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第1章
66 バレンタイン1
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バレンタインの東京。
この日は木曜日で、普段であれば金曜に帝都から帰って来ることが多いのだが、今回は帰って来るのを最初から一日早くしている。
目的は、もちろんバレンタインだからである。兄と麻彩と父と流雨に、義理用だけれどバレンタインをあげたいのだ。ちなみに、帝都にはバレンタインがないのだが、帝都に帰る前にユリウスのバレンタインのお菓子は用意しようと思っている。
東京に昼前に帰ってきたので、兄の会社の社食で大量な食事で腹ごしらえだけして、さっそく家のキッチンに立った。私は料理をすることは好きだが、お菓子作りも好きなのである。
今日のお菓子作りのメニューは、ニューヨークチーズケーキだ。チーズケーキは麻彩が大好きであるし、あげたい人はみんな好きなのは知っている。
一人あたり二人分くらいの円の形で作る予定である。ニューヨークチーズケーキは以前に作ったことがあるし、一条家本家のシェフからレシピも貰っている。
音痴な鼻歌を歌いながら、ニューヨークチーズケーキを五つ作った。そのうちの一つは自分用なので、紅茶と一緒にさっそく味見をする。
「うんー! 美味しい! さすがシェフのレシピ!」
コーヒーにも合うかも! と思いながら、ニューヨークチーズケーキはペロリと全て食べてしまった。お昼ご飯が少なかったのかもしれない。なぜかお腹が空いていた。
それから、残りの四つを全て黒の箱に入れ、プレゼント用に金のリボンをしてみる。「うん、高級感あるかも!」と呟きながら、兄と麻彩の分は冷蔵庫に入れた。そして父と流雨の分を黒の紙袋に入れる。実は夜は父と兄と麻彩と四人で食事会の予定なのだ。だから、流雨には会社にチーズケーキは届ける予定だ。
それから着替えて、チーズケーキを二つ持ち、夕方少し前に家を出た。地下鉄で流雨の会社に向かう。時計を見ながら、少し早めに流雨の会社に着きそうだと思っていると、同じ地下鉄に乗った女性二人の会話が聞こえてきた。
「……馬鹿ね、今時、バレンタインの義理なら手作りは重いわよ」
「やっぱりそうですか? 作っている時に、ちょっと思ったんですが作り始めちゃったんで、いいかと思って持ってきちゃったんですけど……。どうしよう、途中でお店に寄っていいですか?」
「いいわよ、まだ時間はあるし」
「ちゃんと義理って分かってもらえるものって、何がいいですかね?」
「茶色い物で量産品って分かるものがいいんじゃないの。義理って分かりやすいでしょ」
女性二人はそこで地下鉄を降りて行ったが、私は青くなっていた。
まさか今は手作りが重くて敬遠されるものだとは知らなかった。完全に私のリサーチ不足である。しかも作ったものは、若干薄茶の部分はあっても茶色くはない。大部分はクリーム色である。父なら娘が作ったものなので、バレンタインの今時なんて気にせず貰ってくれるだろうが、流雨は手作りを重いと思うだろうか。流雨なら喜んで貰ってくれると思うが、重いと思われるのは怖かった。
地下鉄を降り、流雨の会社の近くの出口から外に出る。それから近くにお店がないか探すが、このあたりはオフィス街なため、コンビニや薬局やカフェくらいしかお店がない。仕方ないので、コンビニに立ち寄る。そして、商品を一つずつ見ていく。
「量産品……茶色いもの……」
ぶつぶつ言いながら、茶色いものを発見する。
「こういうのしか、ないのかな……」
なんだか泣きそうになりながらも、仕方なくそれを購入する。それから流雨の会社に歩いて向かうものの、足取りは重い。もっと早く今時のバレンタイン事情を知っていれば、ちゃんとしたものを準備したのにと思う。
流雨の会社のビルの傍を歩いていると、ビルの入り口の前に流雨がいた。流雨の会社の部下である千葉と、もう一人流雨の会社で見たことのある男性を連れている。そして、流雨は女性に話しかけられているようだった。流雨に近寄っていくと、会話が聞こえる。
「うちはこういうのは禁止してるので、申し訳ないけれど受け取れません」
「取引先のお相手だからって、義理でお持ちしたわけではないんです! 本気で長谷川さんを思って……」
「だったら、余計に受け取れません」
どうやら流雨と部下二人は、外から会社に帰ってきたところを止められたようである。女性は社外の人のようなので、出待ちか入り待ちをしていたようだ。会社でもそういうことされるんだ、と思いつつも、流雨に話しかけようかどうしようかと迷っていた時、千葉が私に気づいて、それを流雨に伝えたようだ。流雨が私に向く。
「紗彩、来てくれたの」
流雨が私を見て笑顔を向ける。だから私は流雨までの距離を近づけつつ、頷いた。
「うん、ちょっとだけ、るー君に渡したいものがあって」
そう言いつつも、すでに帰りたいと思っていた。コンビニで急ごしらえで入手したものを、バレンタインとして渡したくない気分になっていたのである。
「バレンタインのお菓子?」
やはりそう思うよね、と思うが、私は否を唱える。流雨は目の前にいるのに、なんだか目が見れない。
「……お菓子じゃないの」
「そうなの? 袋はお菓子っぽく見えるけど」
「こ、これは! パパにあげるやつなの!」
「そうなんだ?」
首を傾げる流雨に、あげたくはないが、しぶしぶコンビニで買った袋を渡す。流雨は袋の中を見る。
「えっと……ビーフジャーキーと鮭とば?」
「茶色いものだから! るー君、お酒好きでしょ!」
恥ずかしい! どうしてよりによってこれを選んだんだと後悔するが、すでに遅し。流雨に何かを渡そうとしていた女性も、バカにしたように笑っている。もういやだ。
「茶色いものだから? …………はははっ」
「どうして笑うのぉ!」
「いや、ごめっっ……茶色いものって、他にもあっただろうに、このチョイスが!」
なぜか爆笑する流雨を見ていると、ちょっと落ち着いてきた。恥ずかしいのは変わらないが、ウケを狙ったと思えばいいんだと思えてきた。
「ははは、あーおっかしい。でも、ありがとう。酒のつまみにするよ」
「……うん」
まあいいか、流雨は楽しそうに笑っただけで、貰ったものがビーフジャーキーと鮭とばだったことは問題ではなさそうだ。
「でも、どうしてこのチョイスにしたの?」
流雨はまだ楽しそうである。
「だって、手作りは良くないって……茶色いもので量産品がいいって聞いたから」
「誰に?」
「地下鉄に乗ってた、お姉さん」
「……なるほど。じゃあ、本当は手作りしたんだね?」
「し、してないよ!?」
なぜバレた?
「後ろにある紙袋は?」
「これは、パパにあげるやつって、さっき……」
「袋は二つあるみたいだけど?」
流雨は目ざとい。これ以上、誤魔化してもバレていそうである。私はもう観念することにした。流雨に紙袋を一つ渡す。
「ニューヨークチーズケーキなの……。でも茶色くないし、量産品じゃない。手作りしちゃったから」
「紗彩が手作りしてくれたなんて、俺は嬉しいけど」
「……ほ、本当? 嫌じゃない? 茶色くないよ?」
「別に茶色に拘らなくてもいいと思う。チーズケーキ好きだし、ありがとう」
嬉しそうな流雨に、なんだ、手作りで問題なかったとほっとする。即、気分が浮上する私の手を流雨が握った。
「会社に入ろうか」
「うん」
流雨と千葉たち部下二人と共に、流雨の会社に入ろうとしたところ、待ったをかけられた。さっき流雨に話しかけていた女性である。
「バレンタインは受け取らないと先ほど言いませんでした!?」
「ええ、受け取りませんよ。紗彩の以外」
唖然とする女性を置いて、私たちは流雨の会社に入っていった。
この日は木曜日で、普段であれば金曜に帝都から帰って来ることが多いのだが、今回は帰って来るのを最初から一日早くしている。
目的は、もちろんバレンタインだからである。兄と麻彩と父と流雨に、義理用だけれどバレンタインをあげたいのだ。ちなみに、帝都にはバレンタインがないのだが、帝都に帰る前にユリウスのバレンタインのお菓子は用意しようと思っている。
東京に昼前に帰ってきたので、兄の会社の社食で大量な食事で腹ごしらえだけして、さっそく家のキッチンに立った。私は料理をすることは好きだが、お菓子作りも好きなのである。
今日のお菓子作りのメニューは、ニューヨークチーズケーキだ。チーズケーキは麻彩が大好きであるし、あげたい人はみんな好きなのは知っている。
一人あたり二人分くらいの円の形で作る予定である。ニューヨークチーズケーキは以前に作ったことがあるし、一条家本家のシェフからレシピも貰っている。
音痴な鼻歌を歌いながら、ニューヨークチーズケーキを五つ作った。そのうちの一つは自分用なので、紅茶と一緒にさっそく味見をする。
「うんー! 美味しい! さすがシェフのレシピ!」
コーヒーにも合うかも! と思いながら、ニューヨークチーズケーキはペロリと全て食べてしまった。お昼ご飯が少なかったのかもしれない。なぜかお腹が空いていた。
それから、残りの四つを全て黒の箱に入れ、プレゼント用に金のリボンをしてみる。「うん、高級感あるかも!」と呟きながら、兄と麻彩の分は冷蔵庫に入れた。そして父と流雨の分を黒の紙袋に入れる。実は夜は父と兄と麻彩と四人で食事会の予定なのだ。だから、流雨には会社にチーズケーキは届ける予定だ。
それから着替えて、チーズケーキを二つ持ち、夕方少し前に家を出た。地下鉄で流雨の会社に向かう。時計を見ながら、少し早めに流雨の会社に着きそうだと思っていると、同じ地下鉄に乗った女性二人の会話が聞こえてきた。
「……馬鹿ね、今時、バレンタインの義理なら手作りは重いわよ」
「やっぱりそうですか? 作っている時に、ちょっと思ったんですが作り始めちゃったんで、いいかと思って持ってきちゃったんですけど……。どうしよう、途中でお店に寄っていいですか?」
「いいわよ、まだ時間はあるし」
「ちゃんと義理って分かってもらえるものって、何がいいですかね?」
「茶色い物で量産品って分かるものがいいんじゃないの。義理って分かりやすいでしょ」
女性二人はそこで地下鉄を降りて行ったが、私は青くなっていた。
まさか今は手作りが重くて敬遠されるものだとは知らなかった。完全に私のリサーチ不足である。しかも作ったものは、若干薄茶の部分はあっても茶色くはない。大部分はクリーム色である。父なら娘が作ったものなので、バレンタインの今時なんて気にせず貰ってくれるだろうが、流雨は手作りを重いと思うだろうか。流雨なら喜んで貰ってくれると思うが、重いと思われるのは怖かった。
地下鉄を降り、流雨の会社の近くの出口から外に出る。それから近くにお店がないか探すが、このあたりはオフィス街なため、コンビニや薬局やカフェくらいしかお店がない。仕方ないので、コンビニに立ち寄る。そして、商品を一つずつ見ていく。
「量産品……茶色いもの……」
ぶつぶつ言いながら、茶色いものを発見する。
「こういうのしか、ないのかな……」
なんだか泣きそうになりながらも、仕方なくそれを購入する。それから流雨の会社に歩いて向かうものの、足取りは重い。もっと早く今時のバレンタイン事情を知っていれば、ちゃんとしたものを準備したのにと思う。
流雨の会社のビルの傍を歩いていると、ビルの入り口の前に流雨がいた。流雨の会社の部下である千葉と、もう一人流雨の会社で見たことのある男性を連れている。そして、流雨は女性に話しかけられているようだった。流雨に近寄っていくと、会話が聞こえる。
「うちはこういうのは禁止してるので、申し訳ないけれど受け取れません」
「取引先のお相手だからって、義理でお持ちしたわけではないんです! 本気で長谷川さんを思って……」
「だったら、余計に受け取れません」
どうやら流雨と部下二人は、外から会社に帰ってきたところを止められたようである。女性は社外の人のようなので、出待ちか入り待ちをしていたようだ。会社でもそういうことされるんだ、と思いつつも、流雨に話しかけようかどうしようかと迷っていた時、千葉が私に気づいて、それを流雨に伝えたようだ。流雨が私に向く。
「紗彩、来てくれたの」
流雨が私を見て笑顔を向ける。だから私は流雨までの距離を近づけつつ、頷いた。
「うん、ちょっとだけ、るー君に渡したいものがあって」
そう言いつつも、すでに帰りたいと思っていた。コンビニで急ごしらえで入手したものを、バレンタインとして渡したくない気分になっていたのである。
「バレンタインのお菓子?」
やはりそう思うよね、と思うが、私は否を唱える。流雨は目の前にいるのに、なんだか目が見れない。
「……お菓子じゃないの」
「そうなの? 袋はお菓子っぽく見えるけど」
「こ、これは! パパにあげるやつなの!」
「そうなんだ?」
首を傾げる流雨に、あげたくはないが、しぶしぶコンビニで買った袋を渡す。流雨は袋の中を見る。
「えっと……ビーフジャーキーと鮭とば?」
「茶色いものだから! るー君、お酒好きでしょ!」
恥ずかしい! どうしてよりによってこれを選んだんだと後悔するが、すでに遅し。流雨に何かを渡そうとしていた女性も、バカにしたように笑っている。もういやだ。
「茶色いものだから? …………はははっ」
「どうして笑うのぉ!」
「いや、ごめっっ……茶色いものって、他にもあっただろうに、このチョイスが!」
なぜか爆笑する流雨を見ていると、ちょっと落ち着いてきた。恥ずかしいのは変わらないが、ウケを狙ったと思えばいいんだと思えてきた。
「ははは、あーおっかしい。でも、ありがとう。酒のつまみにするよ」
「……うん」
まあいいか、流雨は楽しそうに笑っただけで、貰ったものがビーフジャーキーと鮭とばだったことは問題ではなさそうだ。
「でも、どうしてこのチョイスにしたの?」
流雨はまだ楽しそうである。
「だって、手作りは良くないって……茶色いもので量産品がいいって聞いたから」
「誰に?」
「地下鉄に乗ってた、お姉さん」
「……なるほど。じゃあ、本当は手作りしたんだね?」
「し、してないよ!?」
なぜバレた?
「後ろにある紙袋は?」
「これは、パパにあげるやつって、さっき……」
「袋は二つあるみたいだけど?」
流雨は目ざとい。これ以上、誤魔化してもバレていそうである。私はもう観念することにした。流雨に紙袋を一つ渡す。
「ニューヨークチーズケーキなの……。でも茶色くないし、量産品じゃない。手作りしちゃったから」
「紗彩が手作りしてくれたなんて、俺は嬉しいけど」
「……ほ、本当? 嫌じゃない? 茶色くないよ?」
「別に茶色に拘らなくてもいいと思う。チーズケーキ好きだし、ありがとう」
嬉しそうな流雨に、なんだ、手作りで問題なかったとほっとする。即、気分が浮上する私の手を流雨が握った。
「会社に入ろうか」
「うん」
流雨と千葉たち部下二人と共に、流雨の会社に入ろうとしたところ、待ったをかけられた。さっき流雨に話しかけていた女性である。
「バレンタインは受け取らないと先ほど言いませんでした!?」
「ええ、受け取りませんよ。紗彩の以外」
唖然とする女性を置いて、私たちは流雨の会社に入っていった。
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