89 / 132
最終章
89 情報交換と相談2
しおりを挟む
「あの……、葉月ちゃんって、婚約者がいたりしますか?」
「ええ? やあだ、紗彩、そういうことを聞くお年頃になったのねぇ」
いつもは死神業の話ばかりでこういう話はほとんどしないので、弥生が微笑ましそうにした。
「実は私、婚約者ができなくて、悩んでるんです……」
「そうなの……。死神業のこともあるし、なかなか難しい問題よね」
ユリウスに婚約者候補の一番目の方に婚約承諾の連絡をしてもらったところ、しばらくして別の方と婚約の話が進んでいるからと断られた。では二番目の方にと婚約承諾の連絡をしてもらったところ、こちらもしばらくして断られた。どうしてなんだ。あちらから婚約話を持ち込んできているはずなのに、なんで二人連続で断られるんだ。
泣きそうになりながらも、現在三番目の方に婚約承諾の連絡をしているが、また断られるのではないかと不安で仕方がない。どの人と婚約しようかと悩んだ時期が少し長かったかもしれないが、みんなこのくらいの期間は悩むものだ。長すぎるということはないはずなのに。
「葉月は婚約者は小さいころに決めてしまったのよ。親戚の子なんだけれど、葉月が懐いているし、すごくいい子なの。死神業のことも知っているしね」
「そうなんですね」
「死神業のことがある以上、やっぱり近しい人が結婚相手には向いているとは思うわ。私の夫はもう死んでしまったけれど、彼は私の従兄弟だったのよ」
弥生の夫は数年前に亡くなったと聞いたことがあった。弥生は葉月を大層可愛がっており、この親子は特別仲が良いと思う。
「私の親戚にめぼしい人はいないですね……」
「死神業のことを知っている近しい人は?」
つい流雨のことが思い浮かんだが、頭で打ち消した。流雨はダメだ。また私のせいで流雨が死ぬのは見たくない。
「……使用人なら」
「ええ? それは別の問題が持ち上がるのではない?」
「そうですよね……」
「紗彩は可愛いんだから、婚約申し込みがたくさんあるのではないの?」
「私ってモテないんです……。家柄による婚約申し込みはあるんですけれど、承諾しようとしたら、なぜか二連敗中で」
「あらあら……。二連敗なんて、焦るほどの事ではないわ。まだ候補はいるんでしょう? 大丈夫、次にいきなさい」
やはりそれしかないか。ため息ついてしまう。
流雨がメイル学園で私の隣の席に移動してからというもの、流雨にあるお願いをしてみた。メイル学園で流雨に近くにいてはいいけれど、学園では私は大人しいのが普通なので、あまり会話できないと言ったところ、流雨はほとんど無言で私の傍にいるだけという日々を送っていた。ところが、なぜか私がルーウェンの弱みを握っていて、私が口を滑らさないようルーウェンが私を見張っているという噂が立っていた。何もしていなくても、話題になるのがルーウェンなのだ。
メイル学園で平日は毎日会うため、流雨にうちに来るのは止めた方がいいと言ってみた。本音は私が流雨離れをしたいからなのだが、流雨だって学園に昼間は通う以上、後継者のことを学ぶ時間がないはずだから、うちに来ていた時間を使えばいいとも思ったのだ。しかし流雨はそれを渋り、私がかなり説得して、現在はうちに来るのは週に三回になった。
はっきり言って、これでは流雨離れができない。うちに来たら流雨は私を甘やかすし、それはそれで私だって嬉しいし、流雨を好きになるななんて完全に手遅れ状態。将来的に流雨に婚約者なんてできてしまったら、私は泣く自信がある。
早く流雨離れするためには、他に気を割く相手、つまり婚約者を作れればいいと思うのに、そこがうまくいかない。
如月親子との食事会を終え、私たちは店を出た。
「この後はどうされるんですか?」
「色々買い出しをして、王国に帰るわ」
「え!? 当日にとんぼ返りですか!?」
「仕方ないのよ。私も嫌なんだけれど、今はあっちが心配」
互いに悩みは尽きないものだ。
東京の街のビルの大画面では、可愛い女の子が歌っている映像が流れていた。歌は有名な曲である。
「あれ? あの曲って、歌手は女の子でしたっけ? 女の子みたいな男の子が歌っていた気がするんですけど」
私の音痴な歌を耳コピしてディーがよく歌っている歌だ。
「さあ、私は日本の歌手は詳しくないの。……でも、この曲は聞いたことがあるわね。歌手はたぶん女の子よ、男の子じゃなかったと思うわ」
「……私の記憶違いだったのかもしれないです」
やばい、もしかしたら、前世の記憶なのかもしれない。前世と現世は少し違う。みんな同じ人生を歩むわけではない。前世では男の子が歌っていた曲を、現世では女の子が歌っている場合だってありえるのだ。
うっかり麻彩の前で歌ってしまっていないはずだと思い返す。もし歌っていて麻彩が『歌ってみた』で歌ってしまっていた可能性を考えると怖い。世の中に正式発表される前に麻彩が歌ってしまっていた可能性があるのだ。
私の記憶に、前世と現世の記憶が混在しているから、気を付けなければならない。
それから如月親子とは別れ、家に帰宅。麻彩とリビングで話をしていた。
麻彩は、流雨が死んだときはショックを受けていたけれど、現在では帝国で元気だと知っているため、流雨の話題を出しても平気な顔をしていた。それどころか、私が流雨の話をするものだから、少しふてくされていた。
「また、るー君の話! さーちゃんは、いつか私の事なんてどうでもよくなるんだ」
「えぇ? そんなことないよ。まーちゃんは私の大事な可愛い妹なんだから」
「でも、るー君と結婚するんでしょう? そしたら、さーちゃんはこっちに帰ってこなくなるんだ」
「るー君と結婚しないよ!? 婚約者候補の中から選ぶんだよ!? それに、結婚しても、ちゃんと東京にいつものように戻って来るよ。まーちゃんに会いたいもの」
「……ほんと? 私に会いたい?」
「もちろんよ! まーちゃんに会いたいし、いつも抱きしめたいって思ってる」
麻彩を抱き寄せ、抱きしめた。どうしたんだろう、麻彩がいつもより甘えたで、なんだか不安がっている気がする。
「私が大事?」
「まーちゃんがすごく大事よ」
そのまま麻彩を抱きしめていると、ほっとした顔で麻彩が顔を上げた。
「私もさーちゃんが大事! 仕方ないから、るー君との結婚は許してあげる!」
「だから、るー君とは結婚しないってばぁ……」
それからも、麻彩はいつもより甘えただった。兄が帰宅し、リビングのソファーに横たわる私に呆れた顔を向けた。
「なんで麻彩はそんなところで寝てるんだ?」
「なんか、急に私のお腹の音を聞きたいと言い出して、お腹の音を聞いたまま寝ちゃったの」
お腹の音なんて、ただの消化音である。ゴロゴロ鳴るだけだから、面白くはないと思うのに。麻彩は私の腹の上で横を向いたまま寝息を立てている。
「また俺が運ぶのか……」
「お願いします」
それから兄はいったん風呂に向かい、風呂から上がってきて私の傍に座った。私は麻彩の枕になりながらスマホを見ていたのだが、兄に顔を向けた。
「なんだか、まーちゃん、ちょっと不安定になってる?」
「……ああ、ちょっと最近ぐずぐずだな」
「何があったの?」
「流雨のことだよ。今まで仲良くしていた人が急にいなくなって、いつでも会えると思っていた人と突然会えなくなることもあるって気づいたんだ。紗彩が死神業をしているから、なんとなくそういうことは分かってはいたんだろうが、今までは他人事だったからな。急に身近な出来事になったものだから、動揺しているみたいだ」
流雨が死んで三ヶ月ほど経過したけれど、たとえ顔が変わったとしても私はほぼ毎日流雨に会えている。もう二度と流雨を失いたくない気持ちは強いけれど、流雨が死んだという出来事が麻彩より衝撃は緩和できているかもしれない。
「いずれ紗彩とも会えなくなったらどうしようとか、時々夢に見るみたいだ」
「そうなの……」
「あとは、嫌いな藤のことや、血縁上の父のことも、嫌いだけど、生きているうちに、会えるうちに、会ってあげたほうがいいのか、とか葛藤しているみたいだな」
「昨日藤くんと写真のパートナーは絶対嫌って言ってたけれど」
「嫌いは嫌いだからな。感情と気持ちがごちゃまぜになってるんだ」
私は麻彩の頭を撫でた。麻彩は穏やかな顔で寝ている。
「こうしてあげればよかった、と後から後悔しても遅い。人の命には限りがあると、麻彩が今気づけたのはよかったと俺は思う。まあ、もう少しぐずぐずするだろうが、麻彩は俺に任せておけ」
「……ありがとう、お兄様」
そう、人の命には限りがあるのだ。前世は後悔ばかりだった。現世では後悔しない生き方ができるのだろうか。私は自信がなかった。
「ええ? やあだ、紗彩、そういうことを聞くお年頃になったのねぇ」
いつもは死神業の話ばかりでこういう話はほとんどしないので、弥生が微笑ましそうにした。
「実は私、婚約者ができなくて、悩んでるんです……」
「そうなの……。死神業のこともあるし、なかなか難しい問題よね」
ユリウスに婚約者候補の一番目の方に婚約承諾の連絡をしてもらったところ、しばらくして別の方と婚約の話が進んでいるからと断られた。では二番目の方にと婚約承諾の連絡をしてもらったところ、こちらもしばらくして断られた。どうしてなんだ。あちらから婚約話を持ち込んできているはずなのに、なんで二人連続で断られるんだ。
泣きそうになりながらも、現在三番目の方に婚約承諾の連絡をしているが、また断られるのではないかと不安で仕方がない。どの人と婚約しようかと悩んだ時期が少し長かったかもしれないが、みんなこのくらいの期間は悩むものだ。長すぎるということはないはずなのに。
「葉月は婚約者は小さいころに決めてしまったのよ。親戚の子なんだけれど、葉月が懐いているし、すごくいい子なの。死神業のことも知っているしね」
「そうなんですね」
「死神業のことがある以上、やっぱり近しい人が結婚相手には向いているとは思うわ。私の夫はもう死んでしまったけれど、彼は私の従兄弟だったのよ」
弥生の夫は数年前に亡くなったと聞いたことがあった。弥生は葉月を大層可愛がっており、この親子は特別仲が良いと思う。
「私の親戚にめぼしい人はいないですね……」
「死神業のことを知っている近しい人は?」
つい流雨のことが思い浮かんだが、頭で打ち消した。流雨はダメだ。また私のせいで流雨が死ぬのは見たくない。
「……使用人なら」
「ええ? それは別の問題が持ち上がるのではない?」
「そうですよね……」
「紗彩は可愛いんだから、婚約申し込みがたくさんあるのではないの?」
「私ってモテないんです……。家柄による婚約申し込みはあるんですけれど、承諾しようとしたら、なぜか二連敗中で」
「あらあら……。二連敗なんて、焦るほどの事ではないわ。まだ候補はいるんでしょう? 大丈夫、次にいきなさい」
やはりそれしかないか。ため息ついてしまう。
流雨がメイル学園で私の隣の席に移動してからというもの、流雨にあるお願いをしてみた。メイル学園で流雨に近くにいてはいいけれど、学園では私は大人しいのが普通なので、あまり会話できないと言ったところ、流雨はほとんど無言で私の傍にいるだけという日々を送っていた。ところが、なぜか私がルーウェンの弱みを握っていて、私が口を滑らさないようルーウェンが私を見張っているという噂が立っていた。何もしていなくても、話題になるのがルーウェンなのだ。
メイル学園で平日は毎日会うため、流雨にうちに来るのは止めた方がいいと言ってみた。本音は私が流雨離れをしたいからなのだが、流雨だって学園に昼間は通う以上、後継者のことを学ぶ時間がないはずだから、うちに来ていた時間を使えばいいとも思ったのだ。しかし流雨はそれを渋り、私がかなり説得して、現在はうちに来るのは週に三回になった。
はっきり言って、これでは流雨離れができない。うちに来たら流雨は私を甘やかすし、それはそれで私だって嬉しいし、流雨を好きになるななんて完全に手遅れ状態。将来的に流雨に婚約者なんてできてしまったら、私は泣く自信がある。
早く流雨離れするためには、他に気を割く相手、つまり婚約者を作れればいいと思うのに、そこがうまくいかない。
如月親子との食事会を終え、私たちは店を出た。
「この後はどうされるんですか?」
「色々買い出しをして、王国に帰るわ」
「え!? 当日にとんぼ返りですか!?」
「仕方ないのよ。私も嫌なんだけれど、今はあっちが心配」
互いに悩みは尽きないものだ。
東京の街のビルの大画面では、可愛い女の子が歌っている映像が流れていた。歌は有名な曲である。
「あれ? あの曲って、歌手は女の子でしたっけ? 女の子みたいな男の子が歌っていた気がするんですけど」
私の音痴な歌を耳コピしてディーがよく歌っている歌だ。
「さあ、私は日本の歌手は詳しくないの。……でも、この曲は聞いたことがあるわね。歌手はたぶん女の子よ、男の子じゃなかったと思うわ」
「……私の記憶違いだったのかもしれないです」
やばい、もしかしたら、前世の記憶なのかもしれない。前世と現世は少し違う。みんな同じ人生を歩むわけではない。前世では男の子が歌っていた曲を、現世では女の子が歌っている場合だってありえるのだ。
うっかり麻彩の前で歌ってしまっていないはずだと思い返す。もし歌っていて麻彩が『歌ってみた』で歌ってしまっていた可能性を考えると怖い。世の中に正式発表される前に麻彩が歌ってしまっていた可能性があるのだ。
私の記憶に、前世と現世の記憶が混在しているから、気を付けなければならない。
それから如月親子とは別れ、家に帰宅。麻彩とリビングで話をしていた。
麻彩は、流雨が死んだときはショックを受けていたけれど、現在では帝国で元気だと知っているため、流雨の話題を出しても平気な顔をしていた。それどころか、私が流雨の話をするものだから、少しふてくされていた。
「また、るー君の話! さーちゃんは、いつか私の事なんてどうでもよくなるんだ」
「えぇ? そんなことないよ。まーちゃんは私の大事な可愛い妹なんだから」
「でも、るー君と結婚するんでしょう? そしたら、さーちゃんはこっちに帰ってこなくなるんだ」
「るー君と結婚しないよ!? 婚約者候補の中から選ぶんだよ!? それに、結婚しても、ちゃんと東京にいつものように戻って来るよ。まーちゃんに会いたいもの」
「……ほんと? 私に会いたい?」
「もちろんよ! まーちゃんに会いたいし、いつも抱きしめたいって思ってる」
麻彩を抱き寄せ、抱きしめた。どうしたんだろう、麻彩がいつもより甘えたで、なんだか不安がっている気がする。
「私が大事?」
「まーちゃんがすごく大事よ」
そのまま麻彩を抱きしめていると、ほっとした顔で麻彩が顔を上げた。
「私もさーちゃんが大事! 仕方ないから、るー君との結婚は許してあげる!」
「だから、るー君とは結婚しないってばぁ……」
それからも、麻彩はいつもより甘えただった。兄が帰宅し、リビングのソファーに横たわる私に呆れた顔を向けた。
「なんで麻彩はそんなところで寝てるんだ?」
「なんか、急に私のお腹の音を聞きたいと言い出して、お腹の音を聞いたまま寝ちゃったの」
お腹の音なんて、ただの消化音である。ゴロゴロ鳴るだけだから、面白くはないと思うのに。麻彩は私の腹の上で横を向いたまま寝息を立てている。
「また俺が運ぶのか……」
「お願いします」
それから兄はいったん風呂に向かい、風呂から上がってきて私の傍に座った。私は麻彩の枕になりながらスマホを見ていたのだが、兄に顔を向けた。
「なんだか、まーちゃん、ちょっと不安定になってる?」
「……ああ、ちょっと最近ぐずぐずだな」
「何があったの?」
「流雨のことだよ。今まで仲良くしていた人が急にいなくなって、いつでも会えると思っていた人と突然会えなくなることもあるって気づいたんだ。紗彩が死神業をしているから、なんとなくそういうことは分かってはいたんだろうが、今までは他人事だったからな。急に身近な出来事になったものだから、動揺しているみたいだ」
流雨が死んで三ヶ月ほど経過したけれど、たとえ顔が変わったとしても私はほぼ毎日流雨に会えている。もう二度と流雨を失いたくない気持ちは強いけれど、流雨が死んだという出来事が麻彩より衝撃は緩和できているかもしれない。
「いずれ紗彩とも会えなくなったらどうしようとか、時々夢に見るみたいだ」
「そうなの……」
「あとは、嫌いな藤のことや、血縁上の父のことも、嫌いだけど、生きているうちに、会えるうちに、会ってあげたほうがいいのか、とか葛藤しているみたいだな」
「昨日藤くんと写真のパートナーは絶対嫌って言ってたけれど」
「嫌いは嫌いだからな。感情と気持ちがごちゃまぜになってるんだ」
私は麻彩の頭を撫でた。麻彩は穏やかな顔で寝ている。
「こうしてあげればよかった、と後から後悔しても遅い。人の命には限りがあると、麻彩が今気づけたのはよかったと俺は思う。まあ、もう少しぐずぐずするだろうが、麻彩は俺に任せておけ」
「……ありがとう、お兄様」
そう、人の命には限りがあるのだ。前世は後悔ばかりだった。現世では後悔しない生き方ができるのだろうか。私は自信がなかった。
1
お気に入りに追加
284
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜
束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。
家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。
「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。
皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。
今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。
ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……!
心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました
あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。
どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
破滅ルートを全力で回避したら、攻略対象に溺愛されました
平山和人
恋愛
転生したと気付いた時から、乙女ゲームの世界で破滅ルートを回避するために、攻略対象者との接点を全力で避けていた。
王太子の求婚を全力で辞退し、宰相の息子の売り込みを全力で拒否し、騎士団長の威圧を全力で受け流し、攻略対象に顔さえ見せず、隣国に留学した。
ヒロインと王太子が婚約したと聞いた私はすぐさま帰国し、隠居生活を送ろうと心に決めていた。
しかし、そんな私に転生者だったヒロインが接触してくる。逆ハールートを送るためには私が悪役令嬢である必要があるらしい。
ヒロインはあの手この手で私を陥れようとしてくるが、私はそのたびに回避し続ける。私は無事平穏な生活を送れるのだろうか?
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる