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2年生

お仕置き*

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 フィオーネは口許にこそ笑みを浮かべていたが、その目は一切笑っていなかった。

「でも、俺に嘘をついてまで他の男を庇ったというのは問題だな。マリス、お仕置きだ」

 フィオーネが冷たい目で僕を見下ろした。恐ろしい言葉に、頭から冷水をかけられたような衝撃が走る。
 フィオーネは僕の腕を掴むと、強引にベッドまで引っ張った。

「や、やだ、いやです!! 離して!!」

 僕の言葉は無視され、あっけなくベッドに投げられる。起き上がる暇もなくフィオーネに乗っかられ、強引にシャツを脱がされた。
 フィオーネは僕の両手を頭の上に持ち上げると、先ほど剥いだシャツで両腕を縛った。

「ごめんなさい、もうしません……許してください……」

 ガタガタと身体が震え始める。このようなお仕置きは初めてではない。パーティーでの一件の後、僕は何回かフィオーネにお仕置きされる悍ましい夢を見たのだった。

「もうしませんという言葉は聞き飽きたよ」

 フィオーネは淡々と、僕のズボンと下着を脱がしていった。下半身がフィオーネの下に晒され、恥ずかしさと惨めさでいっぱいになる。僕は顔をベッドの方に背けてフィオーネと目を合わせないようにした。

 フィオーネは僕の目の端から零れた涙を舐め、僕の顎を掬い上げて無理矢理正面を向かせる。

「やめっ、んむ、ん」

 フィオーネの柔らかい唇が僕の口を塞ぎ、声を封じられた。

「舌を出して」

 言われたとおり舌を出すと、フィオーネの舌が僕の舌に絡んでくる。僕の口内がフィオーネの舌に犯され、痺れが指先までじんと広がった。

「んっ……ぅ」

 フィオーネは僕の口内を蹂躙しながら下半身に手を伸ばした。

「んぅ!?」

 フィオーネの手が、既に熱を持ち始めていた僕の陰茎を扱き始める。フィオーネは手を上下に動かしながら、僕から口を離し、舌で乳首を転がした。

「ひっ……、ぁっ、や、やめっ……、うぅっ……」

 すっかり腫れあがった乳首を空いている手で弾かれびくんと体が跳ねる。
 僕の陰茎を擦る速度が段々と速くなり、せりあがってくる快感が開放される寸前に、フィオーネが扱く手を止めた。

「ぇ、な……?」
「やめて欲しいんだろう?」

 フィオーネは嗜虐的な笑みを浮かべて僕を見下ろした。

 僕のを握ったままだったフィオーネの手に陰茎を擦りつけようと、僕の腰が勝手に動く。もう少しというところで、フィオーネが僕の陰茎を握る手に力を入れた。

「い゛っ……!?」
「許可なく動いたら駄目だろう?」
「だ、だって……!」
「ふふ、イきたいの?」
「はいっ、イきたいですっ……! お願いします、早くっ……、」

 お預け状態に何も頭が働かず、ただひたすら心の内を曝け出した。

「駄目だよ、だってお仕置きなんだから」

 働かない頭の中に、フィオーネの言葉が鮮明に入ってくる。「駄目」という言葉に軽い絶望を感じ、じわりと涙が浮かんだ。

 フィオーネは、僕の陰茎は握ったまま僕をひっくり返し、仰向けからうつ伏せの状態にした。僕はなすがままに膝だけ立たされ、フィオーネの方に尻を突き出す格好にさせられる。

 フィオーネはポケットからハンドクリームを取り出し、それを自分の指につけると、僕の後孔に指を一本入れた。

「やだ、ぁっ……、ぬ、いて、ぇっ……」

 違和感と不快感に、僕の興奮が少しだけ冷め、頭が冷静になっていく。

「ふ……、ぅ、んっ……」

 フィオーネの指が二本に増え、バラバラと動く。痛みは無いが、圧迫感と違和感で僕の陰茎は萎え始めていた。

「はっ……ぁ……っ、うあっ!?」

 指が一点を掠ったとき、全身に電流が走ったかのような感覚に襲われ僕の身体が跳ねた。

「ここがマリスのいいところなんだね」

 そう言い、フィオーネはそこを集中的に擦り始めた。

「ああぁっ、いやっ……、まっ、やめっ、やだぁっ……!」

 萎えかけていた僕の陰茎がまた熱を持ち始める。

「後ろだけでイけたら許してあげる」
「ひぃっ……! ぅ、あぁっ! むりっ、むり、ですっ……!」
「無理じゃないよ、ほら」

 フィオーネの指が2本から3本に増やされ、コリコリと前立腺を刺激する。

「やだぁっ……! やめ、ッ、やぁっ…、ふぃお、さまぁっ、こわ、いっ……! も、むりっ……!」

 段々と激しくなっていく愛撫に、ビリビリと指先まで快感が伝わってくる。
 強すぎる快感から逃げようとする腰をフィオーネに掴まれ、全身が暴力的な快感に襲われた。

「イ、ッ、あ゛あ゛あぁぁっ、~~~~ッッ!」

 頭から足の先まで駆け巡る快感に、ぎゅう、と指先まで力が入る。
 ビクッビクッと、身体が痙攣し、精液が僕のお腹に撒き散らされた。

「後ろだけでイけたじゃないか! えらいぞマリス」

 フィオーネは僕の頭を数回撫でて、僕の手首を縛っていたシャツを解いた。

「はぁっ……はぁっ……」

 両手は解放されたけど、疲れて脱力した身体は1ミリも動かない。僕はフィオーネに頭を撫でられながら意識を手放したのだった。
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