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最終章前編 それぞれの反応
5 マイルサイド
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桜李が来ない…
挨拶運動をしてからもう30分は経ってるはずなのに…
もうそろそろ桜李が来ても良い頃のはず…
正門の入り口に立ってそんな事を思っていたらバタバタと何人か必死な様子で通りすぎた。
それを横目に見ながら桜李の来るはずの方向を見ていたら次は校舎からスーツを来た先生が焦った感じで寮の方向へ走って行った。
ん?あの先生は確か…
そう思っていたら俺の隣にいた灯夜が口を開いた。
「あれ?坂下先生が走ってるの初めて見たな」
「坂下先生?どっかで見た事あるな」
「なーに言ってんのー。おうちゃんの担任の先生じゃん。毎日、おうちゃんの教室にいて見てなかったの~?」
大悟が眠そうに言った。
あぁ、そうか。
そう言えば桜李のとこにいたら毎朝、時間になったら入って来てたな。
って言っても桜李以外、興味ないしなー。と思っていたら俺の横を通った生徒達の会話がたまたま聞こえ、それが引っかかった。
「まぢビックリしたよな」
「まさか頭を打って意識失うなんてな…」
「あぁー、俺心配すぎて今日何も出来ねぇ…」
嫌な予感がした。
そいつらの腕を掴み、何があったか聞く。
それは灯夜、大悟も一緒だったようで3人でその生徒達に詰め寄った。
「おい!今の話、何があった?」
「えっ!?」
突然、腕を捕まれ驚いているみたいだがそれどころじゃねぇ。
桜李が未だ登校して来ない事に加え、今の会話で嫌な予感しかしない。
「早く答えろ!!」
俺の怒気迫る声でそいつらは一瞬ビクッとなったが恐る恐る話し出した。
「あ…えっと…登校中、桜李様が花壇のブロックにつまづいて頭を打ったんです。そしたら頭から血を流して意識失っちゃって…」
その話を聞いた途端、サーッと血の気が引いた。
言葉を無くして何も言えなくなった俺に変わって灯夜が聞いた。
「それで今、桜李はどこにいる!?」
「風紀委員長が来て、桜李様を抱えて2年寮の医務室が近いからそこに向かうと言ってました」
その言葉を聞くや否やすぐに走り出す。
灯夜と大悟も来ているみたいだ。
俺は何を呑気に挨拶運動なんかしてたんだろう。
何で桜李を1人にしてしまったんだ。
桜李の側にいる為にオーストラリアからわざわざ追いかけて来たのにこれじゃ意味ねーじゃねぇか!!
そんな事をグルグル考えながら医務室に着いた。
バンッと勢い良く扉を開ければビックリした顔の保険医が顔を上げてこっちを見ていた。
「桜李は!?桜李はどこにいる!?」
そう言いながらベッドの方に向かいカーテンを開けていく。
いない!!
ここにもいない!!
ここも違う!!
「桜李!!桜李!!」
早く桜李の姿が見たくて必死に探した。
だけどどこにもいなかった。
俺の異常さに最初みんな固まっていたが大悟が俺を押さえる。
「離せ!!離せー!!」
「いったん落ち着け!!マイル!!」
「こんな状況で落ち着いてられっか!!」
「今は桜李の事を俺達は聞きたいんだよ!お前が暴れてたら聞くに聞けねーだろ!!」
それを言われてハッとした。
こんなに探しても桜李がいない。
桜李はどこに…?
静かになった俺を大悟は離して保険医に向き合った。
「先生、桜李はどこにいるの?」
「あぁ…神笠君…。神笠君は救急車で病院へ搬送させたよ。坂下先生が着いて行ってる」
「病院!?どこのだよ!?」
「君、少し落ち着きなさい。神笠君は高熱があってしかも頭を強く打った事で脳震盪を起こしたと思われる。だが、すぐに病院に搬送されたから今は落ち着いていると連絡があったよ。意識はまだ戻らないらしいがいずれ戻るだろう。それまでは病院に押しかけず待ちなさい」
「こんな状況で待ってられっか!!」
「それ神宮寺君も言ってたよ。だけど神笠君を思うなら今はそっとしときなさい」
「クソッ!!」
やり場のない後悔と自分への怒りでどうにかなりそうだった。
灯夜も大悟も下を向き、拳に力を入れ自分の感情に耐えているようだった。
桜李…どうしていつも俺を置いて行くんだよ…。
小さい頃から一緒に育って、これからも一緒に成長して行きたいよ…。
日本に行ったって聞いた時も絶望したんだ…。
だけどやっとまた桜李の側に居られるって思ったのに次は意識がないってどうゆうことだよ…。
俺をどこまで弄ぶ気なの…。
桜李…俺はお前がいないと生きて行けないんだよ…。
挨拶運動をしてからもう30分は経ってるはずなのに…
もうそろそろ桜李が来ても良い頃のはず…
正門の入り口に立ってそんな事を思っていたらバタバタと何人か必死な様子で通りすぎた。
それを横目に見ながら桜李の来るはずの方向を見ていたら次は校舎からスーツを来た先生が焦った感じで寮の方向へ走って行った。
ん?あの先生は確か…
そう思っていたら俺の隣にいた灯夜が口を開いた。
「あれ?坂下先生が走ってるの初めて見たな」
「坂下先生?どっかで見た事あるな」
「なーに言ってんのー。おうちゃんの担任の先生じゃん。毎日、おうちゃんの教室にいて見てなかったの~?」
大悟が眠そうに言った。
あぁ、そうか。
そう言えば桜李のとこにいたら毎朝、時間になったら入って来てたな。
って言っても桜李以外、興味ないしなー。と思っていたら俺の横を通った生徒達の会話がたまたま聞こえ、それが引っかかった。
「まぢビックリしたよな」
「まさか頭を打って意識失うなんてな…」
「あぁー、俺心配すぎて今日何も出来ねぇ…」
嫌な予感がした。
そいつらの腕を掴み、何があったか聞く。
それは灯夜、大悟も一緒だったようで3人でその生徒達に詰め寄った。
「おい!今の話、何があった?」
「えっ!?」
突然、腕を捕まれ驚いているみたいだがそれどころじゃねぇ。
桜李が未だ登校して来ない事に加え、今の会話で嫌な予感しかしない。
「早く答えろ!!」
俺の怒気迫る声でそいつらは一瞬ビクッとなったが恐る恐る話し出した。
「あ…えっと…登校中、桜李様が花壇のブロックにつまづいて頭を打ったんです。そしたら頭から血を流して意識失っちゃって…」
その話を聞いた途端、サーッと血の気が引いた。
言葉を無くして何も言えなくなった俺に変わって灯夜が聞いた。
「それで今、桜李はどこにいる!?」
「風紀委員長が来て、桜李様を抱えて2年寮の医務室が近いからそこに向かうと言ってました」
その言葉を聞くや否やすぐに走り出す。
灯夜と大悟も来ているみたいだ。
俺は何を呑気に挨拶運動なんかしてたんだろう。
何で桜李を1人にしてしまったんだ。
桜李の側にいる為にオーストラリアからわざわざ追いかけて来たのにこれじゃ意味ねーじゃねぇか!!
そんな事をグルグル考えながら医務室に着いた。
バンッと勢い良く扉を開ければビックリした顔の保険医が顔を上げてこっちを見ていた。
「桜李は!?桜李はどこにいる!?」
そう言いながらベッドの方に向かいカーテンを開けていく。
いない!!
ここにもいない!!
ここも違う!!
「桜李!!桜李!!」
早く桜李の姿が見たくて必死に探した。
だけどどこにもいなかった。
俺の異常さに最初みんな固まっていたが大悟が俺を押さえる。
「離せ!!離せー!!」
「いったん落ち着け!!マイル!!」
「こんな状況で落ち着いてられっか!!」
「今は桜李の事を俺達は聞きたいんだよ!お前が暴れてたら聞くに聞けねーだろ!!」
それを言われてハッとした。
こんなに探しても桜李がいない。
桜李はどこに…?
静かになった俺を大悟は離して保険医に向き合った。
「先生、桜李はどこにいるの?」
「あぁ…神笠君…。神笠君は救急車で病院へ搬送させたよ。坂下先生が着いて行ってる」
「病院!?どこのだよ!?」
「君、少し落ち着きなさい。神笠君は高熱があってしかも頭を強く打った事で脳震盪を起こしたと思われる。だが、すぐに病院に搬送されたから今は落ち着いていると連絡があったよ。意識はまだ戻らないらしいがいずれ戻るだろう。それまでは病院に押しかけず待ちなさい」
「こんな状況で待ってられっか!!」
「それ神宮寺君も言ってたよ。だけど神笠君を思うなら今はそっとしときなさい」
「クソッ!!」
やり場のない後悔と自分への怒りでどうにかなりそうだった。
灯夜も大悟も下を向き、拳に力を入れ自分の感情に耐えているようだった。
桜李…どうしていつも俺を置いて行くんだよ…。
小さい頃から一緒に育って、これからも一緒に成長して行きたいよ…。
日本に行ったって聞いた時も絶望したんだ…。
だけどやっとまた桜李の側に居られるって思ったのに次は意識がないってどうゆうことだよ…。
俺をどこまで弄ぶ気なの…。
桜李…俺はお前がいないと生きて行けないんだよ…。
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