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第五章
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あれから各校内の取り組みや校外の作りを見て回った。
ほとんどうちの学園と変わらないけど1つだけ。
こっちの学園は中庭に噴水があった。
すっごく大きくて噴水の下の水の中に金魚が泳いでた!!
すごいすごいと年甲斐もなくはしゃいでしまった。
水をパシャパシャしてみたり噴水に手を伸ばしてみたり。
それを遠くから見守る会長2人。
絶対子供だな。と思ってるんだ。と思うけどウキウキした気持ちは抑えられない。
だって!金魚が泳いでるんだよ!
しかも色とりどりの!
それはもうすっごく綺麗だし泳いでる姿を見るのは飽きない!
だいぶ満足した時にザワザワと周りが騒がしい事に気がついた。
ハッとして周りを見ると中庭を囲んでいる校舎から沢山の生徒達がこっちを見ていた。
全校生徒がいるんじゃないかと思うほど、中庭の周り、グルっと中庭を囲む校舎の2階、3階、4階にひしめく程の人、人、人。
えっ!?何!?
さっきのはしゃいでるとこ、こんなに見られてたの!?
はっ…恥ずかしー!!
顔が真っ赤になって行くのが分かり会長達の所に走って行こうとしたが何故かいなくなっていた。
どこ行ったの!?
僕、1人取り残さないでー!
そう思ってわたわたしていたら誰かに腕を掴まれた。
ビックリして腕を掴んでいる人を見ると高藤先輩が立っていた。
「高藤…先輩?」
「桜李、こっちだ。会長達は後から来る。今はここを抜けるぞ」
「はい!」
恥ずかしい姿を見られ早くこの場から去りたかった僕は高藤先輩に着いて行った。
連れて来られた場所は風紀委員室だった。
「高藤先輩ありがとうございました」
「いや、たまたまここから中庭が見えて桜李がいたからよ」
「そうだったんですね!本当に助かりました」
笑ってペコっとお辞儀した。
「いや、いい。桜李…」
するとふわりと高藤先輩が笑った後、真剣な顔になった。
なんだ?と思って首を傾げれば
「桜李、俺の事を高藤先輩なんて呼ばなくていい。仁って呼び捨てにしてくれていい」
「え!?いや、先輩なのに呼び捨てなんて出来ません!」
「桜李は俺と違う学校だ。だから先輩なんて思わなくていい。俺はお前に名前で呼ばれたい」
お互い立って話をしていたからか高藤先輩が目を逸らさずに近付いて来た。
「でも…」
「桜李、俺はお前にひと目見て、惚れたんだ。冗談なんかじゃない。惚れた奴に先輩後輩で意識して欲しくない」
「えぇぇ!?そんな…!」
「会ったばっかりなんだ。すぐに返事をくれとかすぐに意識しろとは言わない。だからまずお友達からじゃダメか?」
あの強面の高藤先輩が眉を下げ、僕と目を合わせて真剣な声で言って来る。
そんな顔でそんな事言われたらダメなんて言えないよね…。
「分かりました。じゃあ、仁!」
「うん。友達になったんだ。だから、敬語もいらねぇ」
「分かった!」
そう言うと本当に嬉しそうに笑った。
その顔に思わず赤面してしまったのは言うまでもない。
それから連絡先を交換してまた会う約束をした。
仁が入れてくれた紅茶を飲んでいるとバンッと勢いよくドアが開いた。
ほとんどうちの学園と変わらないけど1つだけ。
こっちの学園は中庭に噴水があった。
すっごく大きくて噴水の下の水の中に金魚が泳いでた!!
すごいすごいと年甲斐もなくはしゃいでしまった。
水をパシャパシャしてみたり噴水に手を伸ばしてみたり。
それを遠くから見守る会長2人。
絶対子供だな。と思ってるんだ。と思うけどウキウキした気持ちは抑えられない。
だって!金魚が泳いでるんだよ!
しかも色とりどりの!
それはもうすっごく綺麗だし泳いでる姿を見るのは飽きない!
だいぶ満足した時にザワザワと周りが騒がしい事に気がついた。
ハッとして周りを見ると中庭を囲んでいる校舎から沢山の生徒達がこっちを見ていた。
全校生徒がいるんじゃないかと思うほど、中庭の周り、グルっと中庭を囲む校舎の2階、3階、4階にひしめく程の人、人、人。
えっ!?何!?
さっきのはしゃいでるとこ、こんなに見られてたの!?
はっ…恥ずかしー!!
顔が真っ赤になって行くのが分かり会長達の所に走って行こうとしたが何故かいなくなっていた。
どこ行ったの!?
僕、1人取り残さないでー!
そう思ってわたわたしていたら誰かに腕を掴まれた。
ビックリして腕を掴んでいる人を見ると高藤先輩が立っていた。
「高藤…先輩?」
「桜李、こっちだ。会長達は後から来る。今はここを抜けるぞ」
「はい!」
恥ずかしい姿を見られ早くこの場から去りたかった僕は高藤先輩に着いて行った。
連れて来られた場所は風紀委員室だった。
「高藤先輩ありがとうございました」
「いや、たまたまここから中庭が見えて桜李がいたからよ」
「そうだったんですね!本当に助かりました」
笑ってペコっとお辞儀した。
「いや、いい。桜李…」
するとふわりと高藤先輩が笑った後、真剣な顔になった。
なんだ?と思って首を傾げれば
「桜李、俺の事を高藤先輩なんて呼ばなくていい。仁って呼び捨てにしてくれていい」
「え!?いや、先輩なのに呼び捨てなんて出来ません!」
「桜李は俺と違う学校だ。だから先輩なんて思わなくていい。俺はお前に名前で呼ばれたい」
お互い立って話をしていたからか高藤先輩が目を逸らさずに近付いて来た。
「でも…」
「桜李、俺はお前にひと目見て、惚れたんだ。冗談なんかじゃない。惚れた奴に先輩後輩で意識して欲しくない」
「えぇぇ!?そんな…!」
「会ったばっかりなんだ。すぐに返事をくれとかすぐに意識しろとは言わない。だからまずお友達からじゃダメか?」
あの強面の高藤先輩が眉を下げ、僕と目を合わせて真剣な声で言って来る。
そんな顔でそんな事言われたらダメなんて言えないよね…。
「分かりました。じゃあ、仁!」
「うん。友達になったんだ。だから、敬語もいらねぇ」
「分かった!」
そう言うと本当に嬉しそうに笑った。
その顔に思わず赤面してしまったのは言うまでもない。
それから連絡先を交換してまた会う約束をした。
仁が入れてくれた紅茶を飲んでいるとバンッと勢いよくドアが開いた。
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