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全部、身体に刻み付けましょうね※
しおりを挟む私が萎れた花みたいにしゅんと力を失うと、アルケーさんは私の両手の拘束を解いた。ただ、彼の膝の位置は変わらない。
「・・オト」
アルケーさんは甘く私の名前を呼び、私に覆い被さって来た。そのまま、そっと唇を重ねた。軽く唇を触れ合わせる様なキスだったのが、徐々に唇にアルケーさんの舌の感触を感じる。「口を開けろ」と言われているんだ。
服の上から乳房を持ち上げる様にやわやわ揉まれ、時折、立ち上がり始めた乳首を指でぎゅっと押し込まれる。乳首を強めに刺激される度、腰が浮く。同時に口から湿度の高い吐息が漏れ、自然とアルケーさんの下を受け入れてしまう。胸から、咥内から感じる快感が花芽にも伝わるのか、きゅうと隠されている花芽が疼く。このまま、愛撫を続けられたら、下は何も身に着けていないし、ソファを汚してしまうかもしれない。ミスティコさんの姿が一瞬、脳裏にちらついた。私は残っていた理性を搔き集めて、アルケーさんから唇を離し両手で顔を覆う。
「あ、アルケーさん、こ、此処じゃ嫌です!」
うぅ、恥ずかしいが前にも似た事を言った気がする。その時は「此処じゃなければしても良いんですね」と軽口を言いながら、寝室に連れて行ってくれた。だが、今日のアルケーさんは違った。芝居がかった困ったなという表情をし、肩を竦めた。
「困りましたね。ですが、オト、良い子ですから終わるまで我慢しましょうね」
小さい子に言い聞かせるように言うと、私の頭を優しく撫でた。「終わるまで」ってどういう事?最後までする気?私は嫌な予感に身体を固くする。すると、アルケーさんは身体を起こし私の左の足首を掴んだ。「あッ」と思った瞬間に、そのまま左足をソファの背もたれに掛けさせ、もう片方の足はソファの下へと投げ出させた。何も身に着けていない下半身が、完全にアルケーさんの前に曝け出された状態だ。
「やッ!やだッ!」
私が慌てて足を閉じようとするが、それより早くアルケーさんの指がくぷと蜜口の浅い所に差し込まれた。「あぁんッ!」それだけで腰が浮いてしまう。普段の彼なら、もっと濡れてから中を可愛がり始める。けれど、今日は違う。痛いわけじゃないけど身体の奥に違和感を覚える。それは原因を作っているアルケーさんも同じらしい。
「あぁ、やはり何時もより狭いですね。オト、痛い思いはさせたくないので、そのまま力を抜いて。恥ずかしいなら目を閉じていて下さい」
抜くなら私の力じゃなくて、アルケーさんの指の方だ・・。そう言いたかったが、花芽を指先でくすぐられ「あ゛あぁ♡んぁ♡」と口から喘ぎ声しか出せなくなってしまう。
「本当に全く。・・オトは可愛らしく啼きますね。二人きりなんですから、もっといやらしく啼いても良いんですよ」
中に指を入れられたまま、アルケーさんは私の耳元で「いやらしく啼いても良い」と囁かれる。その言葉が媚薬の様に私の感度を高めて、彼の言う通りにしか出来ない。私が完全に抵抗を止めた事が分かると、アルケーさんは、浅い所の感触を確かめるみたいにくるりくるりと指を回す。浅い部分の性感帯を満遍なくなぶなれ、奥からこぷこぷと蜜が零れる。アルケーさんはそれを潤滑剤にして二本の指で花芽を優しくしごき始めた。
「ふふ、痛みは無いですか?」
アルケーさんは私の反応に満足気だ。彼からの問いに私はこくこく頷く。弄ばれている花芽が完全に立ち上がりじんじん痺れている。腰辺りがぞわぞわして落ち着かない。や、ヤバイ、ソファの上で一回、イッてしまうかもしれない。
「・・これだけ、溢れていれば大丈夫ですね。指、増やしますよ」
「うぁ、あぁ♡・・あん♡」
アルケーさんが私の様子を伺いながら、指で私の中を広げて行く。「足りない、足りない」と花芽だけじゃなくお腹の奥にもじりじりとした熱が籠り始める。少し曲げた指を描きだす様に出し入れされ、それに合わせて自分の腰も揺れる。すっかり中が解されるとアルケーさんはくぷっと指を抜いて、出し入れしていた自分の指を確かめた。しとどに濡れたアルケーさんの指が私の目に入り、この場から逃げ出したい位に恥ずかしい。アルケーさんはふっと安堵の溜息を漏らす。
「あぁ・・中に出された痕は無いですね。少し、安心しました」
「ん・・私の、なか、出したの、あ、アルケーさんだけ、ですよ」
私が両手で顔を隠しながら途切れ途切れに言うと、アルケーさんの温かさが身体から離れた。急にぬくもりが遠ざかり、不安になって手を外し、アルケーさんを見ると自嘲気味に笑っていた。
「私の負けですね。本当は此処で、と思っていましたが・・止めましょう」
アルケーさんはソファの上で息も絶え絶えな私を抱きかかえると、寝室のドアを蹴って開け、私をそっとベッドに横たえた。そのままアルケーさんは性急に私を組み敷いた。広いベッドの感触、アルケーさんの匂いにほっと安心する。気を抜いている間に身に着けていた物が全部取り払われ、アルケーさんのしなやかな肢体が視界に入る。
「・・オトは、私を煽るのが本当に上手ですね」
私はアルケーさんの首に腕を回して、自分からちゅっと口付ける。
「オト、シャワーは?」
さっきは何も聞かずに事を進めていたのに、何でこのタイミングで聞く?私は頭を左右に振る。
「アルケーさん、い、今、その・・して下さい」
私がそう言うと、アルケーさんは私の身体とベッドの間に手を入れて、転がした。うつ伏せになると、背後にアルケーさんがのしかかって来た。ベッドとアルケーさんに挟まれ、完全に逃げ場ない状態だ。太ももにアルケーさんの屹立が押し当てられていたが、ピッタリはまる場所を見付けると、私の割れ目に屹立がぐりぐりとこすりつけられる。何度もアルケーさん屹立がすっかりぬかるんでいる蜜口、花芽に押し付けられ、快感で身体が跳ねる。ぐちぐちと水音が聞こえ始めた。自分の喘ぎ声と背後から聞こえるアルケーさんの吐息で段々、理性が奪われて行く。このいやらしい水音は私の蜜だけじゃない。アルケーさんの屹立からとろとろと零れている液体も混じっているに違いない。蜜口がくぱくぱとひくついて、中が「物足りない」と疼いて我慢出来ない。
「や、やぁ、あ゛ん♡あッ、アル、ケーさん、も、やだ・・。む、無理ぃ。お願い、い、挿れてぇ♡挿れて、下さい♡」
完全に白旗を上げ、ベッドに顔を押し付けながらアルケーさんに挿入を懇願する。
「はッ、オトはおねだりは本当に可愛らしい。他のトマリギにも同じ様にするのかと思うと、私の方が変になりそうです」
私の腰が少し浮き上がる。アルケーさんが私の腰を掴んで持ち上げたからだ。屹立が蜜口にピッタリ押し当てられ、先だけがくぷりと入って来た。待っていた質量に「あ゛ぁ・・」と上ずった嬌声を上げる。だが待ち望んでいたものは、そこから割り行って来ない。
「・・オト、おねだりは?」
アルケーさんの馬鹿馬鹿馬鹿!さっき、もっと恥ずかしい事を言ったじゃないか!私はうつ伏せのまま、彼の匂いのするシーツをぎゅうと掴んでおねだりをする。
「・・アルケーさん、沢山、出して・・」
私が言い終わるや否やアルケーさんが無言で一気に腰を進める。
「あ゛ーーーッ♡♡」
アルケーさんの屹立がゴツッと最奥に当たるのが分かった。少しの痛みと気持ち良いで目の前がチカチカする。何時もと違う体位の所為なのか興奮している所為なのか分からないが、子宮が降りて来てるんだ。
アルケーさんも私の反応が何時もと違う事に気が付いたらしい。より強い快感へと導く為に、お臍の裏辺りはぞりぞりと擦られ、最奥はこつこつとリズミカルに突かれる。屹立が私の弱い所を的確に攻めて来る。あっと言う間に、私の余裕が無くなってしまう。
「やだやだやぁぁ、き゛気持ちいいッ!あ、アルケーさん、やだやだ!イッちゃうぅ!イッちゃうよぉ!あぁ!」
私が頭を振って悲鳴を上げるとアルケーさんが腰の動きを緩め、背後から耳元に唇を寄せた。そして、シーツを掴んでいる私の手に自分の手を重ね、指を絡めた。はっはっという動物の様な呼吸と、重い彼の香りが私をゆるゆると高みへ追いやる。
「・・ねぇ、オト、良いんですよ?沢山、イッて下さいね。私の形、腰の動き、子種。全部、身体に刻み付けましょうね」
後ろからアルケーさんに覆い被さられて、さらりと彼の銀色の髪が顔の横に流れる。自分の髪の毛に、彼の色が混じる。中を執拗に抉られながら手を取られ体温を分け合う。アルケーさんの声しか聞こえない。
『堕とされる』
一瞬、その言葉が浮かぶ。しかし、気持ち良さで思考の全部がブラックアウトする。
「あぅ、あん゛、ん!あ、アルケーさん、な、なか、きも、ちいい゛♡きもち、いいよぉ♡」
「・・オト、ふふ、私も気持ち良いですよ・・さて、王子の前に、何回オトの中に子種を出せるかな・・」
アルケーさんが屹立を最奥に突っ込んだまま、ねっとりと腰を回す。十分に降りて来ていた子宮の入り口をねちねちと可愛がられ「気持ち良い」しか考えられなくなる。
「ッんん♡♡あー。ダメダメッ!あ゛ーーー!!イ、イクッ!イック!」
「ハッ、良いですよ。・・一緒に逝きましょうね。まずは・・一回、出しますよ♡」
一回でも二回でも、もう何でも良い、今はどうでも良い。私は反射の様にこくこく頷きながら、腰をアルケーさんに精をねだるように押し付ける。これ以上、身体をくっ付けられないという位、ぴったりした所でアルケーさんが精を吐き出すのが分かった。
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