7 / 27
王都ルーダ
しおりを挟む「それじゃあ…ん?仕事が入った。開始は十分後だ。5分ごとに送りつける。準備しておけ!」
リオンが自分勝手な言葉を残して転移した。
「……」
皆、少ない情報の中での早い展開に呆然としていた。
(これは…)
サイカはリオンが転移した後に何かの紙が落ちているのを見つけた。近づいて確認すると、それは指示がメモされた紙切れであった。
(『十分後』って、まさかコレやるってこと?)
「みんな、来てください!」
サイカはすぐに人を集めた。
メモのの内容は箇条書きで7つ書かれていた。
・5分ごとにモンスターを送る。旗を立ててある。
・送りつけるモンスターはお前らではやれない。罠に嵌めてアイテムで攻撃しろ
・家は安全
・周りは崖、落ちるな
・外付け倉庫に必要なものはだいたい入れてある
・トイレは玄関入って左に進め
・危なくなったら球を割れ
の以上である。
「旗?」
カイトが疑問に思って呟く。
「あそこだと思うよ」
リュートが答える。そこには、きの棒に白い布を括り付けただけの見窄らしい旗があった。
「アレか…」
「私はこっちの方が気になるのだけどアイテム?この魔道具のことかしら?」
サリアがリオンが残した武器を指して言った。
「ん、多分そう、しかも、機械タイプのお高いヤツ」
アヤメが答える。
「ちょっと!あなた達、そんなに集まったら他の人が見れなくなります!離れてください!」
サイカはギュウギュウに詰めてメモを見るリュート達を引き剥がした。
「そう言われてもな~、見ながら試したいし…」
カイトが名残惜しそうにメモを覗く。
「じゃあ、こうしよう!」
そこで、リュートがある提案をした。
ーーーーーーーー
「はーい、注目!」
『触媒魔法』で形成されたホワイトボード前でリュートが呼びかける。
「これから、メモの内容について話していこうと思います。リオンさんの話では十分後に訓練が始まるとのことです」
リュートは『闇魔法』で作られたチョークでメモの内容はをボードに書き連ねた。
「まず一つ目、見ての通りだね、シンプルだ。旗はあそこにある。トウカ先生の助言通りにラウド先生を嗾けよう」
説明を終えると文を射線で消した。
「二つ目、パワーレベリングです。今年は大変な年になりそうです」
リュートが線を引こうとした時、リョウカ質問をした。
「えっと、どう言うことなのです?」
申し訳なさそうに聞く。
「パワーレベリングの特徴は分かる?」
「それは分かるのです!」
この世界でのパワーレベリングとは遥か格上の相手を実力関係なしに倒す行為である。大量のマナを一気に吸収するため大幅な成長を可能にする。
しかし、一見やり得にも思えるパワーレベリングだが欠点がある。人が吸収できるマナの総量には限界があり、それは地道な訓練でしか増やすことが出来ない。
「そういう事だね」
「どう言う事です!?サイカっちは分かるのです?」
「…今は目の前のことを考えてください」
サイカが目を逸らして答える。
「何なのです!?意味わからなくて怖いです!」
「フフ…知らない方が良いものとは結構ございますよ」
ニナがリョウカの耳元で囁く。
「…ッ!いっそ教えるのです。覚悟できれば多少マシになるのです!」
(うぁー…)
サイカはニナの黒い本性を垣間見た。
「三つ目はそのままの意味だと思う。いないと思うけど戦いたく無い人は中に避難すればいい」
(?いないと思う?私、訓練で命掛けたく無いのです。皆んな分かってるのです?)
リョウカは一人理解できずに混乱する。
「アヤメーー!」
リュートが家の前に立つアヤメに声をかけた。
「ふんっ!」
アヤメが玄関の柱を殴る。
「この通り」
リュートが前を向く。
(どの通りなのです!?意味がわからないのです!意味がわからなすぎて…意味がわからないのです!)
リョウカの思考は混沌を極めた。
「四つ目、カリスに軽く調べてもらったところ、円形に出っぱった台地みたいになってる。安全装置みたいなの多分無いから」
リュートが線を引く。
(あっ、これは理解できたのです!)
「五つ目、倉庫はあそこ。魔道具のコアはおそらくそこにある」
「有ったわよー!」
サリアがコアを片手に手を振る。
(これも余裕なのです!)
リョウカに活力が戻る。
「六つ目はいいとして七つ目、球は使ってないサリアたちの班のを使えってことだと思う。ここで一つ問題がある。」
リュートが線を引き、真剣な表情で言う。
「何なのです?」
リョウカが声に出して聞く。
「時間がない、40秒で支度しろ!」
リュートが叫んだ。
(絶対終わらないのです!)
ーーーーーー
クラスメイト全員が魔道具を装備して旗を囲んでいる。
装備は多種多様であり大きく分けての近接、援護、遠距離の三種類がある。コアの構成は皆、機動と防御に特化させて攻撃を魔道具に頼る形となっている。
旗から近い順に近接部隊、援護部隊、遠距離部隊に分かれた。近接、援護の部隊は適当に、遠距離部隊はピクシーが担当した。
部隊の手前には申し訳程度の壁と家の前まで通じる塹壕が引かれている。
(ほ、本当に終わったのです。皆んな速いのです…)
皆が息を呑み標的を待つ。
5、4、3、2、1
旗の真上に丸々と太った齧歯動物が現れた。
(来たっ!)
リュート達はモンスターに一斉に襲い掛かる。
「え……」
カイトは呆気ない結果に思わず声を漏らした。
遠距離部隊の放った攻撃がモンスターの脳天を貫通したのである。
リオンが自分勝手な言葉を残して転移した。
「……」
皆、少ない情報の中での早い展開に呆然としていた。
(これは…)
サイカはリオンが転移した後に何かの紙が落ちているのを見つけた。近づいて確認すると、それは指示がメモされた紙切れであった。
(『十分後』って、まさかコレやるってこと?)
「みんな、来てください!」
サイカはすぐに人を集めた。
メモのの内容は箇条書きで7つ書かれていた。
・5分ごとにモンスターを送る。旗を立ててある。
・送りつけるモンスターはお前らではやれない。罠に嵌めてアイテムで攻撃しろ
・家は安全
・周りは崖、落ちるな
・外付け倉庫に必要なものはだいたい入れてある
・トイレは玄関入って左に進め
・危なくなったら球を割れ
の以上である。
「旗?」
カイトが疑問に思って呟く。
「あそこだと思うよ」
リュートが答える。そこには、きの棒に白い布を括り付けただけの見窄らしい旗があった。
「アレか…」
「私はこっちの方が気になるのだけどアイテム?この魔道具のことかしら?」
サリアがリオンが残した武器を指して言った。
「ん、多分そう、しかも、機械タイプのお高いヤツ」
アヤメが答える。
「ちょっと!あなた達、そんなに集まったら他の人が見れなくなります!離れてください!」
サイカはギュウギュウに詰めてメモを見るリュート達を引き剥がした。
「そう言われてもな~、見ながら試したいし…」
カイトが名残惜しそうにメモを覗く。
「じゃあ、こうしよう!」
そこで、リュートがある提案をした。
ーーーーーーーー
「はーい、注目!」
『触媒魔法』で形成されたホワイトボード前でリュートが呼びかける。
「これから、メモの内容について話していこうと思います。リオンさんの話では十分後に訓練が始まるとのことです」
リュートは『闇魔法』で作られたチョークでメモの内容はをボードに書き連ねた。
「まず一つ目、見ての通りだね、シンプルだ。旗はあそこにある。トウカ先生の助言通りにラウド先生を嗾けよう」
説明を終えると文を射線で消した。
「二つ目、パワーレベリングです。今年は大変な年になりそうです」
リュートが線を引こうとした時、リョウカ質問をした。
「えっと、どう言うことなのです?」
申し訳なさそうに聞く。
「パワーレベリングの特徴は分かる?」
「それは分かるのです!」
この世界でのパワーレベリングとは遥か格上の相手を実力関係なしに倒す行為である。大量のマナを一気に吸収するため大幅な成長を可能にする。
しかし、一見やり得にも思えるパワーレベリングだが欠点がある。人が吸収できるマナの総量には限界があり、それは地道な訓練でしか増やすことが出来ない。
「そういう事だね」
「どう言う事です!?サイカっちは分かるのです?」
「…今は目の前のことを考えてください」
サイカが目を逸らして答える。
「何なのです!?意味わからなくて怖いです!」
「フフ…知らない方が良いものとは結構ございますよ」
ニナがリョウカの耳元で囁く。
「…ッ!いっそ教えるのです。覚悟できれば多少マシになるのです!」
(うぁー…)
サイカはニナの黒い本性を垣間見た。
「三つ目はそのままの意味だと思う。いないと思うけど戦いたく無い人は中に避難すればいい」
(?いないと思う?私、訓練で命掛けたく無いのです。皆んな分かってるのです?)
リョウカは一人理解できずに混乱する。
「アヤメーー!」
リュートが家の前に立つアヤメに声をかけた。
「ふんっ!」
アヤメが玄関の柱を殴る。
「この通り」
リュートが前を向く。
(どの通りなのです!?意味がわからないのです!意味がわからなすぎて…意味がわからないのです!)
リョウカの思考は混沌を極めた。
「四つ目、カリスに軽く調べてもらったところ、円形に出っぱった台地みたいになってる。安全装置みたいなの多分無いから」
リュートが線を引く。
(あっ、これは理解できたのです!)
「五つ目、倉庫はあそこ。魔道具のコアはおそらくそこにある」
「有ったわよー!」
サリアがコアを片手に手を振る。
(これも余裕なのです!)
リョウカに活力が戻る。
「六つ目はいいとして七つ目、球は使ってないサリアたちの班のを使えってことだと思う。ここで一つ問題がある。」
リュートが線を引き、真剣な表情で言う。
「何なのです?」
リョウカが声に出して聞く。
「時間がない、40秒で支度しろ!」
リュートが叫んだ。
(絶対終わらないのです!)
ーーーーーー
クラスメイト全員が魔道具を装備して旗を囲んでいる。
装備は多種多様であり大きく分けての近接、援護、遠距離の三種類がある。コアの構成は皆、機動と防御に特化させて攻撃を魔道具に頼る形となっている。
旗から近い順に近接部隊、援護部隊、遠距離部隊に分かれた。近接、援護の部隊は適当に、遠距離部隊はピクシーが担当した。
部隊の手前には申し訳程度の壁と家の前まで通じる塹壕が引かれている。
(ほ、本当に終わったのです。皆んな速いのです…)
皆が息を呑み標的を待つ。
5、4、3、2、1
旗の真上に丸々と太った齧歯動物が現れた。
(来たっ!)
リュート達はモンスターに一斉に襲い掛かる。
「え……」
カイトは呆気ない結果に思わず声を漏らした。
遠距離部隊の放った攻撃がモンスターの脳天を貫通したのである。
161
お気に入りに追加
343
あなたにおすすめの小説

せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。
リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。
そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。
そして予告なしに転生。
ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。
そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、
赤い鳥を仲間にし、、、
冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!?
スキルが何でも料理に没頭します!
超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。
合成語多いかも
話の単位は「食」
3月18日 投稿(一食目、二食目)
3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!
異世界転移した町民Aは普通の生活を所望します!!
コスモクイーンハート
ファンタジー
異世界転移してしまった女子高生の合田結菜はある高難度ダンジョンで一人放置されていた。そんな結菜を冒険者育成クラン《炎樹の森》の冒険者達が保護してくれる。ダンジョンの大きな狼さんをもふもふしたり、テイムしちゃったり……。
何気にチートな結菜だが、本人は普通の生活がしたかった。
本人の望み通りしばらくは普通の生活をすることができたが……。勇者に担がれて早朝に誘拐された日を境にそんな生活も終わりを告げる。
何で⁉私を誘拐してもいいことないよ⁉
何だかんだ、半分無意識にチートっぷりを炸裂しながらも己の普通の生活の(自分が自由に行動できるようにする)ために今日も元気に異世界を爆走します‼
※現代の知識活かしちゃいます‼料理と物作りで改革します‼←地球と比べてむっちゃ不便だから。
#更新は不定期になりそう
#一話だいたい2000字をめどにして書いています(長くも短くもなるかも……)
#感想お待ちしてます‼どしどしカモン‼(誹謗中傷はNGだよ?)
#頑張るので、暖かく見守ってください笑
#誤字脱字があれば指摘お願いします!
#いいなと思ったらお気に入り登録してくれると幸いです(〃∇〃)
#チートがずっとあるわけではないです。(何気なく時たまありますが……。)普通にファンタジーです。

森だった 確かに自宅近くで犬のお散歩してたのに。。ここ どこーーーー
ポチ
ファンタジー
何か 私的には好きな場所だけど
安全が確保されてたらの話だよそれは
犬のお散歩してたはずなのに
何故か寝ていた。。おばちゃんはどうすれば良いのか。。
何だか10歳になったっぽいし
あらら
初めて書くので拙いですがよろしくお願いします
あと、こうだったら良いなー
だらけなので、ご都合主義でしかありません。。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
女神様の使い、5歳からやってます
めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。
「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」
女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに?
優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕!
基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。
戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。

若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました
mabu
ファンタジー
聖女召喚に巻き込まれた普通のオバさんが無能なスキルと判断され追放されるが国から貰ったお金と隠されたスキルでお店を開き気ままにのんびりお気楽生活をしていくお話。
なるべく1日1話進めていたのですが仕事で不規則な時間になったり投稿も不規則になり週1や月1になるかもしれません。
不定期投稿になりますが宜しくお願いします🙇
感想、ご指摘もありがとうございます。
なるべく修正など対応していきたいと思っていますが皆様の広い心でスルーして頂きたくお願い致します。
読み進めて不快になる場合は履歴削除をして頂けると有り難いです。
お返事は何方様に対しても控えさせて頂きますのでご了承下さいます様、お願い致します。
【完結】魔王を殺された黒竜は勇者を許さない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
幼い竜は何もかも奪われた。勇者を名乗る人族に、ただ一人の肉親である父を殺される。慈しみ大切にしてくれた魔王も……すべてを奪われた黒竜は次の魔王となった。神の名づけにより力を得た彼は、魔族を従えて人間への復讐を始める。奪われた痛みを乗り越えるために。
だが、人族にも魔族を攻撃した理由があった。滅ぼされた村や町、殺された家族、奪われる数多の命。復讐は連鎖する。
互いの譲れない正義と復讐がぶつかり合う世界で、神は何を望み、幼竜に力と名を与えたのか。復讐を終えるとき、ガブリエルは何を思うだろうか。
ハッピーエンド
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/03/02……完結
2023/12/21……エブリスタ、トレンド#ファンタジー 1位
2023/12/20……アルファポリス、男性向けHOT 20位
2023/12/19……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる