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形勢逆転
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私に加護を与えてくれたレイ様達。
だが、パルアドルフ様は、無闇に加護を与え、私の身に危険が及ぶ可能性を危惧し、自分の事のように怒ってくれている。
双方、どちらも私の事を想ってくれている。
場違いだが、嬉しくも感じる。
すぐにでも、皆様にお礼を言いたい。
言いたいの、だが、その前に一言だけ言いたい。
「皆さんで私をパルアドルフ様の盾にしないで下さい!!!」
何故か、現在進行形でパルアドルフ様からお説教されているレイ様達が私の後ろに一斉に逃げこみ、私がパルアドルフ様と対立する形になっていた。
「お前らぁ~~!!」
「わわわわ!!お、落ち着いて下さい!!パルアドルフ様!!」
怒りの表情のパルアドルフ様。
美形が起こると恐いと言うのは、本当だった。
「あはは、済まん!お嬢ちゃん!!」
「パルアドルフは怒ると厄介なので」
「ごめん」
「・・・・済まない」
「紅音ちゃん、ごめんねぇ~」
「ご、ごめんなさいぃぃ」
「そう、思うなら、私の背中の後ろから出て来てくださいよ!?」
神様なのに一般人を盾にしていいの??
「たまにはイイと僕は思うよ?」
「サラッと心読まないで下さい!!」
後ろを振り向きながら、気まずそうに笑う神様達に怒る。
「そうだ!!紅音殿の後ろ隠れていないで、さっさと出てこい!!」
「パルアドルフ様は少し落ち着いて下さいぃぃ!!」
神様が怒って神様が怒られて、その中の一般人の私・・・。
嗚呼、六畳くらいの広さの白い部屋がなんだかカオスな状況に・・・。
「紅音、」
「え?」
このカオスな状況に困りあぐねていると、不意に、後ろから声をかけられた。
反射的に振り向くと、燃えるような赤い髪に真紅の瞳をした美青年、レニックス様が顔を近づけて来た。
「何か、甘いものを持っていないか?何でもいい」
「へ?」
唐突なレニックス様の問い。
「パルアドルフ兄さんは甘党なんだ」
「え、」
「何か甘い食べ物があれば、とりあえず落ち着くはずだ」
「は、はい!!」
レニックス様の言葉にこのカオスな状況の打破する希望を見出し、私は急いで持って来たリュックを漁った。
そして、リュックから目当ての物を引っ掴み引っ張り出した。
「あ、あの!パルアドルフ様!!」
「ッッ、なんだ、」
「こ、これをどうぞ!!」
私は、封が開いたサイダー味のキャンディの袋をパルアドルフ様に勢いよく差し出した。
「・・・・、これは、」
「飴です。サイダー味のキャンディです!甘くて美味しいですよ!?」
「飴・・・・」
紅音の飴と言う言葉に、パルアドルフの動きが止まる。
「イ、イライラした時は、甘いものを食べると落ち着きます。よ、よければ、御一つどうぞ。お召し上がり、下さい・・・」
「・・・・・・・」
無言のパルアドルフ。
と言うか、神様相手にコンビニで220円で買える飴なんかで怒りが収まってくれるの??
飴を差し出して今更だが、一抹の不安を感じる紅音。
白い部屋に流れる沈黙。
だが、
「なんや?パル兄やが食べへんやったら、ワイがぜーんぶ貰うたるわ!」
明るい声が沈黙を破り、紅音の背後から伸びて来た腕が飴の袋に手を突っ込んだ。
「うわ!?」
「あ?コレどうやって食べるん?」
驚く私をよそに、飴を取ったドルーネ様は一個づつ小分けに梱包された飴を不思議そうに見る。
「あ、え?知らない、んですか?」
「それは、こちらの世界の物ではないので我々には馴染みがないんです」
ルカ様が興味津々にドルーネ様の持つ飴を見つめる。
「そうなんですね、これは、こうやって袋を破って、中の取り出して、食べるんです」
私は、袋から飴を一つ取り出し、小さな包みを指で破き、青緑色の球体に白く細い線が波打つ小さな飴を見せる。
「うわあ・・・」
「まあ!綺麗!まるで宝石みたい!!」
「それ、食べられるのか?」
ルカ様とロディ様が飴玉を見て目を輝かせ、アディーダ様は、食べ物なのかと半信半疑の様子だった。
「わ、私のいた世界では美味しく食べれました」
「ほう、どれどれ?」
ヒョイ
「あ、」
パク
すると、ドルーネ様が私の手から飴を摘み、躊躇なく口に入れた。
「お!美味いやん!!コレ」
「あー!ドルーネお兄ちゃん、ズルイ!!」
「わ、私も食べたいです!!」
ルカ様の一言に、全員の視線がサイダー味のキャンディの袋に注がれる。
「えっと、よろしければ、皆さんもどうぞ」
「いただいます!!!」
キャンディの袋に神様達の手が伸びる。
「んー!!美味しいぃ!!」
「甘くてシュワシュワして、美味しいです!!」
ロディ様とルカ様は互いに笑顔で顔を見合わせる。
「うん。美味しい」
「悪くない」
「うーん、僕には、ちょっと甘すぎるかな?」
アディーダ様やレニックス様も気に入った様子だが、レイ様は少し苦手なのか苦笑いをしている。
甘く懐かしいサイダーの味に口に入れたら舌の上でシュワっと弾けるような食感が私のマイブームの飴だ。
その時、
ガリ、バリ、ボリボリ、ボリボリと場違いな音が響く。
「ん?」
音のする方を見ると、夢中で美味しそうに飴を噛み砕くパルアドルフ様の姿が。
うわぁ・・・歯ぁ、つよ・・・。
と言うか、飴玉をそうやって噛み砕きながら食べる人なかなか居ないぞ・・・。
あ、神様だった。
ふと、気がつくと、まだ10数個残っていた飴の袋から、飴が無くなってしまった。
「え、もう無い!?」
あっという間の出来事に紅音は目を丸くする。
「何?もう、無いのか?」
「は、はい・・・・」
試しに飴の袋を逆さまにするが飴は一粒も出て来なかった。
「そ、そんな・・・・」
思いっきり、ショックを受けているパルアドルフ様。
よく見ると、パルアドルフ様の足元に飴の殻の残骸が散らかっていた。
こ、この神様、一人で一気に飴12個たべたの?
糖尿病になるぞ・・・・。
若干引き気味な紅音。
そんな、紅音を見た、
「・・・・ん?んん!!アディ!レニー!ちょっと耳貸しい!!」
「は?」
「ん?」
ドルーネ様がアディーダ様とレニックス様を連れて部屋の隅に移動した。
「~~~、~~、やから、~、で、~~~」
「~~、~~~?」
「~~~、~~。~~~」
何か、三人で相談している様子。
でも、恐らく、良からぬ事を相談していたんだろう。
だって、振り向いた三人の顔が、
「うわー、悪い顔」
とっても悪い顔をしていたから。
「あーあ、パル兄や、やってしもうたなぁ」
「え、」
「そのお菓子、紅音の世界の物でコチラでは手に入れるのは困難な代物なんだよね?パルアドルフ兄さん?」
「う、うむ・・・・」
「甘味は、心の癒し。異世界からこの世界に不本意にやって来た紅音にとって、心の癒しは必須」
「そ、れは・・・」
「甘味を勧めたのは確かに、紅音ですが、流石に兄さんは食べ過ぎです。僕らは、一つづつしか貰っていないのに、兄さんは無断で何個も」
「う・・・・」
「あーんなに、ワイらの事責めるような事を言っておいて、自分は、お嬢ちゃんの大事な食料をこーんなに食べてしもうて。
あーあ、お嬢ちゃんが可哀想やわ~~」
態とらしく、あざとく、悪い笑みを浮かべる三人の顔。
「!。そうよねぇ~。私達は紅音ちゃんにちゃんと対価として加護を授けたのにパルアドルフお兄ちゃんは紅音ちゃんに何かしてあげたのかな?」
「そ、そうです!ズルイです!」
すると、ロディ様とルカ様な三人の兄妹の考えに便乗するように声を上げる。
「そ、それは・・・・」
妹であるロディ様とルカ様様に詰め寄られ、タジタジとなるパルアドルフ様。
「まあ、確かに、加護持ちは狙われてやすい。だから、僕は紅音に『危機察知の強化』を加護に付けたよ?」
そして、そこに和やかなレイ様も参戦して来た。
「『危険察知』?」
なんか、物騒な加護を与えられた?
「紅音に害を与えるモノ、もしくは、コレから起き得る危険を感覚的に察知ができる加護だから、きっとこれからの彼女の生活で役に立つ筈だよ?」
「だ、だが、我々があまり、紅音殿に肩入れするのは、」
「うん。確かに過度な肩入れは危険の元だ。確かに昔、神が人間に肩入れし過ぎて、『自分は神に愛されている』と勘違いをした人間が暴走した事もあったね」
「だから、」
「やけど、気に入った人間を見守るんは、神であるワイ等の本分やでパル兄や?」
さっきまでとは形勢逆転でパルアドルフ様が段々とレイ様達に壁際に追い込まれている。
うん、口を挟める雰囲気では無い。
「・・・・・・・・・・」
「嗚呼、別に僕達はパルアドルフを責めている訳では無いよ?パルアドルフの言っている事は至極当然で、まともだよ。うん。正論だよ?」
「・・・・・・・」
「でも・・・・・、紅音の飴、美味しかったかい?」
「・・・・・・・・はい」
穏やかなレイ様の笑顔に大人しく返事をするパルアドルフ様。
「だったら、何か紅音にお礼をする事は、何か問題あるかな?」
「・・・・・ない、です・・・・」
笑顔のレイ様に静圧されるパルアドルフ様。
うん。やっぱり、
「レイ様、つよ・・・」
力関係は上の兄であるレイ様の方が強いらしい。
だが、パルアドルフ様は、無闇に加護を与え、私の身に危険が及ぶ可能性を危惧し、自分の事のように怒ってくれている。
双方、どちらも私の事を想ってくれている。
場違いだが、嬉しくも感じる。
すぐにでも、皆様にお礼を言いたい。
言いたいの、だが、その前に一言だけ言いたい。
「皆さんで私をパルアドルフ様の盾にしないで下さい!!!」
何故か、現在進行形でパルアドルフ様からお説教されているレイ様達が私の後ろに一斉に逃げこみ、私がパルアドルフ様と対立する形になっていた。
「お前らぁ~~!!」
「わわわわ!!お、落ち着いて下さい!!パルアドルフ様!!」
怒りの表情のパルアドルフ様。
美形が起こると恐いと言うのは、本当だった。
「あはは、済まん!お嬢ちゃん!!」
「パルアドルフは怒ると厄介なので」
「ごめん」
「・・・・済まない」
「紅音ちゃん、ごめんねぇ~」
「ご、ごめんなさいぃぃ」
「そう、思うなら、私の背中の後ろから出て来てくださいよ!?」
神様なのに一般人を盾にしていいの??
「たまにはイイと僕は思うよ?」
「サラッと心読まないで下さい!!」
後ろを振り向きながら、気まずそうに笑う神様達に怒る。
「そうだ!!紅音殿の後ろ隠れていないで、さっさと出てこい!!」
「パルアドルフ様は少し落ち着いて下さいぃぃ!!」
神様が怒って神様が怒られて、その中の一般人の私・・・。
嗚呼、六畳くらいの広さの白い部屋がなんだかカオスな状況に・・・。
「紅音、」
「え?」
このカオスな状況に困りあぐねていると、不意に、後ろから声をかけられた。
反射的に振り向くと、燃えるような赤い髪に真紅の瞳をした美青年、レニックス様が顔を近づけて来た。
「何か、甘いものを持っていないか?何でもいい」
「へ?」
唐突なレニックス様の問い。
「パルアドルフ兄さんは甘党なんだ」
「え、」
「何か甘い食べ物があれば、とりあえず落ち着くはずだ」
「は、はい!!」
レニックス様の言葉にこのカオスな状況の打破する希望を見出し、私は急いで持って来たリュックを漁った。
そして、リュックから目当ての物を引っ掴み引っ張り出した。
「あ、あの!パルアドルフ様!!」
「ッッ、なんだ、」
「こ、これをどうぞ!!」
私は、封が開いたサイダー味のキャンディの袋をパルアドルフ様に勢いよく差し出した。
「・・・・、これは、」
「飴です。サイダー味のキャンディです!甘くて美味しいですよ!?」
「飴・・・・」
紅音の飴と言う言葉に、パルアドルフの動きが止まる。
「イ、イライラした時は、甘いものを食べると落ち着きます。よ、よければ、御一つどうぞ。お召し上がり、下さい・・・」
「・・・・・・・」
無言のパルアドルフ。
と言うか、神様相手にコンビニで220円で買える飴なんかで怒りが収まってくれるの??
飴を差し出して今更だが、一抹の不安を感じる紅音。
白い部屋に流れる沈黙。
だが、
「なんや?パル兄やが食べへんやったら、ワイがぜーんぶ貰うたるわ!」
明るい声が沈黙を破り、紅音の背後から伸びて来た腕が飴の袋に手を突っ込んだ。
「うわ!?」
「あ?コレどうやって食べるん?」
驚く私をよそに、飴を取ったドルーネ様は一個づつ小分けに梱包された飴を不思議そうに見る。
「あ、え?知らない、んですか?」
「それは、こちらの世界の物ではないので我々には馴染みがないんです」
ルカ様が興味津々にドルーネ様の持つ飴を見つめる。
「そうなんですね、これは、こうやって袋を破って、中の取り出して、食べるんです」
私は、袋から飴を一つ取り出し、小さな包みを指で破き、青緑色の球体に白く細い線が波打つ小さな飴を見せる。
「うわあ・・・」
「まあ!綺麗!まるで宝石みたい!!」
「それ、食べられるのか?」
ルカ様とロディ様が飴玉を見て目を輝かせ、アディーダ様は、食べ物なのかと半信半疑の様子だった。
「わ、私のいた世界では美味しく食べれました」
「ほう、どれどれ?」
ヒョイ
「あ、」
パク
すると、ドルーネ様が私の手から飴を摘み、躊躇なく口に入れた。
「お!美味いやん!!コレ」
「あー!ドルーネお兄ちゃん、ズルイ!!」
「わ、私も食べたいです!!」
ルカ様の一言に、全員の視線がサイダー味のキャンディの袋に注がれる。
「えっと、よろしければ、皆さんもどうぞ」
「いただいます!!!」
キャンディの袋に神様達の手が伸びる。
「んー!!美味しいぃ!!」
「甘くてシュワシュワして、美味しいです!!」
ロディ様とルカ様は互いに笑顔で顔を見合わせる。
「うん。美味しい」
「悪くない」
「うーん、僕には、ちょっと甘すぎるかな?」
アディーダ様やレニックス様も気に入った様子だが、レイ様は少し苦手なのか苦笑いをしている。
甘く懐かしいサイダーの味に口に入れたら舌の上でシュワっと弾けるような食感が私のマイブームの飴だ。
その時、
ガリ、バリ、ボリボリ、ボリボリと場違いな音が響く。
「ん?」
音のする方を見ると、夢中で美味しそうに飴を噛み砕くパルアドルフ様の姿が。
うわぁ・・・歯ぁ、つよ・・・。
と言うか、飴玉をそうやって噛み砕きながら食べる人なかなか居ないぞ・・・。
あ、神様だった。
ふと、気がつくと、まだ10数個残っていた飴の袋から、飴が無くなってしまった。
「え、もう無い!?」
あっという間の出来事に紅音は目を丸くする。
「何?もう、無いのか?」
「は、はい・・・・」
試しに飴の袋を逆さまにするが飴は一粒も出て来なかった。
「そ、そんな・・・・」
思いっきり、ショックを受けているパルアドルフ様。
よく見ると、パルアドルフ様の足元に飴の殻の残骸が散らかっていた。
こ、この神様、一人で一気に飴12個たべたの?
糖尿病になるぞ・・・・。
若干引き気味な紅音。
そんな、紅音を見た、
「・・・・ん?んん!!アディ!レニー!ちょっと耳貸しい!!」
「は?」
「ん?」
ドルーネ様がアディーダ様とレニックス様を連れて部屋の隅に移動した。
「~~~、~~、やから、~、で、~~~」
「~~、~~~?」
「~~~、~~。~~~」
何か、三人で相談している様子。
でも、恐らく、良からぬ事を相談していたんだろう。
だって、振り向いた三人の顔が、
「うわー、悪い顔」
とっても悪い顔をしていたから。
「あーあ、パル兄や、やってしもうたなぁ」
「え、」
「そのお菓子、紅音の世界の物でコチラでは手に入れるのは困難な代物なんだよね?パルアドルフ兄さん?」
「う、うむ・・・・」
「甘味は、心の癒し。異世界からこの世界に不本意にやって来た紅音にとって、心の癒しは必須」
「そ、れは・・・」
「甘味を勧めたのは確かに、紅音ですが、流石に兄さんは食べ過ぎです。僕らは、一つづつしか貰っていないのに、兄さんは無断で何個も」
「う・・・・」
「あーんなに、ワイらの事責めるような事を言っておいて、自分は、お嬢ちゃんの大事な食料をこーんなに食べてしもうて。
あーあ、お嬢ちゃんが可哀想やわ~~」
態とらしく、あざとく、悪い笑みを浮かべる三人の顔。
「!。そうよねぇ~。私達は紅音ちゃんにちゃんと対価として加護を授けたのにパルアドルフお兄ちゃんは紅音ちゃんに何かしてあげたのかな?」
「そ、そうです!ズルイです!」
すると、ロディ様とルカ様な三人の兄妹の考えに便乗するように声を上げる。
「そ、それは・・・・」
妹であるロディ様とルカ様様に詰め寄られ、タジタジとなるパルアドルフ様。
「まあ、確かに、加護持ちは狙われてやすい。だから、僕は紅音に『危機察知の強化』を加護に付けたよ?」
そして、そこに和やかなレイ様も参戦して来た。
「『危険察知』?」
なんか、物騒な加護を与えられた?
「紅音に害を与えるモノ、もしくは、コレから起き得る危険を感覚的に察知ができる加護だから、きっとこれからの彼女の生活で役に立つ筈だよ?」
「だ、だが、我々があまり、紅音殿に肩入れするのは、」
「うん。確かに過度な肩入れは危険の元だ。確かに昔、神が人間に肩入れし過ぎて、『自分は神に愛されている』と勘違いをした人間が暴走した事もあったね」
「だから、」
「やけど、気に入った人間を見守るんは、神であるワイ等の本分やでパル兄や?」
さっきまでとは形勢逆転でパルアドルフ様が段々とレイ様達に壁際に追い込まれている。
うん、口を挟める雰囲気では無い。
「・・・・・・・・・・」
「嗚呼、別に僕達はパルアドルフを責めている訳では無いよ?パルアドルフの言っている事は至極当然で、まともだよ。うん。正論だよ?」
「・・・・・・・」
「でも・・・・・、紅音の飴、美味しかったかい?」
「・・・・・・・・はい」
穏やかなレイ様の笑顔に大人しく返事をするパルアドルフ様。
「だったら、何か紅音にお礼をする事は、何か問題あるかな?」
「・・・・・ない、です・・・・」
笑顔のレイ様に静圧されるパルアドルフ様。
うん。やっぱり、
「レイ様、つよ・・・」
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