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本物の雛を見てみたいなぁ
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王子に指を絡め捕られたまま、力無く王子の横にすとんと腰を下ろすと、エナさんが「副司祭さんはこちらへどーぞ♡」とテーブルを挟んで向かいの席にミスティコさんを案内した。私達が席に着いた事を確認すると、エナさんは「ちょっと待っててねぇ」と言いながら奥に引っ込んで、すぐに笑顔で「お待たせー」と戻って来た。
「ねぇねぇ、オトちゃん♡此処ではそんな暑苦しい恰好しなくても良いからねぇ」
そう言いながら、エナさんは私が掛けているソファの後ろへ回り、背後から借りた神官服のローブのフードを指で引っ掻けるようにして上げた。エナさんが貸してくれていた帽子も取り上げられ、はらりと濃い灰色の髪の毛が落ちて来た。
「やっぱりオトちゃんはこっちの方が良いよぉ♡ハルくんもそうでしょう?」
エナさんは後ろから私の髪を手櫛で簡単に整えると肩を抱いて、私の身体を王子の方へ「ハルくんもこっちの方が好きでしょう?」と向かせる。改めて王子と向き合うと何だか気恥ずかしい。王子からの真っ直ぐな視線に耐え切れず少しだけ俯くと、王子に絡め捕られた指先が視界に入る。あ、そう言えば繋いだままだった。そう思っていると感想の代わりに、王子は絡めた指で私の手の甲、指先をゆるりと撫でた。ぞわりと逆毛が立つ様な感触を覚える。そわそわするが決して嫌悪じゃない。むしろ、その逆に近い。私の中から何かを引き出そうとする様な触り方・・。振り払う訳にも行かず私が王子と繋がった指を見詰めたまま無言で居ると、エナさんが背後から顔を寄せて囁く。
「ねぇ、オトちゃん。ハルくんにばかり集中してないでさぁ。僕も東の副司祭様も居るんだけどぉ?」
エナさんは「お仕置き♡」と耳打ちし、私のうなじを爪先でくすぐる。私は「ひゃッ」と声を上げ、思わず両手でうなじを隠す。エナさんは「かーわいい♡」とからからと笑い私から離れた。横の王子の様子は怖くて見られないが、何となく空気が重くなった気がする。向かいに座っているミスティコさんは眉間に皺を寄せている。エナさんは、二人の不機嫌なんかお構いなしにひらりと身を翻して自身は一人掛けのソファを使う様だ。
本当はあまり長居をしたくないのだが、エナさんが空気を悪くしてくれたお陰で「早めにお暇しますねー(にっこり)」とは言い辛くなってしまった。私はどうしたら王子の機嫌を損ねずに帰れるかを思案する。
「ねぇねぇ、オトちゃん。さっきはこの家の事を『愛の巣』って紹介したけど、どうどう?良い家でしょう?」
私はエナさんの言葉に我に返り、改めてあちこちを見渡し「はい。凄くおしゃれな家ですね」と頷く。この家に足を踏み入れた時にも思ったが、リノベーションされたんだろう。梁は年代が感じられるが、壁紙や家具等は明るい色調でおしゃれだ。私の返事に、エナさんは満足げに「んふ♡」と笑い、足を組み直した。すると、奥からショートカットの白髪の女性が、はきはきした声で「皆様、お待たせしました」と紅茶の乗ったトレイを持って出て来た。
「あ、彼女はねぇ、ハルくんの乳母のお母さんで、エリヤさん。僕達じゃあ家の事、何にも出来ないからねぇ。ハルくんと相談して手伝いに来て貰う事にしたのー」
私とミスティコさんの前にカップを置く時、エリヤさんは微笑んで「宜しくお願いしますね」と軽く頭を下げた。私もミスティコさんも「こちらこそ」と返す。エリヤさんは私の髪色を見ても驚いたり、じろじろ見たりする事も無い。王子とエナさんから色々聞いているのかもしれない。エリヤさんが奥に引っ込もうとした時、エナさんが彼女に声を掛けた。
「エリヤさーん、この子がハルくんのお嫁さんになる子なんだけど、どう?灰色の雛みたいで可愛いでしょう?」
エリヤさんは私と隣の王子をじっと見詰め「・・そうですねぇ」とトレイを抱え考え込む。
「正直に申し上げますね。うちの坊ちゃんは、何と言うか・・我儘と言うか・・一人で突っ走ると言うか、少し強引な所が有るんですが、真っ直ぐで良い子なんです。宜しくお願いしますね、オオトリ様」
言い終えると、私にまっすぐ視線を向けてエリヤさんは優しい笑顔を見せた。その暖かな表情に思わず「こちらこ宜しくお願いします」とエリヤさんに頭を下げる。私の受け答えが正しかったのかは分からないが、エリヤさんは「では、坊ちゃん頑張って下さいね」と胸の辺りで握りこぶしを作って明るく言うと、奥に下がった。
エリヤさんが居なくなってしまうと、隣の王子が少し私の方へ身体を傾けて来た。
「おい、エリヤに頼んでどうする。『お願いします』は俺に向かって言え」
王子の方を見ると、エリヤさんに「お願いします」と挨拶した私に不貞腐れている。子どもみたいな反応が可笑しくて、つい軽く「王子もお願いしますね」と言ってしまいそうになるが、向かいに座るミスティコさんが物凄く大きな咳払いをしたので我に返る。い、いかん、しっかりしろ自分。王子に気軽に「お願いします」と頭を下げたら、本当に今日は帰れなくなるかもしれない。私が返事に困ってまごついていると、珍しくエナさんが助け舟を出してくれた。
「エリヤさん、すごー。瞬時にハルくんの欠点、三つも挙げたよぉ。しかも全部的確ぅ」
「うるさい。お前の欠点も俺の倍以上挙げてやろうか」
「えー、やだぁ。遠慮しとくよぉ。でもね、ハルくん。欠点も裏を返せば、長所だよぉ♡オトちゃんもそう思うでしょ♡」
エナさんが私に向かって悪戯っぽくウィンクをする。隣の王子は溜息を吐いて「物は言い様だな」と呆れた様に呟いた。二人のやり取りにちょっと笑ってしまう。エナさんと王子がどういう経緯で仲良くなったのかは分からないが、二人の仲の良さは伝わって来た。王子と居る時のエナさんは私と居る時と雰囲気が違う。私と居る時の彼は何と言うか・・隙が無いのだ。彼の笑顔は仮面の様に感情が感じられない事が多い。でも、今、ソファで寛ぐエナさんはとても自然体に見える。私はエリヤさんが淹れてくれた温かい紅茶に口を付けた。一つ息を吐いて、ティーカップの精緻な蔦の模様を見詰めながら思う。
王子もエナさんもどちらも「トマリギ候補」だ。王子は遅かれ早かれ「候補」ではなくなる。その時、王子とエナさんの関係はどうなってしまうんだろう・・。王子はともかくエナさんは、あまり気にしなさそうなタイプに見える。
私がそんな事を考えていると、エナさんが私の名前を呼んだ。慌てて返事をする。
「あ、はい。何でしょう」
「えっとねぇ、一応、家の中の説明をしとくね。オトちゃんとハルくんの部屋は二階ね。フォスっちの部屋は一階。三階は将来の子ども部屋だねぇ」
エナさんが、それぞれの部屋の位置を指差しながら説明してくれたので「ふんふん」と頷いていたが、最後の一言に思わず声を上げてしまう。
「えッ!!」
こ、こ、子ども部屋!私が驚いていると、エナさんがわざとらしく不思議そうな顔をする。
「えっ、そんなに意外?だってぇ、オオトリとトマリギはそういう事するんだしぃ♡オトちゃんも雛みたいで可愛いけど、僕的には本物の雛を見てみたいなぁ」
エナさんが「んふ♡」と満足げに笑い、その笑顔と纏わり付く様な声色に、ひッと息を呑む。少し前に「二人の子どもを見てみたい」はバシレイアーでは物凄い意味深な言葉だ、と教わった。言葉に気を付けるように、とも教わった。単なる軽口なのか、それともそういう意味を持たせているのか、彼の口調や表情からは全く分からない。エナさんの真意を図りかねて、ただただ戸惑うばかりだ。
「ねぇねぇ、オトちゃん♡此処ではそんな暑苦しい恰好しなくても良いからねぇ」
そう言いながら、エナさんは私が掛けているソファの後ろへ回り、背後から借りた神官服のローブのフードを指で引っ掻けるようにして上げた。エナさんが貸してくれていた帽子も取り上げられ、はらりと濃い灰色の髪の毛が落ちて来た。
「やっぱりオトちゃんはこっちの方が良いよぉ♡ハルくんもそうでしょう?」
エナさんは後ろから私の髪を手櫛で簡単に整えると肩を抱いて、私の身体を王子の方へ「ハルくんもこっちの方が好きでしょう?」と向かせる。改めて王子と向き合うと何だか気恥ずかしい。王子からの真っ直ぐな視線に耐え切れず少しだけ俯くと、王子に絡め捕られた指先が視界に入る。あ、そう言えば繋いだままだった。そう思っていると感想の代わりに、王子は絡めた指で私の手の甲、指先をゆるりと撫でた。ぞわりと逆毛が立つ様な感触を覚える。そわそわするが決して嫌悪じゃない。むしろ、その逆に近い。私の中から何かを引き出そうとする様な触り方・・。振り払う訳にも行かず私が王子と繋がった指を見詰めたまま無言で居ると、エナさんが背後から顔を寄せて囁く。
「ねぇ、オトちゃん。ハルくんにばかり集中してないでさぁ。僕も東の副司祭様も居るんだけどぉ?」
エナさんは「お仕置き♡」と耳打ちし、私のうなじを爪先でくすぐる。私は「ひゃッ」と声を上げ、思わず両手でうなじを隠す。エナさんは「かーわいい♡」とからからと笑い私から離れた。横の王子の様子は怖くて見られないが、何となく空気が重くなった気がする。向かいに座っているミスティコさんは眉間に皺を寄せている。エナさんは、二人の不機嫌なんかお構いなしにひらりと身を翻して自身は一人掛けのソファを使う様だ。
本当はあまり長居をしたくないのだが、エナさんが空気を悪くしてくれたお陰で「早めにお暇しますねー(にっこり)」とは言い辛くなってしまった。私はどうしたら王子の機嫌を損ねずに帰れるかを思案する。
「ねぇねぇ、オトちゃん。さっきはこの家の事を『愛の巣』って紹介したけど、どうどう?良い家でしょう?」
私はエナさんの言葉に我に返り、改めてあちこちを見渡し「はい。凄くおしゃれな家ですね」と頷く。この家に足を踏み入れた時にも思ったが、リノベーションされたんだろう。梁は年代が感じられるが、壁紙や家具等は明るい色調でおしゃれだ。私の返事に、エナさんは満足げに「んふ♡」と笑い、足を組み直した。すると、奥からショートカットの白髪の女性が、はきはきした声で「皆様、お待たせしました」と紅茶の乗ったトレイを持って出て来た。
「あ、彼女はねぇ、ハルくんの乳母のお母さんで、エリヤさん。僕達じゃあ家の事、何にも出来ないからねぇ。ハルくんと相談して手伝いに来て貰う事にしたのー」
私とミスティコさんの前にカップを置く時、エリヤさんは微笑んで「宜しくお願いしますね」と軽く頭を下げた。私もミスティコさんも「こちらこそ」と返す。エリヤさんは私の髪色を見ても驚いたり、じろじろ見たりする事も無い。王子とエナさんから色々聞いているのかもしれない。エリヤさんが奥に引っ込もうとした時、エナさんが彼女に声を掛けた。
「エリヤさーん、この子がハルくんのお嫁さんになる子なんだけど、どう?灰色の雛みたいで可愛いでしょう?」
エリヤさんは私と隣の王子をじっと見詰め「・・そうですねぇ」とトレイを抱え考え込む。
「正直に申し上げますね。うちの坊ちゃんは、何と言うか・・我儘と言うか・・一人で突っ走ると言うか、少し強引な所が有るんですが、真っ直ぐで良い子なんです。宜しくお願いしますね、オオトリ様」
言い終えると、私にまっすぐ視線を向けてエリヤさんは優しい笑顔を見せた。その暖かな表情に思わず「こちらこ宜しくお願いします」とエリヤさんに頭を下げる。私の受け答えが正しかったのかは分からないが、エリヤさんは「では、坊ちゃん頑張って下さいね」と胸の辺りで握りこぶしを作って明るく言うと、奥に下がった。
エリヤさんが居なくなってしまうと、隣の王子が少し私の方へ身体を傾けて来た。
「おい、エリヤに頼んでどうする。『お願いします』は俺に向かって言え」
王子の方を見ると、エリヤさんに「お願いします」と挨拶した私に不貞腐れている。子どもみたいな反応が可笑しくて、つい軽く「王子もお願いしますね」と言ってしまいそうになるが、向かいに座るミスティコさんが物凄く大きな咳払いをしたので我に返る。い、いかん、しっかりしろ自分。王子に気軽に「お願いします」と頭を下げたら、本当に今日は帰れなくなるかもしれない。私が返事に困ってまごついていると、珍しくエナさんが助け舟を出してくれた。
「エリヤさん、すごー。瞬時にハルくんの欠点、三つも挙げたよぉ。しかも全部的確ぅ」
「うるさい。お前の欠点も俺の倍以上挙げてやろうか」
「えー、やだぁ。遠慮しとくよぉ。でもね、ハルくん。欠点も裏を返せば、長所だよぉ♡オトちゃんもそう思うでしょ♡」
エナさんが私に向かって悪戯っぽくウィンクをする。隣の王子は溜息を吐いて「物は言い様だな」と呆れた様に呟いた。二人のやり取りにちょっと笑ってしまう。エナさんと王子がどういう経緯で仲良くなったのかは分からないが、二人の仲の良さは伝わって来た。王子と居る時のエナさんは私と居る時と雰囲気が違う。私と居る時の彼は何と言うか・・隙が無いのだ。彼の笑顔は仮面の様に感情が感じられない事が多い。でも、今、ソファで寛ぐエナさんはとても自然体に見える。私はエリヤさんが淹れてくれた温かい紅茶に口を付けた。一つ息を吐いて、ティーカップの精緻な蔦の模様を見詰めながら思う。
王子もエナさんもどちらも「トマリギ候補」だ。王子は遅かれ早かれ「候補」ではなくなる。その時、王子とエナさんの関係はどうなってしまうんだろう・・。王子はともかくエナさんは、あまり気にしなさそうなタイプに見える。
私がそんな事を考えていると、エナさんが私の名前を呼んだ。慌てて返事をする。
「あ、はい。何でしょう」
「えっとねぇ、一応、家の中の説明をしとくね。オトちゃんとハルくんの部屋は二階ね。フォスっちの部屋は一階。三階は将来の子ども部屋だねぇ」
エナさんが、それぞれの部屋の位置を指差しながら説明してくれたので「ふんふん」と頷いていたが、最後の一言に思わず声を上げてしまう。
「えッ!!」
こ、こ、子ども部屋!私が驚いていると、エナさんがわざとらしく不思議そうな顔をする。
「えっ、そんなに意外?だってぇ、オオトリとトマリギはそういう事するんだしぃ♡オトちゃんも雛みたいで可愛いけど、僕的には本物の雛を見てみたいなぁ」
エナさんが「んふ♡」と満足げに笑い、その笑顔と纏わり付く様な声色に、ひッと息を呑む。少し前に「二人の子どもを見てみたい」はバシレイアーでは物凄い意味深な言葉だ、と教わった。言葉に気を付けるように、とも教わった。単なる軽口なのか、それともそういう意味を持たせているのか、彼の口調や表情からは全く分からない。エナさんの真意を図りかねて、ただただ戸惑うばかりだ。
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