74 / 132
第1章
74 さようなら
しおりを挟む
昨日、ルーウェンの体に入った流雨に会った。会うかもしれないとは思っていたし会うのが怖かった。実際に流雨に会ってしまえば、例えルーウェンの体だとしても流雨に会えたことが嬉しい。しかし魂を回収しなければならない、もう二度と会えなくなることを考えると、辛すぎてすぐに流雨の魂を回収するとは言えなかった。
心を落ち着かせる時間が欲しかった。流雨と別れる覚悟が欲しかった。しかし、そう簡単に覚悟なんてできるはずもない。結局次の日はメイル学園にも行かず、サボってしまった。
そしてラーメン店にやってきた。流雨の魂を回収するために。
しかし流雨は時間になってもやってこなかった。魂を回収しなくてはならないのに、流雨が来ないことに、どこかほっとしている自分がいる。
そしてさらに次の日。その日は週末の休みで、実は東京に帰る予定だったのだが、帰らずにいた。今日ならば、夕方、流雨がラーメン店にやってくるかもしれない。そんな時だった。ユリウスが新聞を手にして、慌てて私の部屋にやってきた。
「姉様! ルーウェン・ウォン・リンケルトが道端で刺されたと新聞に載っています!」
「えっ……!」
それは小さな会社の新聞だった。普段であればこういったリンケルト公爵家の話題は、リンケルト公爵家の力で握りつぶされるはずだ。これは正しい情報なのか、真偽が定かではない。しかし、道端で刺されたという日付が、私と会った日になっていて、これは正しい情報で、流雨に何かがあったから昨日来られなかったのではないかと青くなる。
「リンケルト公爵家へ行ってみましょう」
ユリウスには、一昨日あったことを全て話をしているから、ルーウェンの中身が流雨だと知っているのだ。
「でも……」
「僕も一緒に行きます。姉様は彼が気になるのですよね?」
「……うん」
私とユリウスはリンケルト公爵家へやってきた。私は死神業の姿、ユリウスは変装はしていない。リンケルト公爵家では、さすがに訪問すると告げていなかったため、門番に止められた。
「昨日、ルーウェン様と会う約束をしていた紗彩と言います。ルーウェン様が昨日会いに来られず、傷を負われたと聞いてやってきたのです。アルベルト・ウォン・シラー伯爵令息に聞いていただければ真実だと分かっていただけるはず! どうか、ルーウェン様に会わせていただけませんか?」
普通はこう言っても通してもらえるはずはないのだが、門番が確認をしてくると、私とユリウスはそこを通された。そしてルーウェンの部屋に案内される。ルーウェンの部屋のベッドには、起きて座っているルーウェンがいた。そばにはアルベルトが控えている。
「紗彩」
その一言で、まだ流雨がここにいると確信できた。走って流雨に抱き付く。涙が止まらない。
「良かったぁ! るー君、刺されたって、もう生きてないかと……!」
「ごめん。刺されたんだけれどね、生きてる。まあ、俺は死んでるから生きてると言っていいのか分からないけれど」
「……本当に刺されたの? ルーウェン・ウォン・リンケルトって不死身?」
「そういうわけじゃないんだけどね……うーん、何ていえばいいかな」
流雨はアルベルトと目で何か会話しているようだ。なんだろう、私に言えないような出来事があったのか。それなら、無理やり聞くわけにもいかない、と思ったとき、ふと合点がいった。
「あ! そうか、リンケルト公爵家だから、石の力が効いたのね!」
前世の夫ルドルフから聞いた、石の力。家門によって力の種類が違うとは聞いたけれど、少なくとも再生力や治癒力に関しては、多少の効き方に違いはあれど、建国貴族ならばその力は使えると聞いたことがある。
流雨は驚きと共に、私を見た。
「紗彩、石の力の事、知っていたのか」
「あ! そ、その、そういう話をちらっと聞いたことがあるような……」
私はまた余計なことを言った。これはたまたまルドルフの妻だったから知ったことで、建国貴族に石の力はあれど、力の詳しい話は他家が知らないのが普通なのに。
「そう。まあ、そういうことだよ。だから俺は助かったということ」
「そうなのね……」
「心配かけてごめん。昨日はさすがにまだ起きられなくてね。石の力を使うとは言っても、治癒は制限があるし時間がかかるから」
「いいの。るー君が無事だと分かったから」
流雨は私の涙を拭う。そして流雨は口を開いた。
「紗彩をこれ以上心配させるのは忍びないからね、紗彩には、今から魂を回収してもらおうと思ってる」
ぐっと私の体が揺れた。流雨の表情は、もう決心していた。私はまた涙があふれる。
「だから紗彩、最後に抱きしめさせて。そしたら、魂を回収していいから」
私は頷いて流雨に抱き付いた。ルーウェンの体だから、流雨とは感触が違う。けれど優しい流雨は、流雨のままだ。抱きしめてもらえるのは、これで最後なのだ。互いに顔は見ずに、流雨は抱く力を強くした。
「さよなら、紗彩」
「……っ、さよなら、るー君」
私はぎゅっと目を瞑った。そして流雨を抱きしめたまま、いつものように魂を回収するイメージをしながら手に集中する。
さよなら。ずっとずっと大好きな流雨。
魂を回収し、悲しくて泣きじゃくっていると、声を掛けられた。
「紗彩? 魂は回収しないの?」
「……?」
がばっとルーウェンの体から体を離す。
「……るー君?」
「うん」
「………………あれぇ?」
魂回収したよね? いつも通り、回収するイメージで流雨に触れた。これで回収されないはずないのに。自分の手を見ながら首を傾げる。
「……紗彩、失敗したの?」
「失敗!? 失敗ってあるの!?」
「どうなんだろう。魂回収については、紗彩に分からないことは、俺にもさすがに分からないよ?」
その通り。おかしい、と思いながら、私はもう一度手に集中した。
「も、もう一度いくね?」
「うん」
伸ばした手を流雨に付けた。そして魂を回収するイメージをする。
「どお? 魂回収された?」
「俺に聞く? されてないと思うよ」
おかしい。今度は流雨の頬を包む。
「温かいなー、とかある?」
「……? 紗彩の手の温度は温かいけど?」
「そういうのじゃないの。あれぇ?」
わけが分からない。流雨のいろんなところをぽんぽんと触りながら、魂を回収するイメージをするが、まったく効果がないようで。
「紗彩……そんなにぽんぽんされると、早く俺を死の世界に送りたくて仕方がないように見えて、悲しいんだけど」
「ち、違うよ!? そんなつもりはなかったの!」
ただ、頭の中がハテナだらけになっているだけで!
「そういえば……」
流雨に抱き付いた。流雨ではないルーウェンの香りだと思われる匂いしかしない。
「死人の魂の匂いがしない」
「匂い?」
「いつも死人の魂からする匂い。木を焚いたお香のような香りなんだけれど、この前るー君と会った時も、るー君から死人の匂いはしてた。でも、今はしない。……どうして?」
首を傾げる私に、流雨は困った顔をしていた。
心を落ち着かせる時間が欲しかった。流雨と別れる覚悟が欲しかった。しかし、そう簡単に覚悟なんてできるはずもない。結局次の日はメイル学園にも行かず、サボってしまった。
そしてラーメン店にやってきた。流雨の魂を回収するために。
しかし流雨は時間になってもやってこなかった。魂を回収しなくてはならないのに、流雨が来ないことに、どこかほっとしている自分がいる。
そしてさらに次の日。その日は週末の休みで、実は東京に帰る予定だったのだが、帰らずにいた。今日ならば、夕方、流雨がラーメン店にやってくるかもしれない。そんな時だった。ユリウスが新聞を手にして、慌てて私の部屋にやってきた。
「姉様! ルーウェン・ウォン・リンケルトが道端で刺されたと新聞に載っています!」
「えっ……!」
それは小さな会社の新聞だった。普段であればこういったリンケルト公爵家の話題は、リンケルト公爵家の力で握りつぶされるはずだ。これは正しい情報なのか、真偽が定かではない。しかし、道端で刺されたという日付が、私と会った日になっていて、これは正しい情報で、流雨に何かがあったから昨日来られなかったのではないかと青くなる。
「リンケルト公爵家へ行ってみましょう」
ユリウスには、一昨日あったことを全て話をしているから、ルーウェンの中身が流雨だと知っているのだ。
「でも……」
「僕も一緒に行きます。姉様は彼が気になるのですよね?」
「……うん」
私とユリウスはリンケルト公爵家へやってきた。私は死神業の姿、ユリウスは変装はしていない。リンケルト公爵家では、さすがに訪問すると告げていなかったため、門番に止められた。
「昨日、ルーウェン様と会う約束をしていた紗彩と言います。ルーウェン様が昨日会いに来られず、傷を負われたと聞いてやってきたのです。アルベルト・ウォン・シラー伯爵令息に聞いていただければ真実だと分かっていただけるはず! どうか、ルーウェン様に会わせていただけませんか?」
普通はこう言っても通してもらえるはずはないのだが、門番が確認をしてくると、私とユリウスはそこを通された。そしてルーウェンの部屋に案内される。ルーウェンの部屋のベッドには、起きて座っているルーウェンがいた。そばにはアルベルトが控えている。
「紗彩」
その一言で、まだ流雨がここにいると確信できた。走って流雨に抱き付く。涙が止まらない。
「良かったぁ! るー君、刺されたって、もう生きてないかと……!」
「ごめん。刺されたんだけれどね、生きてる。まあ、俺は死んでるから生きてると言っていいのか分からないけれど」
「……本当に刺されたの? ルーウェン・ウォン・リンケルトって不死身?」
「そういうわけじゃないんだけどね……うーん、何ていえばいいかな」
流雨はアルベルトと目で何か会話しているようだ。なんだろう、私に言えないような出来事があったのか。それなら、無理やり聞くわけにもいかない、と思ったとき、ふと合点がいった。
「あ! そうか、リンケルト公爵家だから、石の力が効いたのね!」
前世の夫ルドルフから聞いた、石の力。家門によって力の種類が違うとは聞いたけれど、少なくとも再生力や治癒力に関しては、多少の効き方に違いはあれど、建国貴族ならばその力は使えると聞いたことがある。
流雨は驚きと共に、私を見た。
「紗彩、石の力の事、知っていたのか」
「あ! そ、その、そういう話をちらっと聞いたことがあるような……」
私はまた余計なことを言った。これはたまたまルドルフの妻だったから知ったことで、建国貴族に石の力はあれど、力の詳しい話は他家が知らないのが普通なのに。
「そう。まあ、そういうことだよ。だから俺は助かったということ」
「そうなのね……」
「心配かけてごめん。昨日はさすがにまだ起きられなくてね。石の力を使うとは言っても、治癒は制限があるし時間がかかるから」
「いいの。るー君が無事だと分かったから」
流雨は私の涙を拭う。そして流雨は口を開いた。
「紗彩をこれ以上心配させるのは忍びないからね、紗彩には、今から魂を回収してもらおうと思ってる」
ぐっと私の体が揺れた。流雨の表情は、もう決心していた。私はまた涙があふれる。
「だから紗彩、最後に抱きしめさせて。そしたら、魂を回収していいから」
私は頷いて流雨に抱き付いた。ルーウェンの体だから、流雨とは感触が違う。けれど優しい流雨は、流雨のままだ。抱きしめてもらえるのは、これで最後なのだ。互いに顔は見ずに、流雨は抱く力を強くした。
「さよなら、紗彩」
「……っ、さよなら、るー君」
私はぎゅっと目を瞑った。そして流雨を抱きしめたまま、いつものように魂を回収するイメージをしながら手に集中する。
さよなら。ずっとずっと大好きな流雨。
魂を回収し、悲しくて泣きじゃくっていると、声を掛けられた。
「紗彩? 魂は回収しないの?」
「……?」
がばっとルーウェンの体から体を離す。
「……るー君?」
「うん」
「………………あれぇ?」
魂回収したよね? いつも通り、回収するイメージで流雨に触れた。これで回収されないはずないのに。自分の手を見ながら首を傾げる。
「……紗彩、失敗したの?」
「失敗!? 失敗ってあるの!?」
「どうなんだろう。魂回収については、紗彩に分からないことは、俺にもさすがに分からないよ?」
その通り。おかしい、と思いながら、私はもう一度手に集中した。
「も、もう一度いくね?」
「うん」
伸ばした手を流雨に付けた。そして魂を回収するイメージをする。
「どお? 魂回収された?」
「俺に聞く? されてないと思うよ」
おかしい。今度は流雨の頬を包む。
「温かいなー、とかある?」
「……? 紗彩の手の温度は温かいけど?」
「そういうのじゃないの。あれぇ?」
わけが分からない。流雨のいろんなところをぽんぽんと触りながら、魂を回収するイメージをするが、まったく効果がないようで。
「紗彩……そんなにぽんぽんされると、早く俺を死の世界に送りたくて仕方がないように見えて、悲しいんだけど」
「ち、違うよ!? そんなつもりはなかったの!」
ただ、頭の中がハテナだらけになっているだけで!
「そういえば……」
流雨に抱き付いた。流雨ではないルーウェンの香りだと思われる匂いしかしない。
「死人の魂の匂いがしない」
「匂い?」
「いつも死人の魂からする匂い。木を焚いたお香のような香りなんだけれど、この前るー君と会った時も、るー君から死人の匂いはしてた。でも、今はしない。……どうして?」
首を傾げる私に、流雨は困った顔をしていた。
0
お気に入りに追加
284
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜
束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。
家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。
「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。
皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。
今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。
ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……!
心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。
猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました
あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。
どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
破滅ルートを全力で回避したら、攻略対象に溺愛されました
平山和人
恋愛
転生したと気付いた時から、乙女ゲームの世界で破滅ルートを回避するために、攻略対象者との接点を全力で避けていた。
王太子の求婚を全力で辞退し、宰相の息子の売り込みを全力で拒否し、騎士団長の威圧を全力で受け流し、攻略対象に顔さえ見せず、隣国に留学した。
ヒロインと王太子が婚約したと聞いた私はすぐさま帰国し、隠居生活を送ろうと心に決めていた。
しかし、そんな私に転生者だったヒロインが接触してくる。逆ハールートを送るためには私が悪役令嬢である必要があるらしい。
ヒロインはあの手この手で私を陥れようとしてくるが、私はそのたびに回避し続ける。私は無事平穏な生活を送れるのだろうか?
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる