46 / 65
断罪開始③
しおりを挟む
シェリアスルーツ家への文書も送ったことで、これで安心、と言わんばかりにミハエルとアリカは笑っている。
なお、二人はやはり気付いていない。
『ライラックへ』と送ってしまったがために、アルウィンもはっちり手紙を見ている、ということに。
「ミハエル様、ありがとうございます!」
「愛しいアリカのためだ、何てことはないさ」
ふっ、とキザったらしく言うミハエルだが、そもそも『ライラック』は何なのかがきちんと理解出来ていないがために、王太子と王太子妃候補が送った手紙そのものも何もかも、無駄になることが分かっていないのだ。
送られてきたフローリアも、『ライラックへ』と書かれているからこそ内容を見てしまったアルウィンも、相手をする価値無し、と判断しているとは思うまい。
「大丈夫だ、おばあさまの協力も得られる。アリカは安心して王太子妃候補の教育に専念してくれ」
「……は、い」
「どうした?あのライラックですら習得できたんだ、アリカにできないわけがないさ!」
「そう……です、わね」
アリカはぎくりと強ばったが、ミハエルはそんなこと気にしない。
フローリアができたのだから、自分が選んだアリカが出来ないわけがない。
だって、フローリアは王太子妃候補としては無能なのだから。何一つ成果を上げていない、ミハエルはそう思っている。
実際は、人の心を考えられないからフローリアが必死に走り回ってサポートしてくれていた、という話だが、そんなものミハエルには関係ない。
王太子妃として王太子を支えるのが役目なのだから、としか思っていないから。
「アリカ、そろそろ語学は問題ないか?あぁ、それからマナーも問題ないよな?」
「え、えぇ……」
問題大ありだ。むしろ問題しかない。
「(あのとんでもない量を卒業までにだなんて、できるわけない!)」
内心大絶叫だが、ミハエルならば恐らくやり遂げることが出来てしまうのだ。
語学、マナー、歴史、文化、学ぶことは多岐にわたる。
しかしこれまで普通の貴族令嬢として生きてきたから、できるだろう、とアリカは舐めていた。
「なら、卒業と同時に結婚式を挙げられるな!」
「え……?」
「各国に通達しよう!スケジュールの調整を行わなければならないからな。アリカ、よろしく頼んだ!」
「よ、よろしく、って、何をですか!?」
「卒業式の後の結婚式のスケジュールだが?」
お前何言ってんだ?くらいの声音で、あまりにも簡単にミハエルがそう言うかららアリカは愕然とした。
「ま、待ってください!そんなの無茶です!卒業式がいつかお分かりですか!?」
「知っている。だから、早めに知らせを出さなければならないだろう?」
「それは、そうですが」
「そういった仕事は王太子妃の仕事だ。頼んだぞ」
にこ、と微笑んだミハエルがどこかへ行くのを呆然と見送りながら、アリカはへたり込んでしまう。
そして、同時にフローリアがいかにいい意味で馬鹿げた存在だったのかを、ようやく思い知った。
「もう、卒業式は目の前……それより前にライラックへの断罪が、あるけど……」
しかしアリカは反省はしなかった。
卒業パーティーは卒業式の前座的な扱いで執り行われる。だったら、ミハエルをどうにかして言いくるめて、フローリアをミハエルの側妃にしてしまえばいい。
実務はフローリアに押し付けて、自分は華やかな場でミハエルと笑っていれば良いんだ。
「そうよ、そうしたら全てが綺麗に解決するわ!」
ぱっとアリカの顔が明るくなるが、それはシェリアスルーツ家一同が予想している中での最悪な未来で、もう対抗策は取られている。
フローリアとシオンの婚約は極秘扱いで締結されたから、知っている貴族の方が少ないのだ。
なお、王太后には卒業パーティーの時に知らせがいくように細工もしてある。念には念を、とシェリアスルーツ家、そしてシオンたちが何もかも、利用できるものは利用した上での準備だとは知らないまま、時は進んでいくのである。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「フローリア、お待たせ」
「わぁ……」
さすが公爵ともいうべき姿で現れたシオンは、まさに『王子様』と言うべきにふさわしかった。
「……フローリア?」
アルウィンの正装やミハエルの正装も見たことはあるが、シオンの正装は二人とは全く異なっていた。
貴族でもこれほど違いがあるのか、とフローリアは目をきらきらさせながらじっとシオンを見つめる。
「……素敵です、シオン様」
ほぅ、と吐息を零しながら、うっとりと零れた感嘆の言葉に、シオンのみならずレイラもアルウィンもルアネも硬直した。
『この子、こんなに感情豊かにしたことあったか……?』と、全員の心の声が一致したうえに、執事のダドリーも侍女長含めたメイドたちまでぽかんとしている。
「わたくし、これほど幸せで良いのでしょうか……」
「まって、これが幸せ?」
「はい……!」
自分が着飾ったくらいで、こんなにも喜んで貰えるなら毎日でも着飾るし、何ならお揃いコーデとかもいらくでもやるが、と内心あれこれ叫びたいのをシオンは堪えつつ、フローリアの結い上げられた髪を崩さないように優しく撫でる。
「何言ってるの。これからもっと幸せになるんだから、覚悟しておきなさい。さ、行きましょうか」
「はい、シオン様」
「シオン様、フローリアをよろしくお願いいたします」
手を取り、腕を組んで歩き出す二人に、ルアネが深く頭を下げた。
シオンとフローリアは振り返り、そして自信満々に笑ってから頷いた。
「勿論ですとも。あの馬鹿の顔面叩き潰すくらいの勢いでやってきてやるわよ」
「お母様、シオン様が一緒なら大丈夫ですわ」
「……えぇ、そうね。そうだったわね」
こんなにも自信に満ち溢れて微笑むフローリアを、いつ見ただろうか。
ミハエルと婚約していた頃のフローリアは、微笑んでいたとしても、疲れが見え隠れしていた。
ミハエルと婚約破棄をしてからのこの三ヶ月、生き生きとしたフローリアを見られたのが親としても嬉しく、人を好きになって嬉しそうに頬を赤らめたり、シオンの言葉を聞いてはしゃいだり、ようやく年頃の令嬢らしさを取り戻した、と言ってもおかしくないくらい。
「いってらっしゃい、フローリア。そして、後悔させておやりなさい」
「はいっ!」
微笑んで、フローリアはシオンと並んでシェリアスルーツ家を後にした。
「……お母様、フローリアが万が一泣かされでもしたらどうする?」
「馬鹿に?」
「そう」
「その時は」
レイラの問いに、にこ、とアルウィンとルアネが笑う。
「徹底抗戦、あるのみ」
なお、二人はやはり気付いていない。
『ライラックへ』と送ってしまったがために、アルウィンもはっちり手紙を見ている、ということに。
「ミハエル様、ありがとうございます!」
「愛しいアリカのためだ、何てことはないさ」
ふっ、とキザったらしく言うミハエルだが、そもそも『ライラック』は何なのかがきちんと理解出来ていないがために、王太子と王太子妃候補が送った手紙そのものも何もかも、無駄になることが分かっていないのだ。
送られてきたフローリアも、『ライラックへ』と書かれているからこそ内容を見てしまったアルウィンも、相手をする価値無し、と判断しているとは思うまい。
「大丈夫だ、おばあさまの協力も得られる。アリカは安心して王太子妃候補の教育に専念してくれ」
「……は、い」
「どうした?あのライラックですら習得できたんだ、アリカにできないわけがないさ!」
「そう……です、わね」
アリカはぎくりと強ばったが、ミハエルはそんなこと気にしない。
フローリアができたのだから、自分が選んだアリカが出来ないわけがない。
だって、フローリアは王太子妃候補としては無能なのだから。何一つ成果を上げていない、ミハエルはそう思っている。
実際は、人の心を考えられないからフローリアが必死に走り回ってサポートしてくれていた、という話だが、そんなものミハエルには関係ない。
王太子妃として王太子を支えるのが役目なのだから、としか思っていないから。
「アリカ、そろそろ語学は問題ないか?あぁ、それからマナーも問題ないよな?」
「え、えぇ……」
問題大ありだ。むしろ問題しかない。
「(あのとんでもない量を卒業までにだなんて、できるわけない!)」
内心大絶叫だが、ミハエルならば恐らくやり遂げることが出来てしまうのだ。
語学、マナー、歴史、文化、学ぶことは多岐にわたる。
しかしこれまで普通の貴族令嬢として生きてきたから、できるだろう、とアリカは舐めていた。
「なら、卒業と同時に結婚式を挙げられるな!」
「え……?」
「各国に通達しよう!スケジュールの調整を行わなければならないからな。アリカ、よろしく頼んだ!」
「よ、よろしく、って、何をですか!?」
「卒業式の後の結婚式のスケジュールだが?」
お前何言ってんだ?くらいの声音で、あまりにも簡単にミハエルがそう言うかららアリカは愕然とした。
「ま、待ってください!そんなの無茶です!卒業式がいつかお分かりですか!?」
「知っている。だから、早めに知らせを出さなければならないだろう?」
「それは、そうですが」
「そういった仕事は王太子妃の仕事だ。頼んだぞ」
にこ、と微笑んだミハエルがどこかへ行くのを呆然と見送りながら、アリカはへたり込んでしまう。
そして、同時にフローリアがいかにいい意味で馬鹿げた存在だったのかを、ようやく思い知った。
「もう、卒業式は目の前……それより前にライラックへの断罪が、あるけど……」
しかしアリカは反省はしなかった。
卒業パーティーは卒業式の前座的な扱いで執り行われる。だったら、ミハエルをどうにかして言いくるめて、フローリアをミハエルの側妃にしてしまえばいい。
実務はフローリアに押し付けて、自分は華やかな場でミハエルと笑っていれば良いんだ。
「そうよ、そうしたら全てが綺麗に解決するわ!」
ぱっとアリカの顔が明るくなるが、それはシェリアスルーツ家一同が予想している中での最悪な未来で、もう対抗策は取られている。
フローリアとシオンの婚約は極秘扱いで締結されたから、知っている貴族の方が少ないのだ。
なお、王太后には卒業パーティーの時に知らせがいくように細工もしてある。念には念を、とシェリアスルーツ家、そしてシオンたちが何もかも、利用できるものは利用した上での準備だとは知らないまま、時は進んでいくのである。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「フローリア、お待たせ」
「わぁ……」
さすが公爵ともいうべき姿で現れたシオンは、まさに『王子様』と言うべきにふさわしかった。
「……フローリア?」
アルウィンの正装やミハエルの正装も見たことはあるが、シオンの正装は二人とは全く異なっていた。
貴族でもこれほど違いがあるのか、とフローリアは目をきらきらさせながらじっとシオンを見つめる。
「……素敵です、シオン様」
ほぅ、と吐息を零しながら、うっとりと零れた感嘆の言葉に、シオンのみならずレイラもアルウィンもルアネも硬直した。
『この子、こんなに感情豊かにしたことあったか……?』と、全員の心の声が一致したうえに、執事のダドリーも侍女長含めたメイドたちまでぽかんとしている。
「わたくし、これほど幸せで良いのでしょうか……」
「まって、これが幸せ?」
「はい……!」
自分が着飾ったくらいで、こんなにも喜んで貰えるなら毎日でも着飾るし、何ならお揃いコーデとかもいらくでもやるが、と内心あれこれ叫びたいのをシオンは堪えつつ、フローリアの結い上げられた髪を崩さないように優しく撫でる。
「何言ってるの。これからもっと幸せになるんだから、覚悟しておきなさい。さ、行きましょうか」
「はい、シオン様」
「シオン様、フローリアをよろしくお願いいたします」
手を取り、腕を組んで歩き出す二人に、ルアネが深く頭を下げた。
シオンとフローリアは振り返り、そして自信満々に笑ってから頷いた。
「勿論ですとも。あの馬鹿の顔面叩き潰すくらいの勢いでやってきてやるわよ」
「お母様、シオン様が一緒なら大丈夫ですわ」
「……えぇ、そうね。そうだったわね」
こんなにも自信に満ち溢れて微笑むフローリアを、いつ見ただろうか。
ミハエルと婚約していた頃のフローリアは、微笑んでいたとしても、疲れが見え隠れしていた。
ミハエルと婚約破棄をしてからのこの三ヶ月、生き生きとしたフローリアを見られたのが親としても嬉しく、人を好きになって嬉しそうに頬を赤らめたり、シオンの言葉を聞いてはしゃいだり、ようやく年頃の令嬢らしさを取り戻した、と言ってもおかしくないくらい。
「いってらっしゃい、フローリア。そして、後悔させておやりなさい」
「はいっ!」
微笑んで、フローリアはシオンと並んでシェリアスルーツ家を後にした。
「……お母様、フローリアが万が一泣かされでもしたらどうする?」
「馬鹿に?」
「そう」
「その時は」
レイラの問いに、にこ、とアルウィンとルアネが笑う。
「徹底抗戦、あるのみ」
1,491
お気に入りに追加
3,144
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

婚約者の態度が悪いので婚約破棄を申し出たら、えらいことになりました
神村 月子
恋愛
貴族令嬢アリスの婚約者は、毒舌家のラウル。
彼と会うたびに、冷たい言葉を投げつけられるし、自分よりも妹のソフィといるほうが楽しそうな様子を見て、アリスはとうとう心が折れてしまう。
「それならば、自分と妹が婚約者を変わればいいのよ」と思い付いたところから、えらいことになってしまうお話です。
登場人物たちの不可解な言動の裏に何があるのか、謎解き感覚でお付き合いください。
※当作品は、「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる