異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

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クラスメイトの現状

クラスメイトの現状①

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音宮達がリスランダ王国を脱出している頃、各地では様々な事件が起きていた。

◇◇◇◇◇◇◇
リスランダ王国のどこかにある島
動く孤島・フィヨルド

「やられてしまいましたね。」

「ええ、こんな屈辱を味わう羽目になるとは…。それに、こんな所に隠れられてたら次はいつ、見つけられるかもわからない。」

「でも、これ以上の深追いは…」

「わかっています。通信を阻害していた魔法も無くなったようです。急いで連絡して下さい。私たちも帰還しましょう。」

王国騎士団長であるナタリーとセシリアはギルが音宮を捕まえに出発した後、ビビアンを追って出陣する事になった。
居場所は寧々島の『千里眼』で見つけていたので問題ないと思っていたのだが、そう簡単にはいかない。
ビビアンが拠点としている島は魔力によって動く島フィヨルドであり、居場所がコロコロと変わる。そして、漸く見つけたと思えば…

二人にとっての忌まわしい記憶が蘇る。

ビビアンにやられたのならまだ理解できる。だが、安藤桜に負けるなんて…

「ナタリーさん、準備出来ました。
いつでも出発出来ます。」

「かしこまりました。すぐに行きます。」

二人は王国へと帰還した。

ーーーーーーーー
一方、こちらはフィヨルド島内

「良くやったじゃない。あの子達は王国騎士団の隊長、戦闘力もトップクラスの人間よ。
それを二人とも倒すなんて上出来ね。」

「でも、あれはビビアンさんが相手の人の魔力を阻害してくれてたのもあるし…それに魔導具?っていう道具を使用させないようにしてたからなんとかなっただけだと思います。
私なんて…まだまだです。」

謙遜もここまでくると最早病気ね。
でも、前よりかは自信を持てるようになってきてる気がするわ。…それにしても……

ナタリーは辺りの景色を見渡す。
地面は抉られ、樹木は焼き焦げた後が残っており各地から戦闘の痕跡が見られる。

1ヶ月程度の修行でここまで成長するとは…

「桜ちゃん。今の貴方の力なら音宮くんの足を引っ張るような事にはならない。私が保証してあげる。会いにいく?」

「…はい。今までお世話になりました。
本当にありがとうございます。」

「何言ってるのよ。しんみりしちゃうじゃない。それに、まさか忘れてるんじゃないでしょうね。私が修行をつける代わりに貴方は音宮くんと私を会わせる約束でしょう。」

しまった。すっかり忘れていた。
嘘をついて修行して貰っていたのだ。
謝らなければ…

「あの…私、実は「知ってるわよ。」

「知ってるわよ。桜ちゃんが音宮くんの居場所知らない事くらい。最初から。貴方が好きだったから修行してあげたの。それに、彼がオスヴィンに向かってるって情報が入ったわ。早く行くわよ。来なさい。」

ビビアンの後ろを安藤が歩きながら、二人は城の中へ消えていった。

◇◇◇◇◇◇◇
独裁国家デストリオン

「へへ、やっと着いたぜ。懐かしいねえ。
どいつもこいつも戦う事しか出来ない馬鹿どもばかり…相変わらずだな。」

ファング・グリードは怪我を癒した後、新たなスキルを手に入れる為、故郷でもあるデストリオンに足を運んでいた。
ここでは、人が死のうと何も起きない。
弱い奴が悪い。この世は弱肉強食だ。
だが、そんな街にしてはいささか活気のない気がする。これじゃあ気が乗らねえな。

「おい!お前なにがあったんだ。
これは一体どうゆう状況だ!」

「ああ…お前なにも知らないのか…
勇者だよ。勇者達がまたやってきてなにもかも奪っていったんだ…やってらんねえよ。」

「ここはデストリオンだろ。やられたらやり返すのが俺らのやり方じゃねえのかよ。」

「最初はやり返したさ。けど、だめだ。
奴らは強い上に、連携とって戦ってやがる。
俺らみたいな荒くれ者に連携なんて真似できやしないからな。囲まれてボコられそれで終わりだ。」

その後を話を聞くが、皆声を揃えて勇者のせいと言う。

別に愛国心などがあるわけでもないが、余所者に上に立たれるのは気に入らねえな。
それにスキルもなかなかに強そうだ。
いいぜえ。俺がお前らからなにもかもを奪ってやるよ。

その為には、まずは仲間が必要だな。
また探してみるか…

ファングが仲間探しに出掛ける。
デストリオンの勇者、鬼頭と出会う日はそう遠くない。
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