道草食ってスキル獲得

sou

文字の大きさ
上 下
6 / 99

惑わしの森③

しおりを挟む
 毒耐性か。初めて取得するスキルがまさか耐性スキルとは…
 耐性スキルとは状態異常などのダメージを軽減することができるスキルだ。スキルの中でも希少度は低く、それなりに探索している者なら誰もが持っている一般的なスキルだ。

 このタイミングで出てきたって事はこの草を食ったのが原因だよなぁ。
 ないよりはマシだけど、折角なら【鑑定】とか役に立つスキルの方が良かったんだけど…
 どれくらい効果あるか確かめてみよっと。

 毒効果のある雑草をもう一口食べてみる。

 へぇ…耐性スキルって意外に効果あるんだな。一口程度なら全く痺れないや。それにこの草、味は結構イケる。このピリッとした感覚がクセになるな。

 黙々と草を食べ続ける。
 間に毒消し草を挟む事も忘れない。
 いくら耐性があるとはいえ食べ続ければ毒が発動してしまうからだ。




『スキル【毒耐性Ⅱ】にレベルアップしました。』
『スキル【毒耐性Ⅲ】にレベルアップしました。』
『スキル【毒耐性Ⅳ】にレベルアップしました。』
『スキルーーーーーーーー』


 頭の中に声が鳴り続けているが全て無視して食べ続ける。どうせ耐性スキルがレベルアップしているだけだし、気にする必要はない。

『スキル【毒撃《ポイズンショット》】を獲得しました。』

 えっ!なんか耐性以外のスキル名が聞こえたんだけど…まさか…

 恐る恐る自身のステータスを確認する。

 榊草介
 レベル:9
 スキルポイント:3

 攻撃力:7
 耐久力:4
 敏捷力:11
 魔力 :0
 ●スキル
 【毒耐性Ⅹ】【毒撃《ポイズンショット》】

【毒撃《ポイズンショット》】…毒の塊を放つことができる。

 いつの間にか毒耐性もカンストしてるし…

 魔力は相変わらず0のままだが、状態異常系のスキルは使えるので問題ない。
 魔力を使うスキル…いわゆる魔法と呼ばれるものは炎や雷など属性攻撃系のスキルを指す。

 迷いの森を出た後の楽しみが出来た。
 だけどその抜け出す事が出来そうにもないんだよなぁ。

 喜んだのも束の間、今の状況を思い出し落ち込む。

 はぁ…折角スキル手に入れたのに此処から出られないなんてなぁ。この味にも飽きてきたし、草じゃ腹一杯になんないもんだな。
 待てよ!!雑草でスキル得られるって事は此処らへんの草食べ尽くせば強くなれんじゃね?他にやる事ねえし、腹減ってるし……食うか。


 俺は黄色の如何にも毒が入っていると主張している草を食べた。

 う!ヤバい…体が痺れる。早く麻痺消し草を食わないと…

 念の為の近くに置いていた麻痺消し草を口にし、麻痺を中和する。まだ体は重いし麻痺を完全に中和できた感じはしないが、一先ず命に別状はない感じがする。



『スキル【麻痺耐性Ⅰ】を獲得しました。』


 よし!スキルだ!この調子で食べ続ければ【毒撃《ポイズンショット》】みたいなスキルが手に入るかもしれない!

 スキルの為には食べ続けたいが、味が悪すぎる。どうしたもんか……

 食べたいけど食べたくない。そんな葛藤が俺を襲う。暫くの間、どうするか考え続けていると、ある策が思い浮かんだ。

 そうだ!!麻痺消し草と麻痺草を混ぜて炒めれば味も多少はマシになるんじゃないか?中和しながら食えるし…これで行こう!!

 近くに落ちていた平たい石に薬草を乗せて炒める。

 火を起こす為に使った火薬草をひと摘み入れる事で雑草全体に満遍なく火が通る。

 少しは美味しくなってりゃいいが…

 枝で作った箸を使い恐る恐る雑草の炒め物を口にする。

 これはーー不味いは不味いが食えない訳じゃない。それに火薬草が口の中で少しパチパチして面白いな。

 山盛りになった雑草の炒め物を一心不乱に口の中に入れる。

『スキル【麻痺耐性Ⅱ】を獲得しました。』
『スキル【麻痺耐性Ⅲ】を獲得しました。』
『スキル【麻痺耐性Ⅳ】を獲得………


『スキル【範囲麻痺《パラライズエリア》】を獲得しました。』

【範囲麻痺《パラライズエリア》】…一定範囲にいる敵を麻痺させる。


『スキル【炎耐性Ⅰ】を獲得しました。』
『スキル【炎耐性Ⅱ】を獲得………


『スキル【爆破《ボム》】を獲得しました。』


 思いがけないスキルまで獲得出来たな。火薬草を入れたのが原因か。流石に腹一杯だし、結構強くなったんじゃないか?

 再びステータスボードを開き、自身に能力を確認する。




 榊草介
 レベル:9
 スキルポイント:3

 攻撃力:7
 耐久力:4
 敏捷力:11
 魔力 :0→3
 ●スキル
 【麻痺耐性Ⅹ】【毒耐性Ⅹ】【炎耐性Ⅳ】
【範囲麻痺《パラライズエリア》】【毒撃《ポイズンショット》】【爆破《ボム》】


 ━━━━━━━━━━━━━━━━
 よろしければお気に入り登録よろしくお願いします!!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

気づいたら異世界でスライムに!? その上ノーチートって神様ヒドくない?【転生したらまさかのスライム《改題》】

西園寺卓也
ファンタジー
北千住のラノベ大魔王を自称する主人公、矢部裕樹《やべひろき》、28歳。 社畜のように会社で働き、はや四年。気が付いたら異世界でスライムに転生?してました! 大好きなラノベの世界ではスライムは大魔王になったりかわいこちゃんに抱かれてたりダンジョンのボスモンスターになったりとスーパーチートの代名詞!と喜んだのもつかの間、どうやら彼にはまったくチートスキルがなかったらしい。 果たして彼は異世界で生き残る事ができるのか? はたまたチートなスキルを手に入れて幸せなスラ生を手に入れられるのか? 読みまくった大人気ラノベの物語は知識として役に立つのか!? 気づいたら異世界でスライムという苦境の中、矢部裕樹のスラ生が今始まる! ※本作品は「小説家になろう」様にて「転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない?」を改題した上で初期設定やキャラのセリフなどの見直しを行った作品となります。ストーリー内容はほぼ変更のないマルチ投稿の形となります。

お気楽、極楽⁉︎ ポンコツ女神に巻き込まれた俺は、お詫びスキルで異世界を食べ歩く!

にのまえ
ファンタジー
 目が覚めたら、女性が土下座をしていた。  その女性に話を聞くと、自分を女神だと言った。そしてこの女神のミス(くしゃみ)で、俺、鈴村凛太郎(27)は勇者召喚に巻き込まれたらしい。  俺は女神のミスで巻き込まれで、勇者ではないとして勇者特有のスキルを持たないし、元の世界には帰れないようだ。   「……すみません」  巻き込みのお詫びとして、女神は異世界で生きていくためのスキルと、自分で選んだスキルをくれた。  これは趣味の食べ歩きを、異世界でするしかない、  俺、凛太郎の異世界での生活が始まった。  

スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい

兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。

せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー

ジミー凌我
ファンタジー
 日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。  仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。  そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。  そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。  忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。  生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。  ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。 この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。 冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。 なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。

前世の記憶で異世界を発展させます!~のんびり開発で世界最強~

櫻木零
ファンタジー
20XX年。特にこれといった長所もない主人公『朝比奈陽翔』は二人の幼なじみと充実した毎日をおくっていた。しかしある日、朝起きてみるとそこは異世界だった!?異世界アリストタパスでは陽翔はグランと名付けられ、生活をおくっていた。陽翔として住んでいた日本より生活水準が低く、人々は充実した生活をおくっていたが元の日本の暮らしを知っている陽翔は耐えられなかった。「生活水準が低いなら前世の知識で発展させよう!」グランは異世界にはなかったものをチートともいえる能力をつかい世に送り出していく。そんなこの物語はまあまあ地頭のいい少年グランの異世界建国?冒険譚である。小説家になろう様、カクヨム様、ノベマ様、ツギクル様でも掲載させていただいております。そちらもよろしくお願いします。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜

FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio 通称、【GKM】 これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。 世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。 その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。 この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。 その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…

一級警備員の俺が異世界転生したら一流警備兵になったけど色々と勧誘されて鬱陶しい

司真 緋水銀
ファンタジー
【あらすじ】 一級の警備資格を持つ不思議系マイペース主人公、石原鳴月維(いしはらなつい)は仕事中トラックに轢かれ死亡する。 目を覚ました先は勇者と魔王の争う異世界。 『職業』の『天職』『適職』などにより『資格(センス)』や『技術(スキル)』が決まる世界。 勇者の力になるべく喚ばれた石原の職業は……【天職の警備兵】 周囲に笑いとばされ勇者達にもつま弾きにされた石原だったが…彼はあくまでマイペースに徐々に力を発揮し、周囲を驚嘆させながら自由に生き抜いていく。 -------------------------------------------------------- ※基本主人公視点ですが別の人視点も入ります。 改修した改訂版でセリフや分かりにくい部分など変更しました。 小説家になろうさんで先行配信していますのでこちらも応援していただくと嬉しいですっ! https://ncode.syosetu.com/n7300fi/ この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

処理中です...