道草食ってスキル獲得

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臨時パーティ

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 長曽根武具店を出た草介は街中をウロウロしていた。

 やる事もないし、適当に街でも見て回るか。

 変わった街並みを眺めながら適当に歩いていると、前方に見覚えのある2人の人物が歩いていた。

「草介さん、こんにちは。こんな所で何してるんですか?」

「金城さんこそ、なんで明美と一緒に?今日はダンジョンには潜らないの?」

 笑顔で俺に手を振る金城さんとは対照的に、俺を見るや否や顔を背け、目を合わせようともしない明美。

 まさかこんな所で会うとは思わなかった。金城さんはてっきり毎日ダンジョンに潜ってるもんだと思ってたからなぁ。

「岩垣さんを宿泊先まで案内してから一緒に潜ろうって話してたんです。よかったら草介さんも一緒に来ませんか?私も久しぶりに草介さんと一緒に戦いたいです。」

 金城さんの提案に、俺と明美は驚愕した。

 金城さんと一緒にダンジョンに潜るのは別にいい。パートナーだし俺も後で誘おうとは思っていた。だが、彼女は岩垣明美と榊草介の仲が悪い事を知らない。善意でこの提案をしているのだ。どうする。せっかく帰って来たのに明美と行動するのは嫌だ。

 明美も俺と同じ意見なのかこういう時ばかり視線を合わせ、俺に断れと訴えかけてくる。

「せっかくだけど遠慮しておくよ。明日とか空いてたら一緒に行こうよ。」

「え~と…1週間くらい潜って下層まで行こうと思ってたので明日はちょっと…そうだ!みんなで明日一緒に潜りましょうよ。岩垣さんも今日は荷物の整理とか色々ありますし。ね、そうしましょう。」

 屈託のない笑顔で俺たちへ最悪の提案をする。

 悪気が無いだけに断り辛い。
 俺と明美の仲が悪い事を伝えれば解決するかも知れないが、それでは俺たちに気を使って金城さんは下層に潜らなくなるだろう。下層まで行かなければ時間はかからない。金城さんのように善意のみで動いてるような人に気を使わせる真似は出来ればしたくない。

「俺はいいよ。岩垣さんがよければだけど…」

 俺の返答に明美が「ふざけるな」とアイコンタクトを送ってくる。

(俺は一度断ってるから断りづらいんだよ。今度はお前の番だ。)

(なんで私がそんな事を…。貴方がこんなところを歩いてるのが悪いんです。)

(無茶苦茶だな。お前がなんと言おうとこの状況は変わらないぞ。いいからさっさと断れ。)

(適当に断る理由がないんですよ!氷華先輩に言われて来ただけなのに特別な用事なんてある訳ないじゃないですか!)

 あーだこーだと目に見えぬ会話を繰り広げていると金城さんが怪訝そうな目で俺たちを見つめていた。

「あの…もしかして私、お邪魔でしたか?」

「いえいえ全然。明日ですね。私も大丈夫ですよ。楽しみです。」

 あの野郎、流されてOKしやがった。どうする?今更俺が断るのも不自然だし…行くしかないのか…

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