オネェな王弟はおっとり悪役令嬢を溺愛する

ライラック・シェリアスルーツ。
それは、所謂通り名。
彼女の本名を知る人は限りなく少ない。

「結婚するなら、わたくしよりも強くて、迷うことなく本名をすらすら言ってくれる人が良いわ」

ライラック、もとい、本名「フローリア・レネ・シェリアスルーツ」のささやかな願いは、叶うことなく一方的な婚約を結んだ相手から婚約破棄されてしまった。
婚約破棄の舞台は、卒業パーティーの予行演習の場所にて。
まぁそれならそれで良いか、とあっけらかんとしつつシェリアスルーツ侯爵家、次期侯爵となるために日々励んでたある日、いきなり王宮へと召集されてしまう。

「シェリアスルーツ家次期当主ともあろうものが、婚約破棄されたからと新たな我が婚約者を虐めるとはなにごとか!」と怒鳴りつけられるが身に覚えがない。

「はて、おかしなことだ。彼女はずっと次期当主としてあちこち駆けずり回っていたが」

――助けを出してくれたのは、「鮮血の悪魔」と呼ばれている王弟殿下!?

婚約破棄され、次期当主として立つべく奮闘していたおっとり令嬢、マイペースに頑張ります!!

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