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・・おそらく貴女の『覚悟』だけです
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「それって・・」
私がどういう意味なのか尋ねる前に、エナさんは私の身体から腕をぱっと離した。目が合うとエナさんは「続きはまた今度ね♡」と小さい声で言い、ウィンクをした。か、完全に煙に巻かれた。
「ごめんねぇ、東の副司祭様。調子に乗っちゃいましたぁ」
エナさんはミスティコさんの方を向き、てへぺろという表現がぴったりな動作で謝る。私はそんなエナさんの背中を見詰めた。
・・私、この人がトマリギになったら、平穏にやって行ける自信が無い・・かもしれない。アルケーさんも大概に私を振り回すが、エナさんはアルケーさん以上に私を振り回しそうな気がする。いや、気がするじゃない。確信に近い。
「これ、ハルくんからのプレゼントなんだけど、次に会う時はこっちを着てあげてねぇ。じゃないと絶対に拗ねちゃうから」
エナさんはドア付近にある、箱を指差し言う。何となく分かってはいたが「お届け物」とは王子からのプレゼントの事だったのか。
「え、は、はい。分かりました」
私がこくこく頷くと、エナさんはにこっと可愛らしく微笑む。
「約束ね。オトちゃん、絶対だよぉ。ふぅ、これで今日の仕事は終わりかなぁ」
エナさんはそう言うと、首や腕を回し「あーぁ、この恰好も疲れるわー」とぶつぶつ言う。その横でミスティコさんは眉間に皺を寄せている。
「要件はお済みでしょう?今日、此処へいらしたのは、この荷物を届ける為、でしたよね?」
「はーい、東の副司祭様の仰る通りでーす。終わったので引き上げまーす」
エナさんは右手を上げながら軽い調子で言う。ミスティコさんは建物の出口までは見届けるつもりだったようだが、エナさん「え、良いよぉ。それより荷物を部屋に入れるの手伝ってあげて。んじゃ、またねぇ♡」と言い、私に向かってひらひら手を振ると、軽やかな足取りで行ってしまった。
まさに嵐の様にやって来て過ぎ去った感じだ。不幸中の幸いなのは、お昼過ぎでほとんどの人が仕事や学校で不在だった事だ。これが夕方以降だったら、帰宅したご近所さんから好奇の目で見られていただろう。
「お手伝いしますから、早く部屋に入れてしまいましょう。そろそろ、子ども達が授業を終えて帰って来るかもしれません」
「あ、はい」
私達は玄関の前に山積みになっている荷物を部屋の中に入れる事にした。き、筋肉痛なのに搬入作業・・ミスティコさんに私が絶賛筋肉痛中な事がバレるのと非常に気まずくなりそうな気がする。私は身体に鞭打って平静を装いながら荷物を運んだ。
全部を入れ終わると、ミスティコさんとの間に微妙な空気が流れる。何か会話のきっかけを作らないと。
「あの・・ミスティコさん・・おかえりなさい」
私の「おかえりなさい」にミスティコさんは少し驚いた表情になる。ただ、それはほんの一瞬で一度、咳ばらいをすると何時ものつんとした彼に戻った。
「・・えぇ、ただいま戻りました」
その声はとても柔らかい。
私と目を合わせると「この量だと神殿からもお礼の書状が必要ですね」と肩を竦め、荷物の数を確認し始めた。
ミスティコさんには、避妊薬を用意して貰ったり、気を遣って私とアルケーさんを二人きりにして貰ったりと色々不躾なお願いをしたから、アルケーさんとの事後に会った時には、もっと居心地の悪い雰囲気になるかと思っていたけど、そこまでじゃなくて少し安心する。私もミスティコさんの隣で箱を開け中身の確認を手伝う事にした。二人で並んで作業しながら、ミスティコさんが口を開く。
「本当は今日はこちらに伺う予定では無かったんですが、エナ様が今日中にどうしても、と言われるのでお邪魔してしまいました」
「いえ、ミスティコさんが居てくれて良かったです。私一人だったら、多分・・エナさんの押しに負けて家に上げていたと思います」
「あぁ、それは困りますね。今後は気を付けて下さいね」
ミスティコさんは「本当に、くれぐれも気を付けて下さいね」と念押しをする。私が「もの凄く気を付けます」と答えると、ミスティコさんは紫の瞳を細めて私の方へ腕を伸ばして来たが、髪に触れる手前で引っ込めた。
「・・あの、ミスティコさん、今日はこっちに戻って来ます?」
「いえ、今日はあちらの家に帰ります。第5王子との約束が有りますから、明日の朝、こちらにお迎えに上がります」
「そうですか。分かりました」
私がそう言うと、ミスティコさんは「・・えっと」と、何かを言い掛けるが私と目が合うと視線を外す。彼にしては珍しくそわそわしている。もしかしてトイレに行きたいとか?
「ミスティコさん、どうしました?」
「えっとですね・・余計なお世話だとは分かっているんですが、一応、お伝えしておきます」
「明日の朝、早いので・・その、夜は程々にしていただけると・・助かります」
「は・・え、あの・・ご、ご忠告、ありがとうございます・・」
夜は程々に・・って、セックスは程々に、って言う事だよね?ミスティコさんがそんな事を言うとは。驚きと恥ずかしさが混じって語尾が小さくなる。アルケーさんとの事後、やっぱり気まずい事が起こった・・。
思わず「ご忠告ありがとうございます」とか言ってしまったが、その返しが正解なのかもわからない。ちらっと彼の様子を伺うと、ミスティコさんも額に手を当てて溜息を吐いている。
「・・すいません、はー、失言でした。先程の言葉は忘れて下さい」
ミスティコさんが溜息と一緒に小さな声で呟く。眉間に皺を寄せ苦い顔をしている。う、こんな時、どういう風に答えれば良いんだろうか。
「あの・・ご忠告通り、寝坊には気を付けますね」
私の言葉にミスティコさんは何も言わず一度だけ頷くと、もう一度溜息を吐いて「そろそろ失礼しますね」と言い、部屋から出て行こうと準備を始めた。
うーん、このまま別れてしまうと気まずいまま明日の朝を迎えてしまう。私は何だかそれが嫌でドアノブに手を掛けようとしているミスティコさんの服を慌てて掴む。彼が不思議そうな顔で私の方を振り返る。
「あ、えっと、ミスティコさん。明日、私が準備しておく物って有りますか?」
「オオトリ様が準備?」
「た、例えば、ほら、お城って広いじゃないですか。だから歩きやすい靴の方が良いとか動きやすい服装にしとけとか・・」
これじゃお城じゃなくて、完全に遠足に行く時の注意事項じゃないか、と心の中でツッコむ。でも、ミスティコさんには効果が有ったみたいで、さっきまでの重苦しい雰囲気から一転くすくす笑い出した。ミスティコさんから清々しいお茶の様な香りが漂って来る。
「・・成程、あそこは広いですからね。貴女が言う様にそういう恰好の方が良いかもしれませんね」
「じゃあ、動きやすいのに・・」
私がそこまで言い掛けると、向かい合ったミスティコさんが私の両手を取ってぎゅっと握った。どうしたんだろう、と思って彼と視線を合わせる。
「・・オオトリ様」
ミスティコさんの少し緊張した眼差しと声。それに、彼の表情が一瞬、歪んだ気がして思わず「は、はいッ!」と上ずった返事をしてしまう。
「貴女が明日の登城に必要なものは・・おそらく貴女の『覚悟』だけです」
「・・それって・・」
「・・オオトリ様ならお分かりかと思います」
私の言葉の途中でミスティコさんはそう言い、握っていた私の両手を離し寂しげな表情を浮かべる。
「お分かりかと思います」と言われたが、ミスティコさんの言いたい事って「春を呼ぶ王子を明日にでもトマリギにしろ」って言う事なんだろうか。答え合わせをしたいが、彼から「そうだ」と言われた瞬間、王子に関して色んな事が決定事項になる様な気がして聞くに聞けない。
私はミスティコさんの視線から逃げる様に俯く。息苦しい沈黙が澱の様に溜まる。
「・・あの、ミスティコさん。取り敢えず明日、お願い、します」
「えぇ、朝食後、お迎えに上がります」
ミスティコさんはそう言うと「北のにも宜しくお伝え下さい」と言い、彼の香りを残して帰って行った。私はミスティコさんが出て行くと、ずるずると玄関に膝を抱えて座り込んだ。
ミスティコさんの言いたい事も分かるし、王子が待っている事も分かる。私の義務と言うか役目も理解しているつもりだ。
・・ミスティコさんが言う様に、私には『覚悟』が足りないのかもしれない。割り切る覚悟が。
私はそのまましばらく玄関で膝を抱えたまま、トマリギとトマリギ候補、ミスティコさんの言葉を考えていた。
夕方前にアルケーさんが帰って来たが、玄関付近に積まれた大量の箱を見て色々察したらしい。
「ただいま、オト。ふふ、これって第5王子からですね」
「えぇ、まぁ・・すいません」
明日の件も含めて、色々悩んでいた私は思わず謝罪を口にしてしまったがすぐに後悔する。アルケーさんは私の頬をさらりと撫で困った様に笑う。
「何で謝るんですか?」
「・・う、ごめんなさい」
また謝罪の単語を口にした私の唇にアルケーさんの人差し指が押し当てられた。
「ふふ、それ、オトのいけない癖ですよね。私の様な人間に付け込まれますよ」
私がどういう意味なのか尋ねる前に、エナさんは私の身体から腕をぱっと離した。目が合うとエナさんは「続きはまた今度ね♡」と小さい声で言い、ウィンクをした。か、完全に煙に巻かれた。
「ごめんねぇ、東の副司祭様。調子に乗っちゃいましたぁ」
エナさんはミスティコさんの方を向き、てへぺろという表現がぴったりな動作で謝る。私はそんなエナさんの背中を見詰めた。
・・私、この人がトマリギになったら、平穏にやって行ける自信が無い・・かもしれない。アルケーさんも大概に私を振り回すが、エナさんはアルケーさん以上に私を振り回しそうな気がする。いや、気がするじゃない。確信に近い。
「これ、ハルくんからのプレゼントなんだけど、次に会う時はこっちを着てあげてねぇ。じゃないと絶対に拗ねちゃうから」
エナさんはドア付近にある、箱を指差し言う。何となく分かってはいたが「お届け物」とは王子からのプレゼントの事だったのか。
「え、は、はい。分かりました」
私がこくこく頷くと、エナさんはにこっと可愛らしく微笑む。
「約束ね。オトちゃん、絶対だよぉ。ふぅ、これで今日の仕事は終わりかなぁ」
エナさんはそう言うと、首や腕を回し「あーぁ、この恰好も疲れるわー」とぶつぶつ言う。その横でミスティコさんは眉間に皺を寄せている。
「要件はお済みでしょう?今日、此処へいらしたのは、この荷物を届ける為、でしたよね?」
「はーい、東の副司祭様の仰る通りでーす。終わったので引き上げまーす」
エナさんは右手を上げながら軽い調子で言う。ミスティコさんは建物の出口までは見届けるつもりだったようだが、エナさん「え、良いよぉ。それより荷物を部屋に入れるの手伝ってあげて。んじゃ、またねぇ♡」と言い、私に向かってひらひら手を振ると、軽やかな足取りで行ってしまった。
まさに嵐の様にやって来て過ぎ去った感じだ。不幸中の幸いなのは、お昼過ぎでほとんどの人が仕事や学校で不在だった事だ。これが夕方以降だったら、帰宅したご近所さんから好奇の目で見られていただろう。
「お手伝いしますから、早く部屋に入れてしまいましょう。そろそろ、子ども達が授業を終えて帰って来るかもしれません」
「あ、はい」
私達は玄関の前に山積みになっている荷物を部屋の中に入れる事にした。き、筋肉痛なのに搬入作業・・ミスティコさんに私が絶賛筋肉痛中な事がバレるのと非常に気まずくなりそうな気がする。私は身体に鞭打って平静を装いながら荷物を運んだ。
全部を入れ終わると、ミスティコさんとの間に微妙な空気が流れる。何か会話のきっかけを作らないと。
「あの・・ミスティコさん・・おかえりなさい」
私の「おかえりなさい」にミスティコさんは少し驚いた表情になる。ただ、それはほんの一瞬で一度、咳ばらいをすると何時ものつんとした彼に戻った。
「・・えぇ、ただいま戻りました」
その声はとても柔らかい。
私と目を合わせると「この量だと神殿からもお礼の書状が必要ですね」と肩を竦め、荷物の数を確認し始めた。
ミスティコさんには、避妊薬を用意して貰ったり、気を遣って私とアルケーさんを二人きりにして貰ったりと色々不躾なお願いをしたから、アルケーさんとの事後に会った時には、もっと居心地の悪い雰囲気になるかと思っていたけど、そこまでじゃなくて少し安心する。私もミスティコさんの隣で箱を開け中身の確認を手伝う事にした。二人で並んで作業しながら、ミスティコさんが口を開く。
「本当は今日はこちらに伺う予定では無かったんですが、エナ様が今日中にどうしても、と言われるのでお邪魔してしまいました」
「いえ、ミスティコさんが居てくれて良かったです。私一人だったら、多分・・エナさんの押しに負けて家に上げていたと思います」
「あぁ、それは困りますね。今後は気を付けて下さいね」
ミスティコさんは「本当に、くれぐれも気を付けて下さいね」と念押しをする。私が「もの凄く気を付けます」と答えると、ミスティコさんは紫の瞳を細めて私の方へ腕を伸ばして来たが、髪に触れる手前で引っ込めた。
「・・あの、ミスティコさん、今日はこっちに戻って来ます?」
「いえ、今日はあちらの家に帰ります。第5王子との約束が有りますから、明日の朝、こちらにお迎えに上がります」
「そうですか。分かりました」
私がそう言うと、ミスティコさんは「・・えっと」と、何かを言い掛けるが私と目が合うと視線を外す。彼にしては珍しくそわそわしている。もしかしてトイレに行きたいとか?
「ミスティコさん、どうしました?」
「えっとですね・・余計なお世話だとは分かっているんですが、一応、お伝えしておきます」
「明日の朝、早いので・・その、夜は程々にしていただけると・・助かります」
「は・・え、あの・・ご、ご忠告、ありがとうございます・・」
夜は程々に・・って、セックスは程々に、って言う事だよね?ミスティコさんがそんな事を言うとは。驚きと恥ずかしさが混じって語尾が小さくなる。アルケーさんとの事後、やっぱり気まずい事が起こった・・。
思わず「ご忠告ありがとうございます」とか言ってしまったが、その返しが正解なのかもわからない。ちらっと彼の様子を伺うと、ミスティコさんも額に手を当てて溜息を吐いている。
「・・すいません、はー、失言でした。先程の言葉は忘れて下さい」
ミスティコさんが溜息と一緒に小さな声で呟く。眉間に皺を寄せ苦い顔をしている。う、こんな時、どういう風に答えれば良いんだろうか。
「あの・・ご忠告通り、寝坊には気を付けますね」
私の言葉にミスティコさんは何も言わず一度だけ頷くと、もう一度溜息を吐いて「そろそろ失礼しますね」と言い、部屋から出て行こうと準備を始めた。
うーん、このまま別れてしまうと気まずいまま明日の朝を迎えてしまう。私は何だかそれが嫌でドアノブに手を掛けようとしているミスティコさんの服を慌てて掴む。彼が不思議そうな顔で私の方を振り返る。
「あ、えっと、ミスティコさん。明日、私が準備しておく物って有りますか?」
「オオトリ様が準備?」
「た、例えば、ほら、お城って広いじゃないですか。だから歩きやすい靴の方が良いとか動きやすい服装にしとけとか・・」
これじゃお城じゃなくて、完全に遠足に行く時の注意事項じゃないか、と心の中でツッコむ。でも、ミスティコさんには効果が有ったみたいで、さっきまでの重苦しい雰囲気から一転くすくす笑い出した。ミスティコさんから清々しいお茶の様な香りが漂って来る。
「・・成程、あそこは広いですからね。貴女が言う様にそういう恰好の方が良いかもしれませんね」
「じゃあ、動きやすいのに・・」
私がそこまで言い掛けると、向かい合ったミスティコさんが私の両手を取ってぎゅっと握った。どうしたんだろう、と思って彼と視線を合わせる。
「・・オオトリ様」
ミスティコさんの少し緊張した眼差しと声。それに、彼の表情が一瞬、歪んだ気がして思わず「は、はいッ!」と上ずった返事をしてしまう。
「貴女が明日の登城に必要なものは・・おそらく貴女の『覚悟』だけです」
「・・それって・・」
「・・オオトリ様ならお分かりかと思います」
私の言葉の途中でミスティコさんはそう言い、握っていた私の両手を離し寂しげな表情を浮かべる。
「お分かりかと思います」と言われたが、ミスティコさんの言いたい事って「春を呼ぶ王子を明日にでもトマリギにしろ」って言う事なんだろうか。答え合わせをしたいが、彼から「そうだ」と言われた瞬間、王子に関して色んな事が決定事項になる様な気がして聞くに聞けない。
私はミスティコさんの視線から逃げる様に俯く。息苦しい沈黙が澱の様に溜まる。
「・・あの、ミスティコさん。取り敢えず明日、お願い、します」
「えぇ、朝食後、お迎えに上がります」
ミスティコさんはそう言うと「北のにも宜しくお伝え下さい」と言い、彼の香りを残して帰って行った。私はミスティコさんが出て行くと、ずるずると玄関に膝を抱えて座り込んだ。
ミスティコさんの言いたい事も分かるし、王子が待っている事も分かる。私の義務と言うか役目も理解しているつもりだ。
・・ミスティコさんが言う様に、私には『覚悟』が足りないのかもしれない。割り切る覚悟が。
私はそのまましばらく玄関で膝を抱えたまま、トマリギとトマリギ候補、ミスティコさんの言葉を考えていた。
夕方前にアルケーさんが帰って来たが、玄関付近に積まれた大量の箱を見て色々察したらしい。
「ただいま、オト。ふふ、これって第5王子からですね」
「えぇ、まぁ・・すいません」
明日の件も含めて、色々悩んでいた私は思わず謝罪を口にしてしまったがすぐに後悔する。アルケーさんは私の頬をさらりと撫で困った様に笑う。
「何で謝るんですか?」
「・・う、ごめんなさい」
また謝罪の単語を口にした私の唇にアルケーさんの人差し指が押し当てられた。
「ふふ、それ、オトのいけない癖ですよね。私の様な人間に付け込まれますよ」
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