86 / 99
魔人戦2
しおりを挟む
那覇ダンジョン??階層
草介が魔人と対峙している中、時同じくして下層へと落ちた2人の前にも魔人が現れていた。
「貴方は…」
蛇の様な下半身と人間の上半身。
神話で耳にするナーガの様な見た目の魔人だ。
そして、この人物に茉央は見覚えがあった。
「久しぶりだね♪茉央ちゃん♪」
不気味な笑みで話しかけてくる。
「あの人?みたいなの知り合い?名前呼んでるけど…」
「…昔、私をパレードの囮にしたパーティのリーダーです。名前は菅野透吾《すがのとうご》。でも、あの事件で死んだ筈…それにあんな見た目じゃなかったです。」
囮にしたという言葉を聞き、明美が透吾を睨みつける。
「アァァ、イイね。隣の女の子もすっごくイイ♪茉央ちゃん♪僕はね、初めて君を見た時から美しいと思ってたんだ。つぶらな瞳、艶やかな髪、引き締まった肉体、そして純粋な心…全て僕の物にしようと思ってたのに…
まさか、あんな場所でパレードに遭遇するなんて…運命って残酷だよね。でも、こうしてまた会えてよかった。」
声高らかに話しながらジリジリと詰め寄って来る。
「僕が何故1人で来たかわかるかい?
邪魔されたくなかったんだよ。君との時間を。」
「貴方この子のストーカー?そんなんじゃ嫌われるわよ。」
「別に茉央ちゃんが僕を嫌おうと関係ない。僕はただ…その純粋な体と心を犯し尽くしたいだけなんだから♪」
聞くに耐えないその言葉に明美の堪忍袋の尾が切れ、身の危険を感じた茉央も反射的に攻撃を仕掛ける。
「大地変形《アースフォーム》:大地の怒り」
「炎帝」
土の拳と炎が透吾目掛けて同時に放たれる。
攻撃範囲が広く、前方を埋め尽くされていた。
「へえ、いい力じゃないか♪
だけど…弱過ぎる。【地帝】」
洞窟内の壁が形を変え、透吾の前に盾の様に立ち塞がった。
2人の攻撃がダンジョンの壁に遮られてしまう。
「ダンジョン内において僕の力は最強さ。」
目は逸らしていない。ずっと見ていた筈なのに、一瞬にして2人に前から透吾の姿が消えた。
どこに消えたの!?
周囲を警戒するが見つからない。
そんな中、急に背後から声が聞こえてくる。
「ほーら、捕まえた♪」
いつの間に…
「覆い隠す焔!!」
手が触れる寸前、間一髪スキルを発動し体を護ることに成功する。
「あんまり抵抗しない方が良いよ?
どうせ犯られるなら、気持ちいい方がいいだろ♪」
距離を取った茉央は明美と隣へと移動する。
「あいつ、気持ち悪いわね。」
「元々イヤらしい視線は感じてたんですけど…まさかあんな事を考えてたなんて思いませんでした。」
「幾ら逃げたって無駄だよ~。君らじゃ僕に勝てないから。茉央ちゃんは結構強くなってるみたいだけど僕には遠く及ばない。スキルの相性も悪いしね。横の女の子は論外だ。スキル自体は僕と似てるけど完全な劣化版。レベルも低そうだし、完全に足手纏いだよね。」
【大地変形《アースフォーム》】は【地帝】の完全劣化版スキル。同じ大地を操るという点は同じだが、質量も威力も【地帝】の方が明らかに上だ。
茉央の【炎帝】はスキルとしての効力は同等だが、炎と大地では相性が不利である。
「絶対に何か弱点があるはず…それさえ見つければ…」
「茉央ちゃん…私が囮をやる。どんな些細な事でもいいから隙を見つけて。大地操作の弱点は体が地面に触れていないと発動出来ないところ。水中や空中ではスキルを発動出来ないわ。」
同系統スキルを扱っている者だからこそわかる弱点。自身の弱点ともなり得る情報を茉央に渡した。
茉央、貴方を信じるわよ!
戦況を変えるため、決死の囮作戦が開始する。
━━━━━━━━━━━━━━━━
よろしければお気に入り登録よろしくお願いします!!!
草介が魔人と対峙している中、時同じくして下層へと落ちた2人の前にも魔人が現れていた。
「貴方は…」
蛇の様な下半身と人間の上半身。
神話で耳にするナーガの様な見た目の魔人だ。
そして、この人物に茉央は見覚えがあった。
「久しぶりだね♪茉央ちゃん♪」
不気味な笑みで話しかけてくる。
「あの人?みたいなの知り合い?名前呼んでるけど…」
「…昔、私をパレードの囮にしたパーティのリーダーです。名前は菅野透吾《すがのとうご》。でも、あの事件で死んだ筈…それにあんな見た目じゃなかったです。」
囮にしたという言葉を聞き、明美が透吾を睨みつける。
「アァァ、イイね。隣の女の子もすっごくイイ♪茉央ちゃん♪僕はね、初めて君を見た時から美しいと思ってたんだ。つぶらな瞳、艶やかな髪、引き締まった肉体、そして純粋な心…全て僕の物にしようと思ってたのに…
まさか、あんな場所でパレードに遭遇するなんて…運命って残酷だよね。でも、こうしてまた会えてよかった。」
声高らかに話しながらジリジリと詰め寄って来る。
「僕が何故1人で来たかわかるかい?
邪魔されたくなかったんだよ。君との時間を。」
「貴方この子のストーカー?そんなんじゃ嫌われるわよ。」
「別に茉央ちゃんが僕を嫌おうと関係ない。僕はただ…その純粋な体と心を犯し尽くしたいだけなんだから♪」
聞くに耐えないその言葉に明美の堪忍袋の尾が切れ、身の危険を感じた茉央も反射的に攻撃を仕掛ける。
「大地変形《アースフォーム》:大地の怒り」
「炎帝」
土の拳と炎が透吾目掛けて同時に放たれる。
攻撃範囲が広く、前方を埋め尽くされていた。
「へえ、いい力じゃないか♪
だけど…弱過ぎる。【地帝】」
洞窟内の壁が形を変え、透吾の前に盾の様に立ち塞がった。
2人の攻撃がダンジョンの壁に遮られてしまう。
「ダンジョン内において僕の力は最強さ。」
目は逸らしていない。ずっと見ていた筈なのに、一瞬にして2人に前から透吾の姿が消えた。
どこに消えたの!?
周囲を警戒するが見つからない。
そんな中、急に背後から声が聞こえてくる。
「ほーら、捕まえた♪」
いつの間に…
「覆い隠す焔!!」
手が触れる寸前、間一髪スキルを発動し体を護ることに成功する。
「あんまり抵抗しない方が良いよ?
どうせ犯られるなら、気持ちいい方がいいだろ♪」
距離を取った茉央は明美と隣へと移動する。
「あいつ、気持ち悪いわね。」
「元々イヤらしい視線は感じてたんですけど…まさかあんな事を考えてたなんて思いませんでした。」
「幾ら逃げたって無駄だよ~。君らじゃ僕に勝てないから。茉央ちゃんは結構強くなってるみたいだけど僕には遠く及ばない。スキルの相性も悪いしね。横の女の子は論外だ。スキル自体は僕と似てるけど完全な劣化版。レベルも低そうだし、完全に足手纏いだよね。」
【大地変形《アースフォーム》】は【地帝】の完全劣化版スキル。同じ大地を操るという点は同じだが、質量も威力も【地帝】の方が明らかに上だ。
茉央の【炎帝】はスキルとしての効力は同等だが、炎と大地では相性が不利である。
「絶対に何か弱点があるはず…それさえ見つければ…」
「茉央ちゃん…私が囮をやる。どんな些細な事でもいいから隙を見つけて。大地操作の弱点は体が地面に触れていないと発動出来ないところ。水中や空中ではスキルを発動出来ないわ。」
同系統スキルを扱っている者だからこそわかる弱点。自身の弱点ともなり得る情報を茉央に渡した。
茉央、貴方を信じるわよ!
戦況を変えるため、決死の囮作戦が開始する。
━━━━━━━━━━━━━━━━
よろしければお気に入り登録よろしくお願いします!!!
0
お気に入りに追加
1,236
あなたにおすすめの小説
クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
ちょっと神様!私もうステータス調整されてるんですが!!
べちてん
ファンタジー
アニメ、マンガ、ラノベに小説好きの典型的な陰キャ高校生の西園千成はある日河川敷に花見に来ていた。人混みに酔い、体調が悪くなったので少し離れた路地で休憩していたらいつの間にか神域に迷い込んでしまっていた!!もう元居た世界には戻れないとのことなので魔法の世界へ転移することに。申し訳ないとか何とかでステータスを古龍の半分にしてもらったのだが、別の神様がそれを知らずに私のステータスをそこからさらに2倍にしてしまった!ちょっと神様!もうステータス調整されてるんですが!!
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる
シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。
そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。
なんでも見通せるという万物を見通す目だった。
目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。
これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!?
その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。
魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。
※他サイトでも連載しています。
大体21:30分ごろに更新してます。
2回目チート人生、まじですか
ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆
ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで!
わっは!!!テンプレ!!!!
じゃない!!!!なんで〝また!?〟
実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。
その時はしっかり魔王退治?
しましたよ!!
でもね
辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!!
ということで2回目のチート人生。
勇者じゃなく自由に生きます?
異世界を【創造】【召喚】【付与】で無双します。
FREE
ファンタジー
ブラック企業へ就職して5年…今日も疲れ果て眠りにつく。
目が醒めるとそこは見慣れた部屋ではなかった。
ふと頭に直接聞こえる声。それに俺は火事で死んだことを伝えられ、異世界に転生できると言われる。
異世界、それは剣と魔法が存在するファンタジーな世界。
これは主人公、タイムが神様から選んだスキルで異世界を自由に生きる物語。
*リメイク作品です。
社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる