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現在

確信

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「なぁ、零。…慎也は、誰の子だ?」
「ちが、俺のっ…俺と、恭平の…!」
「お前と、俺の子…なんだろ?」
 本当に違ったら、もうそれは仕方ない。けれど俺は初めから諦める気などない。
「零」
「っ…もし、そうだったとして!今さらお前に関係ないだろ…!」
 あぁ、やっぱり。
 期待が確信に変わった瞬間、零に腕が伸びていた。
「好きだ!愛してるっ…!」
「な………は、放せ!俺に触るな!!」
 バシッと手を叩かれ、押し退けられる。
「俺はもう忘れた!それに、恭平とも上手くいってる!もう邪魔するなよ…!」
 嘘が分かる。だから、これが本心だということも分かる。
「…嫌だ」
 都合が良いなんて知っている。それでも、自分で手放したくせに、忘れられなかった。会えなくても、ずっとこれからも想い続けるのだと思った。
 けれど会ってしまった。幸せそうな零を見て、黙ってなんて見ていられなかった。
「やり直したい、全部、出会う前から。知り合いからでいい。ただの保護者同士でいいから。だから、そこからでもいいからっ…!」
「…なに、言ってんの?」
 零が真顔で問いかける。
「俺にやり直す理由なんてないのに?都合良すぎるだろ。さっさと俺のことなんて忘れたら?俺はもう、忘れてたよ」
「俺は忘れたことなんてなかった」
「っ…」
 なんとしても繋ぎ止めようとした、瞬間。
 零はマンションの中へと消えていった。
「零っ…!」
 通報されるか、と思ったが下で待つ。だが警察が来ることも、零が降りてくることも、何時間経とうがなかった。
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