52 / 99
那覇ダンジョン奪還作戦6
しおりを挟む
那覇ダンジョン代表として小郡氷華が指揮を取る。
「え~、これから作戦を指示します。とは言っても内容は至ってシンプルで、1~2階層クラスの探索者の方々は魔獣の進行を抑え、残りは私に同行し、発生源まで速やかに移動、元凶となる魔獣を討伐する。以上です。」
単純だがこれが一番いい手段だろう。低級探索者が発生源に突入したところで、自殺するようなものだ。突入するのは少数精鋭でいい。戦闘は出来る限り避けて元凶と思われる魔獣さえ討伐したらそれでこの騒動は全て終わる。
皆も小郡の作戦に賛同しており、反論する者などいない。
「それじゃあ私と同行する探索者を発表します。草介!お願い。」
こちらを見てにこやかに微笑む小郡。
今なんて言った?俺の名前を呼ばなかったか?まあ、100歩譲って同行するにはいいとしよう。だが、気になる点が一つだけ。他に名前を呼ばれてないがまさか俺一人なのか?いやいや、そんなまさか……
「じゃあ私と草介が群れに突入するから皆さんは援護を。私たちは行った後は街に被害が出ないよう3~4人でパーティを組んで戦って下さい。よろしくお願いします。」
聞き間違いじゃなかった。俺と小郡だけとは…いなかったんだ。3階層以降到達の探索者が。
少しの間呆けていると小郡がこちらに歩いて来た。
「さっき話した通りだから。短い間だけどよろしくね。」
「ああ、よろしく。ところで本当に二人だけで行くつもりか?」
「うん。集まってる探索者も新人さんばっかりだったから私と草介くらいしか無理かなって思って。もしかして……嫌だった?あれだったら危険のない範囲で戻ってもいいよ。ただ流石に全部一人は厳しいから途中まではついて来て欲しいけど…」
小郡なりに必死に考えたのだろう。俺が嫌だといえば小郡は一人であの群れに突っ込んで行くんだろうな。仕方ない…女の子一人で死地に送る訳にはいかないしな。
「俺も行くよ。ただ、本当に危なかったら護ってくれよ。」
「うん!ありがと!草介も私が危なくなったら助けてね。」
彼女は眩い笑顔で手を差し出してくる。俺はその手を握った。
「いつもなら見せないんだけど、緊急事態だから特別にね。別に草介も見せろって訳じゃないから気にしないで。ただどんなスキル使うかだけは教えて欲しいけど。」
彼女は自身のステータスボードを見せてきた。
小郡氷華《おごおりひょうか》
レベル:64
スキルポイント:49
装備:【氷帝の鎧】【結晶のリング】
【青薔薇の剣】
攻撃力:496+368=864
耐久力:376+277=653
敏捷力:498+311=809
魔力 :1028+121=1149
●スキル
【氷耐性Ⅹ】【状態異常耐性Ⅵ】【感知】【隠密】【鑑定】【統合】【剣術Ⅷ】
【自動回復】【氷狼神《フェンリル》】【多重氷壁】
【氷帝】【氷剣の舞】
ステータスは俺の約2倍。スキルの数が少なく見えるが統合で一つの強力なスキルにしているのだろう。
俺、こんな人について行けるかな…
━━━━━━━━━━━━━━━━
よろしければお気に入り登録よろしくお願いします!!!
「え~、これから作戦を指示します。とは言っても内容は至ってシンプルで、1~2階層クラスの探索者の方々は魔獣の進行を抑え、残りは私に同行し、発生源まで速やかに移動、元凶となる魔獣を討伐する。以上です。」
単純だがこれが一番いい手段だろう。低級探索者が発生源に突入したところで、自殺するようなものだ。突入するのは少数精鋭でいい。戦闘は出来る限り避けて元凶と思われる魔獣さえ討伐したらそれでこの騒動は全て終わる。
皆も小郡の作戦に賛同しており、反論する者などいない。
「それじゃあ私と同行する探索者を発表します。草介!お願い。」
こちらを見てにこやかに微笑む小郡。
今なんて言った?俺の名前を呼ばなかったか?まあ、100歩譲って同行するにはいいとしよう。だが、気になる点が一つだけ。他に名前を呼ばれてないがまさか俺一人なのか?いやいや、そんなまさか……
「じゃあ私と草介が群れに突入するから皆さんは援護を。私たちは行った後は街に被害が出ないよう3~4人でパーティを組んで戦って下さい。よろしくお願いします。」
聞き間違いじゃなかった。俺と小郡だけとは…いなかったんだ。3階層以降到達の探索者が。
少しの間呆けていると小郡がこちらに歩いて来た。
「さっき話した通りだから。短い間だけどよろしくね。」
「ああ、よろしく。ところで本当に二人だけで行くつもりか?」
「うん。集まってる探索者も新人さんばっかりだったから私と草介くらいしか無理かなって思って。もしかして……嫌だった?あれだったら危険のない範囲で戻ってもいいよ。ただ流石に全部一人は厳しいから途中まではついて来て欲しいけど…」
小郡なりに必死に考えたのだろう。俺が嫌だといえば小郡は一人であの群れに突っ込んで行くんだろうな。仕方ない…女の子一人で死地に送る訳にはいかないしな。
「俺も行くよ。ただ、本当に危なかったら護ってくれよ。」
「うん!ありがと!草介も私が危なくなったら助けてね。」
彼女は眩い笑顔で手を差し出してくる。俺はその手を握った。
「いつもなら見せないんだけど、緊急事態だから特別にね。別に草介も見せろって訳じゃないから気にしないで。ただどんなスキル使うかだけは教えて欲しいけど。」
彼女は自身のステータスボードを見せてきた。
小郡氷華《おごおりひょうか》
レベル:64
スキルポイント:49
装備:【氷帝の鎧】【結晶のリング】
【青薔薇の剣】
攻撃力:496+368=864
耐久力:376+277=653
敏捷力:498+311=809
魔力 :1028+121=1149
●スキル
【氷耐性Ⅹ】【状態異常耐性Ⅵ】【感知】【隠密】【鑑定】【統合】【剣術Ⅷ】
【自動回復】【氷狼神《フェンリル》】【多重氷壁】
【氷帝】【氷剣の舞】
ステータスは俺の約2倍。スキルの数が少なく見えるが統合で一つの強力なスキルにしているのだろう。
俺、こんな人について行けるかな…
━━━━━━━━━━━━━━━━
よろしければお気に入り登録よろしくお願いします!!!
0
お気に入りに追加
1,233
あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

一級警備員の俺が異世界転生したら一流警備兵になったけど色々と勧誘されて鬱陶しい
司真 緋水銀
ファンタジー
【あらすじ】
一級の警備資格を持つ不思議系マイペース主人公、石原鳴月維(いしはらなつい)は仕事中トラックに轢かれ死亡する。
目を覚ました先は勇者と魔王の争う異世界。
『職業』の『天職』『適職』などにより『資格(センス)』や『技術(スキル)』が決まる世界。
勇者の力になるべく喚ばれた石原の職業は……【天職の警備兵】
周囲に笑いとばされ勇者達にもつま弾きにされた石原だったが…彼はあくまでマイペースに徐々に力を発揮し、周囲を驚嘆させながら自由に生き抜いていく。
--------------------------------------------------------
※基本主人公視点ですが別の人視点も入ります。
改修した改訂版でセリフや分かりにくい部分など変更しました。
小説家になろうさんで先行配信していますのでこちらも応援していただくと嬉しいですっ!
https://ncode.syosetu.com/n7300fi/
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる