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番外編
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合成するらしく周りは全部グリーンの背景だった。
「じゃー、まず夜景をバックに待ち合わせしてる所から。桜李ちゃんは真君の頬に人差し指を当てて、待った?て言うような悪戯っぽい表情で真君を見てくれる?」
「はい!」
と言われたが素人の僕。
どうしていいか分からなくて言われたようにやってみたがこれでいいのかな?
少し不安が残りながらもやってみるとパシャパシャと何枚か撮られる。
すると真君が少し目を見開き、僕に向き直りギューッと抱き締めて来た。
周りからは、キャアッ!と声が上がって声のした方を見ると女性スタッフが頬を染めながら両手を握りしめてこちらを見ていた。
「いいよーいいよー!!君達の好きなように動いてね!!本当に恋人みたいだねぇ」
とカメラマンさんが僕達の周りを動き、写真を撮りながら声を掛けて来る。
「桜李君、上目遣いはダメ。グッと来て思わず抱き締めてしまったよ」
真君が耳元でそう言って来たが、背が高い真君を見るにはどうしても見上げてしまう。
それから、やっと離してもらって、じゃー、次!とカメラマンさんが言うのであれでよかったんだ。と少しホッとした。
手を繋いでいる所や真君に後ろから抱きしめられながら頭にキスをされている所、手の甲にキスをされている所や僕の腰を抱いて歩いている2人の後ろ姿等など…。
僕も挨拶などで両頬にチュッチュッとキスをするのでキスには抵抗ないが何せ僕は今、女性役!!
女性のように優しく扱ってくれる真君に恥ずかしい気持ちになる。
もうちょっと雑でいいよ。と言っても、写真の中じゃ桜李は女の子だから丁寧に扱いたい。と言われボボボッと僕の顔に熱が集まった。
こりゃ、真君が人気ある訳だ。と思った瞬間だった。
撮影は順調に進み、最後に花火をバックにキスしている2人のシルエットを撮るシーンになった。
カメラマンさんはシルエットだからキスしてるように見える距離まで近付いてくれたらいいよ。と言ったので、最後のキスシーンを聞いて心臓バクバクだった僕は少しホッとした。
だって本当にキスするの男同士とはいえ、恥ずかしいじゃん!
最後の撮影は後ろから花火を合成するのでシルエットだけを撮るため、上の方から強い光を当てるらしい。
強い光を当てられたらお互い顔を近付けてしばらくそのままでオッケーが出たら、本日の撮影は終了なんだって。
「じゃ、本番行くよー。光ちょうだい」
カメラマンさんがそう言うと眩しいくらいの光が当てられた。
僕は真君より低いので上を向く形になっている為、眩しすぎて目が開けられない。
すると顎に手を添えられ、真君の顔が近付く気配がした。
最後の撮影が始まる時、唇に柔らかい感触がした。
え……?
当たってない?
真君の唇が当たってない!?
眩しくて目は開けられないがこれは完全に当たっている!!
え、どうして?なんで?と思っていると、オッケーの声が聞こえ真君が離れた。
離れる間際に、ご馳走さま。と言われて…。
周りを見るとシルエットと光の眩しさでみんな本当にキスしていた事に気付いていない。
恥ずかしすぎる!!と思い、真君を見ると、してやったりな顔で笑ってこっちを見ていた。
また赤くなった頬に手を添え、目をそらした。
「桜李ちゃん!!素晴らしい写真が撮れたよ!!今日はありがとうね」
と、カメラマンさんに話掛けられた。
「こちらこそありがとうございました」
「絶対にこれはバカ売れだ!!ハッハッハッ」
とカメラマンさんは言いながらまた自分の持ち場に帰って行った。
「桜李さん本当に素晴らしかったです。何回も見惚れてしまいました」
次は最初に話し掛けてくれたスタッフさんがそう言いながら近付いて来た。
「いえいえ、全て真君のお陰です」
「桜李さんは謙虚ですね」
クスクス笑いながら言われ、そうですか?なんて言っているとポンッと肩に手を置かれた。
振り向くと大槻さんが立っていた。
「桜李君、お疲れ様。撮影大変だったでしょ」
「お疲れ様です!緊張しましたけどみなさんと真君のおかげで楽しく撮影出来ました」
「そっか。今日は本当にありがとうね。送るからまた朝いた部屋に戻っといてもらえるかな?まだちょっと外せない用があって。ごめんね。場所は分かるかな?」
「分かりました。はい。覚えてますよ」
「本当にごめんね。すぐに戻るから」
そう言って大槻さんは撮影場所を出て行った。
さっきまで話をしていたスタッフさんと別れ、真君に挨拶する為、休憩場所に行ったらまたクッキーを頬張っていたので話し掛けた。
「真君、甘い物好きなんだね」
「あ!桜李君!さっきビックリした?」
「したよ!!するなら言ってくれれば覚悟したのに!!」
「その言い方だとファーストキスじゃないね」
「え!?」
そう言われてれい先輩を思い出した。
「妬けるな…」
ボソッと何か言ったと思ったけどニコニコした顔をしてたから聞き間違いかな?
「桜李君、連絡先教えてよ」
「あ、うん。いいよ」
それから連絡先を交換して、ありがとう。またね。と言い真君とも別れた。
朝いた部屋に向かっていると視界の端に僕に背を向け階段に座っているカケルさんがいた。
朝の事を思い出し少し迷ってから話し掛けて見る事にした。
「じゃー、まず夜景をバックに待ち合わせしてる所から。桜李ちゃんは真君の頬に人差し指を当てて、待った?て言うような悪戯っぽい表情で真君を見てくれる?」
「はい!」
と言われたが素人の僕。
どうしていいか分からなくて言われたようにやってみたがこれでいいのかな?
少し不安が残りながらもやってみるとパシャパシャと何枚か撮られる。
すると真君が少し目を見開き、僕に向き直りギューッと抱き締めて来た。
周りからは、キャアッ!と声が上がって声のした方を見ると女性スタッフが頬を染めながら両手を握りしめてこちらを見ていた。
「いいよーいいよー!!君達の好きなように動いてね!!本当に恋人みたいだねぇ」
とカメラマンさんが僕達の周りを動き、写真を撮りながら声を掛けて来る。
「桜李君、上目遣いはダメ。グッと来て思わず抱き締めてしまったよ」
真君が耳元でそう言って来たが、背が高い真君を見るにはどうしても見上げてしまう。
それから、やっと離してもらって、じゃー、次!とカメラマンさんが言うのであれでよかったんだ。と少しホッとした。
手を繋いでいる所や真君に後ろから抱きしめられながら頭にキスをされている所、手の甲にキスをされている所や僕の腰を抱いて歩いている2人の後ろ姿等など…。
僕も挨拶などで両頬にチュッチュッとキスをするのでキスには抵抗ないが何せ僕は今、女性役!!
女性のように優しく扱ってくれる真君に恥ずかしい気持ちになる。
もうちょっと雑でいいよ。と言っても、写真の中じゃ桜李は女の子だから丁寧に扱いたい。と言われボボボッと僕の顔に熱が集まった。
こりゃ、真君が人気ある訳だ。と思った瞬間だった。
撮影は順調に進み、最後に花火をバックにキスしている2人のシルエットを撮るシーンになった。
カメラマンさんはシルエットだからキスしてるように見える距離まで近付いてくれたらいいよ。と言ったので、最後のキスシーンを聞いて心臓バクバクだった僕は少しホッとした。
だって本当にキスするの男同士とはいえ、恥ずかしいじゃん!
最後の撮影は後ろから花火を合成するのでシルエットだけを撮るため、上の方から強い光を当てるらしい。
強い光を当てられたらお互い顔を近付けてしばらくそのままでオッケーが出たら、本日の撮影は終了なんだって。
「じゃ、本番行くよー。光ちょうだい」
カメラマンさんがそう言うと眩しいくらいの光が当てられた。
僕は真君より低いので上を向く形になっている為、眩しすぎて目が開けられない。
すると顎に手を添えられ、真君の顔が近付く気配がした。
最後の撮影が始まる時、唇に柔らかい感触がした。
え……?
当たってない?
真君の唇が当たってない!?
眩しくて目は開けられないがこれは完全に当たっている!!
え、どうして?なんで?と思っていると、オッケーの声が聞こえ真君が離れた。
離れる間際に、ご馳走さま。と言われて…。
周りを見るとシルエットと光の眩しさでみんな本当にキスしていた事に気付いていない。
恥ずかしすぎる!!と思い、真君を見ると、してやったりな顔で笑ってこっちを見ていた。
また赤くなった頬に手を添え、目をそらした。
「桜李ちゃん!!素晴らしい写真が撮れたよ!!今日はありがとうね」
と、カメラマンさんに話掛けられた。
「こちらこそありがとうございました」
「絶対にこれはバカ売れだ!!ハッハッハッ」
とカメラマンさんは言いながらまた自分の持ち場に帰って行った。
「桜李さん本当に素晴らしかったです。何回も見惚れてしまいました」
次は最初に話し掛けてくれたスタッフさんがそう言いながら近付いて来た。
「いえいえ、全て真君のお陰です」
「桜李さんは謙虚ですね」
クスクス笑いながら言われ、そうですか?なんて言っているとポンッと肩に手を置かれた。
振り向くと大槻さんが立っていた。
「桜李君、お疲れ様。撮影大変だったでしょ」
「お疲れ様です!緊張しましたけどみなさんと真君のおかげで楽しく撮影出来ました」
「そっか。今日は本当にありがとうね。送るからまた朝いた部屋に戻っといてもらえるかな?まだちょっと外せない用があって。ごめんね。場所は分かるかな?」
「分かりました。はい。覚えてますよ」
「本当にごめんね。すぐに戻るから」
そう言って大槻さんは撮影場所を出て行った。
さっきまで話をしていたスタッフさんと別れ、真君に挨拶する為、休憩場所に行ったらまたクッキーを頬張っていたので話し掛けた。
「真君、甘い物好きなんだね」
「あ!桜李君!さっきビックリした?」
「したよ!!するなら言ってくれれば覚悟したのに!!」
「その言い方だとファーストキスじゃないね」
「え!?」
そう言われてれい先輩を思い出した。
「妬けるな…」
ボソッと何か言ったと思ったけどニコニコした顔をしてたから聞き間違いかな?
「桜李君、連絡先教えてよ」
「あ、うん。いいよ」
それから連絡先を交換して、ありがとう。またね。と言い真君とも別れた。
朝いた部屋に向かっていると視界の端に僕に背を向け階段に座っているカケルさんがいた。
朝の事を思い出し少し迷ってから話し掛けて見る事にした。
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