道草食ってスキル獲得

sou

文字の大きさ
上 下
65 / 99

後輩

しおりを挟む
 氷華がガルーダ目掛けて脇目も振らず突進する。目の前に魔獣が立ち塞がるがスピードが劣える様子もない。

「氷華さんの邪魔はさせません。」

 伸晃《のぶあき》と呼ばれた少年が弓を取り出すと氷華に立ち塞がる魔獣に狙いを定める。

「【属性付与:光】堕ちる星フォールダウン

 矢が魔力を纏い、光り輝くと上空で分裂し氷華の前にいる魔獣を正確に撃退して行く。

 茅森伸晃《かやもりのぶあき》
 レベル:37
 スキルポイント:18
 装備:【狩人の衣】【光輪の弓】
【隠遁の指輪】

 攻撃力:288+150=438
 耐久力:68+30=98
 敏捷力:588+246=834
 魔力 :57+20=77
 ●スキル
 【状態異常耐性Ⅰ】【超探知】【隠密】【潜伏】【統合】【弓術Ⅶ】【連射】
【属性付与:光】【降り注ぐ星スターダスト


「ナイス、伸晃。」

 前方の敵がいなくなった事で、さらに加速し一気に距離を縮めようとする。
 しかし、両脇に獣型の魔獣が並んでおり、炎を吐く準備をしていた。

「これはヤバいかも…明美《あけみ》、お願い!」

「氷華先輩のご命令とあらば!」

 明美と呼ばれたローブ姿の少女はメイスを大地に叩きつける。大地に魔力が流れ込み、一気に氷華の元へと辿り着くと両脇に土壁が展開された。

「【大地変形《アースフォーム》】土壁」

 壁は魔獣のブレスを完全に塞ぎ切る。

「氷華先輩には指一本触れさせませんよ。私の許可なく触れようとする奴は……皆殺しです。」

 土壁が崩れ、新たな形へと生まれ変わる。

「【大地変形《アースフォーム》】ゴーレム】

 巨人のような体躯をした土人形が魔獣たちを蹂躙する。

「氷華先輩!使って下さい!」

 再度メイスを振り下ろすとトンネルのようなものができ、氷華からガルーダまで続いている。

「明美、ありがとう。」

 氷華は明美にウインクすると先へ進む。

「キャー!!氷華先輩にウインクされちゃった!……なに?今いい気分だったんだけど…邪魔しないで貰えるかなぁ!」

 接近していた魔獣に荒々しくメイスを振り下ろした。


 岩垣明美《いわがきあけみ》
 レベル:35
 スキルポイント:26
 装備:【豊穣のローブ】【魔強の指輪】
【ロックスターメイス】

 攻撃力:168+176=344
 耐久力:287+102=389
 敏捷力:102+20=122
 魔力 :469+207=676
 ●スキル
 【統合】【感知】【自動回復】【治療《ヒール》】
【二重魔法《デュアルマジック》】【大地変形《アースフォーム》】【超重力空間《グラビティエリア》】



「これを抜ければガルーダの元に辿り着く。」

 トンネルを走る氷華。あと僅かで外に出られる。そんな時、出口から数体のオーガがトンネル内に侵入して来た。

「明美め、逃したな。全く詰めが甘いんだから。」

 走りながら剣を抜く。

「邪魔、【氷帝】」

 突きを放つと剣先から氷が現れる。
 氷はオーガを覆い込み、一瞬で全身を凍りつかせる。

「全く、草介が勝手に切り込むからこんな面倒なことに……一人で大丈夫かな?」

 トンネルを抜けると、九頭の蛇に絡め取られたガルーダの姿が目に映った。

 屋根の上にいた人間が、氷華へと声をかける。

「遅かったな。」

 ━━━━━━━━━━━━━━━━
 よろしければお気に入り登録よろしくお願いします!!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

一級警備員の俺が異世界転生したら一流警備兵になったけど色々と勧誘されて鬱陶しい

司真 緋水銀
ファンタジー
【あらすじ】 一級の警備資格を持つ不思議系マイペース主人公、石原鳴月維(いしはらなつい)は仕事中トラックに轢かれ死亡する。 目を覚ました先は勇者と魔王の争う異世界。 『職業』の『天職』『適職』などにより『資格(センス)』や『技術(スキル)』が決まる世界。 勇者の力になるべく喚ばれた石原の職業は……【天職の警備兵】 周囲に笑いとばされ勇者達にもつま弾きにされた石原だったが…彼はあくまでマイペースに徐々に力を発揮し、周囲を驚嘆させながら自由に生き抜いていく。 -------------------------------------------------------- ※基本主人公視点ですが別の人視点も入ります。 改修した改訂版でセリフや分かりにくい部分など変更しました。 小説家になろうさんで先行配信していますのでこちらも応援していただくと嬉しいですっ! https://ncode.syosetu.com/n7300fi/ この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~

芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。 駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。 だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。 彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。 経験値も金にもならないこのダンジョン。 しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。 ――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

処理中です...