50 / 55
第一章
50 カインサイド
しおりを挟む
ペガサス様が国の保護を受けてくれるのであれば後日、国の上層部だけを集めてペガサス様に挨拶がしたい。
そう国王に言われ謁見の間を後にした。
カインはこの国が賢王と呼ばれる人物でよかったと安堵した。
最悪、ルルの力に目がくらみ利用しようと言う話が出た場合は忠誠を誓った相手であってもルルを守る為、この国を出ようと思っていたのだ。
「カイン。お前もこれから大変だと思うけど俺が出来る事は何でもするから言ってくれよ」
「あぁ。ありがとう」
そう言って2人の間には沈黙が流れた。
レオンと別れ、自分の部屋に向かっているとドアの前にはジークがいた。
「なんだ。お前、総司令官に報告は終わったのか」
「だいたいは。と言うよりルルの話がデカすぎてあまり報告することもなかったな」
とジークはフッと笑った。
「まあ、中に入れよ。たまには一杯どうだ」
「お前から誘うなんて初めてだな」
「お前も協力者の1人だからな。話し合ってて損はないだろう」
「あぁ、そうだな」
そこから2人は明け方まで話をしたのだった。
次の日は国王からも1日休めと言われていた為、久々に騎士服ではなく普段着を着た。
ルルは今、何をしているだろう。
また水浴び中に行ったらもう言い訳も出来んな。
等と思いながらルルの元に行く前にクパの実と甘いお菓子を気に入っていたのでそれらを買いに街へ降りた。
ルルには念話でもう少ししたら行く旨を伝えてある。
ルルもまた神獣達と遊んでる事を伝えて来た為、フッと笑みがこぼれた。
それを小さい子が見ていて目が合った。
「お兄さんなんで1人で笑ってるの?」
子供は素直に疑問を口にする生き物だ。
恥ずかしくなり「あぁ~と…」と言ったっきり目を彷徨わせた。
すると子供が手にしている絵本が目に入った。
タイトルは[伝説のペガサス様]。
「ペガサス様は好きか?」
何とか話を逸らそうと瞬時に質問返しをした。
「うん!大好き!優しいし強いし僕達が今こうして元気でいられるのもペガサス様のお陰なんだよ!!」
と絵本を掲げピョンピョン跳ねた。
「そうだな」
と返した所で母親らしき人物が呼んでいた。
その子供に手を振り立ち上がる。
「僕達が今こうして元気でいられるのもペガサス様のお陰…か」
なんだか少しルルが遠いような存在に思えて来た。
実際、本当に自分が契約者でよかったんだろうかと。
ルルは俺に懐いてくれているけど自分よりも相応しい契約者が他にいたんじゃないかと。
少し俯いて手に持ったクパの実とお菓子が目についた。
ニコニコ笑って美味しそうに食べるルルが頭によぎり、俺らしくもないと前を向いた。
早くルルに会いたい。
そう思い、神の森へ足を向けたのだった。
そう国王に言われ謁見の間を後にした。
カインはこの国が賢王と呼ばれる人物でよかったと安堵した。
最悪、ルルの力に目がくらみ利用しようと言う話が出た場合は忠誠を誓った相手であってもルルを守る為、この国を出ようと思っていたのだ。
「カイン。お前もこれから大変だと思うけど俺が出来る事は何でもするから言ってくれよ」
「あぁ。ありがとう」
そう言って2人の間には沈黙が流れた。
レオンと別れ、自分の部屋に向かっているとドアの前にはジークがいた。
「なんだ。お前、総司令官に報告は終わったのか」
「だいたいは。と言うよりルルの話がデカすぎてあまり報告することもなかったな」
とジークはフッと笑った。
「まあ、中に入れよ。たまには一杯どうだ」
「お前から誘うなんて初めてだな」
「お前も協力者の1人だからな。話し合ってて損はないだろう」
「あぁ、そうだな」
そこから2人は明け方まで話をしたのだった。
次の日は国王からも1日休めと言われていた為、久々に騎士服ではなく普段着を着た。
ルルは今、何をしているだろう。
また水浴び中に行ったらもう言い訳も出来んな。
等と思いながらルルの元に行く前にクパの実と甘いお菓子を気に入っていたのでそれらを買いに街へ降りた。
ルルには念話でもう少ししたら行く旨を伝えてある。
ルルもまた神獣達と遊んでる事を伝えて来た為、フッと笑みがこぼれた。
それを小さい子が見ていて目が合った。
「お兄さんなんで1人で笑ってるの?」
子供は素直に疑問を口にする生き物だ。
恥ずかしくなり「あぁ~と…」と言ったっきり目を彷徨わせた。
すると子供が手にしている絵本が目に入った。
タイトルは[伝説のペガサス様]。
「ペガサス様は好きか?」
何とか話を逸らそうと瞬時に質問返しをした。
「うん!大好き!優しいし強いし僕達が今こうして元気でいられるのもペガサス様のお陰なんだよ!!」
と絵本を掲げピョンピョン跳ねた。
「そうだな」
と返した所で母親らしき人物が呼んでいた。
その子供に手を振り立ち上がる。
「僕達が今こうして元気でいられるのもペガサス様のお陰…か」
なんだか少しルルが遠いような存在に思えて来た。
実際、本当に自分が契約者でよかったんだろうかと。
ルルは俺に懐いてくれているけど自分よりも相応しい契約者が他にいたんじゃないかと。
少し俯いて手に持ったクパの実とお菓子が目についた。
ニコニコ笑って美味しそうに食べるルルが頭によぎり、俺らしくもないと前を向いた。
早くルルに会いたい。
そう思い、神の森へ足を向けたのだった。
0
お気に入りに追加
250
あなたにおすすめの小説
やり直せるなら、貴方達とは関わらない。
いろまにもめと
BL
俺はレオベルト・エンフィア。
エンフィア侯爵家の長男であり、前世持ちだ。
俺は幼馴染のアラン・メロヴィングに惚れ込み、恋人でもないのにアランは俺の嫁だと言ってまわるというはずかしい事をし、最終的にアランと恋に落ちた王太子によって、アランに付きまとっていた俺は処刑された。
処刑の直前、俺は前世を思い出した。日本という国の一般サラリーマンだった頃を。そして、ここは前世有名だったBLゲームの世界と一致する事を。
こんな時に思い出しても遅せぇわ!と思い、どうかもう一度やり直せたら、貴族なんだから可愛い嫁さんと裕福にのんびり暮らしたい…!
そう思った俺の願いは届いたのだ。
5歳の時の俺に戻ってきた…!
今度は絶対関わらない!
気にしないで。邪魔はしないから
村人F
BL
健気な可愛い男の子のお話
,
,
,
,
王道学園であんなことやこんなことが!?
王道転校生がみんなから愛される物語〈ストーリー〉
まぁ僕には関係ないんだけどね。
嫌われて
いじめられて
必要ない存在な僕
会長
すきです。
ごめんなさい
好きでいるだけだから
許してください
お願いします。
アルファポリスで書くのめっちゃ緊張します!!!(え)
うぉぉぉぉぉ!!(このようにテンションくそ高作者が送るシリアスストーリー💞)
【BL】水属性しか持たない俺を手放した王国のその後。
梅花
BL
水属性しか持たない俺が砂漠の異世界にトリップしたら、王子に溺愛されたけれどそれは水属性だからですか?のスピンオフ。
読む際はそちらから先にどうぞ!
水の都でテトが居なくなった後の話。
使い勝手の良かった王子という認識しかなかった第4王子のザマァ。
本編が執筆中のため、進み具合を合わせてのゆっくり発行になります。
子悪党令息の息子として生まれました
菟圃(うさぎはたけ)
BL
悪役に好かれていますがどうやって逃げられますか!?
ネヴィレントとラグザンドの間に生まれたホロとイディのお話。
「お父様とお母様本当に仲がいいね」
「良すぎて目の毒だ」
ーーーーーーーーーーー
「僕達の子ども達本当に可愛い!!」
「ゆっくりと見守って上げよう」
偶にネヴィレントとラグザンドも出てきます。
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
気づいたら周りの皆が僕を溺愛していた。
しののめ
BL
クーレル侯爵家に末っ子として生まれたノエルがなんだかんだあって、兄達や学園の友達etc…に溺愛される???
家庭環境複雑でハチャメチャな毎日に奮闘するノエル・クーレルの物語です。
若干のR表現の際には※をつけさせて頂きます。
現在文章の大工事中です。複数表現を改める、大きくシーンの描写を改める箇所があると思います。当時は時間が取れず以降の投稿が出来ませんでしたが、改稿が終わり次第、完結までの展開を書き始める可能性があります。長い目で見ていただけると幸いです。
2024/11/12
(第1章の改稿が完了しました。2024/11/17)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる