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始まり
リーダー格
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「勇者の皆さま、どうか落ち着いて下さい。
音宮響様は我が国が責任を持って捜索させて頂きますので、今後についての説明をさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
騎士団長であるセルジールが仲介に入った事により生徒たちは大人しくなり王の話を聞くことにした。
「先程も説明したと思うが我が国は今、魔王軍の侵攻を受けている。そしてそれは他の国でも同様だ。勇者を召喚できる国は1つだけ。各国の王同士の会合により勇者の召喚権はこの度、我がリスランダ王国となったが、全員をこの国に置いておく訳には行かない。
そんなことをしてしまえば、たちまち他の国々は滅び去って行く事だろう。
そこで皆にはグループに分かれて貰い、各々別の国に行って貰うことになる。
選定の基準として、ある程度戦力が均衡になるようにこの場で皆のスキルを確認させて頂きたい。ここまでで、何か質問があるものはいるか?」
皆がザワザワと騒いでいる中、1人の生徒が手を挙げる。天野光輝だ。
「あの…すみません。
僕達はその国で何をしたら良いのでしょうか?」
「基本的には冒険者として魔王軍と戦うか、王国騎士団の一員として国の防衛を勤める事になるが、そこは国によって様々だ。」
「必ず戦わなければ行けないのでしょうか?
戦闘系のスキルではない者もいると思います。
そういう人を戦いに参加させるのはちょっと…」
「そこは安心して欲しい。
勇者のスキルはどれも強力だ。
戦闘以外のスキルでも必ず役に立ちものとなっている。
回復系なら治療班に、補助系であれば後方支援部隊に参加するといった形で各々の適正と本人の希望を聞くようにしている。
ただでずっと王宮に滞在できるような待遇は出来ないが…それなりの職と寝床を紹介するくらいなら可能だ。」
王の発言を聞いて天野はほっとした。
「ほかに質問がないようであれば能力の確認をさせて貰う。
各々、スキルの詳細を周りにいる兵士に伝えてくれ。
一応伝えておくが、ステータスを偽装されては適正な判断が出来ないので正確に伝えるように。
こちらとしても疑うような真似はしたくないので、あくまでも自主宣告して頂きたく思う。」
各々ステータスを確認し兵士へと申告する。
「ほう…なかなか優秀な者が揃っているみたいだな。
ではリーダー格のみ発表させて貰う。
グループは皆で話し合って決めてくれ。」
天野光輝《あまのこうき》 スキル『勇者《ブレイバー》』
鬼頭拳一《おにがしらりゅういち》 スキル『鬼化《デモンモード》』
聖星矢《ひじりせいや》 スキル『星光《スターライト》』
多田存人《ただありと》 スキル『存続《サバイブ》』
黒海彰《くろうみあきら》 スキル『影《シャドウ》』
蛇河順平《へびかわじゅんぺい》 スキル『毒蛇顕現《サーペント》』
福島由依《ふくしまゆい》 スキル『豪運《グッドラック》』
久野永遠《ひさのとわ》 スキル『永遠《エターナル》』
8人がリーダーに選ばれる事となり、5人1組で各国に渡る事となった。
戦闘にも応用できるスキルが殆どだが、それ以外の物たちも回復やサポートに使える優秀なスキルばかりで落ちこぼれなどいなかった。
ただ1人を除いては…
安藤桜《あんどうさくら》 スキル『開花《ブルーム》』
安藤桜、クラスでも特に目立つ事のなく、読書が好きな女の子。
人見知りのため、クラスに友達もいない内気な生徒だ。
彼女はこの世界に来てから、何もわからないままあたふたしている間に勝手に話が進んでいた。
そして、言われるがままにステータスを確認し絶望した。
与えられたスキルは花を咲かせるだけの能力。
こんなスキルでは花屋にしかなれない。
スキルを伝えた兵士の人が王様に伝えた瞬間、王様が舌打ちした気がした。
結局、本日は解散となり明日グループ分けを行われるため、各自王宮の部屋で休む事になった。
あいにく、安藤自身の影が薄かったのでクラスメイトにスキルの事はバレなかったが、明日のグループ分けではそういうわけにもいかないだろう。
これからどうなっちゃうんだろう…
安藤が部屋の窓から城下を眺める。
嫌だなぁ、私戦いたくないよ。
お家に帰りたい…
考え事をしながら、なんとなく外を眺めていると見覚えのある人物を見つけた。
あれは…音宮くん?どうしよう。
兵士の人に教えた方が良いかな。
でも、音宮くん別に困ってない様に見えるし…
ああ、どこか行っちゃう。
人見知りの安藤が自分から兵士に話しかけることなど出来る訳もなく、なんとなく音宮の跡をつける事になってしまった。
後を追う為に王宮を出る時も兵士に気付かれなかったのは少し心が傷付いた。
音宮響様は我が国が責任を持って捜索させて頂きますので、今後についての説明をさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
騎士団長であるセルジールが仲介に入った事により生徒たちは大人しくなり王の話を聞くことにした。
「先程も説明したと思うが我が国は今、魔王軍の侵攻を受けている。そしてそれは他の国でも同様だ。勇者を召喚できる国は1つだけ。各国の王同士の会合により勇者の召喚権はこの度、我がリスランダ王国となったが、全員をこの国に置いておく訳には行かない。
そんなことをしてしまえば、たちまち他の国々は滅び去って行く事だろう。
そこで皆にはグループに分かれて貰い、各々別の国に行って貰うことになる。
選定の基準として、ある程度戦力が均衡になるようにこの場で皆のスキルを確認させて頂きたい。ここまでで、何か質問があるものはいるか?」
皆がザワザワと騒いでいる中、1人の生徒が手を挙げる。天野光輝だ。
「あの…すみません。
僕達はその国で何をしたら良いのでしょうか?」
「基本的には冒険者として魔王軍と戦うか、王国騎士団の一員として国の防衛を勤める事になるが、そこは国によって様々だ。」
「必ず戦わなければ行けないのでしょうか?
戦闘系のスキルではない者もいると思います。
そういう人を戦いに参加させるのはちょっと…」
「そこは安心して欲しい。
勇者のスキルはどれも強力だ。
戦闘以外のスキルでも必ず役に立ちものとなっている。
回復系なら治療班に、補助系であれば後方支援部隊に参加するといった形で各々の適正と本人の希望を聞くようにしている。
ただでずっと王宮に滞在できるような待遇は出来ないが…それなりの職と寝床を紹介するくらいなら可能だ。」
王の発言を聞いて天野はほっとした。
「ほかに質問がないようであれば能力の確認をさせて貰う。
各々、スキルの詳細を周りにいる兵士に伝えてくれ。
一応伝えておくが、ステータスを偽装されては適正な判断が出来ないので正確に伝えるように。
こちらとしても疑うような真似はしたくないので、あくまでも自主宣告して頂きたく思う。」
各々ステータスを確認し兵士へと申告する。
「ほう…なかなか優秀な者が揃っているみたいだな。
ではリーダー格のみ発表させて貰う。
グループは皆で話し合って決めてくれ。」
天野光輝《あまのこうき》 スキル『勇者《ブレイバー》』
鬼頭拳一《おにがしらりゅういち》 スキル『鬼化《デモンモード》』
聖星矢《ひじりせいや》 スキル『星光《スターライト》』
多田存人《ただありと》 スキル『存続《サバイブ》』
黒海彰《くろうみあきら》 スキル『影《シャドウ》』
蛇河順平《へびかわじゅんぺい》 スキル『毒蛇顕現《サーペント》』
福島由依《ふくしまゆい》 スキル『豪運《グッドラック》』
久野永遠《ひさのとわ》 スキル『永遠《エターナル》』
8人がリーダーに選ばれる事となり、5人1組で各国に渡る事となった。
戦闘にも応用できるスキルが殆どだが、それ以外の物たちも回復やサポートに使える優秀なスキルばかりで落ちこぼれなどいなかった。
ただ1人を除いては…
安藤桜《あんどうさくら》 スキル『開花《ブルーム》』
安藤桜、クラスでも特に目立つ事のなく、読書が好きな女の子。
人見知りのため、クラスに友達もいない内気な生徒だ。
彼女はこの世界に来てから、何もわからないままあたふたしている間に勝手に話が進んでいた。
そして、言われるがままにステータスを確認し絶望した。
与えられたスキルは花を咲かせるだけの能力。
こんなスキルでは花屋にしかなれない。
スキルを伝えた兵士の人が王様に伝えた瞬間、王様が舌打ちした気がした。
結局、本日は解散となり明日グループ分けを行われるため、各自王宮の部屋で休む事になった。
あいにく、安藤自身の影が薄かったのでクラスメイトにスキルの事はバレなかったが、明日のグループ分けではそういうわけにもいかないだろう。
これからどうなっちゃうんだろう…
安藤が部屋の窓から城下を眺める。
嫌だなぁ、私戦いたくないよ。
お家に帰りたい…
考え事をしながら、なんとなく外を眺めていると見覚えのある人物を見つけた。
あれは…音宮くん?どうしよう。
兵士の人に教えた方が良いかな。
でも、音宮くん別に困ってない様に見えるし…
ああ、どこか行っちゃう。
人見知りの安藤が自分から兵士に話しかけることなど出来る訳もなく、なんとなく音宮の跡をつける事になってしまった。
後を追う為に王宮を出る時も兵士に気付かれなかったのは少し心が傷付いた。
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