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番外編(本編に組み込む予定だった幼少期の話)
番外編2 -ミリィ4歳- バルト視点
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※ミリィが4歳あたりの話です。
本編44~48話あたりのどこかに組み込もうかと思っていた、ゆるめのお話。
◆
ダルディエ領の本邸にて、双子とシオンとミリィは部屋で話をしていた。ミリィは現在四才。双子は青い宝石をミリィに見せる。バルトが口を開いた。
「一日だけ消える体験ができる宝石だってさ。ミリィにあげるよ」
「消える? 何が消えるの?」
「この宝石を身に付けている人が消えるんだよ」
「えー? 本当?」
ミリィは宝石を持ってみる。
「ミリィ、消えてる?」
「まだ消えないよ。消えたい日の前の日に、一日この宝石を水に浸しておく必要があるんだ」
ミリィはまじまじと宝石を見ている。ちょっと疑いの眼差しである。
双子とシオンは少し笑いながら顔を見合わせた。もちろん、この宝石はただの宝石。それ以上でもそれ以下でもない。当然、人が消えることもない。ただミリィの反応を見たいだけの遊びだ。
「ミリィ、どうする? 明日消えてみる? やるなら、今日水に浸しておくよ」
「……うん、明日消える!」
少しわくわくしている表情のミリィ。それから宝石を水に付けた。その次の日。
水から宝石を取り出すと、むき出しの宝石を革紐で結び、ネックレスのようにミリィの首からかけた。
「お、ミリィが消えた!」
「……ほんとう?」
「本当だよ。ね、アルト、シオン」
「「うん」」
まだ半信半疑の表情のミリィである。しかし抜かりはない。今日は両親や使用人にこの遊びの話をしているので、今日は皆ミリィを見ても反応しないことになっている。
「見えないのはミリィだけだからね。ミリィが着ている服は消えているけれど、ミリィがぬいぐるみ持ったりすると、ぬいぐるみだけ見えて勝手に動いて見えちゃうから、気を付けて。あと、ミリィが声を出すと聞こえるから、何かあれば俺たちに声をかけて」
「うん」
ミリィはキョロキョロとすると、テーブルに置いてある本を取った。
「あれ、ミリィ、今、本を持った? 本が勝手に動いてる」
「うん、持った!」
ちょっと信じかけているようだ。目がキラキラしだした。その時、部屋に使用人がやってきた。
「お呼びでしょうか」
さきほど使用人を呼んでいたのだ。宝石を沈めていた容器を片付けてもらうためである。
「うん、これ片付けておいて。あと何か飲む物を持ってきてくれる?」
「かしこまりました。三人分でよろしいでしょうか」
使用人はわざとバルト、アルト、シオンの三人分と言ったのだ。使用人にもミリィは見えているが、あえて視界に入れないようにしているようである。ミリィがシオンの服を引っ張った。そしてコソコソとミリィが声を出す。
「四人分! ミリィも飲む」
シオンもあえてミリィを見ないようにしながら頷く。
「四人分持ってきてくれ」
「かしこまりました」
使用人が部屋を去っていくと、ミリィが満面の笑みになる。
「ミリィが見えていなかったね!」
「言ったでしょう。ミリィはまったく見えていないよ」
「えー! これすごーい」
ミリィが首にかけている宝石をマジマジと見た。
使用人が持ってきた飲み物を四人で飲みながら、今後どうするか話す。
「これからどうする? とりあえず邸の中をウロウロしてみようか」
それから四人で廊下へ出た。邸の中をウロウロとする。ミリィが見えないという任務を、すれ違う使用人がみんな徹底して行うので、ミリィはすっかり見えないのだと信じ込んでいる。ミリィが楽しそうに笑っていて可愛い。
階段に差し掛かった時、アルトが言った。
「ミリィ、見えていないけれど、階段は気を付けて降りるんだよー」
「うん」
階段は段差がミリィには高いため、まだ危ない。と思っていたら、シオンがミリィを見ずに言った。
「ミリィ、手を繋いで降りよう。見えないから、ミリィから握って」
「うん」
シオンの手を握ったミリィは、危なげなくシオンと階段を降りていく。そして階下に降りると、またシオンから手を離して、今度は温室へ行く。温室では母上がいて、ミリィに気づいてわざとらしく違う方向を向いた。母上には演技は向いていない。ミリィは母上の前へ行くと、手を振って見せる。母上は見えるものを見えないフリするのは難しいらしく、強制的に目を瞑って手だけ猫のココを撫でている。その下手すぎる対応は、ミリィにだけは有効のようで、母上に気づかれなくてミリィは喜んでいる。
それから今度は温室から庭へ出ようとしている時、遠くで母上の「どうだったかしら? 見えないように見えたかしら?」と誰かに言っている声だけが小さく聞こえたが、ミリィは気づいていない。
バルト達が庭に出たところで、アルトとシオンと話す。ミリィは庭の少し先へ一人で歩いて行っている。
「どうする? 外に出ても、人に会わないから消える体験ができないよね」
「もう一度屋内に入る? 父上のところにでも行ってみる?」
ミリィを露骨に見ないようにしながら、視界の端でミリィを捉える。ミリィは庭の先で止まって、こちらを見ていた。
「ミリィ、行っちゃうよー?」
ミリィがなぜか小声で叫んでいる。
「行っちゃうよってさ。庭師のところに行ってみる?」
「庭師のじいちゃん、いつもどこにいるか分からないもん。探すのが面倒」
それからも今後の方針を話し合っていると、いつの間にか、ミリィがなぜかすぐ傍で涙目で立っていた。
「行っちゃうのに! 付いてきてくれないと駄目なの!」
「あ、ごめんごめん。ミリィ、見えないから、どこにいるのかと思った」
見えているミリィから視線をあえて逸らしていると、ミリィが首にかけている宝石の紐を引っ張った。
「ミリィ?」
「もう見えないの、イヤ! みんなと一緒に遊ぶほうがいい!」
無理やり紐を引っ張るが、頑丈な紐なので取れるわけがない。ミリィの首のほうが弱そうで危ない。
「分かった、分かった。取ってあげるから、ミリィ、俺の手を取って」
ミリィが俺の手を握ったので、手探りを装いながら、ミリィの首から宝石の付いた紐を取ってあげる。
「……ミリィ、もう見える?」
「見えるよ」
ミリィが不安げな顔をするので、ミリィを抱きしめた。アルトとシオンと顔を見合わせる。もう消える体験も終わりだ。見えないだけで喜んで可愛いし、見えないだけで寂しがって可愛い。うちの妹、何しても可愛いと思うのだった。
本編44~48話あたりのどこかに組み込もうかと思っていた、ゆるめのお話。
◆
ダルディエ領の本邸にて、双子とシオンとミリィは部屋で話をしていた。ミリィは現在四才。双子は青い宝石をミリィに見せる。バルトが口を開いた。
「一日だけ消える体験ができる宝石だってさ。ミリィにあげるよ」
「消える? 何が消えるの?」
「この宝石を身に付けている人が消えるんだよ」
「えー? 本当?」
ミリィは宝石を持ってみる。
「ミリィ、消えてる?」
「まだ消えないよ。消えたい日の前の日に、一日この宝石を水に浸しておく必要があるんだ」
ミリィはまじまじと宝石を見ている。ちょっと疑いの眼差しである。
双子とシオンは少し笑いながら顔を見合わせた。もちろん、この宝石はただの宝石。それ以上でもそれ以下でもない。当然、人が消えることもない。ただミリィの反応を見たいだけの遊びだ。
「ミリィ、どうする? 明日消えてみる? やるなら、今日水に浸しておくよ」
「……うん、明日消える!」
少しわくわくしている表情のミリィ。それから宝石を水に付けた。その次の日。
水から宝石を取り出すと、むき出しの宝石を革紐で結び、ネックレスのようにミリィの首からかけた。
「お、ミリィが消えた!」
「……ほんとう?」
「本当だよ。ね、アルト、シオン」
「「うん」」
まだ半信半疑の表情のミリィである。しかし抜かりはない。今日は両親や使用人にこの遊びの話をしているので、今日は皆ミリィを見ても反応しないことになっている。
「見えないのはミリィだけだからね。ミリィが着ている服は消えているけれど、ミリィがぬいぐるみ持ったりすると、ぬいぐるみだけ見えて勝手に動いて見えちゃうから、気を付けて。あと、ミリィが声を出すと聞こえるから、何かあれば俺たちに声をかけて」
「うん」
ミリィはキョロキョロとすると、テーブルに置いてある本を取った。
「あれ、ミリィ、今、本を持った? 本が勝手に動いてる」
「うん、持った!」
ちょっと信じかけているようだ。目がキラキラしだした。その時、部屋に使用人がやってきた。
「お呼びでしょうか」
さきほど使用人を呼んでいたのだ。宝石を沈めていた容器を片付けてもらうためである。
「うん、これ片付けておいて。あと何か飲む物を持ってきてくれる?」
「かしこまりました。三人分でよろしいでしょうか」
使用人はわざとバルト、アルト、シオンの三人分と言ったのだ。使用人にもミリィは見えているが、あえて視界に入れないようにしているようである。ミリィがシオンの服を引っ張った。そしてコソコソとミリィが声を出す。
「四人分! ミリィも飲む」
シオンもあえてミリィを見ないようにしながら頷く。
「四人分持ってきてくれ」
「かしこまりました」
使用人が部屋を去っていくと、ミリィが満面の笑みになる。
「ミリィが見えていなかったね!」
「言ったでしょう。ミリィはまったく見えていないよ」
「えー! これすごーい」
ミリィが首にかけている宝石をマジマジと見た。
使用人が持ってきた飲み物を四人で飲みながら、今後どうするか話す。
「これからどうする? とりあえず邸の中をウロウロしてみようか」
それから四人で廊下へ出た。邸の中をウロウロとする。ミリィが見えないという任務を、すれ違う使用人がみんな徹底して行うので、ミリィはすっかり見えないのだと信じ込んでいる。ミリィが楽しそうに笑っていて可愛い。
階段に差し掛かった時、アルトが言った。
「ミリィ、見えていないけれど、階段は気を付けて降りるんだよー」
「うん」
階段は段差がミリィには高いため、まだ危ない。と思っていたら、シオンがミリィを見ずに言った。
「ミリィ、手を繋いで降りよう。見えないから、ミリィから握って」
「うん」
シオンの手を握ったミリィは、危なげなくシオンと階段を降りていく。そして階下に降りると、またシオンから手を離して、今度は温室へ行く。温室では母上がいて、ミリィに気づいてわざとらしく違う方向を向いた。母上には演技は向いていない。ミリィは母上の前へ行くと、手を振って見せる。母上は見えるものを見えないフリするのは難しいらしく、強制的に目を瞑って手だけ猫のココを撫でている。その下手すぎる対応は、ミリィにだけは有効のようで、母上に気づかれなくてミリィは喜んでいる。
それから今度は温室から庭へ出ようとしている時、遠くで母上の「どうだったかしら? 見えないように見えたかしら?」と誰かに言っている声だけが小さく聞こえたが、ミリィは気づいていない。
バルト達が庭に出たところで、アルトとシオンと話す。ミリィは庭の少し先へ一人で歩いて行っている。
「どうする? 外に出ても、人に会わないから消える体験ができないよね」
「もう一度屋内に入る? 父上のところにでも行ってみる?」
ミリィを露骨に見ないようにしながら、視界の端でミリィを捉える。ミリィは庭の先で止まって、こちらを見ていた。
「ミリィ、行っちゃうよー?」
ミリィがなぜか小声で叫んでいる。
「行っちゃうよってさ。庭師のところに行ってみる?」
「庭師のじいちゃん、いつもどこにいるか分からないもん。探すのが面倒」
それからも今後の方針を話し合っていると、いつの間にか、ミリィがなぜかすぐ傍で涙目で立っていた。
「行っちゃうのに! 付いてきてくれないと駄目なの!」
「あ、ごめんごめん。ミリィ、見えないから、どこにいるのかと思った」
見えているミリィから視線をあえて逸らしていると、ミリィが首にかけている宝石の紐を引っ張った。
「ミリィ?」
「もう見えないの、イヤ! みんなと一緒に遊ぶほうがいい!」
無理やり紐を引っ張るが、頑丈な紐なので取れるわけがない。ミリィの首のほうが弱そうで危ない。
「分かった、分かった。取ってあげるから、ミリィ、俺の手を取って」
ミリィが俺の手を握ったので、手探りを装いながら、ミリィの首から宝石の付いた紐を取ってあげる。
「……ミリィ、もう見える?」
「見えるよ」
ミリィが不安げな顔をするので、ミリィを抱きしめた。アルトとシオンと顔を見合わせる。もう消える体験も終わりだ。見えないだけで喜んで可愛いし、見えないだけで寂しがって可愛い。うちの妹、何しても可愛いと思うのだった。
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