープが染みてフワフワトロッと柔らかくなったパンが口の中を幸せにしてくれる。
やっぱり、知らない食材ばかりだけど、この世界の料理は、元の世界とあまり遜色は無いのかも知れない。
美味しくって皿に残っているスープを残らず拭って綺麗にいただきます。
「・・・・食べ切っちゃった、」
パンとスープが美味しくて、あっという間に食べてしまった。
美味しい料理は、食べる時は楽しいけど食べ終わって綺麗に食べ切っちゃったお皿を見つめるとなんだか物悲しく感じさせる。
と、その時、
「ぷっ、ククク、」
「へ?」
突然、隣から笑い声が聞こえ、隣の席を見ると、
「ふふふ、ああ、笑ってごめんね」
何故か、男の人がコチラを見て笑っていた。
・・・・・誰?
なんだかデジャヴ。
「ん、んん、んぁ?」
暖かい日の光の温度と窓の外の鳥の鳴き声で、紅音の眠っていた意識が目覚めていく。
「朝?」
紅音は寝ぼけ眼でベッドから上半身を起こし、周りを見渡すと、そこはコテージ風の部屋だった。
「ああ、やっぱり、夢じゃあ、無かったんだ・・・」
昨日異世界へ召喚されたのは私の長い長い夢では無かったんだ。
心のどこかで、昨日の出来事は全部夢だったと思いたかった自分がいた。
だけど、
チチチチ、チチチチ。
窓の外で小鳥の様に囀っている青いハゲタカみたいな大型猛禽類の姿を見て、嫌でも此処が異世界だと認識させられる。
「いや、ギャップありすぎでしょう・・・」
私の知っているハゲタカはそんな可愛く囀りません。
「なんだか、物凄く久しぶりに深く寝たかも」
いつもなら、スマホのアラームで起きるけど、今スマホは手元に無いため、久しぶりに熟睡出来た。
ベッドから降り、部屋に備え付けられている洗面台へ行く。
元の世界の洗面台とは異なり、洗面台に青い石と赤い石が付いており、青い石に手をかざすと洗面台に水が溜まり、赤い石に手をかざすとお湯が出てくる。
持ってきた洗顔セットで顔を洗う。
昨日シロに教えてもらった。
この青い石と赤い石には水の魔法が込められていて、赤い石には高温になる様に熱の魔法を込められている、らしい。
この世界では魔素が強い特定の場所で魔力を蓄えた鉱石や植物が存在してそれを採取、加工、流通させる事で、様々な生活の用途に利用されている。
だからこの世界では魔法は流通しているが、魔法が使えない人、魔力が弱い人も存在するらしい。
寧ろ、強い魔力や珍しい魔法を使いこなす者は重宝され、生活面、仕事面で優遇される事が多いとの事。
私には、珍しいスキルが有るけど、魔力は人並み以下。
生活する上で必要最低限の魔法魔具を使うくらいの魔力しか待ち合わせていない。
まあ、この世界では私は並の下と言う事だ。
洗面台で顔を洗い、備え付けタオルを取り出し、濡れた顔を拭く。
昨日はパジャマが無かったから、昨日は仕方なく、着ているシャツをパジャマがわりにして眠った。
「今日、亜空間プライベートルームに入ったら、パジャマも持ってこよう」
そう呟きながら、洗面台で歯を磨く。
この宿屋は、日本のホテルや旅館の様なアメニティではなく、備え付けがタオルだけだったので昨日通販で買った防災サバイバルリュックの中身が早速役に立ってる。
歯を磨き終え、服を着ていると、ドアの向こうから、
リーンリン!リーンリン!!
「朝食のご用意が出来ました!!どうか、一階の食堂へお食事下さいませぇ」
ベルを鳴らす音と宿屋のご主人の声が聞こえた。
そう言えば、この宿屋の朝食は食堂で貰えるんだった。
紅音は、手早く服の身支度を整え、黒のカーディガンを羽織り、念の為に財布と亜空間プライベートルームの鍵を持って部屋を出て鍵をかける。
一階に降りると、既に何人かの食堂に入っていた。
皆、お盆を持ち、並び、カウンターに立つふくよかなおばさんからパンとスープを受け取っていた。
紅音は前の人に習い、列に並ぶ。
「おはようございます。野菜のスープとムミミルクのスープどちらに?」
大らかで優しそうなおばさんが並んでいる人達に尋ねる。
スープは2種から選ぶらしく、二杯の寸胴鍋に沢山の野菜が入ったコンソメスープの様なスープと薄黄色のポタージュの様なスープが満たされていた。
どちらも湯気が立って美味しそうだけど、気分的にポタージュぽいスープが惹かれた。
「おはようございます。どちらのスープがよろしい?」
「おはようございます。えっと、ムミミルクのスープをお願いします」
「はいな」
木のスープ皿に注がれる温かいスープ。
ふんわりと香るスープの美味しそうな匂い。薄黄色のスープの中に小さく角切りされた野菜やお肉が見え隠れしている。
「ありがとうございます」
「はい、召し上がれ。パンは一人2つまでですよ」
「はい。いただきます」
スープを受け取り、籠に山盛りになっている丸いパンを二つお盆に乗せた。
シンプルな丸いパンは焼きたてのようで、ほんのり湯気が立っている。
焼きたてのパンの香りが、食欲を掻き立てる。
窓際の空いているテーブルへ足を進め、席に着く。
暖かい朝陽が差し込む窓際で淡く薄い湯気がたちのぼる温かいスープと真ん中に大きく切れ目が美味しそうな丸いパン。
シンプルなのに物語に出てきそうな特別な朝食に思えてしまう。
「美味しそう、だけど、ムミミルクって何?」
一応鑑定しておこう。
「スキル『鑑定』発動」
【ムミミルクのスープ。
ムミの穀物を乾燥させた物を水で茹で、粉砕、漉し抽出した液体。安価で栄養価が高く生乳の代用品に用いられる。キャロン、モロロ芋。ドドリーバードの肉。飲食可能】
【白麦のパン。焼きたて。飲食可能】
「へぇ、ムミミルクって豆乳みたいなもの?いや、オーツミルクに近いのかな?」
見た目はコーンスープポタージュ。香りも、コーンスープっぽいかも。
パンも丸いソフトフランスパンみたい。
「よし」
私は手を合わせ、
「いただきます」
朝食を食べる事にする。
ほんのりと温かいパンを二つに割ると、ふんわりと湯気が逃げる様に上へ上がって消えた。
口にした瞬間、ふんわりと小麦の良い香りが鼻腔をくすぐる。
「ん、んん!!」
見た目はソフトフランスパンだが、食感はフワフワもっちり。
昔、奇跡的に給料日と連休の休みが重なった休日に自分へのご褒美にと、思い切って遠出して行った有名パン屋さんの焼きたてパンと遜色無い。
ふっくら、としていていながら、コシのある噛みごたえ。ほんのり甘い風味。
「ほぅ、」
溜め息が零れる。
「美味しい・・・」
これ、焼きたてだから、こんなに美味しいの?それとも、作っている人がパン作りの達人なの?
パン一個はあっという間に食べてしまった。
次は、ムミミルクのスープ。
スプーンで一混ぜ、小さな角切りにされた具と共に食べる。
「あ、美味しい」
トロッとした優しい滑らかな舌触り。
味はオーツミルクと豆乳を合わせた優しい味だが、まるで生クリームを加えてあるみたいに濃厚。
だけど、風味が豆乳に似て軽く、後味が全然くどく無い。
ホロホロになるまでに柔らかく煮られた野菜とお肉がスープとよく合っている。
お野菜とお肉の出汁がよく出ている。
心無しか、懐かしさを感じさせる料理だ。
スープを掬い口に運ぶスプーンが止まらない。
スープを3分の2ほど食べてしまったら、二つ目のパンに手を伸ばした。
今度は一口大に千切り、ちょっとはした無いけど、残りのスープに千切ったパンを浸した。
静かにパンに染み込み、持ち上げると滴るムミミルクのスープ。
「ぁむ。ん~~!!」
口に入れると、ジュワっと溢れるスープと、スープが染みてフワフワトロッと柔らかくなったパンが口の中を幸せにしてくれる。
やっぱり、知らない食材ばかりだけど、この世界の料理は、元の世界とあまり遜色は無いのかも知れない。
美味しくって皿に残っているスープを残らず拭って綺麗にいただきます。
「・・・・食べ切っちゃった、」
パンとスープが美味しくて、あっという間に食べてしまった。
美味しい料理は、食べる時は楽しいけど食べ終わって綺麗に食べ切っちゃったお皿を見つめるとなんだか物悲しく感じさせる。
と、その時、
「ぷっ、ククク、」
「へ?」
突然、隣から笑い声が聞こえ、隣の席を見ると、
「ふふふ、ああ、笑ってごめんね」
何故か、男の人がコチラを見て笑っていた。
・・・・・誰?
なんだかデジャヴ。
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