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番外編
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お待たせしました。と先程、案内された部屋に戻る。
入った瞬間、また大槻さんが固まってしまったけどすぐにニコニコになって似合ってるよ。と言ってくれた。
この姿が似合ってても嬉しくないんだけど…。
まだしばらく時間があるからゆっくりするといい。と言ってくれて大槻さんが入れ直してくれた紅茶を飲みながら大槻さんと話をしているとドアの向こう側が騒がしくなった。
大槻さんがちょっと失礼。と言って立ち上がった時、ドアがバンッと開いた。
「社長!!俺、無理!あんなブスと一緒に撮影なんか出来ねぇ!!」
「ちょっと!鮎川君!今、お客様が…!」
いきなりドアが開いたかと思うと凄い形相で大槻さんを見ながら文句を言っている背の高い少しチャラい感じの美形。
その後からメガネを掛けた真面目そうな男の人が追いかけて来た。
ビックリしていると大槻さんが見たこともない表情で怒っていた。
「カケル、ここは何の場所だ?大切なお客様と大事な話をする部屋だよな?そうやすやすと入って来られては困るんだよ。恥を知れ」
大槻さんがそう言って睨むとカケルと呼ばれた人はチッと舌打ちをしてメガネを掛けた男の人に腕をグイグイ引っ張られていた。
引っ張られてこちらに体が向いた時、僕と目が合ってしまった。
どうしよう。と思ったが一応、ペコリとお辞儀をした。
するとピッキーン!と体が固まったかのように大人しく腕を引っ張られていたカケルと呼ばれた人はその場で動かなくなった。
メガネを掛けた男の人が、ちょっと!鮎川君!と言いながらグイグイ引っ張るが微動だにしなかった。
大槻さんは、はぁ。とため息を付き額を手の平で押さえていた。
「美しい…」
ボソッと何かカケルと呼ばれた人が呟いたかと思うと掴まれている手を振り払い、僕の方までズンズン歩いて来た。
え?と思っていると僕の座っている目の前にひざまずき、じーっとこちらを見て来た。
首を傾げると、にっこぉーとさっきまで怒った顔が嘘のように、なんなら少し頬を赤色に染めて笑った。
そして
「社長!!この子がいい!この子と撮影したい!!」
と言い放ったのだ。
「カケルそんなわがままか通ると思っているのか。撮影に戻れ」
大槻さんが静かにそう言ったがその人は断固として譲らなかった。
「社長!お願い!!俺はひと目でこの子だと思ったんだ!!あんな色仕掛けしてくるブスと撮影出来ない!あのブスと撮るくらいならもう俺、事務所辞めてもいい!」
「何を馬鹿な事、言ってるんだよ!!」
メガネを掛けた男の人が咄嗟に叫んだ。
「マネージャー俺は本気だぜ。この子と撮らせてくれるなら最高の撮れ高を約束する。でも、この子じゃなくあのブスとならもうこの事務所は辞める」
あ、マネージャーだったんだ。
とゆうかどんどん険悪になって来てない?
大丈夫なの?
すると大槻さんが口を開いた。
「カケル、この子は事務所に所属していない一般人だ。それに俺が無理を言ってレイシーの代わりに午後の撮影に付き合ってもらうんだ。さらに無理を言うんじゃない」
「午後の撮影?レイシーの代わり?」
「あぁ、そうだ。だから…」
「真の相手がこの子!?まぢかよ…。だったら俺が受けるんだった!クソ!!」
大槻さんの話を遮ってそう言った。
よっぽどイライラしているのかせっかくセットされた頭をグシャグシャにした。
「いい加減にしろ!カケル!!お前もうちの看板モデルならわがまま言ってないでちゃんとやれ!全部がお前の言う通りになると思ったら大間違いだぞ!!」
あんなにニコニコしていた大槻さんの怒鳴り声で思わずこっちがビクッとなってしまった。
「あぁ…驚かせてごめんね。さぁ、もう撮影の時間だ。行こうか。カケル、お前は少し頭を冷やせ」
そう言って大槻さんは僕の手を引いて部屋を出た。
僕がカケルさんの横を通り過ぎる時、下を向いていて表情がよく見えなかった。
それから撮影場所まで案内され、大槻さんは他に仕事があるらしく撮影スタッフに僕の事をお願いし、撮影が終わる頃にまた迎えに来ると言ってすごく謝りながら出て行った。
撮影場所に入ると、桜李さん入りますと言われ拍手で迎えられた。
挨拶をしながら中に進むと1人で撮影しているモデルさんがいた。
あの人が新川真さんかな?
そう思って見ていると近くのスタッフの人が話しかけて来た。
「桜李さん、今日はよろしくお願いします」
見るととても優しそうな男の人だった。
「こちらこそよろしくお願いします」
「もう少し真君だけの撮影があるからこちらに座ってお待ち下さい。また撮影の時は呼びに来ますね」
その男の人は近くにあった椅子を引き、机に置いてあったお茶菓子の入ったカゴを僕の前まで引き寄せ、そう言ってどこかへ行ってしまった。
僕は大人しく椅子に座り真さんの撮影を終わるまでジッと見た。
真さんはやはりモデルなだけあって背も高いしスタイルもいい。
顔も凛々しく爽やかな美形さんだった。
僕は日本に来て間もない為、テレビも雑誌もまだそんなに見てないので芸能人の顔はよく分からないが看板モデルなだけあって真さんもカケルさんもかなりの有名人なんだろうな。と言うことだけは分かった。
真さんの撮影が終わったのだろう。
真さん、休憩入ります。と言う声が聞こえて来た。
すると真さんがこちらに向かって来たのでこの場所は休憩場所なのだろうと思い今、座っている席から奥の席にズレた。
真さんは僕が座っていた椅子に座りお菓子のカゴを漁っていたがピタッと手を止め、こちらを向いた。
バチッと目が合い、ずっと見ていた事に気付き、慌てて挨拶した。
「はっ!初めまして!神笠桜李と言います!今日はよろしくお願いします!!」
ペコリと頭を下げると真さんはガタッと席を立ち僕の隣に座って覗き込んで来た。
「初めまして。新川真です。こんな綺麗な子が相手になったんだ。嬉しいな」
ニコニコ笑ってそう言われたのでメイクさんの腕が良いだけですよ。と言ったらまたニコニコ笑ってた。
「桜李君、俺達タメだからタメ語でいいよ」
と言われ驚いた!!
雰囲気が落ち着いていたので勝手に大人の人だと思っていたからだ。
「あ!そうなんだね!分かった」
ニッコリ笑うと真君が
「役得だな。カケルが断ってくれてよかった」
と言うので、カケルさんを思い出した。
「あ…カケルさん…」
僕がついそう口にしたのを聞き逃さなかった真君がカケルが最初に候補だったの知ってるの?と聞いて来たのでさっきあったことを簡単に答えた。
「そっか。あいつワガママなんだよ。小さい頃からこの世界にいて目が超えちゃって自分に合う奴以外、拒否んの。しかも自分に色目使って来る奴にはとことん冷たいんだよね。ギラギラした女は嫌いらしい。根は良い奴なんだけどね。あ、ちなみにカケルもタメだよ」
「そうだったんだ…。え!?カケルさんもタメだったんだ!みんな大人っぽいね!!」
「この世界にいれば色んな大人と関わるから嫌でも大人っぽくなるのかもね」
そう言って手に持っていたクッキーの袋を開け、食べていた。
僕にもくれたので2人で食べていたら呼ばれたので撮影する場所に向かった。
入った瞬間、また大槻さんが固まってしまったけどすぐにニコニコになって似合ってるよ。と言ってくれた。
この姿が似合ってても嬉しくないんだけど…。
まだしばらく時間があるからゆっくりするといい。と言ってくれて大槻さんが入れ直してくれた紅茶を飲みながら大槻さんと話をしているとドアの向こう側が騒がしくなった。
大槻さんがちょっと失礼。と言って立ち上がった時、ドアがバンッと開いた。
「社長!!俺、無理!あんなブスと一緒に撮影なんか出来ねぇ!!」
「ちょっと!鮎川君!今、お客様が…!」
いきなりドアが開いたかと思うと凄い形相で大槻さんを見ながら文句を言っている背の高い少しチャラい感じの美形。
その後からメガネを掛けた真面目そうな男の人が追いかけて来た。
ビックリしていると大槻さんが見たこともない表情で怒っていた。
「カケル、ここは何の場所だ?大切なお客様と大事な話をする部屋だよな?そうやすやすと入って来られては困るんだよ。恥を知れ」
大槻さんがそう言って睨むとカケルと呼ばれた人はチッと舌打ちをしてメガネを掛けた男の人に腕をグイグイ引っ張られていた。
引っ張られてこちらに体が向いた時、僕と目が合ってしまった。
どうしよう。と思ったが一応、ペコリとお辞儀をした。
するとピッキーン!と体が固まったかのように大人しく腕を引っ張られていたカケルと呼ばれた人はその場で動かなくなった。
メガネを掛けた男の人が、ちょっと!鮎川君!と言いながらグイグイ引っ張るが微動だにしなかった。
大槻さんは、はぁ。とため息を付き額を手の平で押さえていた。
「美しい…」
ボソッと何かカケルと呼ばれた人が呟いたかと思うと掴まれている手を振り払い、僕の方までズンズン歩いて来た。
え?と思っていると僕の座っている目の前にひざまずき、じーっとこちらを見て来た。
首を傾げると、にっこぉーとさっきまで怒った顔が嘘のように、なんなら少し頬を赤色に染めて笑った。
そして
「社長!!この子がいい!この子と撮影したい!!」
と言い放ったのだ。
「カケルそんなわがままか通ると思っているのか。撮影に戻れ」
大槻さんが静かにそう言ったがその人は断固として譲らなかった。
「社長!お願い!!俺はひと目でこの子だと思ったんだ!!あんな色仕掛けしてくるブスと撮影出来ない!あのブスと撮るくらいならもう俺、事務所辞めてもいい!」
「何を馬鹿な事、言ってるんだよ!!」
メガネを掛けた男の人が咄嗟に叫んだ。
「マネージャー俺は本気だぜ。この子と撮らせてくれるなら最高の撮れ高を約束する。でも、この子じゃなくあのブスとならもうこの事務所は辞める」
あ、マネージャーだったんだ。
とゆうかどんどん険悪になって来てない?
大丈夫なの?
すると大槻さんが口を開いた。
「カケル、この子は事務所に所属していない一般人だ。それに俺が無理を言ってレイシーの代わりに午後の撮影に付き合ってもらうんだ。さらに無理を言うんじゃない」
「午後の撮影?レイシーの代わり?」
「あぁ、そうだ。だから…」
「真の相手がこの子!?まぢかよ…。だったら俺が受けるんだった!クソ!!」
大槻さんの話を遮ってそう言った。
よっぽどイライラしているのかせっかくセットされた頭をグシャグシャにした。
「いい加減にしろ!カケル!!お前もうちの看板モデルならわがまま言ってないでちゃんとやれ!全部がお前の言う通りになると思ったら大間違いだぞ!!」
あんなにニコニコしていた大槻さんの怒鳴り声で思わずこっちがビクッとなってしまった。
「あぁ…驚かせてごめんね。さぁ、もう撮影の時間だ。行こうか。カケル、お前は少し頭を冷やせ」
そう言って大槻さんは僕の手を引いて部屋を出た。
僕がカケルさんの横を通り過ぎる時、下を向いていて表情がよく見えなかった。
それから撮影場所まで案内され、大槻さんは他に仕事があるらしく撮影スタッフに僕の事をお願いし、撮影が終わる頃にまた迎えに来ると言ってすごく謝りながら出て行った。
撮影場所に入ると、桜李さん入りますと言われ拍手で迎えられた。
挨拶をしながら中に進むと1人で撮影しているモデルさんがいた。
あの人が新川真さんかな?
そう思って見ていると近くのスタッフの人が話しかけて来た。
「桜李さん、今日はよろしくお願いします」
見るととても優しそうな男の人だった。
「こちらこそよろしくお願いします」
「もう少し真君だけの撮影があるからこちらに座ってお待ち下さい。また撮影の時は呼びに来ますね」
その男の人は近くにあった椅子を引き、机に置いてあったお茶菓子の入ったカゴを僕の前まで引き寄せ、そう言ってどこかへ行ってしまった。
僕は大人しく椅子に座り真さんの撮影を終わるまでジッと見た。
真さんはやはりモデルなだけあって背も高いしスタイルもいい。
顔も凛々しく爽やかな美形さんだった。
僕は日本に来て間もない為、テレビも雑誌もまだそんなに見てないので芸能人の顔はよく分からないが看板モデルなだけあって真さんもカケルさんもかなりの有名人なんだろうな。と言うことだけは分かった。
真さんの撮影が終わったのだろう。
真さん、休憩入ります。と言う声が聞こえて来た。
すると真さんがこちらに向かって来たのでこの場所は休憩場所なのだろうと思い今、座っている席から奥の席にズレた。
真さんは僕が座っていた椅子に座りお菓子のカゴを漁っていたがピタッと手を止め、こちらを向いた。
バチッと目が合い、ずっと見ていた事に気付き、慌てて挨拶した。
「はっ!初めまして!神笠桜李と言います!今日はよろしくお願いします!!」
ペコリと頭を下げると真さんはガタッと席を立ち僕の隣に座って覗き込んで来た。
「初めまして。新川真です。こんな綺麗な子が相手になったんだ。嬉しいな」
ニコニコ笑ってそう言われたのでメイクさんの腕が良いだけですよ。と言ったらまたニコニコ笑ってた。
「桜李君、俺達タメだからタメ語でいいよ」
と言われ驚いた!!
雰囲気が落ち着いていたので勝手に大人の人だと思っていたからだ。
「あ!そうなんだね!分かった」
ニッコリ笑うと真君が
「役得だな。カケルが断ってくれてよかった」
と言うので、カケルさんを思い出した。
「あ…カケルさん…」
僕がついそう口にしたのを聞き逃さなかった真君がカケルが最初に候補だったの知ってるの?と聞いて来たのでさっきあったことを簡単に答えた。
「そっか。あいつワガママなんだよ。小さい頃からこの世界にいて目が超えちゃって自分に合う奴以外、拒否んの。しかも自分に色目使って来る奴にはとことん冷たいんだよね。ギラギラした女は嫌いらしい。根は良い奴なんだけどね。あ、ちなみにカケルもタメだよ」
「そうだったんだ…。え!?カケルさんもタメだったんだ!みんな大人っぽいね!!」
「この世界にいれば色んな大人と関わるから嫌でも大人っぽくなるのかもね」
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