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大変喜ばしい事じゃないですか
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アルケーさんはおどけた感じで言うが、私は血の気が引いた。う、うわーッ!確かにアルケーさん、そんな事言ってた。他にも恥ずかしい事言ってた!
「う、ぐ・・ミスティコさんに私から伝えれば良いんですよね?」
「えぇ、『お願い』します」
アルケーさんは指を絡ませたまま「お願い」の所にアクセント置いて甘えた様な笑みを浮かべる。
気は重いが、アルケーさんとミスティコさんを私抜きで一緒にしておくと、今朝の様に全く全然要らない事をアルケーさんが言い出しかねないので、私も話し合いに加わった方が良いだろう。いざとなったら、アルケーさんの口を押え込んでしまおう。
「・・分かりました。・・頑張ります」
「おや、頑張るなら別の所で頑張っていただけませんか?例えば・・私の雛ならこの先は分かるでしょう?」
気が進まない私とは対照的に、アルケーさんは「ふふ」と意味有り気に笑う。それはそれは楽しそうに。
だ、誰の所為で、ミスティコさんに話をするだけなのに、こんなに気が重たくなっていると思っているんだ!気付かずに、憮然とした表情になっていたんだろう。アルケーさんは眉を下げ黙ったまま、こちらに甘めのドライフルーツたっぷりの蒸しパンのお皿を差し出して来た。これで機嫌を直せと言う事なのだろうか?押し戻すのも気が引けて、何となくお皿を引き寄せる。
「・・夕食の時に、ミスティコさん帰って来るんでしょうか?」
「ご安心を。十中八九、こちらに来るでしょうね。オトの身体の事が心配でしょうから」
アルケーさんは続けて「東のに、心配される事なんか無いんですけどね」と肩を竦め呟く。私は愛想笑いをして誤魔化す。今、アルケーさんはミスティコさんの事、「帰って来る」じゃなくて「来る」って言ったよね・・。アルケーさんに分けて貰った蒸しパンを口に運ぶが何だかいつもの甘さが感じられない。気のせいだろうか。
アルケーさんは、私が蒸しパンを完食したのを見届けると、昼食の休憩で戻って来ていた事も有り、手早く片付け「行って来ます」のキスをしてあっさりと仕事に戻って行った。
独りきりになった部屋で考える。確かに王子の所へ通う頻度に関しては双方で相談して貰った方が良いかもしれない。私は勝手に神殿が自分の家で、王子の所へ通うのは週一、二回とか思っていたが、神殿とお城のパワーバランスなんてものを一切考慮していなかった。話し合いがどう進むか分からないが、神殿とお城の擦り合わせは必要だろう。
今の所、気が重いのは・・帰って来たミスティコさんと顔を合わせる事だ。ミスティコさんが「動けないんだろう?」とアルケーさんに言った時の恥ずかしさと言ったら・・。思い出すだけで顔に熱が集まる。
私は筋肉痛の残る身体を引き摺り寝室に戻ると、ベッドサイドの鏡の前で自分言い聞かせる。
「い、いつも通り。よし・・平常心、平常心・・」
改めて、こうやって見ると鏡に映る私はアルケーさんに精気を吸い取られたみたいだ。萎れた私は、野菜室で忘れられていたほうれん草をちょっと彷彿とさせる。こんなんで、トマリギを増やして大丈夫なんだろうか?うぅ・・今から先行き不安だ・・。
夕方になり、窓の外から学校帰りの子どもの声や人の話し声が聞こえ始めた頃、アルケーさんとミスティコさんが二人揃って帰って来た。
「二人とも、おかえりなさい。お疲れ様でした」
「ふふ、オト。ただいま」
帰って来た二人を出迎えると、アルケーさんは私の傍にやって来て自分の頬と私の頬を合わせた。アルケーさんは「言った通りだったでしょう?」とそっと小さな声で呟く。
ミスティコさんは私に気遣わし気な視線を送るけど、身体の調子を聞いて来たりはしなかった。多分、それが彼なりの気遣いなんだろう。
若干、気まずいまま三人で夕食を食べていると、隣のアルケーさんが「そう言えば」と口を開いた。
「あぁ、オト。ミスティコに話が有ったのでは?」
ここ?しょ、食事中のタイミングで?私的には食事が終わって、落ち着いてから話そうと思っていたのに!私は隣のアルケーさんにやや厳しい視線を向ける。だが、アルケーさんは馬耳東風、何処吹く風だ。
「東のは、トマリギの件で忙しいですからね。食事が終わり次第、神殿に戻る予定だそうです」
「・・そうなんですね」
アルケーさんは、ちょんと肘で私の腕を突く。正面のミスティコさんに早く言えと催促しているんだろう。
「・・あのですね、ミスティコさん。その、王子とアルケーさんとで、今後の話し合いとか出来ませんか?」
私が意を決してそう言うと、ミスティコさんがじろっと私の隣のアルケーさんを睨んだ。
「・・成程。隣の親鳥の差し金ですね。親鳥が良からぬ事を考えていなければ良いのですが」
ミスティコさんの咎める様な視線に対して、アルケーさんが鼻で嗤う(気がした)・・う、これはよろしくない展開だ。
「あッ!あの!そういう訳じゃなくて、私自身も王子がトマリギになってからの事とか、色々分からなくて。私が勝手に決める訳にもいかないですし」
「ご心配は無用です。オオトリ様とトマリギの件は、基本、オオトリ様の意思が尊重されます。オオトリ様が自由に決めれば良いと思いますよ。俺はオトの意思を尊重しますし、貴女の希望が叶う為の努力は惜しみませんよ」
ミスティコさんはアルケーさんに向けていた硬い表情から一変して、胸元に手を当て余裕の笑顔を私に向けた。ミスティコさんの仰々しい仕草に今度は隣のアルケーさんが眉間に皺を寄せ苦い顔をする。二人の様子を交互に見守りながら、返答に詰まってしまう。『自由に決めれば良い』・・自由は責任を伴う訳で・・。
「・・あの、ミスティコさん。先代のオオトリはほとんどお城で過ごしたと聞きました。だから、次のオオトリである私は基本、神殿預かりになっているんですよね?」
「えぇ、そうです」
「私は・・その、そういった私が召喚される前の取り決めを出来る限り尊重したいと思っています。だから神殿とお城とで話し合いをした方が良いと思うんですが・・。それがオオトリの希望だと言ったら、話し合いの場を設けて貰えますか?」
私が言い終えると、アルケーさんが「東の副司祭」と呼び掛けた。
「私たちは、どうあがいてもオトには勝てないんですから、此処でごねていても仕方無いでしょう。さっさと王子との約束を取り付けた方が時間の無駄にならないと思いますよ」
ミスティコさんは口をへの字にして黙り込む。特に反論は無いんだろうけど、素直に頷きたくないらしい。少しの沈黙の後、ミスティコさんが大きな溜息を吐いた。
「・・お前がこの件にやけに乗り気なのが、気持ち悪いな」
「おや、そんな言い方、傷付いてしまいますね」
アルケーさんが泣き真似をしたので、ミスティコさんが舌打ちをする。せ、折角、話がまとまり掛けているんだから、このまま穏便?に済ませて欲しい。口を挟むと余計ややこしくなりそうだったので、私は冷めきったカップの紅茶をすすりながら二人の様子を見守る。
「お前と第5王子との面会には、勿論、俺も同席させて貰う」
「えぇ、どうぞ。私も最初からそのつもりでしたので。東の副司祭様、ご臨席賜りますよう、お願い致します」
ぐえ、こういうのを「慇懃無礼」と言うのかもしれない。二人の刺々しい雰囲気に呑まれた私は音を立ててカップを置いてしまう。耳障りな音の所為で二人の視線が私に集まる。
「あ!すいません」
私が慌てて謝ると、二人とも気まずそうにし、そのまま黙ってしまった。「お気になさらずに、どうぞ続けて下さい」と言った方が良いんだろうか?私が悩んでいると、隣のアルケーさんが私の方へ顔を向けた。
「勿論、オトも同席しますよね?」
突然、私へ話を振って来たので、一瞬、何の事か分からず言葉に詰まる。
「へ、あッ!私も話し合いに参加、と言う事ですか?」
「オトに関する事なのに、本人不在で決めてしまっても良いんですか?」
「あ、それは・・確かに、そうなんですけど・・」
アルケーさんとミスティコさんと王子、三人が一緒か。アルケーさんはお城に行く事が多いから、王子とは顔見知りと聞いた記憶が有る。エナさんは同席しないみたいだから、そこまで雰囲気が悪くなることは無さそう・・な気がする。
「分かりました。あの・・同席させて貰う側なのに、こんな事言うのはアレなんですけど・・アルケーさん・・私を困らせる様な事、その、しないで下さいね?」
そう、ミスティコさんも言っていたが、アルケーさんが乗り気なのは何となく気になるのだ。でも「王子に変に絡んで行かないで下さい」と言う言い方をしたら、余計に煽ってしまいそうなので敢えて「私を困らせないで」と言う言い回しにしたが吉と出るか凶と出るか。
「ふっ、オトも東のも心配性ですね。新しい仲間が増えるんですから、大変喜ばしい事じゃないですか。とても、ね」
アルケーさんは薄く笑うと肩を竦めた。私は正面のミスティコさんと目を合わせ、お互い頷く。私もミスティコさんも確信する。
ぜ、絶対に話し合いの当日アルケーさん、何かする気だッ!
「う、ぐ・・ミスティコさんに私から伝えれば良いんですよね?」
「えぇ、『お願い』します」
アルケーさんは指を絡ませたまま「お願い」の所にアクセント置いて甘えた様な笑みを浮かべる。
気は重いが、アルケーさんとミスティコさんを私抜きで一緒にしておくと、今朝の様に全く全然要らない事をアルケーさんが言い出しかねないので、私も話し合いに加わった方が良いだろう。いざとなったら、アルケーさんの口を押え込んでしまおう。
「・・分かりました。・・頑張ります」
「おや、頑張るなら別の所で頑張っていただけませんか?例えば・・私の雛ならこの先は分かるでしょう?」
気が進まない私とは対照的に、アルケーさんは「ふふ」と意味有り気に笑う。それはそれは楽しそうに。
だ、誰の所為で、ミスティコさんに話をするだけなのに、こんなに気が重たくなっていると思っているんだ!気付かずに、憮然とした表情になっていたんだろう。アルケーさんは眉を下げ黙ったまま、こちらに甘めのドライフルーツたっぷりの蒸しパンのお皿を差し出して来た。これで機嫌を直せと言う事なのだろうか?押し戻すのも気が引けて、何となくお皿を引き寄せる。
「・・夕食の時に、ミスティコさん帰って来るんでしょうか?」
「ご安心を。十中八九、こちらに来るでしょうね。オトの身体の事が心配でしょうから」
アルケーさんは続けて「東のに、心配される事なんか無いんですけどね」と肩を竦め呟く。私は愛想笑いをして誤魔化す。今、アルケーさんはミスティコさんの事、「帰って来る」じゃなくて「来る」って言ったよね・・。アルケーさんに分けて貰った蒸しパンを口に運ぶが何だかいつもの甘さが感じられない。気のせいだろうか。
アルケーさんは、私が蒸しパンを完食したのを見届けると、昼食の休憩で戻って来ていた事も有り、手早く片付け「行って来ます」のキスをしてあっさりと仕事に戻って行った。
独りきりになった部屋で考える。確かに王子の所へ通う頻度に関しては双方で相談して貰った方が良いかもしれない。私は勝手に神殿が自分の家で、王子の所へ通うのは週一、二回とか思っていたが、神殿とお城のパワーバランスなんてものを一切考慮していなかった。話し合いがどう進むか分からないが、神殿とお城の擦り合わせは必要だろう。
今の所、気が重いのは・・帰って来たミスティコさんと顔を合わせる事だ。ミスティコさんが「動けないんだろう?」とアルケーさんに言った時の恥ずかしさと言ったら・・。思い出すだけで顔に熱が集まる。
私は筋肉痛の残る身体を引き摺り寝室に戻ると、ベッドサイドの鏡の前で自分言い聞かせる。
「い、いつも通り。よし・・平常心、平常心・・」
改めて、こうやって見ると鏡に映る私はアルケーさんに精気を吸い取られたみたいだ。萎れた私は、野菜室で忘れられていたほうれん草をちょっと彷彿とさせる。こんなんで、トマリギを増やして大丈夫なんだろうか?うぅ・・今から先行き不安だ・・。
夕方になり、窓の外から学校帰りの子どもの声や人の話し声が聞こえ始めた頃、アルケーさんとミスティコさんが二人揃って帰って来た。
「二人とも、おかえりなさい。お疲れ様でした」
「ふふ、オト。ただいま」
帰って来た二人を出迎えると、アルケーさんは私の傍にやって来て自分の頬と私の頬を合わせた。アルケーさんは「言った通りだったでしょう?」とそっと小さな声で呟く。
ミスティコさんは私に気遣わし気な視線を送るけど、身体の調子を聞いて来たりはしなかった。多分、それが彼なりの気遣いなんだろう。
若干、気まずいまま三人で夕食を食べていると、隣のアルケーさんが「そう言えば」と口を開いた。
「あぁ、オト。ミスティコに話が有ったのでは?」
ここ?しょ、食事中のタイミングで?私的には食事が終わって、落ち着いてから話そうと思っていたのに!私は隣のアルケーさんにやや厳しい視線を向ける。だが、アルケーさんは馬耳東風、何処吹く風だ。
「東のは、トマリギの件で忙しいですからね。食事が終わり次第、神殿に戻る予定だそうです」
「・・そうなんですね」
アルケーさんは、ちょんと肘で私の腕を突く。正面のミスティコさんに早く言えと催促しているんだろう。
「・・あのですね、ミスティコさん。その、王子とアルケーさんとで、今後の話し合いとか出来ませんか?」
私が意を決してそう言うと、ミスティコさんがじろっと私の隣のアルケーさんを睨んだ。
「・・成程。隣の親鳥の差し金ですね。親鳥が良からぬ事を考えていなければ良いのですが」
ミスティコさんの咎める様な視線に対して、アルケーさんが鼻で嗤う(気がした)・・う、これはよろしくない展開だ。
「あッ!あの!そういう訳じゃなくて、私自身も王子がトマリギになってからの事とか、色々分からなくて。私が勝手に決める訳にもいかないですし」
「ご心配は無用です。オオトリ様とトマリギの件は、基本、オオトリ様の意思が尊重されます。オオトリ様が自由に決めれば良いと思いますよ。俺はオトの意思を尊重しますし、貴女の希望が叶う為の努力は惜しみませんよ」
ミスティコさんはアルケーさんに向けていた硬い表情から一変して、胸元に手を当て余裕の笑顔を私に向けた。ミスティコさんの仰々しい仕草に今度は隣のアルケーさんが眉間に皺を寄せ苦い顔をする。二人の様子を交互に見守りながら、返答に詰まってしまう。『自由に決めれば良い』・・自由は責任を伴う訳で・・。
「・・あの、ミスティコさん。先代のオオトリはほとんどお城で過ごしたと聞きました。だから、次のオオトリである私は基本、神殿預かりになっているんですよね?」
「えぇ、そうです」
「私は・・その、そういった私が召喚される前の取り決めを出来る限り尊重したいと思っています。だから神殿とお城とで話し合いをした方が良いと思うんですが・・。それがオオトリの希望だと言ったら、話し合いの場を設けて貰えますか?」
私が言い終えると、アルケーさんが「東の副司祭」と呼び掛けた。
「私たちは、どうあがいてもオトには勝てないんですから、此処でごねていても仕方無いでしょう。さっさと王子との約束を取り付けた方が時間の無駄にならないと思いますよ」
ミスティコさんは口をへの字にして黙り込む。特に反論は無いんだろうけど、素直に頷きたくないらしい。少しの沈黙の後、ミスティコさんが大きな溜息を吐いた。
「・・お前がこの件にやけに乗り気なのが、気持ち悪いな」
「おや、そんな言い方、傷付いてしまいますね」
アルケーさんが泣き真似をしたので、ミスティコさんが舌打ちをする。せ、折角、話がまとまり掛けているんだから、このまま穏便?に済ませて欲しい。口を挟むと余計ややこしくなりそうだったので、私は冷めきったカップの紅茶をすすりながら二人の様子を見守る。
「お前と第5王子との面会には、勿論、俺も同席させて貰う」
「えぇ、どうぞ。私も最初からそのつもりでしたので。東の副司祭様、ご臨席賜りますよう、お願い致します」
ぐえ、こういうのを「慇懃無礼」と言うのかもしれない。二人の刺々しい雰囲気に呑まれた私は音を立ててカップを置いてしまう。耳障りな音の所為で二人の視線が私に集まる。
「あ!すいません」
私が慌てて謝ると、二人とも気まずそうにし、そのまま黙ってしまった。「お気になさらずに、どうぞ続けて下さい」と言った方が良いんだろうか?私が悩んでいると、隣のアルケーさんが私の方へ顔を向けた。
「勿論、オトも同席しますよね?」
突然、私へ話を振って来たので、一瞬、何の事か分からず言葉に詰まる。
「へ、あッ!私も話し合いに参加、と言う事ですか?」
「オトに関する事なのに、本人不在で決めてしまっても良いんですか?」
「あ、それは・・確かに、そうなんですけど・・」
アルケーさんとミスティコさんと王子、三人が一緒か。アルケーさんはお城に行く事が多いから、王子とは顔見知りと聞いた記憶が有る。エナさんは同席しないみたいだから、そこまで雰囲気が悪くなることは無さそう・・な気がする。
「分かりました。あの・・同席させて貰う側なのに、こんな事言うのはアレなんですけど・・アルケーさん・・私を困らせる様な事、その、しないで下さいね?」
そう、ミスティコさんも言っていたが、アルケーさんが乗り気なのは何となく気になるのだ。でも「王子に変に絡んで行かないで下さい」と言う言い方をしたら、余計に煽ってしまいそうなので敢えて「私を困らせないで」と言う言い回しにしたが吉と出るか凶と出るか。
「ふっ、オトも東のも心配性ですね。新しい仲間が増えるんですから、大変喜ばしい事じゃないですか。とても、ね」
アルケーさんは薄く笑うと肩を竦めた。私は正面のミスティコさんと目を合わせ、お互い頷く。私もミスティコさんも確信する。
ぜ、絶対に話し合いの当日アルケーさん、何かする気だッ!
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