道草食ってスキル獲得

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6年目の底辺探索者

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「はぁ…今日もダメかぁ…」

 俺の名前は榊草介《さかきそうすけ》。
 年齢は24歳で、探索者《たんさくしゃ》になってから6年が経過した。
 まともな職業に就けという親の反対を押し切り、沖縄県にて一人暮らしをしながら日々ダンジョン攻略を行っている。
 なぜ沖縄にしたのかと言われれば理由は単純。東京や大阪より競合相手が少ないので宝が沢山眠っていると思ったからだ。
 だが、実際は6年かけても宝なんて見つける事が出来ず、それどころか日々の生活すら危うい程に金がない。

「今更実家に帰るなんて出来ないしなぁ…なんで探索者なんかになったかなぁ。」


 数十年前のある日、世界中に【ダンジョン】と呼ばれる迷宮が突如として出現し、謎を解明する為に自衛隊が突入すると驚くべき事が判明した。

 それはダンジョン内には空想上の化け物が存在しているという事。これらは【魔獣】と呼ばれ、世界中の人々が魔獣の存在に人類滅亡の予兆かと騒ぎ出したがその不安は次第になくなっていく。
 なぜならばダンジョン出現と共に人間の特殊な力が宿ったからだ。その力は【ステータス】というもので魔獣を倒すことでレベルアップし、まるでゲームのように強くなる事が出来る。

 最後にわかったのは財宝が眠っている事。
 黄金や未知の鉱石だけでなく、武器や防具など種類は様々で魔獣の素材なんかも高価で取引される事がある。

 これらの事から一攫千金を夢見て探索者になる者が後を絶たず、いつしか探索者は世界一有名な職業となっていた。

「【ステータス】」

 家賃3万円のボロアパートの中で一人でボソッと呟くと、目の前にスキルボードが表示される。


 榊草介
 レベル:9
 スキルポイント:3

 攻撃力:7
 耐久力:4
 敏捷力:11
 魔力 :0
 ●スキル
 (なし)

「6年も頑張ってこれかよ。」

 1年あれば大抵の人はレベル10到達出来るっていうのに俺は未だにレベル9止まり。
 理由は単純で経験値が足りていないから。
 今までの情報だとレベル10に到達する条件は1階層のボスを倒す事。どれだけ雑魚を倒そうがレベルは上がらないみたいだ。

「金もないし…寝るか。」

 貯金はわずか5万円ほど。家賃が3万で残りは仕事用と考えると無駄使いは出来ない。

 起きてても腹が減るだけだ。
 今日は寝て明日ダンジョンに潜ろう。
 なんかいい装備でも落ちてないかなぁ。

 そんな事を夢見ながら榊は眠りについた。



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