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最終章前編 それぞれの反応
4 雷サイド
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バンッと教室の扉が勢い良く開いた。
みんな何だ何だとその扉を見る。
そこには息を切らせた桜李の親衛隊員が泣きながら立っていた。
遊星もビックリした顔でそいつを見ていた。
そいつは2年だ。
3年の教室で、しかも桜李の親衛隊員が来るって事は…。
「時任隊長様!申し訳ございません!私が不甲斐ないばかりに…。私は…何も出来ませんでした!申し訳ございません!!」
泣きながらいきなり謝りだしこっちも何が何だか分からない。
だが、桜李に何かあった事だけはすぐに分かった。
「おい。何があった」
「申し訳ございません…。申し訳ございません…。」
膝を着き手を組みながら下を向き、尚も謝り続けるそいつ。
落ち着け!と言う前に横からドスの効いた声が聞こえた。
「お前、謝ってるだけじゃ分からねんだよ。何があったかさっさと言えや」
横を見ると風紀委員時代の不良とやり合っていた頃の遊星に戻っていた。
最近は桜李の事もあり、ゆるゆるのニコニコマンだったから久々に見た。
「ヒッ!申し訳ございません!今日の朝、登校中…」
遊星に怯えながら話し出したそいつの内容に血の気が引いた。
意識がない…?
熱があった…?
救急車で搬送された…?
話を聞いている内にグルグルと色々な考えが駆け巡る。
遊星も呆気に取られた顔をしている。
「それで…?どこの病院に行ったか聞いたか…?」
「すいません。そこまでは分かりませんでした。ですが、坂下先生が付き添いで一緒に救急車に乗って行きました。坂下先生が帰ってくれば分かるかと思います
…」
「そうか。分かった。報告ありがとう。お前もいきなりの事で行動出来なかっただけだ。桜李の血を必死に止めようとしてくれた事には感謝する。あまり気に病むな。桜李の意識が戻り次第また親衛隊全員に連絡をする。それまでは気になるだろうが待機だ」
「分かりました…」
ペコッと頭を下げ、重い足取りでそいつは去って行った。
「桜李ちゃん…大丈夫かな…」
いつもの遊星に戻って少し暗い表情で聞いて来た。
「大丈夫じゃなきゃ俺が許さねぇよ」
「そう…だよね…」
「今から神宮寺の所に行ってどこの病院にいるか聞く。だいたいはあいつの病院だろうからな」
「おう!一緒に行く!」
そう言って2人で神宮寺の元へ足を向けた。
桜李はいつから熱があったんだろう。
俺といた時はそんな素振り見せてなかった。
そして俺の告白も桜李を悩ませる1つだったのだろうか。
あの時、言わなければよかったのか…?
そうすれば桜李は考え事をしながら歩かなくてすんだのではないか?
浮かれていた自分に腹が立つ。
後悔の念に駆られながら神宮寺の元へ向かうしかなかった。
みんな何だ何だとその扉を見る。
そこには息を切らせた桜李の親衛隊員が泣きながら立っていた。
遊星もビックリした顔でそいつを見ていた。
そいつは2年だ。
3年の教室で、しかも桜李の親衛隊員が来るって事は…。
「時任隊長様!申し訳ございません!私が不甲斐ないばかりに…。私は…何も出来ませんでした!申し訳ございません!!」
泣きながらいきなり謝りだしこっちも何が何だか分からない。
だが、桜李に何かあった事だけはすぐに分かった。
「おい。何があった」
「申し訳ございません…。申し訳ございません…。」
膝を着き手を組みながら下を向き、尚も謝り続けるそいつ。
落ち着け!と言う前に横からドスの効いた声が聞こえた。
「お前、謝ってるだけじゃ分からねんだよ。何があったかさっさと言えや」
横を見ると風紀委員時代の不良とやり合っていた頃の遊星に戻っていた。
最近は桜李の事もあり、ゆるゆるのニコニコマンだったから久々に見た。
「ヒッ!申し訳ございません!今日の朝、登校中…」
遊星に怯えながら話し出したそいつの内容に血の気が引いた。
意識がない…?
熱があった…?
救急車で搬送された…?
話を聞いている内にグルグルと色々な考えが駆け巡る。
遊星も呆気に取られた顔をしている。
「それで…?どこの病院に行ったか聞いたか…?」
「すいません。そこまでは分かりませんでした。ですが、坂下先生が付き添いで一緒に救急車に乗って行きました。坂下先生が帰ってくれば分かるかと思います
…」
「そうか。分かった。報告ありがとう。お前もいきなりの事で行動出来なかっただけだ。桜李の血を必死に止めようとしてくれた事には感謝する。あまり気に病むな。桜李の意識が戻り次第また親衛隊全員に連絡をする。それまでは気になるだろうが待機だ」
「分かりました…」
ペコッと頭を下げ、重い足取りでそいつは去って行った。
「桜李ちゃん…大丈夫かな…」
いつもの遊星に戻って少し暗い表情で聞いて来た。
「大丈夫じゃなきゃ俺が許さねぇよ」
「そう…だよね…」
「今から神宮寺の所に行ってどこの病院にいるか聞く。だいたいはあいつの病院だろうからな」
「おう!一緒に行く!」
そう言って2人で神宮寺の元へ足を向けた。
桜李はいつから熱があったんだろう。
俺といた時はそんな素振り見せてなかった。
そして俺の告白も桜李を悩ませる1つだったのだろうか。
あの時、言わなければよかったのか…?
そうすれば桜李は考え事をしながら歩かなくてすんだのではないか?
浮かれていた自分に腹が立つ。
後悔の念に駆られながら神宮寺の元へ向かうしかなかった。
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