41 / 65
次期当主として
しおりを挟む
「えー……と」
これがこっちで、と確認しながら決済の書類を分けていくフローリアを、厳しくも温かな眼差しで見守っているルアネ。
「フローリア、こちらの書類はどうするのだったかしら?」
「……あ、いけない。忘れておりましたわ」
「予算表は必要だから、忘れてはいけないわ。きちんとメモをしておきなさい、次から気をつけるように」
「はい、申し訳ございません」
フローリアの得意分野は体を動かすことであって、書類作業ではない。
ミハエルの婚約者であった時は、彼があまりにも傍若無人だから、フローリアが動かないと各所がダメになってしまって潰れてしまう可能性しかなかったからだ。
不得意とはいえ、ミハエルの人としての駄目っぶりを完璧にカバーしていたのだから、問題なくできるだろう、と思っていたが、何となく抜けが発生してしまう。
しかし、フローリアがシェリアスルーツ家の当主となるのだから、書類仕事が嫌だといっても拒否はできない。
「リア、少し休憩しましょうか」
「……はい。すみません、お母様」
「あなたの場合、以前は特殊な環境にいましたからね。仕方ないとはいえ、……どうしましょう」
「う……」
補ってくれる相手が必要なのは理解している。
理解はしているが、フローリアに釣り合う相手など……とルアネは考え、一人だけ完璧な人が頭を高速で過ぎっていき『いやいやそんな』と首を横に振った。
「お母様?」
「何でもありません。さ、今日は中庭でお茶にしましょう」
「……はぁ……」
「フローリア、最初から何もかも上手くできる人なんかいないんだから」
ぽんぽん、と優しく母に背中を撫でてもらい、フローリアもようやく笑顔をうかべる。
思い起こすのは、先日の魔獣討伐のあの件。
あぁ、とても楽しかったなぁ……と思えば思うほど、自分が事務方の仕事が向いていないことがよく分かる。
ミハエルの婚約者であった頃、考えていたのは『ミハエルを助けたい』ではなく、『他の人に迷惑がかからないようにどうにかせねば』ということだけ。
そして、ミハエルなんかを愛するわけもなく、無駄に権力を振りかざしてきて脅しにも近いような形での婚約だったのだから、破棄だろうがなんだろうが、離れられて良かったという感情しかない。
いくら王族といえど、その程度の感情しかもてない相手だ。
「お母様は、以前のようなお仕事をまたやりたいとは思わないのですか?」
「え?」
「以前、王女殿下の護衛騎士をされていたとか……」
「そうねぇ……」
ルアネと並んで歩きながら、フローリアは問いかける。
母は実務能力もさることながら、護衛として守ると決めれば守り抜く強さも兼ね備えている人だ。
そんな母が、どうして。そう思ったから聞いたのだが、あっけらかんとしてルアネから反論された。
「戻りたいと、どうしてフローリアはそう思ったの?」
「え……」
「わたくしの今の大切なものは、旦那様と、子供であるフローリアとレイラよ。守るべき対象が変わって、確かに仕事も変わったようにあなたからは見えるかもしれない。でも、本質は同じではなくて?」
思わずぽかんとしてしまったフローリアだが、確かにそうだ、とすぐに思い直す。
「……わたくし、視野が狭かったんですのね」
「当主になるためにそれだけ必死ということでしょう。母親として嬉しいことではあるんですからね」
「……はい」
よしよし、と頭を撫でてもらえば、少しくすぐったいような感じにもなるが、フローリアは自然と笑みが零れる。
中庭にある四阿へ向かい、既にお茶がセットされているのを見て『タイミングを合わせてくれたのか』と察し、使用人の心遣いには心が温かくなる。
「いいお天気ですわね……」
「えぇ、本当に」
のんびりとした会話をしながら、これからを考える。
フローリアはほぼ問題なくシェリアスルーツ家当主となるだろうが、婚約破棄された話はあちこちに広まっている。現に、あちこちから婚約に関しての釣書が届いたり、絵姿が届けられたり、見合いの話が次々に舞い込んだりしているのだが、本人があまり乗り気でないから積極的には話していない。
だが、貴族としていずれは結婚をしなければならないことは明白なのだが、はたしてどうしたものか、とルアネは悩む。
フローリアの心に決めた人が居れば、その人との話を進められるのだが、そういった浮ついた話は聞かない。
「お嬢様、どれになさいますか?」
「わぁ……」
フルーツが沢山乗ったケーキ、たっぷりのイチゴが乗ったタルト、果物の中身をくり抜いたものを容器にしたゼリー、クッキーやフィナンシェといった焼き菓子。
よりどりみどり、な状態の様々な菓子類に、フローリアは目を輝かせる。
疲れたから甘いものが食べたかった、と喜んでいちごのタルトを選び、嬉しそうに早速食べ始めた。
そうしていると、何やら屋敷が騒がしくなっていることにルアネが気づき、ロールケーキをと紅茶を侍女長にお願いしてから一旦席を立った。
「わたくしが見てきます。フローリア、そのまま休憩していなさい」
「はい」
「何なのでしょうね……」
「えぇ……お客様かしら」
「本日はどなたの訪問もないはずですが」
はて、と首を傾げているフローリアと、侍女長も何となく訝しげな顔をしている。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「…………」
「…………」
執事長のダドリー、シェリアスルーツ家騎士団の団長、二人揃ってだらだらと冷や汗を垂らしている。
どうしたらいいか分からなかったところに、救いの手と言わんばかりのルアネが来てくれたのだが、そのルアネと来客が睨み合いを始めてしまった。
「(あの、奥様が睨んでるの王弟殿下です……よね?)」
「(黙っておきなさい)」
「聞こえております。そして、団長は正解ですわ」
「は、はい!!」
聞こえていたのか!?と焦る団長だが、それをくみ取ってかシオンが真顔でこう返す。
「この人地獄耳だからな」
「まぁ、殿下は相変わらずお口が減りませんこと」
「姉上の護衛をしていた頃から、夫人も口の悪さはご健在のようだ」
「まあぁ」
「はっはっは」
心なしか、気温が下がったように感じるのは団長もダドリーも同じだったようで、揃って身体を震わせる。
この二人、まさか犬猿の仲か!?とダドリーが警戒しようとした途端、ふっと緊張感が緩んだ。
「殿下、来る時は連絡のひとつもくださいまし」
「あら、ごめんなさいねぇ」
「用件があるのはフローリアに、でしょうか」
「正確には夫人に、だが……」
「……」
フローリアの名前を聞いた途端、少しだけシオンがそわついたのをルアネはばっちり見逃せなかった。
そして、にっこり微笑んでから邸内へと招き入れる。
「連絡が欲しかったのは当たり前として、お急ぎの用件と察しました。合っておりまして?」
「えぇ、ありがとう」
なお、この会話を聞いている団長は今、混乱の真っ只中にいるようで、ルアネとシオンを交互に見まくっている。
「ダドリー、団長に事情を説明してさしあげなさい。王弟殿下はこちらへ」
「はいはーい」
ごめんなさいねぇ、とヒラヒラと手を振ってルアネと共に歩いていくシオンの背中を見送り、ぽつりと団長は呟いた。
「口調……」
「あれが、王弟殿下の『素』ですよ」
憧れてたのにぃぃぃ!!という悲しげな声をバックに、シオンはうきうきと歩いていく。
あぁまたあの子に会えるのだ、と気分は自然と上向いていった。
これがこっちで、と確認しながら決済の書類を分けていくフローリアを、厳しくも温かな眼差しで見守っているルアネ。
「フローリア、こちらの書類はどうするのだったかしら?」
「……あ、いけない。忘れておりましたわ」
「予算表は必要だから、忘れてはいけないわ。きちんとメモをしておきなさい、次から気をつけるように」
「はい、申し訳ございません」
フローリアの得意分野は体を動かすことであって、書類作業ではない。
ミハエルの婚約者であった時は、彼があまりにも傍若無人だから、フローリアが動かないと各所がダメになってしまって潰れてしまう可能性しかなかったからだ。
不得意とはいえ、ミハエルの人としての駄目っぶりを完璧にカバーしていたのだから、問題なくできるだろう、と思っていたが、何となく抜けが発生してしまう。
しかし、フローリアがシェリアスルーツ家の当主となるのだから、書類仕事が嫌だといっても拒否はできない。
「リア、少し休憩しましょうか」
「……はい。すみません、お母様」
「あなたの場合、以前は特殊な環境にいましたからね。仕方ないとはいえ、……どうしましょう」
「う……」
補ってくれる相手が必要なのは理解している。
理解はしているが、フローリアに釣り合う相手など……とルアネは考え、一人だけ完璧な人が頭を高速で過ぎっていき『いやいやそんな』と首を横に振った。
「お母様?」
「何でもありません。さ、今日は中庭でお茶にしましょう」
「……はぁ……」
「フローリア、最初から何もかも上手くできる人なんかいないんだから」
ぽんぽん、と優しく母に背中を撫でてもらい、フローリアもようやく笑顔をうかべる。
思い起こすのは、先日の魔獣討伐のあの件。
あぁ、とても楽しかったなぁ……と思えば思うほど、自分が事務方の仕事が向いていないことがよく分かる。
ミハエルの婚約者であった頃、考えていたのは『ミハエルを助けたい』ではなく、『他の人に迷惑がかからないようにどうにかせねば』ということだけ。
そして、ミハエルなんかを愛するわけもなく、無駄に権力を振りかざしてきて脅しにも近いような形での婚約だったのだから、破棄だろうがなんだろうが、離れられて良かったという感情しかない。
いくら王族といえど、その程度の感情しかもてない相手だ。
「お母様は、以前のようなお仕事をまたやりたいとは思わないのですか?」
「え?」
「以前、王女殿下の護衛騎士をされていたとか……」
「そうねぇ……」
ルアネと並んで歩きながら、フローリアは問いかける。
母は実務能力もさることながら、護衛として守ると決めれば守り抜く強さも兼ね備えている人だ。
そんな母が、どうして。そう思ったから聞いたのだが、あっけらかんとしてルアネから反論された。
「戻りたいと、どうしてフローリアはそう思ったの?」
「え……」
「わたくしの今の大切なものは、旦那様と、子供であるフローリアとレイラよ。守るべき対象が変わって、確かに仕事も変わったようにあなたからは見えるかもしれない。でも、本質は同じではなくて?」
思わずぽかんとしてしまったフローリアだが、確かにそうだ、とすぐに思い直す。
「……わたくし、視野が狭かったんですのね」
「当主になるためにそれだけ必死ということでしょう。母親として嬉しいことではあるんですからね」
「……はい」
よしよし、と頭を撫でてもらえば、少しくすぐったいような感じにもなるが、フローリアは自然と笑みが零れる。
中庭にある四阿へ向かい、既にお茶がセットされているのを見て『タイミングを合わせてくれたのか』と察し、使用人の心遣いには心が温かくなる。
「いいお天気ですわね……」
「えぇ、本当に」
のんびりとした会話をしながら、これからを考える。
フローリアはほぼ問題なくシェリアスルーツ家当主となるだろうが、婚約破棄された話はあちこちに広まっている。現に、あちこちから婚約に関しての釣書が届いたり、絵姿が届けられたり、見合いの話が次々に舞い込んだりしているのだが、本人があまり乗り気でないから積極的には話していない。
だが、貴族としていずれは結婚をしなければならないことは明白なのだが、はたしてどうしたものか、とルアネは悩む。
フローリアの心に決めた人が居れば、その人との話を進められるのだが、そういった浮ついた話は聞かない。
「お嬢様、どれになさいますか?」
「わぁ……」
フルーツが沢山乗ったケーキ、たっぷりのイチゴが乗ったタルト、果物の中身をくり抜いたものを容器にしたゼリー、クッキーやフィナンシェといった焼き菓子。
よりどりみどり、な状態の様々な菓子類に、フローリアは目を輝かせる。
疲れたから甘いものが食べたかった、と喜んでいちごのタルトを選び、嬉しそうに早速食べ始めた。
そうしていると、何やら屋敷が騒がしくなっていることにルアネが気づき、ロールケーキをと紅茶を侍女長にお願いしてから一旦席を立った。
「わたくしが見てきます。フローリア、そのまま休憩していなさい」
「はい」
「何なのでしょうね……」
「えぇ……お客様かしら」
「本日はどなたの訪問もないはずですが」
はて、と首を傾げているフローリアと、侍女長も何となく訝しげな顔をしている。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「…………」
「…………」
執事長のダドリー、シェリアスルーツ家騎士団の団長、二人揃ってだらだらと冷や汗を垂らしている。
どうしたらいいか分からなかったところに、救いの手と言わんばかりのルアネが来てくれたのだが、そのルアネと来客が睨み合いを始めてしまった。
「(あの、奥様が睨んでるの王弟殿下です……よね?)」
「(黙っておきなさい)」
「聞こえております。そして、団長は正解ですわ」
「は、はい!!」
聞こえていたのか!?と焦る団長だが、それをくみ取ってかシオンが真顔でこう返す。
「この人地獄耳だからな」
「まぁ、殿下は相変わらずお口が減りませんこと」
「姉上の護衛をしていた頃から、夫人も口の悪さはご健在のようだ」
「まあぁ」
「はっはっは」
心なしか、気温が下がったように感じるのは団長もダドリーも同じだったようで、揃って身体を震わせる。
この二人、まさか犬猿の仲か!?とダドリーが警戒しようとした途端、ふっと緊張感が緩んだ。
「殿下、来る時は連絡のひとつもくださいまし」
「あら、ごめんなさいねぇ」
「用件があるのはフローリアに、でしょうか」
「正確には夫人に、だが……」
「……」
フローリアの名前を聞いた途端、少しだけシオンがそわついたのをルアネはばっちり見逃せなかった。
そして、にっこり微笑んでから邸内へと招き入れる。
「連絡が欲しかったのは当たり前として、お急ぎの用件と察しました。合っておりまして?」
「えぇ、ありがとう」
なお、この会話を聞いている団長は今、混乱の真っ只中にいるようで、ルアネとシオンを交互に見まくっている。
「ダドリー、団長に事情を説明してさしあげなさい。王弟殿下はこちらへ」
「はいはーい」
ごめんなさいねぇ、とヒラヒラと手を振ってルアネと共に歩いていくシオンの背中を見送り、ぽつりと団長は呟いた。
「口調……」
「あれが、王弟殿下の『素』ですよ」
憧れてたのにぃぃぃ!!という悲しげな声をバックに、シオンはうきうきと歩いていく。
あぁまたあの子に会えるのだ、と気分は自然と上向いていった。
1,363
お気に入りに追加
3,135
あなたにおすすめの小説
完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
断罪されてムカついたので、その場の勢いで騎士様にプロポーズかましたら、逃げれんようなった…
甘寧
恋愛
主人公リーゼは、婚約者であるロドルフ殿下に婚約破棄を告げられた。その傍らには、アリアナと言う子爵令嬢が勝ち誇った様にほくそ笑んでいた。
身に覚えのない罪を着せられ断罪され、頭に来たリーゼはロドルフの叔父にあたる騎士団長のウィルフレッドとその場の勢いだけで婚約してしまう。
だが、それはウィルフレッドもその場の勢いだと分かってのこと。すぐにでも婚約は撤回するつもりでいたのに、ウィルフレッドはそれを許してくれなくて…!?
利用した人物は、ドSで自分勝手で最低な団長様だったと後悔するリーゼだったが、傍から見れば過保護で執着心の強い団長様と言う印象。
周りは生暖かい目で二人を応援しているが、どうにも面白くないと思う者もいて…
夫に用無しと捨てられたので薬師になって幸せになります。
光子
恋愛
この世界には、魔力病という、まだ治療法の見つかっていない未知の病が存在する。私の両親も、義理の母親も、その病によって亡くなった。
最後まで私の幸せを祈って死んで行った家族のために、私は絶対、幸せになってみせる。
たとえ、離婚した元夫であるクレオパス子爵が、市民に落ち、幸せに暮らしている私を連れ戻そうとしていても、私は、あんな地獄になんか戻らない。
地獄に連れ戻されそうになった私を救ってくれた、同じ薬師であるフォルク様と一緒に、私はいつか必ず、魔力病を治す薬を作ってみせる。
天国から見守っているお義母様達に、いつか立派な薬師になった姿を見てもらうの。そうしたら、きっと、私のことを褒めてくれるよね。自慢の娘だって、思ってくれるよね――――
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。
ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。
毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。
0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。
アズやっこ
恋愛
❈ 追記 長編に変更します。
16歳の時、私は第一王子と婚姻した。
いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。
私の好きは家族愛として。
第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。
でも人の心は何とかならなかった。
この国はもう終わる…
兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。
だから歪み取り返しのつかない事になった。
そして私は暗殺され…
次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
【完結】都合のいい女ではありませんので
風見ゆうみ
恋愛
アルミラ・レイドック侯爵令嬢には伯爵家の次男のオズック・エルモードという婚約者がいた。
わたしと彼は、現在、遠距離恋愛中だった。
サプライズでオズック様に会いに出かけたわたしは彼がわたしの親友と寄り添っているところを見てしまう。
「アルミラはオレにとっては都合のいい女でしかない」
レイドック侯爵家にはわたししか子供がいない。
オズック様は侯爵という爵位が目的で婿養子になり、彼がレイドック侯爵になれば、わたしを捨てるつもりなのだという。
親友と恋人の会話を聞いたわたしは彼らに制裁を加えることにした。
※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
婚約破棄され家を出た傷心令嬢は辺境伯に拾われ溺愛されるそうです 〜今更謝っても、もう遅いですよ?〜
八代奏多
恋愛
「フィーナ、すまないが貴女との婚約を破棄させてもらう」
侯爵令嬢のフィーナ・アストリアがパーティー中に婚約者のクラウス王太子から告げられたのはそんな言葉だった。
その王太子は隣に寄り添う公爵令嬢に愛おしげな視線を向けていて、フィーナが捨てられたのは明らかだった。
フィーナは失意してパーティー会場から逃げるように抜け出す。
そして、婚約破棄されてしまった自分のせいで家族に迷惑がかからないように侯爵家当主の父に勘当するようにお願いした。
そうして身分を捨てたフィーナは生活費を稼ぐために魔法技術が発達していない隣国に渡ろうとするも、道中で魔物に襲われて意識を失ってしまう。
死にたくないと思いながら目を開けると、若い男に助け出されていて……
※小説家になろう様・カクヨム様でも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる