僕は伝説の神獣らしい

マグロ

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第一章

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帰還の日。

まだみなが起きる前の薄暗い空の中、ルルはカイン達がいる場を後にした。

本当はカイン達と一緒に帰りたかったがカインがどうしてもルルを多くの人目に付かせたくないと悲しい顔で言うもんだからルルが折れた。

カインの悲しい顔を見たいわけでもないしルル自体、目立つのは本意ではない。

またカインが帰って来たら、あの森に来てくれる約束をしたし念話も出来る為、特に渋ったりはしなかった。

そしてルルが必要になったら必ず呼ぶ約束を再度してからお見送りをすると言って一緒にテントから出たカインにギュッとしてもらい、飛び立ったのだった。

ルルが森へ帰るとバルカとガイルが分かっていたかのようにルルが降りようとしていた場所に立っていた。

「バルカ、ガイル。ただいま!」

ニコニコしながら2匹の首に抱き着いた。
バルカとガイルは嫌がる素振りも見せずに、おかえり。と返してくれた。

「ルル、今回の件に関して人間共にルルの存在は確実にバレた。ルルには決して人間に会うなと言ってはいたが契約者が出来た以上、覚悟はしていた。だからお前の思うように行動しなさい」

「我らはいつでもどこでもルルの味方だ。何が起きようと必ず力になろう」

バルカとガイルが静かに言った。

「うん。ありがとう。僕は人間さんとも仲良くなりたいと思ってる。カインもいるし、何よりバルカとガイルもいる。僕、頑張ってみるね。大好き」

そう言って再びギュウと抱きつき2匹のモフモフの毛に顔を埋めた。

朝が早かったからだろうかルルはモフモフの気持ちよさに眠気が出て来た。
バルカとガイルが伏せの状態でルルを両側から包み込み、ルルにおやすみと声をかけ、しっぽでルルのお腹と胸元をトントンとした。

ルルが眠りに着いた為、バルカとガイルも一緒に眠りに着いたのだった。

早くカインが帰って来ますように。

そう寝言を言うルルに2匹は顔を見合わせて目を細めた。



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