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閑話ー第二王子の決意と始まり②ー
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王妃の言う通り、王太子教育はラクシスにとっては遥かに難易度の高いものであった。
本来ならばもう少し勉学を進め、後数年経過してから適性試験を受けた後に開始されるものを、半ば無理矢理とはいえ前倒しして開始したのだ。
だが、一切の弱音は吐かなかった。
足りない学問があれば家庭教師に頼み込んで基礎の参考書を取り寄せてもらい、それが終ると一段階内容の難しい専門書を手配してもらったり、実地見聞が必要だと悟れば大臣に頼み込んで外交の場の見学をさせてもらったり、と。
睡眠時間が減っても、気絶するように倒れ込んで休むことが増えても、兄たちに追いつくことに必死になった。
「あ…課題…」
ここ数ヶ月、まともに休みなんか取れていなかったけれど、休む暇があるならと、ただひたすらに学んだ。
最初は分からないことが多く、泣きたくなることも多かったのだが、一度理解してしまえば楽しくて仕方なかった。
が、やはり疲れが蓄積しすぎると体にも良くない。
まして、第一王子や他の適齢期の王子よりも年下のラクシスだ。ついには寝不足でフラフラしてしまうようになり、父や母から『追い付きたい気持ちも分かるけれど、休息することも仕事のうち』と諭され、家庭教師にも『頑張ることはいい事ですが、頑張りすぎは良くありません』と、これまた諭されてしまえば、素直に『休みます』と言わざるを得なかった。
でも、課題をやるための図書は借りてこようと、ふわふわとした足取りで図書館に向かい、目的の専門書を探す。
本を探すことに必死になっていると、自分以外の気配にも中々気付くことが出来ず、並ぶ蔵書を見上げながら歩いていたものだから、前にいた人物に気付くことが出来ずに当たってしまった。
「わぁ、っ…ご、ごめんなさい!」
「いえ、こちらこそ背後に気が付けず……まぁ……ラクシス第二王子殿下…?」
「レティシエリーゼ、嬢」
「こちらの蔵書コーナーは、論文の参考書物などに使用するものが多く並んでおりますが…ラクシス第二王子殿下、もうそのような内容を?」
「あ、うん。少し、理由があって」
「さようでございましたか」
兄といる時と違い、どうやら肩の力を抜いているらしいレティシエリーゼの、こんなに柔らかな表情を見るとはいつぶりだろうか。
本来、彼女はこのように微笑んでいるはずなのだ。
兄の婚約者として、彼の隣にいる時も。
そう思うと、胸がちくりと傷んだのだが。
「………え?」
ぽた、とレティシエリーゼの目から涙が零れ落ちた。
「あ、ら…わたくしったら…」
「え、あの、レティシエリーゼ嬢…?僕が何か嫌な思いをさせてしまった…?!」
「ちがい、ます…」
緩く首を横に振り、数回大きく深呼吸をしてから顔を上げた彼女は、完璧令嬢の淑女としての仮面をきっちり身につけてしまっていた。
「大変申し訳ございませんでした。…ここのところ、あまりこうした普通の会話をしておりませんでしたので…嬉しくて」
側妃候補とのやり取り。
国母である母とのやり取り、そしてお茶会。
王妃教育の傍ら行われる他国要人との茶会に夜会。
サーグリッド公爵家で行われる茶会や、公爵領の今後を考えるための会合。
時間が許す限りレティシエリーゼは、ありとあらゆる場に出向き、第一王子と婚約した時よりも更に知識を得ていた。同時に経験も。
執務としての会話は行うが、所謂『一般会話』はここ最近どうやらほとんど行えていなかったようなのだ。
よくよく彼女を見つめると、化粧で隠しきれていない隈がほんの少しだけ、うっすらと見えてしまった。
「あの…レティシエリーゼ嬢さえ、良ければ…なんだけど」
「はい」
「たまに、…たまにで、良いんだ。僕もあの、今…すごく忙しくて…でも、たまには普通の、本当に何でもない会話をしたくなることが、あって!」
「は、はい」
「勿論、兄上の婚約者だとは分かっているからこそ、護衛騎士も同席させるし侍女も同席させるから!」
一瞬、第一王子の存在をチラつかせてしまい、レティシエリーゼの顔がとんでもなく歪んでしまったが、すぐ様表情を元に戻したのは流石と言わざるを得なかった。
「僕と、お茶会しませんか!」
告げられた思いがけない提案に、レティシエリーゼは表情を崩さないまま思案した。
別に恋愛感情などというものは持ち合わせていない。
そう、誰に対しても。どの王子に対しても、だ。
別に浮気なんかではないし、己も第二王子も、互いにやましい気持ちはない。
だが、『普通の会話』には惹かれる自分がいるのも事実だった。
祖父と祖母、双子の兄との勉強も楽しいし、王妃教育も楽しい。実際ここまで楽しんでいるという令嬢もそうそう居ないと、王妃から聞かされたが、楽しいから仕方ない。
ただ問題は、『普通の会話』が出来ていないということ。
双子の兄が居れば、『ねぇ、最近楽しいことあった?』というような、何でもない会話が出来るのだが、如何せん向こうも忙しく、なかなか王宮でも遭遇することは無いし、家に帰る時間も互いに違うし夕飯の時間も違う。すれ違いまくりで会話ができていないのだ。
祖父や祖母は仕事もあるし、甘える時は甘えるけれど、甘えすぎも良くないという強力すぎる自制心が色んなものを邪魔してしまっていた。
「あまり…お茶会のことは知られなくないので、その…」
「大丈夫、場所は適度に人目のあるところにする。あと、レティシエリーゼ嬢には勉強も教えてほしいんだ!」
「まぁ…」
自分よりも2つとはいえ年下のラクシスからの言葉に、関心しかできなかった。
もしかして、探していた本の内容から想像するに、王太子教育が始まっているのではないだろうか。
以前第一王子が『お前は優雅に母上との茶会をしていれば王妃教育になるんだから楽で良いよなぁ』と嫌味たっぷりに良いながら、ラクシスが手にしている本をチラつかせているのを見た。
ということは、つまり。
緩く首を横に振り、自分の想像を無かったことにしてからラクシスへときちんと向き直る。
「わたくしで良ければ、お勉強はいつでもお教え致します。では…よろしくお願いしますね」
「もちろん!」
「友人としてのお茶会や勉強会は、大いに歓迎いたします。…もし時間が合えば、わたくしのお兄様もお誘いしても?」
「もちろんいいよ。大歓迎だ」
「ありがとう存じます」
深々と頭を下げ、お礼をいったレティシエリーゼが、不意に穏やかな表情を消し去る。
「レティ!」
聞こえてきたのは、いつの間にか図書館に入ってきていた第一王子であるアルティアスの声。
「お前、何してるんだ!茶会の用意をしてやっているというのだから、早く来いよ!」
「…かしこまりました」
硬い声。
硬い表情。
凍りついた雰囲気。
やはり、か。
ラクシスは確信した。
自分が王太子教育を始めてから、今まで入らなかった情報が色々入ってくるようにもなった。
だからこそ知ってしまったのだ。
己の兄は、婚約者であるレティシエリーゼの扱いが、とんでもない、と。
本人は至って上手くやっているつもりのようだし、レティの表情の変化に気付けていない。
「兄上」
「ん?あぁラクシス!」
「あまり大きな声を出してはならないかと。ここは図書館です」
「う、む」
少し表情を歪めて注意をすると、途端に威勢の良さは消えて狼狽えてしまう。
『この程度か…』
王太子教育を始めてからというもの、徹底的に帝王学も叩き込まれていたラクシスにとって、素直すぎる兄の言動や行動が少しどうかと思える事が多々あったのだ。
少し注意されたくらいで表情を変えてしまうとは何たることか。国の弱点になり得てしまう。
「兄上、レティシエリーゼ嬢を迎えに来たのであれば場所を変えられてはいかがでしょうか?」
「そうだな」
「…ラクシス第二王子殿下、御前を失礼致します」
アルティアスをキレイにスルーしてからレティシエリーゼは手にしていた本を借りるための手続きをするために、さっさと歩き出してしまった。
「あ、ちょっ、おいレティ!」
「……兄上」
レティシエリーゼの事になると、無意識に声が大きくなっている兄に再度注意をしてから、慌てて彼女を追いかける後ろ姿を見送った。
そして、図書館に二人が居なくなったことを確認してから、棚に軽くもたれかかった。
「……あれはダメだなぁ……本当に。それに兄上……王太子教育、追い付いてきちゃってるよ…?」
ふ、と口元に笑みを浮かべ、手にした本を軽くいじる。
「それに、レティシエリーゼ嬢への態度も…あれはダメだよ…」
次第に笑みは消える。
「………………うん、やっぱり決めた。追い越そう。遠慮なんか要らないですよね…………母上様…………」
静かに決意を込めた目。
きつく握り締められる拳。
ゆっくりと深呼吸をして、本を持ち直し図書館を後にした。
恐らく、これ以上の本気でいけばアルティアスも、側妃達の王子の事も抜き去るのは可能。
だから改めて決めた。
何も遠慮なんかしてやらない、と。
本来ならばもう少し勉学を進め、後数年経過してから適性試験を受けた後に開始されるものを、半ば無理矢理とはいえ前倒しして開始したのだ。
だが、一切の弱音は吐かなかった。
足りない学問があれば家庭教師に頼み込んで基礎の参考書を取り寄せてもらい、それが終ると一段階内容の難しい専門書を手配してもらったり、実地見聞が必要だと悟れば大臣に頼み込んで外交の場の見学をさせてもらったり、と。
睡眠時間が減っても、気絶するように倒れ込んで休むことが増えても、兄たちに追いつくことに必死になった。
「あ…課題…」
ここ数ヶ月、まともに休みなんか取れていなかったけれど、休む暇があるならと、ただひたすらに学んだ。
最初は分からないことが多く、泣きたくなることも多かったのだが、一度理解してしまえば楽しくて仕方なかった。
が、やはり疲れが蓄積しすぎると体にも良くない。
まして、第一王子や他の適齢期の王子よりも年下のラクシスだ。ついには寝不足でフラフラしてしまうようになり、父や母から『追い付きたい気持ちも分かるけれど、休息することも仕事のうち』と諭され、家庭教師にも『頑張ることはいい事ですが、頑張りすぎは良くありません』と、これまた諭されてしまえば、素直に『休みます』と言わざるを得なかった。
でも、課題をやるための図書は借りてこようと、ふわふわとした足取りで図書館に向かい、目的の専門書を探す。
本を探すことに必死になっていると、自分以外の気配にも中々気付くことが出来ず、並ぶ蔵書を見上げながら歩いていたものだから、前にいた人物に気付くことが出来ずに当たってしまった。
「わぁ、っ…ご、ごめんなさい!」
「いえ、こちらこそ背後に気が付けず……まぁ……ラクシス第二王子殿下…?」
「レティシエリーゼ、嬢」
「こちらの蔵書コーナーは、論文の参考書物などに使用するものが多く並んでおりますが…ラクシス第二王子殿下、もうそのような内容を?」
「あ、うん。少し、理由があって」
「さようでございましたか」
兄といる時と違い、どうやら肩の力を抜いているらしいレティシエリーゼの、こんなに柔らかな表情を見るとはいつぶりだろうか。
本来、彼女はこのように微笑んでいるはずなのだ。
兄の婚約者として、彼の隣にいる時も。
そう思うと、胸がちくりと傷んだのだが。
「………え?」
ぽた、とレティシエリーゼの目から涙が零れ落ちた。
「あ、ら…わたくしったら…」
「え、あの、レティシエリーゼ嬢…?僕が何か嫌な思いをさせてしまった…?!」
「ちがい、ます…」
緩く首を横に振り、数回大きく深呼吸をしてから顔を上げた彼女は、完璧令嬢の淑女としての仮面をきっちり身につけてしまっていた。
「大変申し訳ございませんでした。…ここのところ、あまりこうした普通の会話をしておりませんでしたので…嬉しくて」
側妃候補とのやり取り。
国母である母とのやり取り、そしてお茶会。
王妃教育の傍ら行われる他国要人との茶会に夜会。
サーグリッド公爵家で行われる茶会や、公爵領の今後を考えるための会合。
時間が許す限りレティシエリーゼは、ありとあらゆる場に出向き、第一王子と婚約した時よりも更に知識を得ていた。同時に経験も。
執務としての会話は行うが、所謂『一般会話』はここ最近どうやらほとんど行えていなかったようなのだ。
よくよく彼女を見つめると、化粧で隠しきれていない隈がほんの少しだけ、うっすらと見えてしまった。
「あの…レティシエリーゼ嬢さえ、良ければ…なんだけど」
「はい」
「たまに、…たまにで、良いんだ。僕もあの、今…すごく忙しくて…でも、たまには普通の、本当に何でもない会話をしたくなることが、あって!」
「は、はい」
「勿論、兄上の婚約者だとは分かっているからこそ、護衛騎士も同席させるし侍女も同席させるから!」
一瞬、第一王子の存在をチラつかせてしまい、レティシエリーゼの顔がとんでもなく歪んでしまったが、すぐ様表情を元に戻したのは流石と言わざるを得なかった。
「僕と、お茶会しませんか!」
告げられた思いがけない提案に、レティシエリーゼは表情を崩さないまま思案した。
別に恋愛感情などというものは持ち合わせていない。
そう、誰に対しても。どの王子に対しても、だ。
別に浮気なんかではないし、己も第二王子も、互いにやましい気持ちはない。
だが、『普通の会話』には惹かれる自分がいるのも事実だった。
祖父と祖母、双子の兄との勉強も楽しいし、王妃教育も楽しい。実際ここまで楽しんでいるという令嬢もそうそう居ないと、王妃から聞かされたが、楽しいから仕方ない。
ただ問題は、『普通の会話』が出来ていないということ。
双子の兄が居れば、『ねぇ、最近楽しいことあった?』というような、何でもない会話が出来るのだが、如何せん向こうも忙しく、なかなか王宮でも遭遇することは無いし、家に帰る時間も互いに違うし夕飯の時間も違う。すれ違いまくりで会話ができていないのだ。
祖父や祖母は仕事もあるし、甘える時は甘えるけれど、甘えすぎも良くないという強力すぎる自制心が色んなものを邪魔してしまっていた。
「あまり…お茶会のことは知られなくないので、その…」
「大丈夫、場所は適度に人目のあるところにする。あと、レティシエリーゼ嬢には勉強も教えてほしいんだ!」
「まぁ…」
自分よりも2つとはいえ年下のラクシスからの言葉に、関心しかできなかった。
もしかして、探していた本の内容から想像するに、王太子教育が始まっているのではないだろうか。
以前第一王子が『お前は優雅に母上との茶会をしていれば王妃教育になるんだから楽で良いよなぁ』と嫌味たっぷりに良いながら、ラクシスが手にしている本をチラつかせているのを見た。
ということは、つまり。
緩く首を横に振り、自分の想像を無かったことにしてからラクシスへときちんと向き直る。
「わたくしで良ければ、お勉強はいつでもお教え致します。では…よろしくお願いしますね」
「もちろん!」
「友人としてのお茶会や勉強会は、大いに歓迎いたします。…もし時間が合えば、わたくしのお兄様もお誘いしても?」
「もちろんいいよ。大歓迎だ」
「ありがとう存じます」
深々と頭を下げ、お礼をいったレティシエリーゼが、不意に穏やかな表情を消し去る。
「レティ!」
聞こえてきたのは、いつの間にか図書館に入ってきていた第一王子であるアルティアスの声。
「お前、何してるんだ!茶会の用意をしてやっているというのだから、早く来いよ!」
「…かしこまりました」
硬い声。
硬い表情。
凍りついた雰囲気。
やはり、か。
ラクシスは確信した。
自分が王太子教育を始めてから、今まで入らなかった情報が色々入ってくるようにもなった。
だからこそ知ってしまったのだ。
己の兄は、婚約者であるレティシエリーゼの扱いが、とんでもない、と。
本人は至って上手くやっているつもりのようだし、レティの表情の変化に気付けていない。
「兄上」
「ん?あぁラクシス!」
「あまり大きな声を出してはならないかと。ここは図書館です」
「う、む」
少し表情を歪めて注意をすると、途端に威勢の良さは消えて狼狽えてしまう。
『この程度か…』
王太子教育を始めてからというもの、徹底的に帝王学も叩き込まれていたラクシスにとって、素直すぎる兄の言動や行動が少しどうかと思える事が多々あったのだ。
少し注意されたくらいで表情を変えてしまうとは何たることか。国の弱点になり得てしまう。
「兄上、レティシエリーゼ嬢を迎えに来たのであれば場所を変えられてはいかがでしょうか?」
「そうだな」
「…ラクシス第二王子殿下、御前を失礼致します」
アルティアスをキレイにスルーしてからレティシエリーゼは手にしていた本を借りるための手続きをするために、さっさと歩き出してしまった。
「あ、ちょっ、おいレティ!」
「……兄上」
レティシエリーゼの事になると、無意識に声が大きくなっている兄に再度注意をしてから、慌てて彼女を追いかける後ろ姿を見送った。
そして、図書館に二人が居なくなったことを確認してから、棚に軽くもたれかかった。
「……あれはダメだなぁ……本当に。それに兄上……王太子教育、追い付いてきちゃってるよ…?」
ふ、と口元に笑みを浮かべ、手にした本を軽くいじる。
「それに、レティシエリーゼ嬢への態度も…あれはダメだよ…」
次第に笑みは消える。
「………………うん、やっぱり決めた。追い越そう。遠慮なんか要らないですよね…………母上様…………」
静かに決意を込めた目。
きつく握り締められる拳。
ゆっくりと深呼吸をして、本を持ち直し図書館を後にした。
恐らく、これ以上の本気でいけばアルティアスも、側妃達の王子の事も抜き去るのは可能。
だから改めて決めた。
何も遠慮なんかしてやらない、と。
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