50 / 65
私の未来はあなたとは交わらない
しおりを挟む
「だっ、て。おばあさま、は」
ぶつぶつと何かを呟いているミハエルは、目を逸らしたくても逸らせなかった。
シオンの腕の中で嬉しそうに微笑んでいるフローリアが、あまりにも幸せそうで。自分の前ではそんなに幸せそうに笑ったことなんかないくせに、と怒鳴りたかったが、またもやシオンから追撃を受ける。
「お前の敬愛するおばあさまが、先日俺のところに来てこう言った。フローリアと婚約しろ、ミハエルが捨てたものだが、ちょうどいいだろう、とな」
「何で……」
「思い通りに動いてやりたくなんかなかったが、まぁいいか、と思った。結果的に俺もフローリアも、理想の人に出会えて、婚約できたんだからな。ああ、それから」
「まだ、何か、あるんですか」
「これはお前がかつて使った王家の特権を利用したものによる、政略的な婚約だ。そして、改めて俺はここに宣言しよう」
何を宣言するのか、と会場全体がシオンに注目する。
もはやミハエルの言葉やアリカの言葉なんか、もう会場の参加者にとってはどうでも良かった。
「王太后の命により、シオン・ラゼオーズ・ヴェッツェルとフローリア・レネ・シェリアスルーツの婚約は成った!だが、わたし、シオン・ラゼオーズ・ヴェッツェルは永遠に王位継承権を放棄した身ゆえ、改めて宣言する!」
腕の中のフローリアが、シオンをじっと見上げている。
大丈夫だ、と言わんばかりにシオンはにこ、と微笑んで、フローリアも分かった、と答えるように頷いた。
「これより先の王家の継承問題、ならびに、そこにいるミハエル・リンケ・ラゼオーズから仮に『助けてくれ』と言われたとて、先に我らを捨てた者らの要請には、決して応じぬ!!」
アリカと、ミハエルは、今度こそ愕然とした。いいや、愕然とするしかなかった。
シオンからのある意味絶縁宣言なのだが、確かに先にフローリアとシオンを排除したのはどこか。王家である。
ならば、そう簡単に手のひらを返して『助けてくれ』だなんてことは、言わせはしない。
断罪の場に、多くの貴族が集まっているこの卒業パーティーの場を選んだのは、ミハエルなのだから、後悔何とやらというやつである。
「ゆえに、先ほどの王太子妃候補や王太子の『フローリアに王宮勤務を命ずる』などという馬鹿げた要請にも、応じられん!そもそもフローリアはシェリアスルーツ女侯爵と成る身!!軽んじられては困るぞ!!」
シオンの堂々たる宣言に、会場からはわぁっ!と歓声が上がった。
そしてフローリアの友人たち、いつもの面々であるアマンダ、リーリャ、ジュリエットは二人の元へと駆け寄ってくる。
「フローリア、おめでとう!!」
「婚約までのお話、後でしっかりと教えてもらいますからね!」
「フローリアのそんな幸せそうな顔、初めて見るわ!!」
「みんな……」
シオンに抱き締められたまま、嬉しそうにフローリアは頷く。
友人たちがこうして真っ先に駆け寄ってきてくれたこともそうだが、祝いの言葉が何よりも嬉しい。
「ありがとう……!」
うっすら涙を浮かべ、お礼を言うフローリアに、抱き着きたいいつもの面々だが、ここはシオンに華を持たせたままの方がきっと良い。
というか、フローリアが大勢の前でこうして抱き締められているにも関わらず、離れようとしないあたり、よっぽど居心地がいい腕の中なんだろうなぁ……と、にまにましているが、フローリアは気付いていない。
アマンダがこっそりシオンを見ると、シオンはこの状況を楽しんでいるのか、ぱちん、と綺麗にウインクを決めてみせる。
美形がウインクするとさまになる……と友人三人組が感心していると、アルウィンがそこに駆け寄ってきた。
「シオン様ぁぁぁぁぁ!! そろそろうちの娘離しませんかね!?」
「えー?」
「……あ」
ここでようやくフローリアが抱き締められていたままだということに気付き、はっとなってシオンの腕から逃れようとするが、如何せんシオンの力は相当強い。
逃げようとするフローリアの動きをいち早く察知し、がっちりとホールドしている。
「シオン様!?」
「あ、ごめん。つい」
「もう……! おふざけがすぎますわ!」
もう~、とぷんすかしているフローリアだが、本気で離れようとしているには、抵抗が弱い。
そんな娘の様子を目の当たりにしたアルウィンは、しょんぼりと肩を落としているが、リーリャやジュリエットに『おじさま、元気出してくださいませ』、『おじさま、フローリアが幸せなんだからお祝いしてさしあげましょ』と慰めととどめを食らい、しょんぼり具合が加速した。
「分かってはいるんだが、父として、だな……」
しょんぼりとしているアルウィンに、とんでもなく冷静なアマンダが更にとどめを刺しに来た。
「でも、シオン様でなくともいずれはフローリアは結婚なさいますわ、おじさま」
「……うん……」
しょんぼりどころではなく、騎士団長の影すら薄くなりそうな勢いでけっそりとした様子のアルウィンを見て、シオンは思わず吹き出しそうになるが、そこは必死に我慢した。
「……何で」
こんなはずじゃ、と力なく呟いたアリカと、何も言えずにそこに『居るだけ』となってしまっているミハエル。
今日はとても楽しい卒業パーティーで、フローリアに対しての断罪を成功させて、業務を手伝わせて、とこちらが完全勝利をする予定だったのに、とミハエルもアリカも思っていた。
だが、まさかフローリアとシオンが婚約しているだなんて思っていなかったし、婚約を命じたのが王太后だなんて思っていなかった。
「くそっ……」
ミハエルが忌々しげに下にいるフローリアとシオンを睨みつけるが、こうなってしまったからにはどうやってもひっくり返せそうにない。
しかもフローリアに拒否されただけではなく、そもそもフローリアに色々と手伝わせるように計画していたことそのものが、父である国王から却下されていただなんて知らないし、シオンからも絶縁宣言を食らわさせるだなんて、誰が予想しただろうか。
そして、他でもない自分が『好みだから」という理由で選んだアリカが、こんなにも『ハズレ』だったとは、とミハエルは悔しがるが、不意に、フローリアと視線がかち合った。
「……何だ」
ミハエルの呟きは、フローリアには聞こえなかっただろうが、フローリアは真っ直ぐにミハエルとアリカの方を見て、口を開いた。
「殿下」
当事者であるフローリアの言葉に、会場が一気に静かになる。
何を言うんだ、と彼女の言葉を待ちわびているかのようだが、言われる側としては『何を言われるのだ』と恐ろしくも感じてしまう。
「個人的には、もうあなたと関わることも、互いの道が交わることもございません」
「……っ!」
にこ、と人形のような張り付けられた微笑みでフローリアは笑い、トドメの言葉を放った。
「さようなら。あなたが選んだ運命のお相手とお幸せに。そしてわたくしと次に会う時は、わたくしはシェリアスルーツ侯爵家当主『ライラック』として、でしょう」
シオンに抱き締められたままではあるが、フローリアはきっぱりと自分からも絶縁宣言を突きつけた。
「……ライ、ラック」
「まぁ、御冗談を」
ころころと鈴が転がるような綺麗な声で、フローリアはいつものようにおっとりとした様子で笑った。
「それは通り名であると、我が父が申し上げたばかりではございませんか。殿下、御戯れはほどほどになさいませ」
心を許していない相手に対しての、フローリアの義務的な対応というものを、改めてミハエルは知ることとなった。
そして、これまでのフローリアの対応を思い出してみれば、いかにミハエルとアリカに対して、フローリアが『まぁ、そこそこ』という対応しかとっていないことを思い知るはめとなっただけの、この断罪劇場。
劇場ともいえないほどのお粗末さで、呆気なく幕を閉じることとなってしまった。
ぶつぶつと何かを呟いているミハエルは、目を逸らしたくても逸らせなかった。
シオンの腕の中で嬉しそうに微笑んでいるフローリアが、あまりにも幸せそうで。自分の前ではそんなに幸せそうに笑ったことなんかないくせに、と怒鳴りたかったが、またもやシオンから追撃を受ける。
「お前の敬愛するおばあさまが、先日俺のところに来てこう言った。フローリアと婚約しろ、ミハエルが捨てたものだが、ちょうどいいだろう、とな」
「何で……」
「思い通りに動いてやりたくなんかなかったが、まぁいいか、と思った。結果的に俺もフローリアも、理想の人に出会えて、婚約できたんだからな。ああ、それから」
「まだ、何か、あるんですか」
「これはお前がかつて使った王家の特権を利用したものによる、政略的な婚約だ。そして、改めて俺はここに宣言しよう」
何を宣言するのか、と会場全体がシオンに注目する。
もはやミハエルの言葉やアリカの言葉なんか、もう会場の参加者にとってはどうでも良かった。
「王太后の命により、シオン・ラゼオーズ・ヴェッツェルとフローリア・レネ・シェリアスルーツの婚約は成った!だが、わたし、シオン・ラゼオーズ・ヴェッツェルは永遠に王位継承権を放棄した身ゆえ、改めて宣言する!」
腕の中のフローリアが、シオンをじっと見上げている。
大丈夫だ、と言わんばかりにシオンはにこ、と微笑んで、フローリアも分かった、と答えるように頷いた。
「これより先の王家の継承問題、ならびに、そこにいるミハエル・リンケ・ラゼオーズから仮に『助けてくれ』と言われたとて、先に我らを捨てた者らの要請には、決して応じぬ!!」
アリカと、ミハエルは、今度こそ愕然とした。いいや、愕然とするしかなかった。
シオンからのある意味絶縁宣言なのだが、確かに先にフローリアとシオンを排除したのはどこか。王家である。
ならば、そう簡単に手のひらを返して『助けてくれ』だなんてことは、言わせはしない。
断罪の場に、多くの貴族が集まっているこの卒業パーティーの場を選んだのは、ミハエルなのだから、後悔何とやらというやつである。
「ゆえに、先ほどの王太子妃候補や王太子の『フローリアに王宮勤務を命ずる』などという馬鹿げた要請にも、応じられん!そもそもフローリアはシェリアスルーツ女侯爵と成る身!!軽んじられては困るぞ!!」
シオンの堂々たる宣言に、会場からはわぁっ!と歓声が上がった。
そしてフローリアの友人たち、いつもの面々であるアマンダ、リーリャ、ジュリエットは二人の元へと駆け寄ってくる。
「フローリア、おめでとう!!」
「婚約までのお話、後でしっかりと教えてもらいますからね!」
「フローリアのそんな幸せそうな顔、初めて見るわ!!」
「みんな……」
シオンに抱き締められたまま、嬉しそうにフローリアは頷く。
友人たちがこうして真っ先に駆け寄ってきてくれたこともそうだが、祝いの言葉が何よりも嬉しい。
「ありがとう……!」
うっすら涙を浮かべ、お礼を言うフローリアに、抱き着きたいいつもの面々だが、ここはシオンに華を持たせたままの方がきっと良い。
というか、フローリアが大勢の前でこうして抱き締められているにも関わらず、離れようとしないあたり、よっぽど居心地がいい腕の中なんだろうなぁ……と、にまにましているが、フローリアは気付いていない。
アマンダがこっそりシオンを見ると、シオンはこの状況を楽しんでいるのか、ぱちん、と綺麗にウインクを決めてみせる。
美形がウインクするとさまになる……と友人三人組が感心していると、アルウィンがそこに駆け寄ってきた。
「シオン様ぁぁぁぁぁ!! そろそろうちの娘離しませんかね!?」
「えー?」
「……あ」
ここでようやくフローリアが抱き締められていたままだということに気付き、はっとなってシオンの腕から逃れようとするが、如何せんシオンの力は相当強い。
逃げようとするフローリアの動きをいち早く察知し、がっちりとホールドしている。
「シオン様!?」
「あ、ごめん。つい」
「もう……! おふざけがすぎますわ!」
もう~、とぷんすかしているフローリアだが、本気で離れようとしているには、抵抗が弱い。
そんな娘の様子を目の当たりにしたアルウィンは、しょんぼりと肩を落としているが、リーリャやジュリエットに『おじさま、元気出してくださいませ』、『おじさま、フローリアが幸せなんだからお祝いしてさしあげましょ』と慰めととどめを食らい、しょんぼり具合が加速した。
「分かってはいるんだが、父として、だな……」
しょんぼりとしているアルウィンに、とんでもなく冷静なアマンダが更にとどめを刺しに来た。
「でも、シオン様でなくともいずれはフローリアは結婚なさいますわ、おじさま」
「……うん……」
しょんぼりどころではなく、騎士団長の影すら薄くなりそうな勢いでけっそりとした様子のアルウィンを見て、シオンは思わず吹き出しそうになるが、そこは必死に我慢した。
「……何で」
こんなはずじゃ、と力なく呟いたアリカと、何も言えずにそこに『居るだけ』となってしまっているミハエル。
今日はとても楽しい卒業パーティーで、フローリアに対しての断罪を成功させて、業務を手伝わせて、とこちらが完全勝利をする予定だったのに、とミハエルもアリカも思っていた。
だが、まさかフローリアとシオンが婚約しているだなんて思っていなかったし、婚約を命じたのが王太后だなんて思っていなかった。
「くそっ……」
ミハエルが忌々しげに下にいるフローリアとシオンを睨みつけるが、こうなってしまったからにはどうやってもひっくり返せそうにない。
しかもフローリアに拒否されただけではなく、そもそもフローリアに色々と手伝わせるように計画していたことそのものが、父である国王から却下されていただなんて知らないし、シオンからも絶縁宣言を食らわさせるだなんて、誰が予想しただろうか。
そして、他でもない自分が『好みだから」という理由で選んだアリカが、こんなにも『ハズレ』だったとは、とミハエルは悔しがるが、不意に、フローリアと視線がかち合った。
「……何だ」
ミハエルの呟きは、フローリアには聞こえなかっただろうが、フローリアは真っ直ぐにミハエルとアリカの方を見て、口を開いた。
「殿下」
当事者であるフローリアの言葉に、会場が一気に静かになる。
何を言うんだ、と彼女の言葉を待ちわびているかのようだが、言われる側としては『何を言われるのだ』と恐ろしくも感じてしまう。
「個人的には、もうあなたと関わることも、互いの道が交わることもございません」
「……っ!」
にこ、と人形のような張り付けられた微笑みでフローリアは笑い、トドメの言葉を放った。
「さようなら。あなたが選んだ運命のお相手とお幸せに。そしてわたくしと次に会う時は、わたくしはシェリアスルーツ侯爵家当主『ライラック』として、でしょう」
シオンに抱き締められたままではあるが、フローリアはきっぱりと自分からも絶縁宣言を突きつけた。
「……ライ、ラック」
「まぁ、御冗談を」
ころころと鈴が転がるような綺麗な声で、フローリアはいつものようにおっとりとした様子で笑った。
「それは通り名であると、我が父が申し上げたばかりではございませんか。殿下、御戯れはほどほどになさいませ」
心を許していない相手に対しての、フローリアの義務的な対応というものを、改めてミハエルは知ることとなった。
そして、これまでのフローリアの対応を思い出してみれば、いかにミハエルとアリカに対して、フローリアが『まぁ、そこそこ』という対応しかとっていないことを思い知るはめとなっただけの、この断罪劇場。
劇場ともいえないほどのお粗末さで、呆気なく幕を閉じることとなってしまった。
1,702
お気に入りに追加
3,140
あなたにおすすめの小説
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
平凡令嬢の婚活事情〜あの人だけは、絶対ナイから!〜
本見りん
恋愛
「……だから、ミランダは無理だって!!」
王立学園に通う、ミランダ シュミット伯爵令嬢17歳。
偶然通りかかった学園の裏庭でミランダ本人がここにいるとも知らず噂しているのはこの学園の貴族令息たち。
……彼らは、決して『高嶺の花ミランダ』として噂している訳ではない。
それは、ミランダが『平凡令嬢』だから。
いつからか『平凡令嬢』と噂されるようになっていたミランダ。『絶賛婚約者募集中』の彼女にはかなり不利な状況。
チラリと向こうを見てみれば、1人の女子生徒に3人の男子学生が。あちらも良くない噂の方々。
……ミランダは、『あの人達だけはナイ!』と思っていだのだが……。
3万字少しの短編です。『完結保証』『ハッピーエンド』です!
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
欠陥姫の嫁入り~花嫁候補と言う名の人質だけど結構楽しく暮らしています~
バナナマヨネーズ
恋愛
メローズ王国の姫として生まれたミリアリアだったが、国王がメイドに手を出した末に誕生したこともあり、冷遇されて育った。そんなある時、テンペランス帝国から花嫁候補として王家の娘を差し出すように要求されたのだ。弱小国家であるメローズ王国が、大陸一の国力を持つテンペランス帝国に逆らえる訳もなく、国王は娘を差し出すことを決めた。
しかし、テンペランス帝国の皇帝は、銀狼と恐れられる存在だった。そんな恐ろしい男の元に可愛い娘を差し出すことに抵抗があったメローズ王国は、何かあったときの予備として手元に置いていたミリアリアを差し出すことにしたのだ。
ミリアリアは、テンペランス帝国で花嫁候補の一人として暮らすことに中、一人の騎士と出会うのだった。
これは、残酷な運命に翻弄されるミリアリアが幸せを掴むまでの物語。
本編74話
番外編15話 ※番外編は、『ジークフリートとシューニャ』以外ノリと思い付きで書いているところがあるので時系列がバラバラになっています。
【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
断罪されてムカついたので、その場の勢いで騎士様にプロポーズかましたら、逃げれんようなった…
甘寧
恋愛
主人公リーゼは、婚約者であるロドルフ殿下に婚約破棄を告げられた。その傍らには、アリアナと言う子爵令嬢が勝ち誇った様にほくそ笑んでいた。
身に覚えのない罪を着せられ断罪され、頭に来たリーゼはロドルフの叔父にあたる騎士団長のウィルフレッドとその場の勢いだけで婚約してしまう。
だが、それはウィルフレッドもその場の勢いだと分かってのこと。すぐにでも婚約は撤回するつもりでいたのに、ウィルフレッドはそれを許してくれなくて…!?
利用した人物は、ドSで自分勝手で最低な団長様だったと後悔するリーゼだったが、傍から見れば過保護で執着心の強い団長様と言う印象。
周りは生暖かい目で二人を応援しているが、どうにも面白くないと思う者もいて…
【完結】婚約者が好きなのです
maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。
でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。
冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。
彼の幼馴染だ。
そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。
私はどうすればいいのだろうか。
全34話(番外編含む)
※他サイトにも投稿しております
※1話〜4話までは文字数多めです
注)感想欄は全話読んでから閲覧ください(汗)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる