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ドニー村
セルジール
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時刻は少し前まで遡る
セルジールは今日も事務作業に追われていた。国同士での争い、モンスターによる被害などなど考えなければならない問題は山積みだ。王国騎士団とはいえ、その実態はなんでも屋みたいな扱いだ。リスランダ王国内でなにか揉め事やトラブルが起きれば、その対応に出向かなければ行けない。街の外での被害報告を受ければその実態を調査する為に出向き、国民が安心できる様に調べ結果報告する。王が他国を落とせと言えば、戦争にだって行かなければ行けないし、魔王軍の侵攻に情報が手に入れば、事前に撃退しに出向き、数日間帰って来れないといった事も珍しくない。
そして、どんなに頑張っても戦いでは勇者が手柄を全部持っていって仕舞う。
こちらの世界の住人と、勇者とではスキルの強さやステータスが違いすぎたのだ。
勇者召喚で現れる者たちは、チート能力というモノを神に与えられているらしく、どう足掻いても敵う訳がないと誰もが思っていて、彼らに任せようという風に思うようになっていた。次第に誰もがやる気を失い、勇者任せの世界となっていたところを変えたのが彼、セルジール・スクライドだった。
勇者召喚はそんなに頻繁に行えるものではない。その事を知っていた彼は自分自身を鍛え抜いた。一刻も早くより良い世界にするためには、勇者を待っているだけでは駄目だと。
セルジールは一国を滅ぼした魔王軍幹部を相手に、たった一人で迎撃したという逸話がある。
そんな彼の姿を見て、国民たちは奮い立ち、自分達の国は自分達で護ろうと強く思うようになっていったのであった。
彼の存在は王国騎士団いや、セルジール王国皆の誇りなのだ。
セルジール・スクライド
金髪碧眼の美青年であり、剣・魔法・体術のどれをとっても一級品の強さを身に付けている。この強さは努力によって磨かれた物だ。
そんな男が、真夜中に馬を飛ばしているのには訳があった。
いつも通りに書類の整理を行っている時だ。
ドタバタと慌てた様子で兵士が入ってきた。
「一体なんだ?少し落ち着け。」
「ハッ!申し訳ありません。
緊急でお伝えしたい事がありまして。
お時間よろしいでしょうか?」
「構わんよ。そう緊張するな。」
「ハッ!ありがとうございます。
…大変申し上げにくいのですが、音宮奏、安藤桜、両名の捜索に向かっていた第5部隊がカルチア森林内にて、全滅しているところを冒険者が発見致しました。幸い命の危険はなく、殆どの者が捕獲用の痺れ薬を浴びてしまっただけのようですが、魔法部隊は火傷の跡があり、どうやら魔法を使う者にやられたみたいです。そして、部隊長のフェルト殿に関してですが、彼が一番深いダメージを負っており、内臓が数ヶ所やられています。教会に頼み、回復魔法をかけて貰っていますが、回復にはもう暫く時間がかかると思われます。」
「なに!あのフェルトが⁉︎
わかった。報告ありがとう。
君は下がってくれ。」
「ハッ!」
一体誰にやられたのいうのだ。
フェルトがそこら辺のモンスターに負ける様な人間ではない事はよく知っている。
勇者が抵抗してくる可能性がある事はわかっていたが、それでも彼が負けるとは考えにくい。勇者は確かに強いが、それはあくまでも能力だけを見たらの話で、戦闘経験や剣の技術、それに戦術などステータスに現れない大事な強さがあるのだ。現に、フェルトは出発前に天野光輝と手合わせし、勝利を収めている。天野光輝は間違いなく、今回の召喚での一番の当たり枠だ。
だが、そんな彼でも部隊長クラスには手も足も出ない。
そんな彼を倒す事が出来る勇者などはそうそういない筈だ。更に魔法部隊は、魔法によって負傷しているとの報告だった。
王国を出て、数日の勇者に魔法は使えない。
魔法とは、魔導書をしっかりと読み込み、原理を理解してから自身の魔力をその力に変換させる事で漸く使えるようになるのだ。
どんなに適性があろうが、魔導書を読んで覚えなければいけないので、3日は掛かるだろう。その事さえも知らない奴らに魔法は使えない。
バタンッ!と勢いよく扉が開く。
「一体何者だ!ノックくらい…フェルト⁉︎」
「団長…すみません。どうしても伝えておきたい事があって…」
「わかった。ちゃんと聞くから、お前は安静にしていろ。まだ治ってないだろう。」
「すみません。失礼します。」
2人はソファに座り、話を続ける。
「それで?伝えたい事とは」
「まず、私たちを倒したのは音宮奏です。
第5部隊は音宮奏たった一人に全滅させられたました。勿論、スキルの正体がわからなかったや甘く見ていたなど油断していた部分もありますが、それを抜きにしても、彼の強さは侮れません。どうやら彼は、王国が嫌というよりも魔王軍と戦うのが面倒だと言っていました。」
「面倒?そんな理由でお前らをこんな目に合わせたのか?」
「ええ、どうも私の態度が気に障ったらしく…この様です。彼は強いですよ。
スキルは大したものじゃなく、瞬間移動のような事を行っていました。
ただし、本人だけではなく、他人や魔法・矢といった物質も転移可能の様です。
そして何より彼には、他の勇者にはない戦闘経験があります。頭も相当回る相手です。
彼を捕らえるためにはそれなりに兵力が必要かと思われます。」
「そうか…わかった。報告ありがとう。」
セルジールが立ち上がり、その身に甲冑を纏っていく。
「団長…何処か行かれるので?」
「なに…この時間なら彼らはまだドニー村近辺にいるだろう。私自ら出向いてやろうと思ったまでだ。朝までには帰る。」
「なっ⁉︎団長自ら…」
「留守は任せた。
何かあったら副団長に頼んで置いてくれ。」
そう言い残し、王国を飛び出してから今に至る。
待っていろ!音宮奏!
セルジールは今日も事務作業に追われていた。国同士での争い、モンスターによる被害などなど考えなければならない問題は山積みだ。王国騎士団とはいえ、その実態はなんでも屋みたいな扱いだ。リスランダ王国内でなにか揉め事やトラブルが起きれば、その対応に出向かなければ行けない。街の外での被害報告を受ければその実態を調査する為に出向き、国民が安心できる様に調べ結果報告する。王が他国を落とせと言えば、戦争にだって行かなければ行けないし、魔王軍の侵攻に情報が手に入れば、事前に撃退しに出向き、数日間帰って来れないといった事も珍しくない。
そして、どんなに頑張っても戦いでは勇者が手柄を全部持っていって仕舞う。
こちらの世界の住人と、勇者とではスキルの強さやステータスが違いすぎたのだ。
勇者召喚で現れる者たちは、チート能力というモノを神に与えられているらしく、どう足掻いても敵う訳がないと誰もが思っていて、彼らに任せようという風に思うようになっていた。次第に誰もがやる気を失い、勇者任せの世界となっていたところを変えたのが彼、セルジール・スクライドだった。
勇者召喚はそんなに頻繁に行えるものではない。その事を知っていた彼は自分自身を鍛え抜いた。一刻も早くより良い世界にするためには、勇者を待っているだけでは駄目だと。
セルジールは一国を滅ぼした魔王軍幹部を相手に、たった一人で迎撃したという逸話がある。
そんな彼の姿を見て、国民たちは奮い立ち、自分達の国は自分達で護ろうと強く思うようになっていったのであった。
彼の存在は王国騎士団いや、セルジール王国皆の誇りなのだ。
セルジール・スクライド
金髪碧眼の美青年であり、剣・魔法・体術のどれをとっても一級品の強さを身に付けている。この強さは努力によって磨かれた物だ。
そんな男が、真夜中に馬を飛ばしているのには訳があった。
いつも通りに書類の整理を行っている時だ。
ドタバタと慌てた様子で兵士が入ってきた。
「一体なんだ?少し落ち着け。」
「ハッ!申し訳ありません。
緊急でお伝えしたい事がありまして。
お時間よろしいでしょうか?」
「構わんよ。そう緊張するな。」
「ハッ!ありがとうございます。
…大変申し上げにくいのですが、音宮奏、安藤桜、両名の捜索に向かっていた第5部隊がカルチア森林内にて、全滅しているところを冒険者が発見致しました。幸い命の危険はなく、殆どの者が捕獲用の痺れ薬を浴びてしまっただけのようですが、魔法部隊は火傷の跡があり、どうやら魔法を使う者にやられたみたいです。そして、部隊長のフェルト殿に関してですが、彼が一番深いダメージを負っており、内臓が数ヶ所やられています。教会に頼み、回復魔法をかけて貰っていますが、回復にはもう暫く時間がかかると思われます。」
「なに!あのフェルトが⁉︎
わかった。報告ありがとう。
君は下がってくれ。」
「ハッ!」
一体誰にやられたのいうのだ。
フェルトがそこら辺のモンスターに負ける様な人間ではない事はよく知っている。
勇者が抵抗してくる可能性がある事はわかっていたが、それでも彼が負けるとは考えにくい。勇者は確かに強いが、それはあくまでも能力だけを見たらの話で、戦闘経験や剣の技術、それに戦術などステータスに現れない大事な強さがあるのだ。現に、フェルトは出発前に天野光輝と手合わせし、勝利を収めている。天野光輝は間違いなく、今回の召喚での一番の当たり枠だ。
だが、そんな彼でも部隊長クラスには手も足も出ない。
そんな彼を倒す事が出来る勇者などはそうそういない筈だ。更に魔法部隊は、魔法によって負傷しているとの報告だった。
王国を出て、数日の勇者に魔法は使えない。
魔法とは、魔導書をしっかりと読み込み、原理を理解してから自身の魔力をその力に変換させる事で漸く使えるようになるのだ。
どんなに適性があろうが、魔導書を読んで覚えなければいけないので、3日は掛かるだろう。その事さえも知らない奴らに魔法は使えない。
バタンッ!と勢いよく扉が開く。
「一体何者だ!ノックくらい…フェルト⁉︎」
「団長…すみません。どうしても伝えておきたい事があって…」
「わかった。ちゃんと聞くから、お前は安静にしていろ。まだ治ってないだろう。」
「すみません。失礼します。」
2人はソファに座り、話を続ける。
「それで?伝えたい事とは」
「まず、私たちを倒したのは音宮奏です。
第5部隊は音宮奏たった一人に全滅させられたました。勿論、スキルの正体がわからなかったや甘く見ていたなど油断していた部分もありますが、それを抜きにしても、彼の強さは侮れません。どうやら彼は、王国が嫌というよりも魔王軍と戦うのが面倒だと言っていました。」
「面倒?そんな理由でお前らをこんな目に合わせたのか?」
「ええ、どうも私の態度が気に障ったらしく…この様です。彼は強いですよ。
スキルは大したものじゃなく、瞬間移動のような事を行っていました。
ただし、本人だけではなく、他人や魔法・矢といった物質も転移可能の様です。
そして何より彼には、他の勇者にはない戦闘経験があります。頭も相当回る相手です。
彼を捕らえるためにはそれなりに兵力が必要かと思われます。」
「そうか…わかった。報告ありがとう。」
セルジールが立ち上がり、その身に甲冑を纏っていく。
「団長…何処か行かれるので?」
「なに…この時間なら彼らはまだドニー村近辺にいるだろう。私自ら出向いてやろうと思ったまでだ。朝までには帰る。」
「なっ⁉︎団長自ら…」
「留守は任せた。
何かあったら副団長に頼んで置いてくれ。」
そう言い残し、王国を飛び出してから今に至る。
待っていろ!音宮奏!
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