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最終章
116 修羅場と事実2 ※ユリウス視点
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父に連れられ、ユリウスは父の執務室にやってきた。父の執務室には隠れ扉があり、父が扉に付いた石に触れると扉が開いた。ユリウスはその中に案内された。扉を開けた先には、下へ下へと降りていく階段があり、父とユリウスはずっと下へ降りていく。
降りた先には、小さな神殿のような場所があった。神殿のようなのに、神の銅像などはなく、あるのは水がめだけ。水がめの中央には、綺麗な宝石のような石が水から半分だけ上に顔を出していた。
「後継者継承の儀式のようなものだよ。ユリウス、血を石に」
ユリウスは父から針を渡された。父も別の針で自身の指を指している。ユリウスも真似して指に針を刺した。父が石に血の付いた指を押し付ける。ユリウスも真似して石に指を押し付けた。
すると、石が光り辺りを照らす。石を伝い、水がめの水に石の下から光の紐が下へ伸びた。水がめには底がないようで、伸びた光は遠くの方へ消えて、石が照らす光もゆっくりと消えた。
「終わりだ。簡単だろう。上に戻ろう」
「……はい」
父と階段を上り、父の執務室に戻ってきた。そして、ソファーに座ると、今度はハイゼン家の跡継ぎとなるための、いろんな書類にサインをすることになった。
そして時間が過ぎ、少し休憩だとお茶とお菓子を用意された。ユリウスが考えに耽っていると、父が口を開いた。
「テオバルトが息子でないと知っていたことが気になるかな?」
「……はい」
父は頷くと、口を開いた。
ハイゼン家の父の前の代の後継者は、実は父の年の離れた兄だったという。とても優秀な人だったらしいが、一向に結婚する気配がない。兄は恋愛相手は実は男性だったのだという。しかし建国貴族は血筋でのみしか継承できない力があるため、兄の次の後継者がいないというのは問題だった。兄には兄妹がおらず、祖母も他界していたこともあり、祖父は新たに妻を娶ってユリウスの父が生まれた。
ところが、父の後継者問題に口出しをしてきたのは、父の兄の母の実家であるミーゼス侯爵家だった。祖父が兄の母と結婚するときに、ミーゼス侯爵家の血筋から次代を継ぐのだという約束のようなものをしていたらしい。そうはいっても、父の兄が子孫を残せないため、祖父は新たにミーゼス侯爵家と話し合い、ユリウスの父は生まれた時からミーゼス侯爵家生まれの婚約者ができた。
まさに政略結婚であり、父と侯爵夫人の間には愛などなかった。侯爵夫人は幼いころから未来のハイゼン侯爵夫人なのだと鼻高々、父と結婚してからは湯水のように金を使い、遊び歩いていたという。
建国貴族の石と血の継承は、親子ではなく兄弟だと多少複雑だそうだが、父は幼い時に継承は済ませたらしい。とはいえ、幼い内は、仕事など兄が補佐をしてくれていた。
そして父は結婚したときに、仕事の全てを引き継いだ。侯爵夫人が遊び歩いていようと、忙しくて構う暇もなかった。侯爵夫人がオペラ歌手に入れ込んでいると知ってもいたけれど、知らぬフリをしていた。止めさせたとしても、代わりに父が構うこともできないのだから。
しかし父とて後継者が必要である。侯爵夫人も実家であるミーゼス侯爵家の目もある。そしてユリアが生まれた。父はユリアが生まれたことで、ハイゼン家の義務は一応果たしたと思ったという。建国貴族の後継者は、多忙であるがゆえに男性が好ましいが、女性が継げないというわけでもない。建国貴族としての義務の仕事、ハイゼン家としての商売、当主としての役割、女性であればそれらに加え、将来的には子を産む必要もあるが、かなり多忙だろうがやってやれないこともない。だから男児ができずとも、ユリアがいればハイゼン家は問題ないと父は思っていたらしい。
侯爵夫人自身も、ユリアを産んだから父のように義務は果たしたと思っていたようで、再びオペラ歌手に入れ込んだ。
父はその頃、ユリウスの母に会い、初めて恋をした。恋仲となった父と母に、まもなくユリウスが生まれた。父は母を第二夫人に迎える予定だったけれど、それを知った侯爵夫人が母に抗議した。そして心を傷つけられたと公爵夫人はミーゼス家へ里帰りした。その時、侯爵夫人はテオバルトを身ごもっていたのだが、父はそれを知らなかったという。
父が母を第二夫人として迎えるのは、侯爵夫人がもう少し落ち着いてからと母と話し合ったという。しかし侯爵夫人の言い分を信じたミーゼス家からウィザー家は嫌がらせに会い、家族に身の危険を感じた母は、父とは結婚しないと言った。
その後侯爵夫人はハイゼン家に帰ってきたが、その時侯爵夫人がひた隠しにしていた妊娠を父は知った。そしてテオバルトが生まれた。テオバルトが父の子ではないと最初から分かっていたから、父は母と話し合おうと会いに行くが、ウィザー家の母はミーゼス侯爵家を気にして、それから数年は母は父と会うことはなかった。
それから母には東京で新たに恋人ができ、父は母を再び取り戻そうとはしなかった。
「私が妻に関心がなさすぎたのが問題だ。情報機関の長でいながら、自分の足元が確認できていなかったのだから」
ハイゼン家は、建国貴族として、帝室の情報機関という役割があるということをユリウスは知った。厳密に言うなら、帝室と大公家、つまりリンケルト家を主とし、それ以外の建国貴族は従となるらしく、だから大公家の情報機関の役割もあるらしい。しかし大公家を主とする他家の従の役割は普段は不要という大公家の姿勢なため、帝室だけの情報機関という扱いになっているのだという。
情報機関の長でありながら、侯爵夫人とミーゼス侯爵家の行為に気づけなかったと、自分のせいであるからと父は母を諦めた。しかし、いずれ来る後継者問題の時に正すつもりでいたという。
「しかし、妻にはここを去るかどうか本人の意思に任せたが、ユリウスは妻はどうすると思う?」
「……テオバルトを可愛がっていると有名ですよ。一緒に去るのでは?」
父はふっと笑った。
「テオバルトを愛してはいるだろうが、妻はハイゼン家の地位と権力と資金力をもっと愛している。最近、可愛がっているオペラ歌手を変えたらしい。パトロンをするにも資金は必要。妻はハイゼン侯爵夫人という立場を手放せんよ」
父の言う通りだった。ミーゼス侯爵家から迎えに来た馬車に乗ったのは、テオバルトだけであった。
降りた先には、小さな神殿のような場所があった。神殿のようなのに、神の銅像などはなく、あるのは水がめだけ。水がめの中央には、綺麗な宝石のような石が水から半分だけ上に顔を出していた。
「後継者継承の儀式のようなものだよ。ユリウス、血を石に」
ユリウスは父から針を渡された。父も別の針で自身の指を指している。ユリウスも真似して指に針を刺した。父が石に血の付いた指を押し付ける。ユリウスも真似して石に指を押し付けた。
すると、石が光り辺りを照らす。石を伝い、水がめの水に石の下から光の紐が下へ伸びた。水がめには底がないようで、伸びた光は遠くの方へ消えて、石が照らす光もゆっくりと消えた。
「終わりだ。簡単だろう。上に戻ろう」
「……はい」
父と階段を上り、父の執務室に戻ってきた。そして、ソファーに座ると、今度はハイゼン家の跡継ぎとなるための、いろんな書類にサインをすることになった。
そして時間が過ぎ、少し休憩だとお茶とお菓子を用意された。ユリウスが考えに耽っていると、父が口を開いた。
「テオバルトが息子でないと知っていたことが気になるかな?」
「……はい」
父は頷くと、口を開いた。
ハイゼン家の父の前の代の後継者は、実は父の年の離れた兄だったという。とても優秀な人だったらしいが、一向に結婚する気配がない。兄は恋愛相手は実は男性だったのだという。しかし建国貴族は血筋でのみしか継承できない力があるため、兄の次の後継者がいないというのは問題だった。兄には兄妹がおらず、祖母も他界していたこともあり、祖父は新たに妻を娶ってユリウスの父が生まれた。
ところが、父の後継者問題に口出しをしてきたのは、父の兄の母の実家であるミーゼス侯爵家だった。祖父が兄の母と結婚するときに、ミーゼス侯爵家の血筋から次代を継ぐのだという約束のようなものをしていたらしい。そうはいっても、父の兄が子孫を残せないため、祖父は新たにミーゼス侯爵家と話し合い、ユリウスの父は生まれた時からミーゼス侯爵家生まれの婚約者ができた。
まさに政略結婚であり、父と侯爵夫人の間には愛などなかった。侯爵夫人は幼いころから未来のハイゼン侯爵夫人なのだと鼻高々、父と結婚してからは湯水のように金を使い、遊び歩いていたという。
建国貴族の石と血の継承は、親子ではなく兄弟だと多少複雑だそうだが、父は幼い時に継承は済ませたらしい。とはいえ、幼い内は、仕事など兄が補佐をしてくれていた。
そして父は結婚したときに、仕事の全てを引き継いだ。侯爵夫人が遊び歩いていようと、忙しくて構う暇もなかった。侯爵夫人がオペラ歌手に入れ込んでいると知ってもいたけれど、知らぬフリをしていた。止めさせたとしても、代わりに父が構うこともできないのだから。
しかし父とて後継者が必要である。侯爵夫人も実家であるミーゼス侯爵家の目もある。そしてユリアが生まれた。父はユリアが生まれたことで、ハイゼン家の義務は一応果たしたと思ったという。建国貴族の後継者は、多忙であるがゆえに男性が好ましいが、女性が継げないというわけでもない。建国貴族としての義務の仕事、ハイゼン家としての商売、当主としての役割、女性であればそれらに加え、将来的には子を産む必要もあるが、かなり多忙だろうがやってやれないこともない。だから男児ができずとも、ユリアがいればハイゼン家は問題ないと父は思っていたらしい。
侯爵夫人自身も、ユリアを産んだから父のように義務は果たしたと思っていたようで、再びオペラ歌手に入れ込んだ。
父はその頃、ユリウスの母に会い、初めて恋をした。恋仲となった父と母に、まもなくユリウスが生まれた。父は母を第二夫人に迎える予定だったけれど、それを知った侯爵夫人が母に抗議した。そして心を傷つけられたと公爵夫人はミーゼス家へ里帰りした。その時、侯爵夫人はテオバルトを身ごもっていたのだが、父はそれを知らなかったという。
父が母を第二夫人として迎えるのは、侯爵夫人がもう少し落ち着いてからと母と話し合ったという。しかし侯爵夫人の言い分を信じたミーゼス家からウィザー家は嫌がらせに会い、家族に身の危険を感じた母は、父とは結婚しないと言った。
その後侯爵夫人はハイゼン家に帰ってきたが、その時侯爵夫人がひた隠しにしていた妊娠を父は知った。そしてテオバルトが生まれた。テオバルトが父の子ではないと最初から分かっていたから、父は母と話し合おうと会いに行くが、ウィザー家の母はミーゼス侯爵家を気にして、それから数年は母は父と会うことはなかった。
それから母には東京で新たに恋人ができ、父は母を再び取り戻そうとはしなかった。
「私が妻に関心がなさすぎたのが問題だ。情報機関の長でいながら、自分の足元が確認できていなかったのだから」
ハイゼン家は、建国貴族として、帝室の情報機関という役割があるということをユリウスは知った。厳密に言うなら、帝室と大公家、つまりリンケルト家を主とし、それ以外の建国貴族は従となるらしく、だから大公家の情報機関の役割もあるらしい。しかし大公家を主とする他家の従の役割は普段は不要という大公家の姿勢なため、帝室だけの情報機関という扱いになっているのだという。
情報機関の長でありながら、侯爵夫人とミーゼス侯爵家の行為に気づけなかったと、自分のせいであるからと父は母を諦めた。しかし、いずれ来る後継者問題の時に正すつもりでいたという。
「しかし、妻にはここを去るかどうか本人の意思に任せたが、ユリウスは妻はどうすると思う?」
「……テオバルトを可愛がっていると有名ですよ。一緒に去るのでは?」
父はふっと笑った。
「テオバルトを愛してはいるだろうが、妻はハイゼン家の地位と権力と資金力をもっと愛している。最近、可愛がっているオペラ歌手を変えたらしい。パトロンをするにも資金は必要。妻はハイゼン侯爵夫人という立場を手放せんよ」
父の言う通りだった。ミーゼス侯爵家から迎えに来た馬車に乗ったのは、テオバルトだけであった。
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