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1年生
同室
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エチカと別れ、僕も自室に向かう。荷物は既に使用人が届けてくれていた。
自室の扉を開けると、そこには広い部屋が広がっていた。部屋は2LDKで、バス、トイレは別だ。入り口からから見てリビングの左側に個室が2つあり、右側にお風呂とトイレがそれぞれある。
部屋の奥に進むと、備え付けの高級ソファにリュゼが腰かけていた。同室の相手がリュゼであることは事前に知らされていたようで、あまり驚きはない。
(前世の記憶とマリスの記憶が混ざってて、変な感じだなぁ)
「あ、やっほ。トイレ以来だね」
リュゼがこちらに気づいて挨拶をしてくれた。
「あの、僕マリス・アスムベルクです。今日からよろしくね」
「よろしく! 俺はリュゼ・プリースト。同室がかわいい子でよかった~」
リュゼはゲームのとおり軽い性格のようだ。一見教会育ちには見えないが、そのギャップがファンに人気だった。
「あの、僕の部屋ってどっち?」
「こっちだよ」
僕が質問すると、リュゼが立ち上がって教えてくれた。リュゼは細身だが、身長が高くてまるでモデルのようだ。
「ありがとう」
僕はなるべく陽気に笑うよう努めた。前世でも僕は陰キャだったし、ゲームのように陰鬱な雰囲気はなるべく出したくないのだ。
僕が部屋へ入ろうとしたとき、リュゼが僕の肩に手を置いた。振り向くと、リュゼの顔が至近距離にあって僕は避けることができなかった。ふに、と唇に柔らかい感触がする。
「リュ、んっ、」
金属の擦れる音が鳴り、リュゼの髪の隙間から金色のピアスが複数見えた。リュゼは一度唇を離し、また僕に唇を重ねた。ちゅ、とリップ音が耳に響く。やがてリュゼの唇が離れ、僕はしばらく呆然とリュゼを眺めていた。
リュゼの顔は平然としていて、先ほどの行為は気のせいだったのではと思うほどだった。
「り、リュゼ」
「あ……マリスが可愛かったからつい。ごめんね!」
リュゼはてへ、と舌を出した。
「マリス、もしかして初めてだった?」
僕は答えられず、じわじわと顔に熱が集中した。
「アハハ、顔真っ赤だよ! 可愛い~」
「……」
僕は少しだけリュゼが怖くなったが、そういえばここはBLの世界だった。
(これくらい普通のこと……? いやでも、BLじゃなくてもいきなりキスは駄目だろ)
「マリス、ごめんって。ね、機嫌直して。食堂で一緒に夕食を食べようよ」
「うん……あの、リュゼ。僕には許婚がいるから、今後はこういうことしないで」
「そうだった。ほんとにごめん」
リュゼは意外にも素直に謝ってくれて、本当についキスをしてしまったのかもと思ってしまったが、すぐにいやいや……と考え直した。
僕は自室で荷物の整理をして、リュゼと共に食堂へ向かった。
自室の扉を開けると、そこには広い部屋が広がっていた。部屋は2LDKで、バス、トイレは別だ。入り口からから見てリビングの左側に個室が2つあり、右側にお風呂とトイレがそれぞれある。
部屋の奥に進むと、備え付けの高級ソファにリュゼが腰かけていた。同室の相手がリュゼであることは事前に知らされていたようで、あまり驚きはない。
(前世の記憶とマリスの記憶が混ざってて、変な感じだなぁ)
「あ、やっほ。トイレ以来だね」
リュゼがこちらに気づいて挨拶をしてくれた。
「あの、僕マリス・アスムベルクです。今日からよろしくね」
「よろしく! 俺はリュゼ・プリースト。同室がかわいい子でよかった~」
リュゼはゲームのとおり軽い性格のようだ。一見教会育ちには見えないが、そのギャップがファンに人気だった。
「あの、僕の部屋ってどっち?」
「こっちだよ」
僕が質問すると、リュゼが立ち上がって教えてくれた。リュゼは細身だが、身長が高くてまるでモデルのようだ。
「ありがとう」
僕はなるべく陽気に笑うよう努めた。前世でも僕は陰キャだったし、ゲームのように陰鬱な雰囲気はなるべく出したくないのだ。
僕が部屋へ入ろうとしたとき、リュゼが僕の肩に手を置いた。振り向くと、リュゼの顔が至近距離にあって僕は避けることができなかった。ふに、と唇に柔らかい感触がする。
「リュ、んっ、」
金属の擦れる音が鳴り、リュゼの髪の隙間から金色のピアスが複数見えた。リュゼは一度唇を離し、また僕に唇を重ねた。ちゅ、とリップ音が耳に響く。やがてリュゼの唇が離れ、僕はしばらく呆然とリュゼを眺めていた。
リュゼの顔は平然としていて、先ほどの行為は気のせいだったのではと思うほどだった。
「り、リュゼ」
「あ……マリスが可愛かったからつい。ごめんね!」
リュゼはてへ、と舌を出した。
「マリス、もしかして初めてだった?」
僕は答えられず、じわじわと顔に熱が集中した。
「アハハ、顔真っ赤だよ! 可愛い~」
「……」
僕は少しだけリュゼが怖くなったが、そういえばここはBLの世界だった。
(これくらい普通のこと……? いやでも、BLじゃなくてもいきなりキスは駄目だろ)
「マリス、ごめんって。ね、機嫌直して。食堂で一緒に夕食を食べようよ」
「うん……あの、リュゼ。僕には許婚がいるから、今後はこういうことしないで」
「そうだった。ほんとにごめん」
リュゼは意外にも素直に謝ってくれて、本当についキスをしてしまったのかもと思ってしまったが、すぐにいやいや……と考え直した。
僕は自室で荷物の整理をして、リュゼと共に食堂へ向かった。
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