86 / 132
最終章
86 思わぬ出来事1
しおりを挟む
四月の春。 私はメイル学園の最終学年になった。
流雨もメイル学園に通うのを再開すると聞き、私は流雨にあるお願いをした。
「学校で話しかけないで欲しい?」
「うん……ルーウェンと私って、クラスが同じなだけで知り合いではないもの。急に仲良くしたら、おかしいでしょう? るー君には申し訳ないとは思うのだけれど……」
「………………」
流雨は黙り込んでしまった。
「ご、ごめんね、るー君。学校の間だけなの。ルーウェンのことは、みんなが遠巻きにしているし、急に私が『るー君』とか馴れ馴れしく話しかけたら、異様な光景だと思うの!」
「……分かった。紗彩とは知り合いじゃなかったから、仕方ないね」
「あ、ありがとう!」
悲しそうな顔をしていた流雨には心苦しいけれど、承知してくれてほっとした。流雨がこれから帝都でいろんな人と交わるだろうし、リンケルト公爵家の後継者であることもあり、日々が忙しくなっていくだろう。私もその間に、少しずつ流雨離れをしなければならない。
そして、メイル学園に向かう辻馬車の中、私はブレスレットをニコニコと見ていた。そんな私を、ユリウスが呆れた顔で見ている。
「またそのブレスレットを見ているのですか」
「だって嬉しいんだもの! 可愛いしキラキラしているし」
このブレスレットは、一昨日流雨がプレゼントしてくれたのだ。私の誕生日プレゼントである。メイル学園で話しかけないでと言った失礼な私なのに、流雨はその後にもこうやってプレゼントしてくれる。
「可愛いですが……なんだか繋ぎとめる鎖みたいで、僕はちょっと嫌ですね……」
「うん、鎖だよ? ブレスレットって、こういうものだよね?」
「そういう意味ではないのですが……まあ、いいです。姉様好みのブレスレットですね。小さいダイヤとエメラルドが目立ち過ぎず普段使いしてもよさそうです。……まさかそれが狙い?」
「うん? あ、そうかも! るー君、毎日つけてくれると嬉しいって言ってた! ゴテゴテしてなくて、制服の下に付けられるし、綺麗だよねぇ」
「綺麗ですが、どうみても独せ……ンンッ」
「え、ユリウスったら風邪!?」
「違いますよ、口が滑りそうになっただけです……」
ユリウスがため息を付いている。流雨のプレゼントばかり褒めたから、機嫌が悪くなったのだろうか。私はバッグから猫の手鏡を出した。ユリウスから誕生日に貰ったもので、特注してくれたらしくビジューの装飾が可愛いのだ。
「ユリウスがくれたこの猫鏡も可愛いから、私のお気に入りだよ。ありがとうね」
「姉様が鏡がいいと言うので、それにしましたが、本当に鏡で良かったんですか?」
「うん、鏡が欲しかったの。前使っていたのは、持ち手が壊れてしまったから」
鏡は乙女の生活必需品である。絶対に大活躍するだろう。
そうこう話すうち、メイル学園に到着した。ユリウスとは途中で分かれて、私は自分の教室へ向かう。
教室にはまだ流雨は来ていないようだった。私は自分の席に着席し、バッグからノートを出した。授業開始までまだ時間があるから、化粧品の企画でも考えようと思ったのだ。
考えてはノートにペンを走らせ集中していたけれど、急に教室が静かになったので、授業が始まるのだろうかと顔を上げた。しかし授業開始だったわけではなかった。長机と長椅子を私と一緒に使う隣の男子生徒の前に、なぜかルーウェンが立っていた。
え、何、なんで流雨が――、と呆然としていると、流雨が口を開いた。
「今日から俺と席を交換してほしいんだけれど」
「……ひゃい!?」
流雨たるルーウェンに話しかけられた男子生徒は、噛んだのかよく分からない返事をした。
「俺と席を交換。してくれないかな。できれば快く頷いてくれると嬉しいんだけれど」
「も、ももも、もちろん! もちろん、交換します!」
男子生徒は慌てて私物を片付けると、転がるように席を立った。
「どどど、どうぞ!」
「ありがとう」
いつも殺伐としていたルーウェンが、にこっと笑ったため、教室の空気が氷点下まで落ちたように感じた。クラス中の視線がルーウェンを向き、全員真っ青である。整った顔で微笑まれると、人は恐怖を感じてしまうのかもしれない。悪魔の笑みのようにも感じるのだろう。しかも今までのルーウェンから考えると、ルーウェンが注目浴びているときにルーウェンから視線を外すのがバレると、ルーウェンから目を付けられる。今もみなそう思っているのか、誰もルーウェンから目を逸らせない。
流雨は笑みを引っ込め、私を見た。
ちょっと待って。学校で話しかけないということを承諾してくれたよね!? 流雨に話しかけられるのかと身構えたけれど、流雨は私の隣に黙って座るだけだった。
どういうことなんだ。私はどうすればいいんだ。動揺し過ぎて、流雨から少しでも離れようと、そろっと長椅子を流雨のいない方へ横滑りすると、なぜか流雨が同じ距離だけ近づいてくる。
なんで。そろっと顔だけ動かして流雨を見ると、私の視線に気づいた流雨が私を見て口角を上げた。え、それはどういう笑みですか。謎過ぎて、私はまたそろっと前を向いた。
教室中の視線が、まだルーウェンを見ている。そして私も注目されている。その中にはちらほらと、同情の視線が混じっていた。
これはきっと、ルーウェンの次の興味のターゲットが私になったんだと思われている。そこのあなた、私の骨も残らないな、という諦めの顔、止めてくれますか。
何が何だか分からず、その後始まった授業の内容が一切頭に入ってこなかった。
流雨もメイル学園に通うのを再開すると聞き、私は流雨にあるお願いをした。
「学校で話しかけないで欲しい?」
「うん……ルーウェンと私って、クラスが同じなだけで知り合いではないもの。急に仲良くしたら、おかしいでしょう? るー君には申し訳ないとは思うのだけれど……」
「………………」
流雨は黙り込んでしまった。
「ご、ごめんね、るー君。学校の間だけなの。ルーウェンのことは、みんなが遠巻きにしているし、急に私が『るー君』とか馴れ馴れしく話しかけたら、異様な光景だと思うの!」
「……分かった。紗彩とは知り合いじゃなかったから、仕方ないね」
「あ、ありがとう!」
悲しそうな顔をしていた流雨には心苦しいけれど、承知してくれてほっとした。流雨がこれから帝都でいろんな人と交わるだろうし、リンケルト公爵家の後継者であることもあり、日々が忙しくなっていくだろう。私もその間に、少しずつ流雨離れをしなければならない。
そして、メイル学園に向かう辻馬車の中、私はブレスレットをニコニコと見ていた。そんな私を、ユリウスが呆れた顔で見ている。
「またそのブレスレットを見ているのですか」
「だって嬉しいんだもの! 可愛いしキラキラしているし」
このブレスレットは、一昨日流雨がプレゼントしてくれたのだ。私の誕生日プレゼントである。メイル学園で話しかけないでと言った失礼な私なのに、流雨はその後にもこうやってプレゼントしてくれる。
「可愛いですが……なんだか繋ぎとめる鎖みたいで、僕はちょっと嫌ですね……」
「うん、鎖だよ? ブレスレットって、こういうものだよね?」
「そういう意味ではないのですが……まあ、いいです。姉様好みのブレスレットですね。小さいダイヤとエメラルドが目立ち過ぎず普段使いしてもよさそうです。……まさかそれが狙い?」
「うん? あ、そうかも! るー君、毎日つけてくれると嬉しいって言ってた! ゴテゴテしてなくて、制服の下に付けられるし、綺麗だよねぇ」
「綺麗ですが、どうみても独せ……ンンッ」
「え、ユリウスったら風邪!?」
「違いますよ、口が滑りそうになっただけです……」
ユリウスがため息を付いている。流雨のプレゼントばかり褒めたから、機嫌が悪くなったのだろうか。私はバッグから猫の手鏡を出した。ユリウスから誕生日に貰ったもので、特注してくれたらしくビジューの装飾が可愛いのだ。
「ユリウスがくれたこの猫鏡も可愛いから、私のお気に入りだよ。ありがとうね」
「姉様が鏡がいいと言うので、それにしましたが、本当に鏡で良かったんですか?」
「うん、鏡が欲しかったの。前使っていたのは、持ち手が壊れてしまったから」
鏡は乙女の生活必需品である。絶対に大活躍するだろう。
そうこう話すうち、メイル学園に到着した。ユリウスとは途中で分かれて、私は自分の教室へ向かう。
教室にはまだ流雨は来ていないようだった。私は自分の席に着席し、バッグからノートを出した。授業開始までまだ時間があるから、化粧品の企画でも考えようと思ったのだ。
考えてはノートにペンを走らせ集中していたけれど、急に教室が静かになったので、授業が始まるのだろうかと顔を上げた。しかし授業開始だったわけではなかった。長机と長椅子を私と一緒に使う隣の男子生徒の前に、なぜかルーウェンが立っていた。
え、何、なんで流雨が――、と呆然としていると、流雨が口を開いた。
「今日から俺と席を交換してほしいんだけれど」
「……ひゃい!?」
流雨たるルーウェンに話しかけられた男子生徒は、噛んだのかよく分からない返事をした。
「俺と席を交換。してくれないかな。できれば快く頷いてくれると嬉しいんだけれど」
「も、ももも、もちろん! もちろん、交換します!」
男子生徒は慌てて私物を片付けると、転がるように席を立った。
「どどど、どうぞ!」
「ありがとう」
いつも殺伐としていたルーウェンが、にこっと笑ったため、教室の空気が氷点下まで落ちたように感じた。クラス中の視線がルーウェンを向き、全員真っ青である。整った顔で微笑まれると、人は恐怖を感じてしまうのかもしれない。悪魔の笑みのようにも感じるのだろう。しかも今までのルーウェンから考えると、ルーウェンが注目浴びているときにルーウェンから視線を外すのがバレると、ルーウェンから目を付けられる。今もみなそう思っているのか、誰もルーウェンから目を逸らせない。
流雨は笑みを引っ込め、私を見た。
ちょっと待って。学校で話しかけないということを承諾してくれたよね!? 流雨に話しかけられるのかと身構えたけれど、流雨は私の隣に黙って座るだけだった。
どういうことなんだ。私はどうすればいいんだ。動揺し過ぎて、流雨から少しでも離れようと、そろっと長椅子を流雨のいない方へ横滑りすると、なぜか流雨が同じ距離だけ近づいてくる。
なんで。そろっと顔だけ動かして流雨を見ると、私の視線に気づいた流雨が私を見て口角を上げた。え、それはどういう笑みですか。謎過ぎて、私はまたそろっと前を向いた。
教室中の視線が、まだルーウェンを見ている。そして私も注目されている。その中にはちらほらと、同情の視線が混じっていた。
これはきっと、ルーウェンの次の興味のターゲットが私になったんだと思われている。そこのあなた、私の骨も残らないな、という諦めの顔、止めてくれますか。
何が何だか分からず、その後始まった授業の内容が一切頭に入ってこなかった。
0
お気に入りに追加
284
あなたにおすすめの小説
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる